自転車のサドルの高さを変えようとしたときや、サドルを外そうとしたときに
シートポストが動かくなってる!
なんてことが、たまにあります。
力いっぱい動かそうとしてもどうにもならないと、困りますよね。
でも、
シートポストの固着を外す方法は、いくつかあります!
そんな噂もあるようですね。
でもサンポールはかなり強い洗剤ですから、使っても大丈夫なのかどうかよく考える必要があります。
ということでこの記事では
- 固着したシートポストを外す方法
- 固着したシートポストを外すのにサンポールを使っても良いのかどうか
- シートポストの固着を防ぐ方法
について解説していきます。
ぜひ読んでくださいね!
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シートポストが固着する原因は何?
最初に、シートポストが何故固着してしまうのか、その原因をチェックしておきましょう。
原因となるのは主に
- 錆
- 電解腐食
- シートポストの太さが合わない
です。
錆での固着
一番ありがちな原因が『錆』です。
シートポストとシートチューブの間に
- 雨や湿気
- ちりやほこり
などが入り込んだために錆が発生し、シートポストが動かなくなってしまうのです。
電解腐食でくっつく
『電解腐食』というのは、異なる種類の金属が化学反応を起こして溶け、くっついてしまうことです。
シートポストとシートチューブが、この電解腐食でくっついてしまうことがあるのです。
軽度の電解腐食なら、外すことはできます。
でも『溶けてくっつく』という固着のしかたなので、
電解腐食がひどいと、外すのはかなり難しくなります。
シートチューブに合わない太さのシートポストを入れた
あまり多くはないケースだと思いますが、
シートチューブに対して太すぎるシートポストをむりやり挿しこんだ
ということが原因で外せなくなるケースもあります。
この場合も、一般の人が抜くのはかなり難しいです。
自転車のシートポストが固着したときの外し方
固着したシートポストを外す方法は、何通りかあります。
一般の人が試みて大丈夫な範囲の方法には
- 潤滑剤を使う
- 熱湯をかけた後に冷やす
- パイプレンチで回す
があります。
この方法で外せないときは、サイクルショップに頼んで外してもらうことがおすすめです。
また、『あまりおすすめはしないけど外せる可能性のある方法』もあります。
それぞれの方法について、見ていきましょう。
潤滑剤を使う
一番簡単で安全なのが、潤滑剤を使う方法です。
やり方は
- シートポストとシートチューブの間に、潤滑剤を吹き付ける
- 毎日少しずつ、何日間か続けて潤滑剤を吹き付ける
- 2、3日目あたりから、吹き付けたらシートポストを動かしてみる
シートポストが動くようになれば、外せる見込みがあります。
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毎日根気良く、『潤滑剤を吹き付けて動かす』という手順を繰り返してください。
熱湯をかけた後に冷やす
もう1つ、自分で試せる方法として
- 熱湯をかけて温度を上げる
- 冷水をかけるなどして急に冷やす
というのを繰り返す方法があります。
これは、金属の種類によって膨張率や収縮率が違うことを利用した方法で、
- シートポストとシートチューブの素材が違う
- 固着具合が軽い
という場合に効果があります。
でも、
- シートポストとシートチューブが同じ素材でできている
- シートチューブがカーボン製である
という場合には、不向きです。
同じ素材でできている場合は、膨張や収縮のしかたが同じなので、あまり効果がありません。
また、カーボン樹脂のフレームに熱湯をかけると、樹脂が傷む可能性があります。
なので、カーボン製のフレームには、熱湯をかける方法は使わないでください。
熱湯を使う時には、やけどしないように十分注意してくださいね。
パイプレンチで回してみる
もう1つ、
パイプレンチでシートポストをつかみ、回す
という方法があります。
『パイプレンチ』というのはこういう工具です。
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この方法で外すときは、先に紹介した潤滑剤を使う方法も併せて、
毎日少しずつ潤滑剤を吹き付けてから、パイプレンチで回してみると良いですよ。
ただし、この方法は、
- 力任せに回すと、シートポストがねじ切れてしまうことがある
- シートポストがねじ切れると固着している部分が残ってしまうので、抜くのがさらに難しくなる
というリスクがあります。
なので、
ある程度がんばってみてもダメなときは無理せず、ショップで抜いてもらってくださいね。
サイクルショップで外してもらう
ここまでに挙げた
- 潤滑剤を使う
- 熱湯をかけて温めるのと冷やすのを繰り返す
- パイプレンチで回してみる
の方法で外せないときは、
サイクルショップで外してもらいましょう。
プロに頼めばまず確実ですし、フレームを傷めたりする心配もありません。
逆に、無理に自分で外そうとすると、破損や怪我につながる可能性もあります。
サイクルショップに頼む場合の費用は状況によって違います。
3,000円前後で済む場合もありますし、30,000円くらいかかることもあります。
でも、怪我したり自転車を壊したりするよりは良いですよ!
あまりおすすめしない外し方
ここからは、『あまりおすすめはしないけどこういうやり方もある』ということで、いくつか手段を紹介します。
なぜおすすめしないかというと
シートポストを破損する可能性がある、もしくはシートポストを壊して外す方法だからです。
また、場合によってはシートチューブやフレームにも傷を付けかねません。
なのでこれから紹介する方法は、デメリットもよく考えて採用するかどうか検討し、自己責任で行ってくださいね。
シートポストに穴を開け、鉄の棒などを通して回す
- シートポストの真ん中に穴を開ける
- 穴に鉄の棒を通す
- 鉄の棒を回すことでシートポストを回す
という方法で、固着したシートポストが動くこともあります。
この方法も、潤滑剤と併用すると良いでしょう。
ただし、
- 固着がひどいと、棒が曲がってしまうこともある
- 外したシートポストは使えなくなる
というデメリットがある方法です。
『外したシートポストはもう使わない』という場合だけにしてくださいね。
また、穴を開けたり回したりする時には、ケガをしないように注意してください。
シートポストを切って、内部から切れ込みを入れて外す
もう1つ、
- シートポストとシートチューブの接続部に近い部分の上部を切る
- シートポストの内側からシートポストを切っていく
という方法もあります。
地道にシートポストを切っていく作業なので、
- シートチューブも傷付けかねない
- シートチューブに傷を付けないように、繊細な注意力、集中力が要る
- かなり根気が要る
というデメリットがあります。
実際にやった人も、かなり大変だった様子です。
シートポストを外すために
- パイプレンチで回す
- 切削用カッターでシートポスト内部から切る
- 金ノコで手作業でシートポストを切る
という作業をした人がブログ記事を書いているので、参考に読んでみてくださいね。
参考 『Kinoの自転車日記 自転車と共に過ごす日々』より 固着したシートポスト 取り外し方法
もちろん、外したシートポストは使えなくなります。
シートポストを抜くための治具を使う
シートポストの外し方を調べると、
自分でシートポストを外すための治具を作って外した
という人もいます。
『シートポストを外す治具』というのは簡単に言うと
ボルトやハンドルなどを回すことで、シートポストを引っこ抜く装置です。
といってもわかりにくいでしょうから、興味がある人はこちらのサイトを見てみてくださいね。
参考 Ganwell レストア その4-2 シートポストの固着バトル その2
この方法のデメリットは、なんと言っても
- 治具が市販されていないので、自分で作ることになる
- ネットオークションやフリマサイトで治具が出品される可能性もゼロではないが、品質や安全性が確かである保証がない
- 治具を自作するとなれば知識も技術も必要だし、時間も手間もかかる
ということです。
よほど工作が好きな人なら別ですが、一般的にはあまり良い方法とは言えません。
サイクルショップに頼んだほうが早くて楽です。
シートポストを外すのにサンポールは使える?
サンポールは、シートポスト外しには使わないでください!
- シートチューブの内部が腐食したり錆びたりする
- シートチューブの内部が錆びやすくなり、別のシートポストを入れた後にまた錆で固着する
といったリスクが高いからです。
サンポールは塩酸を含んだ強酸性の液体です。
そのため、金属を腐食させたり、サンポールが付いた部分が非常に錆びやすくなったりします。
シートポストを外せたとしても、シートチューブが傷んでしまっては元も子もありません。
メモ
サンポールのような強い成分の入った製品を使う時には、『効果があるかどうか』だけでなく、
- 起こりうるリスク
- リスクを防ぐ方法や、リスクを防ぐためにかかる手間
などもよく考えてくださいね。
関連記事:サンポールで錆取り(錆落とし)はおすすめできない!その理由とは?
シートポストの固着を防ぐには
シートポストは、固着しなければ何の苦労もしなくて済みますよね。
シートポストの固着は
- 2~3か月に1度はシートポストを抜く
- 抜いたらシートポストやシートチューブの内側にグリスを塗る
という方法で防ぐことができます。
こういうメンテナンスって、つい忘れたりやらないでいてしまったりしますよね。
でも、ちょっと手をかけるだけでシートポストを抜くときに苦労せずに済みます。
思い出したときだけでも良いので、メンテナンスをしてくださいね。
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まとめ
自転車のシートポストが固着して動かないときは
- 何日かにわたって、潤滑剤を吹き付けて動かしてみる
- 『熱湯をかけた後に冷水をかけて冷やす』を何度か繰り返す
- パイプレンチを使う
といった方法で外せる可能性があります。
ただし、
熱湯をかける方法
⇒シートポストとシートチューブの素材が同じ場合やシートチューブがカーボン製の場合はNG
パイプレンチで回す
⇒シートポストがねじ切れると、なおさら抜くのが難しくなる
というデメリットもあります。
自分で抜けないときはあまり無理せずに、サイクルショップに頼んで抜いてもらうのが良いですよ。
そのほうが、シートチューブやフレームまで傷める可能性もずっと低いです。
そして、シートポストを固着させないためには、
2~3か月に1度抜いて、グリスを塗る
というメンテナンスをするのがおすすめです。
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普段の手入れのついでにグリスを塗れば、そんなに大きな手間にはならずに済みます。
シートポストも手入れをして、快適なサイクリングを楽しんでくださいね。