年賀状や案内状、資料など、大切な文書を印刷するときに限って、
『プリンタの調子が悪くて、字がかすれてしまう!』
なんてことがありますよね。
本当に困りますよね。
でも、もし
- 字のかすれの原因が、インクの目詰まりである
- 使っているのが顔料インクである
ということなら、『マジックリン』でプリンタヘッドを洗浄することで解決できる可能性があります!
マジックリンには、顔料インクを溶かす効果があるからです。
ということでこの記事では
- マジックリンでプリンタヘッドを洗浄するときの注意点
- マジックリンでプリンタヘッドを洗浄する方法
についてチェックしていきます。
ぜひ読んでくださいね!
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プリンタヘッドを洗浄する前に
『インクが目詰まりしたかな?』と思ったらまずするべきこと
『インクが目詰まりしたかな』と思ったら、まずは
- インク切れでないかどうかを確認する
- プリンターユーティリティでの、プリンタヘッドクリーニング・強力クリーニングをする
- 取扱説明書の『故障かなと思ったときは』などの項目を確認する
- 取扱説明書に書いてある方法で手入れをする
ということをしてください。
案外、『目詰まりだと思ったけど、インク切れだった』なんてこともあるものです。
プリンタヘッドの洗浄は、これらの方法では解決できない場合に試しましょう。
マジックリンが溶かすのは『顔料インク』
マジックリンでプリンタヘッドを洗浄する前に、
使っているインクが『顔料インク』か『染料インク』かを確認してください。
マジックリンで洗浄できるのは、『顔料インク』だからです。
インクが顔料か染料かは、
- インクカートリッジのパッケージ
- インクカートリッジ本体
- インクカートリッジメーカーの商品紹介ページ
- ネットショップのインクカートリッジの商品説明
などで確認出来ます。
調べたところ、顔料ほどは効きが良くないようです。
メモ
染料インクを落とすのにアルコールを使う人もいますが、
顔料インクにはアルコールは使わないでください。
顔料インクにアルコールを混ぜると固まりになってしまい、かえって詰まってしまう可能性があります。
マジックリンでのプリンタヘッド洗浄は自己責任で
マジックリンを使って自分でプリンタヘッドを洗浄することには、
- プリンタヘッドの部品の素材によっては、部品を傷める可能性がある
- プリント基板など、水に接触してはいけない部品に水やマジックリンが付着すると、故障する可能性がある
- プリンタヘッドを外した場合、きちんと元に戻せないとプリンタが正常に作動しなくなる
- 自分で修理しようとして故障した場合、保証の対象外になる可能性が高い
といったデメリットがあります。
このことを理解したうえで、自己責任で行ってくださいね。
保証期間内なら、不具合の状況によっては無料で修理してもらえる可能性があります。
なので、保証期間内のプリンタなら、自分で洗浄するよりもメーカーに相談することをおすすめします。
プリンタヘッドを洗浄するときに注意すること
プリンタヘッドを洗浄するときには、
- 電源を切り、コンセントを抜いて作業する
- 基盤にはできるだけ触らないようにし、やむを得ず触るときは、静電気を除去してから触る
- プリンタヘッドを外す場合は、ねじをなくさないようにする
- プリンタヘッドに繋がっているホースやケーブルなどがあるときは、無理に引っ張らない
といったことに、十分注意してください。
プリンタは精密機械です。
ちょっとした静電気でも調子が悪くなってしまうことがあるので、気をつけて作業してくださいね。
プリンタヘッドをマジックリンで洗浄する方法
では、プリンタヘッドをマジックリンで洗浄する方法を見ていきましょう。
用意するもの
用意するものは、
新聞紙
⇒作業する場所に敷いて、テーブルなどを汚さないようにする
キッチンペーパー
⇒インクを吸わせるために、四つ折りにしたものを5~6セットくらい
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手袋
⇒マジックリンやインクが肌に付かないようにする
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マジックリンを薄めた液
⇒割合は、マジックリン1:ぬるま湯2
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ぬるま湯
⇒すすぎ用
綿棒
⇒マジックリンやぬるま湯をインクの注入口に注ぐのに使う
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キムワイプもしくはキッチンペーパー
⇒すすぎの後に水分を拭き取るため
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です。
プリンタヘッド洗浄の手順
step
1プリンタヘッドを外す
まず、プリンタのインクカートリッジを外し、プリンタヘッドを取り外します。
インクカートリッジやプリンタヘッドの外し方は、機種によって違います。
取扱説明書を確認したり、ねじの位置などをよく見て作業してくださいね。
プリンタヘッドを外したら、折って重ねたキッチンペーパーの上に置きます。
メモ
プリンタヘッドが外せない場合は、付けたままでプリンタヘッドの下にキッチンペーパーを敷き、洗浄することもできます。
付けたまま洗浄する場合は、マジックリンが他の場所に付かないように注意してください。
step
2マジックリンで洗浄する
薄めたマジックリンを綿棒に付け、インクの注入口のところに染み込ませます。
何度か注入口にマジックリンを付けると、下のキッチンペーパーにインクが染み出てきます。
汚れ具合に応じてキッチンペーパーを交換しながら、インクが薄くなるまで、繰り返しマジックリンを染み込ませてください。
メモ
綿棒ではなく、シリンジやスポイトを使ってもOKです。
ただし、注入口から溢れすぎないように、注ぎ方には注意してください。
step
3すすぐ
薄めたマジックリンを付けてもインクがあまり沁み出て来なくなったら、インクが落ちています。
すすぎに入りましょう。
すすぎ方は、
新しい綿棒をぬるま湯に浸し、同じようにして注入口に染み込ませていきます。
マジックリンの液が残らないように、念入りにすすいでください。
step
4水分を拭き取る
よくすすいだら、水分を拭き取りましょう。
水分を残さないように、すみずみまでていねいに拭き取ってくださいね。
このときには、
『キムワイプ』という特殊なウエスを使うのがおすすめです。
水にぬれても破れにくく、吸水性も良くて、繊維くずが付着しにくいからです。
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ティッシュペーパーは水に弱く、プリンタヘッドに繊維くずが付いてしまう可能性があるので、使わないでください。
『キムワイプ』がないときは、キッチンペーパーでもOKです。
step
5プリンタヘッドとカートリッジを戻す
水分をしっかり拭き取ったら、プリンタヘッドをプリンタに戻し、カートリッジも付けましょう。
そして、
半日くらい、電源を入れずにそのまま放置してください。
乾燥させるためです。
step
6プリントテストをする
時間がたったら、コンセントを挿して電源を入れ、
- プリントテスト
- プリンタの調整
などをしてください。
きれいにプリントアウトできたら、完了です!
洗浄してもうまく行かない場合
『目詰まりが取れているはずなのに、きれいに印刷できない』というときは、
- 噴射機構の不具合
- インク吸い込みチューブの詰まり
など、目詰まり以外の原因である可能性が高いです。
必要に応じて、購入店やメーカーに問い合わせ、修理について相談してくださいね。
その他のマジックリンを使った洗浄の方法
今回は、綿棒を使った洗浄の方法を紹介しましたが、他にも
- マジックリンを薄めた液をキッチンペーパーに染み込ませ、その上にプリンタヘッドを20~30分置いておく
- 注入口の部分をマジックリンの薄め液に直接浸す(基盤に液が触らないように注意が必要)
- プリンタヘッドを外さずに、ヘッドのの下にキッチンペーパーを敷き、マジックリン液を注入口に付ける
- マジックリンにセスキ炭酸ソーダを混ぜる
- マジックリンに台所用中性洗剤を混ぜる
といった方法で洗浄したというレポートもあります。
ただし、これらの方法も、自己責任で行ってくださいね。
また、マジックリンに他の洗剤などを混ぜるときは、
- 酸性やアルカリ性の強いものを避ける
- 塩素系漂白剤など、他の洗剤と混ぜてはいけないものは絶対に混ぜない
といったことに気を付けてください。
洗剤の成分によっては、部品を傷めたり有毒なガスが発生したりする可能性があるからです。
より簡単にプリンタヘッドを洗浄する方法
ここまで、マジックリンを使った洗浄方法を見てきましたが、
プリンタヘッドの洗浄は、『洗浄カートリッジ』を使うと、簡単にできます。
洗浄カートリッジの基本的な使い方
洗浄カートリッジの基本的な使い方は
- 洗浄液を出すためにプリントアウトする文書などを用意する
- インクカートリッジを外し、洗浄カートリッジを取り付ける
- 用意した文書を、文字の色が薄くなるまで印刷する
- 文字の色が薄くなったら、ユーティリティでヘッドクリーニングをする
- 電源を切らずに2~3時間放置する
- 再びヘッドクリーニングをする
- 洗浄カートリッジを外し、インクカートリッジを付ける
- 印字が元に戻るまで、テスト印刷を何回かする
- ノズルチェックやプリンタの調整をする
これで洗浄完了です。
プリンタヘッドを外したり、他の部品に洗浄液が付かないように気を使う必要がないので、楽ですよ。
実際の使い方は、洗浄カートリッジやプリンタのメーカーによって違います。
必ず、製品付属の『使い方』を確認してくださいね。
洗浄カートリッジを選ぶときの注意
洗浄カートリッジは、メーカー純正品を選ぶのが一番のおすすめです。
メーカー純正の洗浄カートリッジなら、
- インクに合った洗浄液が入っているので、効果的
- 成分が合わなくてトラブルが起きる可能性が低く、安心して使える
というメリットがあるからです。
プリンタのインクは、メーカーや機種によって種類や成分が違います。
インクの種類や成分に合わない洗浄液では、効果が十分得られない可能性があるのです。
また、純正品ではない洗浄液を使って不具合が起きた場合は、メーカー保証の対象外になる可能性があります。
純正品以外を使う時も、メーカーや型番に対応しているカートリッジを選んでくださいね。
そして、洗浄カートリッジが使えない機種もあります。
たとえば、
- エプソンの『エコタンク』搭載モデル
- キャノンの『ギガタンク』搭載モデル
です。
洗浄カートリッジが使えない機種には、無理に使わないようにしましょう。
インクの目詰まりの原因と予防方法
最後に、プリンタヘッドが目詰まりする原因と予防法を、簡単にチェックしておきましょう。
プリンタヘッドが目詰まりする原因は
- プリンタヘッドが乾燥してインクが固まってしまった
- ノズル部分にホコリなどが入り込んでしまった
- プリンタそのものの寿命である
ということが多いです。
こういったトラブルを防ぐためには、
プリンタを使った後は、プリンタヘッドがホームポジションに戻ってから電源を切る
⇒プリンタヘッドが乾燥したりホコリが入り込んだりするのを防ぐことができる
あまり頻繁に使わないときは、ときどき電源を入れる
⇒自動で簡単にヘッドクリーニングを行うので、軽い目詰まりを解消できる
ホコリの多い場所に置かない・使わないときは布をかけておく
⇒ホコリが入り込むのを防ぐ
ということが大切です。
どれも、とても簡単なことなので、ぜひ実行してくださいね。
それから、
究極の目詰まり防止策として、『レーザープリンターを使う』という方法もあります。
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レーザープリンターは『トナー』という細かい粒子を紙にくっつけて印刷するので、インクを使いません。
インクを使わないからインクの目詰まりも起きない、というわけです。
価格はレーザープリンターのほうが高いですが、
- 印刷するスピードが速い
- 長期間あまり使わなくても、目詰まりの心配がない
- 耐久性が高い
といったメリットもあります。
『目詰まりがストレスになる』という人は、レーザープリンターも検討してくださいね。
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まとめ
顔料インクを使っているプリンタのヘッド洗浄には、『マジックリン』が使えます。
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- プリンタヘッドを外す
- インクの注入口に少しずつマジックリンを入れる
- インクがしみださなくなったら、ぬるま湯を少しずつ入れてすすぐ
- 水分をよく拭き取り、プリンタヘッドを戻す
- 半日ほど放置してから、印字テストなどを行う
という方法です。
ただし、マジックリンでの洗浄は、
- 水に濡れてはいけない部品を濡らすと、故障する可能性がある
- 不具合が起きた場合、保証の対象外になる可能性がある
といったリスクもあるので、自己責任で、注意深く作業をしてください。
より安全に簡単に洗浄したいときは、メーカ純正の『洗浄カートリッジ』を使うのがおすすめです。
そして、目詰まりを防ぐには、
- プリンタヘッドがホームポジションに戻ってから電源を切る
- 使わなくても、ときどき電源を入れる
- プリンタにホコリがかからないようにする
ということを心がけてくださいね。