衣類には、いろいろな汚れが付きますが、中でも厄介なのが『泥汚れ』です。
子どもがいたり、泥汚れが付きやすい仕事などをしていると、日々泥汚れの洗濯物が生まれますよね。
でも、重曹を使って泥汚れを落とす方法があるんです!
ある程度時間が経ってしまった泥汚れにも、効果が期待できます。
セスキ炭酸ソーダも重曹と同じアルカリ性ですものね。
それについても見ていきましょう。
ということで、今回は
- 泥汚れを重曹で落とす方法や注意点
- セスキ炭酸ソーダでも泥汚れを落とせるかどうか
- 重曹以外のアイテムで泥汚れを落とす方法
について解説していきます。
ぜひ泥汚れをきれいにする参考にしてください。
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泥汚れの特徴とは?
まず、泥汚れの特徴をざっとつかんでおきましょう。
泥汚れの特徴は
- 水にも油にも溶けない『不溶性』である
- 繊維の奥に入り込んで絡みついてしまう
ということです。
この2つの特徴が、他の汚れより落ちにくい理由でもあります。
他の汚れと泥汚れの違いを比べると、こうなります。
普通の汚れ | 泥汚れ | |
性質 | 水溶性または油溶性 (水か油のどちらかには溶ける) | 不溶性 (水にも油にも溶けない) |
形状 | 液体 | 細かい砂や石などの個体 |
汚れの付き方 | 繊維に液体が浸み込んだり色が付いたりすることで『汚れ』になる | 細かい砂や石が繊維に入り込み、繊維が砂や石を抱え込んでいる状態 |
落とし方 |
| 繊維の奥に入り込んだ砂や石を、物理的な力で繊維の外に追い出す (泥汚れ専用の洗剤で分解することは可能) |
そうなんです。
だから泥汚れならではの落としにくさがあるのです。
重曹を使って泥汚れを落とす方法
重曹を使って泥汚れを落とす方法には
- 重曹と洗剤を揉み込んでから洗う
- 重曹で煮沸してから洗う
- 固形せっけんと洗剤で洗ってから重曹で浸け置きをし、洗う
という方法があります。
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先にも書いたように泥汚れそのものは、重曹のアルカリ性で落とすことは難しいです。
でも、
重曹と洗剤を揉み込む
⇒重曹の研磨力で泥を繊維から追い出す
重曹煮沸・洗剤で洗ってから重曹で浸け置き
⇒油脂を分解することで、皮脂汚れや油汚れなどと混ざって繊維に絡んだ泥を離れやすくする
という効果が期待できます。
なお、どの方法で洗うときにも、洗う前の洗濯表示の確認と下処理を必ずしてください。
洗濯前の準備
泥汚れを洗う前には、
- 洗濯表示を確認する
- 水で濡らす前の乾いた状態で下処理をする
ということが大切です。
まずは洗濯表示を確認!
泥汚れに限らず、服を洗濯する前には洗濯表示を確認しましょう。
洗濯表示のこのマークをチェックしてくださいね。
家庭での洗濯ができない衣類を家で洗うのは、自己責任になります。
家で洗えない服や大切で傷めたくない服は、クリーニングに出しましょう。
洗う前の下処理
泥汚れの付いた服は、いきなり水をかけて洗ってはいけません。
泥で汚れた服などを水で濡らす前に、
- 汚れの付いた服を乾かす(ドライヤーなどを使ってもOK)
- 乾いたら、ブラシや歯ブラシなどでこすって落とせる泥を落とす
という下処理をしてください。
なぜかというと、泥汚れには
- 乾燥すると汚れが浮きやすくなる
- 水分を含むと、繊維の奥のほうに入り込んでしまう
という性質があるからです。
なので、乾いた状態のままで落とせる汚れを落としてから、水や洗剤を使って落とすほうが効率的です。
メモ
ブラシなどでこするときに、力を入れすぎないように気を付けてください。
あまりゴシゴシ強くこすると、生地が傷んでしまいます。
重曹と液体洗剤を揉み込む洗い方
まず、重曹と液体洗剤を揉み込んで洗う方法です。
- 重曹と液体洗剤を、1:1で混ぜ合わせておく
- 重曹と洗剤を混ぜた液を泥汚れの部分に付けて、よく揉み込む
- 15分くらいおく
- 洗濯機で洗う
これだけです。
シンプルな方法ですが、普通の泥汚れならこれで落ちます。
重曹で煮沸する方法
靴下などの鍋に入る大きさで、綿素材でできた衣類なら、『重曹で煮沸する』という方法が使えます。
やり方は
- 鍋に水と重曹、粉末洗剤を入れる(割合は、水1Lにつき重曹と洗剤それぞれ大さじ1杯)
- 火にかけて沸騰させる
- 衣類を入れて30~40分くらい煮沸する
- 煮沸し終わったら、冷めるまでおく
- 冷めたら一旦すすぐ
- 洗濯機に入れて普通に洗濯する
この方法で洗うときには、
- 綿素材で、金属が付いていない生地のみOK
- 鍋の素材はステンレスなどの鍋を使い、アルミ、銅、真鍮の鍋は使わない
- 重曹は必ず水の段階で入れてから、鍋を火にかける
ということを守ってください。
化学繊維やシルク、ウールなどの生地は熱に弱いので、煮沸を避けましょう。
煮沸洗いして良いのは、基本的には綿だけと考えておいてください。
ステンレスなどの鍋を使うのは、アルミや銅、真鍮は重曹のアルカリ性で変色してしまうからです。
そして、重曹は沸騰してから入れるとお湯が噴き出すことがあり、危険です。
必ず水の状態で入れてから加熱してください。
固形石けんと洗剤で洗ってから重曹を使う方法
重曹を使って泥汚れを落とす3つ目の方法は、
- 固形せっけん+食器用中性洗剤で洗う
- 洗濯洗剤と重曹で浸けおきする
- 洗濯する
という3ステップの洗い方です。
この方法だと、ガンコな泥汚れや時間が経った泥汚れでも落とせます。
step
1固形せっけんと食器用中性洗剤で洗う
第1段階での洗い方は、
- 汚れ部分と洗濯用の固形せっけんをお湯で濡らす
- 泥汚れに、両面からたっぷり石けんを塗りつける(汚れ部分が白っぽくなるくらい)
- タライなどに水を入れて、石けんを付けた部分をよく揉み洗いする。
- 石けんで落とせる汚れが落ちたら、食器用洗剤を数滴たらしてさらに揉み洗いする
- 裏側から流水を当てながら、繊維の中の汚れや洗剤が落ちるまでよくすすぐ
これだけでも泥汚れがけっこう落ちるはずです。
この洗い方できれいになったときは、この後のステップを飛ばして洗濯機で洗って終わりにしてもOKです。
汚れが残っているときは、次のステップに行きましょう。
step
2重曹と洗濯洗剤に浸けおきする
第2段階の洗い方は、
- タライに40℃くらいのお湯を入れ、液体洗剤と重曹を入れる
- 1時間ほど浸けおきする
です。
重曹と洗剤の分量は、
洗剤
⇒洗う物の量に応じた『洗濯1回分』
重曹
⇒洗剤と同じくらいの量
です。
step
3洗濯機で洗う
重曹と洗濯洗剤での浸けおきが終わったら、洗濯機で洗います。
洗濯機で洗うときは、『いつも通りの洗い方』でOKです。
洗剤も普段通りに使ってくださいね。
重曹を使って洗うときに注意すること
重曹を使って洗濯をするときには、
- 重曹を使っても大丈夫な生地かどうかを確認する
- 手袋をして洗濯する
ということに注意してください。
重曹を使ってはいけない生地もある
- シルクやウールなど、動物性の繊維の服
- 草木染など、天然の染料で染めた服
- アルミや銅、真鍮などでできたパーツが付いている服
- 高価な服
は、重曹を使って洗ってはいけません。
なぜかというと、
動物性の繊維
⇒重曹のアルカリ性で繊維が弱くなり、傷んでしまう
天然染料
⇒アルカリ性で変色を起こす
アルミや銅、真鍮など
⇒アルカリ性で変色や変質を起こす
といったリスクがあるからです。
重曹を使って大丈夫かどうか判断できないときは、
- 生地の目立たない場所に少し重曹をつけて、しばらくおく
- 変色や変質が起きないか観察する
という方法で判断してください。
重曹での洗濯は自己責任になるので、高価な服にはおすすめしません。
高価な服はクリーニング店に頼んだほうが安心ですよ。
洗濯をするときには手袋を
重曹を使って洗濯をするときには、ゴム手袋をしてください。
重曹が手荒れの原因になることがあるからです。
重曹以外のアイテムを使って手洗いするときも、ゴム手袋着用がおすすめです。
肌の弱い人や荒れやすい人は特に、必ず手袋をしてくださいね。
重曹の代わりにセスキ炭酸ソーダでも代用できる?
セスキ炭酸ソーダは『重曹の代用にできる』『代用できない』両方の意見がありますが、
『狙う効果によって、効果が期待できる場合とできない場合がある』と考えておくのが妥当なところです。
具体的には
研磨力で泥を剥がしたい
⇒効果が期待できない
セスキ炭酸ソーダのアルカリ性を利用して、油汚れや皮脂汚れと混ざった泥を繊維から離れやすくしたい
⇒効果が期待できる
ということです。
セスキ炭酸ソーダを使うなら、靴下など、皮脂汚れと泥汚れが混ざっていそうなときに使ってみると良いですよ。
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メモ
酸素系・塩素系の漂白剤も、泥汚れを落とす効果はあまり期待できません。
漂白剤は『色素を分解する』という方法で汚れを解決する役割なので、泥そのものは十分落とすことができないからです。
重曹以外のアイテムで泥汚れを落とす方法
泥汚れを落とせるアイテムは、重曹だけではありません。
軽い泥汚れなら、液体洗剤でも落とすことができますし、
- スティックのり
- スクラブ入り洗顔フォーム
でも、泥汚れを落とすことができます。
洗濯用の液体洗剤で泥汚れを落とす方法
最初に『泥汚れは普通の汚れと違う』と書きましたが、軽い泥汚れなら、液体の洗濯用洗剤でも落とせます。
洗い方は何通りかあり、
- 泥汚れに直接液体洗剤を付けてから、洗濯機で洗濯をする
- 汚れの範囲が広い場合は、洗剤を少し薄めて付け、洗濯機で洗う
- 洗剤を薄めた洗濯液に1時間くらい浸けおきしてから洗濯機で洗濯をする
- 洗濯用石けんをよく泡立てて泥汚れの部分に付け、15分くらい置いてから洗濯機で洗う
- 泥汚れの部分に液体洗剤か洗濯用石鹸を付け、洗濯板で手洗いする
などです。
スティックのりを使う方法
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ちょっと意外かもしれませんが、『スティックのり』でも泥汚れを落とせるんです。
やり方は
- 汚れに水溶性のスティックのりを付ける
- 5分くらいおく
- 洗濯機で洗う
のりが泥をくっつけてくれるので、泥が落ちやすくなります。
それが、意外に大丈夫なんです。
水溶性ののりであれば水に溶けるので、他の洗濯物にくっついてベタベタすることもありません。
ただし、のりは必ず『水溶性』のものを使ってください。
でないと、生地にのりがくっついたままになってしまいます。
スクラブ入り洗顔フォームを使う方法
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『スクラブ入り洗顔フォーム』を使って泥汚れを落とす方法もあります。
使い方は
- スクラブ入り洗顔フォームを汚れ部分に塗る
- しばらくおく
- 洗濯機で洗う
洗顔フォームなら水に溶けるので、生地に付けても大丈夫です。
この方法の問題点は、
洗顔料のスクラブにマイクロプラスチックが使われていると、環境汚染につながる懸念がある
ということです。
でも、マイクロプラスチックビーズではなく、代替素材を使っているメーカーもあります。
スクラブ入り洗顔フォームを買う時は、マイクロプラスチックビーズを使っていない商品を選ぶと良いですよ。
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まとめ
泥汚れの付いた服を洗う前には必ず
- 服を乾かす
- ブラシなどで泥をはたき落とす
という風にして、落とせる汚れを落としておいてください。
そのうえで、
- 重曹と液体洗剤を混ぜ、泥汚れ部分に塗り込む
- 重曹で煮沸する
- 固形せっけんで揉み洗いしてから中性洗剤で揉み洗いし、さらに液体洗剤と重曹で浸けおきする
といった方法で処理をしてから洗濯機で洗えば、汚れが落ちます。
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ただし、服の生地によっては重曹で傷んでしまうことがあります。
- ウールやシルク
- 天然染料で染めた生地
- アルミや銅など、アルカリ性に弱い金属のパーツが付いている服
は、重曹を使わずに洗ってください。
セスキ炭酸ソーダを代用する方法は、皮脂汚れや油汚れと一緒に泥が付いているときには、効果が期待できます。
靴下など、皮脂汚れがついていそうなときは試してみてくださいね。
汚れは、早く落としたほうが楽に落とせます。
付いたら早めに洗ってきれいにしてくださいね。