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金属をサンポールメッキしたときの廃液後処理をわかりやすく解説!

サンポールメッキの廃液処理

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いろいろな用途に使えると言われている『サンポール』。

 

なんと、

『サンポールを使えば、自宅で好きな物にメッキ加工ができる』

という話もあります。

 

ガスオ
ガスオ
好きな物を好きなようにメッキ加工するって、楽しいだろうね。

そうですね。

 

ただし、サンポールメッキの一番の問題は

メッキに使った廃液の処理が難しい

ということです。

 

メッキはできても、廃液が処理できないのでは困りますよね。

 

ということで、この記事では

  • サンポールメッキで出た廃液の後処理の方法
  • ネットで検索すると出て来る廃液処理方法
  • サンポールメッキ以外の、自分でできるメッキ加工の方法

について解説します。

ぜひ読んでくださいね!

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サンポールメッキで出た廃液の後処理のしかた

サンポールメッキの廃液の正しい処理方法

サンポールメッキをして出た廃液は、どう処理するのが正しいかというと

廃液業者に頼んで、処理してもらうことです。

 

ネットで調べると、いろいろな人がいろいろな処理方法をしています。

でも、一般の人が家庭でできる範囲の処理方法には

  • 下水に流して良い金属の基準量を上回ったまま流してしまう可能性がある
  • 金属が基準を満たす濃度になっているかどうか、正確に測るのも難しい
  • セメントなどで固めたとしても自治体のゴミ収集で引き取ってもらえない可能性がある

といったリスクがあります。

 

ですから、きちんと処理をするにはやはり業者に頼み、適格な方法で処理してもらう必要があるのです。

 

サンポールメッキの廃液はなぜ業者に頼むべきなのか

なぜサンポールメッキの廃液を自分で捨ててはいけないかというと、

  • サンポールメッキの廃液には金属が含まれている
  • 金属を含む廃液は、法律で決められた基準を守って処分しなければならない

この2つの理由からです。

 

サンポールメッキの廃液には金属が含まれている

『サンポールメッキ』は、

  • サンポールを5倍くらいに薄めた液を電解液として使う
  • メッキに使う素材とメッキ加工をしたい物を電解液に浸し、それぞれ電極に繋いで電流を流す

という方法で行われるメッキ加工のことです。

 

この方法でメッキをした廃液には、

  • メッキに使った金属(金属イオン)
  • 塩酸

が含まれています。

 

この『金属が含まれている』ということが、廃液の処理を難しくしている部分なのです。

そのまま流すと、環境を汚染してしまうからです。

 

金属を含む廃液には規制がある

金属を含む廃液の処理については、環境汚染をふせぐために、

『水質汚濁防止法』という法律で規制されています。

 

排出水を排出する者は、その汚染状態が当該特定事業場の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならない。

引用 水質汚濁防止法 第 12 条第1項

 

メモ

排水の基準はこちらを参考にしてください。

参考 三明化成株式会社『排水処理』のページの『有害物質についての一律排水基準』

 

基準以上の金属を含む廃液は、きちんと処理をして、基準に合うようにしてから捨てなければなりません。

 

ガスオ
ガスオ
この法律は、一般の人でも守らなきゃいけないの?

筆者も法律に詳しいわけではないので、厳密にどうかはわかりません。

 

でも、『排出する者は』となっているので、一般の人も守るべき法律だと考えておいたほうが良いでしょう。

『一般の人』が大勢で勝手に廃液や汚染水を捨てたら、水質は守れませんものね。

 

より詳しく知りたいときは、水質汚濁防止法に詳しい専門家に尋ねてくださいね。

 

処理業者を見つけるのが難しい

『業者に頼むのが一番』と書きましたが、実際には

一般家庭から出たメッキ廃液を引き受けてくれる業者は、少ないです。

 

『業者を探したけど、引き受けてくれるところが見つからなかった』という人もいます。

個人から出た廃液だと量も少ないですし、その分、処理にかかるコストが上がってしまうのかもしれません。

 

個人からの依頼を受けてくれるかどうかは業者によるので、

廃液処理業者を探して、総当たりで問い合わせるしかないでしょう。

 

総当たり以外の方法では、

  • 知り合いに廃液業者がいるので、頼んで引き取ってもらった
  • 自分が働いている事業所で廃液が出るので、その廃液を頼んでいる業者に依頼した

など、つてを利用したという人もいます。

 

ただ、知り合いだからといっても、ムリにお願いするのはやめておきましょう。

 

ネット上で見つけた廃液の後処理方法とそのデメリット

メッキしてはみたものの、廃液はどうしよう

メッキしてはみたものの、廃液はどうしよう

ここからは、ネット上で見つけた自分で廃液を処理する方法と、そのデメリットについて見ていきましょう。

 

薄めて流す

先にも書いたように、金属を含んだ液体を流すときは、基準値以下まで薄めなければなりません。

 

サンポールメッキの廃液についても、『薄めて流せばよい』という人もいます。

 

どのくらい薄めるかは、金属の種類や量にもよりますが、

廃液に残った金属の量を測るなんて、一般の人には、まずできません。

 

また、『100mlの廃液に対して1,000Lくらいで薄めれば大丈夫では』と言う人もいますが、

これではかなり水道代がかかってしまいます。

 

重曹で金属を沈殿させる

サンポールメッキの廃液に、重曹を入れると、

  • 酸を中和する
  • 金属を沈殿させる

ということができます。

 

一見お手軽なようですが、

  • リトマス試験紙などを使って、きちんと中性になったのを確かめる
  • 金属イオンをしっかり沈殿させる
  • 沈殿させた金属を、何らかの方法で取り出す

ということが必要です。

 

沈殿させた金属は、ろ紙やキッチンペーパーで濾すこともできます。

 

でも、もし十分沈殿させられずに金属イオンとして廃液に残っていれば、ろ紙の目を通過してしまいます。

 

ですからこれも、流して良い基準値を下回ることができるかどうか、不確かな方法なのです。

 

中和してセメントで固める

セメントって、うちの自治体は不燃ごみダメ?

セメントって、うちの自治体は不燃ごみではダメ?

『廃液を中和したうえで、セメントに流し込んで固める』という方法の一番の問題は

『固めたセメントをどう廃棄するか』

 

金属を含むセメントを不燃物として出して良いかどうかは、自治体のゴミ分別方法の決まりによります。

『セメントは廃棄物処理業者に依頼してください』という自治体もあるでしょう。

 

また、廃棄のために金属を含む物を固形化するのには、これも基準があります。

参考 環境省『金属等を含む廃棄物の固型化に関する基準』

 

なので、もしセメントなどで固めて捨てるとすれば、

  • 固めたセメントの引き取り先を探しておく
  • 引き取ってくれる業者が見つかったら、どういう方法で固めれば良いか確認する

ということが必要になります。

 

【危険!】電気分解して金属を抽出する

サンポールメッキの廃液には、塩酸が含まれています。

 

塩酸の入った液体に含まれている金属を分離する方法として、『電気分解』という方法もあります。

(あくまでも、『方法としてはある』ということです。)

 

でも、

電気分解は絶対にしないでください。

 

なぜかというと、

有毒な塩素ガスが発生して、とても危険だからです。

 

塩素ガスは吸入すると、肺水腫など呼吸器の重大な病気や中毒を起こしかねません。

たとえ換気をしっかりしても、屋外であっても、電気分解での金属抽出はしないでくださいね。

 

サンポールでメッキをしたいなら

ここまで見てきたように、サンポールメッキには『廃液処理が大変』というデメリットがあります。

ですから、筆者としてはおすすめしません。

 

もし、それでもどうしてもサンポールメッキをしたいというのであれば、

廃液の処理方法にめどをつけてからにしましょう。

 

具体的には、

  • 廃液を処理してくれる業者
  • 廃液をセメントなどで固めるなら、固めた物を捨てる方法や引き取ってくれる業者

のどちらかを探す、ということになります。

 

『メッキしてみたは良いけど、廃液処理に困った』なんてことにならないように、先に処理方法を見つけておいてくださいね。

 

サンポールメッキに代わるメッキ方法はある?

メッキしてみたい…

メッキしてみたい…

サンポールメッキの廃液処理は大変ですが、かといって、適当な方法で捨てるわけにはいかないですよね。

 

ガスオ
ガスオ
『自分一人くらい』っていうわけにはいかない…よね。

そうですね。

もしたくさんの人が『自分一人くらい』と不適切な捨て方をしたら、水や環境は汚れてしまいます。

 

ガスオ
ガスオ
自分でメッキをするのは、あきらめたほうが良いのかな…。

いえいえ、他にも自分でメッキをする方法があるんですよ!

 

ここからは、サンポールメッキに代わるメッキの方法を紹介します。

 

メッキ調スプレーを使う

仕上がりに特にこだわりがなく、本格的なメッキでなくて良いなら、

メッキ調に染められるスプレーを使うのが、一番手軽です。

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  • スプレーはホームセンターなどで手軽に買える
  • 技術的にも簡単
  • 後処理も、自治体のゴミの出し方に従ってスプレー缶を捨てるだけ

といったメリットもあります。

 

『めっき工房』のキットを使う

『ちゃんとメッキをしたい』というのであれば、

マルイ鍍金工業の『めっき工房』を使うのがおすすめです。

 

『めっき工房』を使ってのメッキ加工は

  • 毒劇物取締法が適用になる薬品を使っていない
  • メッキする工程の中の水洗いで廃液は出るものの、家庭の排水口に流しても問題ないメッキ液を使っている
  • 余ったメッキは家庭の排水口には流せないが、メーカーで相談に乗ってくれる
  • 必要な道具がキットにそろっていて、メッキ加工が簡単にできる
  • メッキ液などの消耗品は、気軽に買い足すことができる

といったメリットがあります。

 

『めっき工房』のキットは、費用としてはサンポールメッキより高いです。

 

でも、

  • 廃液を処理してくれる業者を探す労力と時間
  • 廃液を固めたセメントなどの処理方法を見つける労力と時間
  • 業者に処分してもらうのにかかる費用

を考えたら、コスパは十分ですよ!

 

『めっき工房』について詳しくは、こちらのサイトを見てくださいね。

 

マルイ鍍金工業の製品案内 簡易めっき用具『めっき工房』

日信工業株式会社『めっき工房』

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まとめ

サンポールメッキをした後の廃液の処理方法は、

『廃液処理業者に依頼する』

これが最も安全で確実、かつ環境への負担も避けられます。

 

ただ、個人からの少量の廃液を引き取ってくれる業者が見つかりにくいのが難点です。

 

他にも処理方法はありますが、

水で薄める

⇒かなり大量の水が必要で、水道代がかかる

金属を沈殿させて、サンポールと分けて処分する

⇒金属イオンをきちんと取り除けたか確かめるのが難しい

廃液を中和し、セメントで固める

⇒金属を含んだセメントを捨てる方法や引き取ってくれる業者を探さなければならない

といったデメリットがあります。

 

こういった、廃液処理の難しさを考えると、

サンポールでメッキ加工をするのは、おすすめしません。

 

  • メッキ調のスプレーを使う
  • 『めっき工房』などの、手軽で安全にメッキ加工ができるキットを使う

といった方法のほうが、ずっと楽ですよ!

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