寒い冬をポカポカ快適に過ごせる、ガス床暖房。
…のはずが
スイッチを入れているのに、暖かくない!
なんてことになっていませんか?
せっかくの床暖房なのに暖かくなかったらガッカリしちゃいますよね。
床暖房が暖まらないのには、どんな原因があるのでしょうか。
また、
『床暖房にカーペットを敷くと、暖まりが悪くなる』
という話もありますよね。
これは本当なのでしょうか?
そこで今回は、
- ガス床暖房が暖まらない原因
- ガス床暖房が暖まらない場合のチェックポイントと対応
- 床暖房ではカーペットを使わないほうが良いのかどうか
について解説します。
ぜひ読んでくださいね!
ガス床暖房が暖まらない!その理由は何?
床暖房が暖まらない理由や原因は、多岐にわたります。
ちょっとしたことから、床暖房の故障や、家の構造そのものの問題まで。
どんな原因があるのか、そしてその対応を見ていきましょう。
床暖房が暖まらないシンプルな理由と対応
床暖房が暖まらない時に、最初にチェックしたいのは
『うっかりミスやすぐに対応できることが原因になっていないか』
です。
たとえば
- スイッチを入れ忘れている
- タイマーなどでスイッチが切れた状態になっている
- リモコンの温度設定が低くなっている
- スイッチを入れてまだ時間がたっていない
- 室内の温度感知センサーがついたリモコンに、直射日光や他の暖房器具の温風が当たっている
- 床暖房を点けている範囲が狭い
- カーペットやラグを敷いているために、熱が遮られてしまっている
といったことですね。
スイッチが切れている
『床暖房が暖かくならない』と気が付いたら、まず
- スイッチが入っているか
- タイマーでスイッチが切れていないか
を確認してください。
スイッチを入れたつもりで、実は入ってなかったり、タイマーでスイッチが切れていたり、ということもあります。
リモコンの温度設定が低くなっている
うっかり、リモコンの温度設定を下げたままだった!
なんてことも、時にはあるものです。
『スイッチが入っているのに暖かくない』というときは、温度設定を確認しましょう。
スイッチを入れてから、時間が経っていない
床暖房は、スイッチを入れてから暖まるまでに、30分から1時間くらいかかります。
ですから、スイッチを入れてすぐ暖かくならなくても、故障でも何でもありません。
しばらく待ってくださいね。
床暖房が暖まるまでが寒くてしょうがない!
というときは、エアコンやヒーターなどを使うと良いですよ。
また、起きる時間や家に帰る時間に部屋が暖まっていてほしいときは、タイマーを使うのもおすすめです。
リモコンに直射日光や他の暖房器具の温風が当たっている
床暖房の室内温度のセンサーは、リモコンについていることもよくあります。
ですから、
リモコンに直射日光や暖房器具の温風が当たらないようにしておきましょう。
リモコンに直射日光や他の暖房器具の温風が当たっていると、センサーが暖まってしまいますよね。
それによって
『部屋が十分暖まっている』と判断し、運転を弱めたり止めたりしてしまうことがあるのです。
床暖房を点けている範囲が狭い
スイッチを入れた床暖房の面積が、部屋の広さに対して狭いと、やはり部屋は十分に暖かくなりません。
たとえば、
リビングとダイニングが続いていて、両方に床暖房があるが、ダイニングの床暖房しかオンにしない
という使い方です。
この場合は、
- 両方の床暖房をつける
- たとえば、『今は短時間しか暖房を使わないから、両方点けるのはもったいない』というときは、床暖房ではなくファンヒーターやエアコンを使う
という方法がおすすめです。
カーペットやラグを敷いているために、熱が遮られてしまっている
カーペットについては、後で詳しく書きますが、
床暖房にカーペットを敷くと、どうしても熱が遮られてしまいます。
ですから、
- 床暖房にはカーペットを敷かない
- どうしてもカーペットを敷くなら、床暖房向けのカーペットを使う
としてください。
床暖房の機械の部分に原因がある場合
床暖房が暖かくならないのには、機械部分に原因があることもあります。
- 不凍液が足りない
- 給湯器に不具合がある
- リモコンが壊れてしまった
- 給湯器や床暖房の初期不良
- カーペット仕上げの床暖房に重いものを置いているため、配管が圧迫されている
といったことです。
機械的な不具合の場合は、自分では対応できないこともあります。
機械的な不具合かな?と思ったらメーカーや業者に連絡してください。
不凍液が足りない
不凍液を使っている場合、配管の中の不凍液が足りなくなると、
- 暖まりが悪くなる
- 部屋を暖めようとしてよけいにガスを消費してしまう
ということがあります。
不凍液が足りなくなると、床暖房のリモコンにエラーメッセージが出るので、わかります。
なので、
- 時々リモコンの表示を確認して、不凍液が足りない時は説明書に従って不凍液を補充する
- 特に、シーズン最初に運転する時には、エラーメッセージが出ていないか、リモコンを確認する
ということを心がけてください。
なお、
ついこないだ補充したばかりなのに、エラーメッセージが出た
といった場合は、配管が壊れている可能性もあります。
業者に問い合わせてみてくださいね。
給湯器に不具合がある
床暖房は給湯器で水を温めるので、給湯器に不具合が出ると床暖房にも影響が出てしまうことがあります。
給湯器の故障には
- 寿命
- 排水管や給水バルブなどの、給湯器の部品の故障
- 凍結
- 雨や台風の影響で、一時的に点火しにくくなる不具合が出る
といった原因があります。
対応の仕方としては、基本的には
業者に連絡して対応してもらうことです。
豆知識
雨や台風の影響についてですが、給湯器は、ある程度の雨や風に耐えられるように作られています。
でも、想定以上の激しさで雨が降ると、
給湯器の中に雨が入り込んで点火しにくくなること
があります。
リモコンの故障
リモコンも器械ですから、
- 初期不良
- 寿命
- 落雷
などで壊れることがあります。
これは自分では直せない故障なので、業者に連絡しましょう。
『落雷で壊れる』というのは、滅多にないことです。
でも、雷が落ちた後に他の電気機器に異常があった時は、給湯器や床暖房のリモコンもチェックしてくださいね。
給湯器や床暖房の初期不良
給湯器も床暖房も、基本的にはきちんと設計され、テストもしたうえで、販売や設置、施工がされています。
でも、中には初期不良が起きてしまう時もあります。
『設置して間もないのに、不具合が出た』という時は、これも業者に連絡してください。
配管が圧迫されているなど、配管の流れが悪くなっている
配管の中の水や不凍液の流れが悪くなると、床暖房の暖まりは悪くなってしまいます。
もちろん、普通に使っている分には、配管が詰まることはあまりありません。
でも、たとえば
『カーペット仕上げの床暖房の上に、重いものを置いている』
などの場合には、配管が圧迫されて、流れが悪くなってしまうことがあります。
カーペット仕上げの場合はもちろん、フローリングの床暖房でも、大きな家具や重い家具を置く場合には、
- 床暖房の上を避ける
- ピアノなどの重い物を置く場合には、下にパッドを敷く
といった注意が必要です。
ですから、
床暖房のある部屋に大きな家具や重い家具を置く時は、どういう置き方が良いか、業者に確認してくださいね。
建物の構造や床暖房の設置状況などが原因の場合
建物全体の問題が原因で、床暖房の効果が出なくなってしまうこともあります。
どんな問題かというと、
- 床下の断熱の措置が不足している
- 部屋の広さに対して、床暖房の面積が少ない
- 家の断熱性が低い
といったことです。
床下の断熱の措置が不足している
せっかく床暖房を設置しても、
床下の断熱性によっては、十分に暖かくならないこともあります。
床暖房を入れる時には、たいてい、床下の断熱材の状況をチェックし、必要なら取り換えたり足したりします。
でも、万が一この工程がいいかげんだったりすると、床暖房の効きも悪くなってしまいます。
もし、『床暖房や給湯器をチェックしてもまったく異常がないのに、暖まりが悪い』という場合には、
施工業者に断熱材の仕様や状況を確認してみると良いでしょう。
部屋の広さに対して、床暖房の面積が足りない
部屋の広さに対して床暖房の面積が足りないために、部屋が暖かくならないこともあります。
これは、持ち家よりも賃貸や分譲マンションにあるケースで、
『床暖房付きと書いてあったが、暖房効果の不十分な設置の仕方だった』
などの問題です。
たとえば、
12.6畳の広さの部屋に、2畳分程度の床暖房しか設置されていなかった
というケースがあります。
これでは全く足りないですよね。
でも、貸す側、売る側としては『床暖房付であることに変わりはない』ということで、『床暖房付』と書いていたのでしょう。
でも、これではがっかりですよね。
賃貸や分譲マンションでのこういったトラブルを避けるためにも、
契約前に、『床暖房が部屋全体の広さの50~70%以上の広さで設置されているかどうか』をきちんと確認しましょう。
目安として、床暖房の面積が部屋の50~70%くらいあれば、暖房効果が得られます。
一方、持ち家の場合は、自分で床暖房の面積を決められますよね。
ですから、
『暖房効果を得られる面積で設置する』ということをきちんとやれば、問題ありません。
業者も、あまり面積が少ないと
と教えてくれるはずです。
家の断熱性が低い
床暖房は、
家の建物そのものの断熱性が低いと、十分な効果が出なくなってしまいます。
せっかく暖めても熱が逃げてしまい、部屋の中の暖かさを保てないからです。
特に、古い住宅では、家の断熱性が低い場合や、地域や気候に合った断熱施工がされていないこともあります。
そういう住宅では、床暖房の効果も落ちてしまいます。
そのため、古い家をリフォームして床暖房を入れる時には、
- 気密性を高める
- 断熱性を高める
ということも、併せて考えてください。
豆知識
古い住宅をリフォームする場合、気密性や断熱性を高めるだけでも、けっこう暖かくなることもあります。
中には、
断熱性能をしっかり上げるリフォームをしたら、床暖房を付けないで済んじゃった
なんてケースもあります。
リフォームで断熱性能が上がりそうだったら、どのくらい暖かくなりそうかも考えて、床暖房を検討すると良いでしょう。
暖まらないときのチェックポイントまとめ
では、床暖房が暖まらない時にチェックすることを、まとめておきましょう。
第1段階簡単にできるチェックポイント
『床暖房が暖かくないな…』と思ったら、まずここをチェックです。
簡単にできるチェックポイント
- スイッチは入っていますか?
- リモコンにエラーメッセージは出ていませんか?
- 設定温度は低くありませんか?
- スイッチを入れてから十分時間がたっていますか?
- リモコンに、直射日光や温風が当たっていませんか?
- 床暖房は全面オンになっていますか?
- 不凍液は足りていますか?
- 窓が開いていたり、換気扇が回りっぱなしになったりしていませんか?
エラーメッセージが出ていたら、説明書に従って対応してください。
不凍液も自分で補充することができます。
説明書を読みながら、やってみてくださいね。
第2段階ちょっと本格的なチェック
次に、ここまで書いたことをチェックしてみても暖まらない場合のチェックポイントです。
機械的なこともそれなりに入ってくるので、無理せず、できる範囲で確認や対応をしてくださいね。
本格的なチェックポイント
- ヘッダーボックスを開けて、中の配管が温かいかどうかチェック
- 熱源機(給湯器)のガス栓は開いているか
- 暖房用元バルブがある場合は、全開になっているかどうか
- 電源プラグがコンセントに差し込まれているか(コンセントでない場合は、熱源機のブレーカーが『入』になっているかを確認)
機械が苦手で自信がない場合や、チェックしてみてもわからない場合は、販売店や業者に問い合わせてみましょう。
第3段階『故障』かどうかを確かめる方法
ここまでのことをチェックしても暖まらない場合は、故障の可能性も考えられます。
故障かどうかを確かめるには、
- 設定温度を35℃以上にする
- 半日くらいそのまま運転する
ということをやってみましょう。
これで温度が上がれば、故障ではありません。
でも、もしこれで温度が上がるのが感じられなければ、不具合の可能性が大きいです。
販売業者に連絡して、点検してもらってください。
全部チェックしても暖まらないときは
ここまでのことをチェックして、
業者の点検でも『異常なし』となった場合は、建物の断熱性などの問題である可能性もあります。
断熱材の状況などを、業者に確認してみるとわかるでしょう。
ただ、難しいのは、『確認した後どうするか』ですよね。
業者の施工ミスで断熱性能が不十分な場合は、交渉もできます。
ただ、断熱性を高めるとすれば、大掛かりな工事にもなってしまいます。
どうするかは、工事の規模や、かけられる費用にもよります。
業者とも相談しながら、よく考えてください。
『床暖房が暖まらない』以外の気になる症状
床暖房で
これって故障?それとも気にしなくて良いの?
と思うような症状は、暖まりが悪いこと以外にも、あります。
たとえば、よくあるのは、
- 床暖房を使っていないのに床が暖かい
- 床から音がする
という症状です。
この2つについて、解説しましょう。
床暖房を使っていないのに床が暖かい
『スイッチを入れていないのに、なんとなく床が暖かい』というときは
明らかに温度が高いわけではない
⇒様子を見て大丈夫
明らかに温度が高い
⇒業者に連絡して点検してもらう
明らかに温度が高いわけではないが、頻繁で気になる
⇒業者に相談する
という対応をしてください。
豆知識
温水式床暖房は、配管の中に空気が溜まることがあります。
その空気を抜くために、約半月~1ヵ月ごとに、自動的にポンプが作動します。
この時、浴室暖房などの他の機器を使っていると、床の温度が一時的に、少し上がることがあるのです。
この場合は、異常というわけではありません。
床から音がする
床暖房で『パチパチ』などと音がするときは、
異常ではない場合と、点検したほうが良い場合、両方の可能性があります。
判断が難しいので、念のため点検してもらってください。
音がする原因が
- パネルや仕上げ材、床の構造体などが、床暖房の温度の変化によって膨張したり収縮したりすることで音が出ている
- 水が配管を通る音がする
といった場合は、異常ではありません。
一方、
- 温水の流れる速さが速すぎる
- 配管の中を空気が流れている
というときは、点検や調整をしてもらったほうが良いです。
部屋の中で音がするって、なんだか気になってしまいますよね。
気にしながら過ごすより、業者にチェックしてもらったほうが、安心ですよ!
床暖房が故障した!修理費用はどのくらい?
床暖房が故障してしまった時に気になるのが
修理にかかる費用
ですよね。
床暖房の修理には、
床暖房そのものの修理
⇒30~80万円
給湯器の故障
⇒1~10万円
くらいかかってしまいます。
もちろん、床暖房の設置範囲や故障の具合にもよりますが、けっこう大きな額ですよね。
やはり、なるべく故障させずに使いたいものです。
床暖房をなるべく長持ちさせるためには、
普段から、必要なメンテナンスや点検をしておくことが大切です。
また、急な故障があっても費用のことで慌てないで済むように、早めに修理費用について考えておくと良いでしょう。
床暖房の寿命や修理については、こちらの記事で解説しています。
関連記事:床暖房の故障の症状と寿命について解説!使わないと壊れるのは本当?
ガス床暖房にカーペットはダメ?
床暖房が暖まらない原因の1つに
カーペットやラグで、熱が遮られている
ということもあります。
ここからは、床暖房とカーペットについて、考えてみましょう。
床暖房でカーペットを敷かないほうが良い理由
結論から言うと
必要でないのなら、床暖房にはカーペットを敷かないほうが良いです。
先にも書いたように、一番の理由は、
カーペットが床暖房の熱を遮ってしまうため、暖房の効率が落ちてしまう
ということです。
ただ、その他にも
- カーペットを敷いた場所に熱がこもって危険
- 素材によっては、カーペットが溶けたりべたついてしまったりする
- カーペットが溶けたりすると、床も傷めてしまう
といった理由もあります。
なので、『気に入ったカーペットがあるから、インテリアに!』と敷くのは、やめておいたほうが良いです。
もし『床の上に直に座るのが好きじゃないからカーペットを』ということなら、
座る時に、座るスペースだけを覆う小さいカーペットやクッション、座布団などを使う
という方法が、おすすめです。
床暖房にカーペットを使いたい場合は
床暖房にはカーペットを敷かないほうが良い、と言われても
- 『子どもがいて、走り回ったり飛び跳ねたりする音が気になる』
- 『ペットが床で滑って足腰を痛めないように、カーペットを敷きたい』
- 『自分のインテリアのセンスとして、カーペットなしはあり得ない!』
ということもあるでしょう。
そんなときは
必ず、床暖房対応のカーペットを使ってください。
床暖房対応のカーペットなら、普通のカーペットに比べて暖房効率も落ちにくいですし、耐熱性もあって溶ける心配もありませんよ!
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暖房効率をなるべく落とさないためには
カーペットは敷きたいけど、暖房効率を落としたくない!
というなら、
- 薄手のカーペットを敷く
- なるべく小さい範囲に敷く
がおすすめです。
全面には敷かない
床暖房対応のカーペットを使うとしても、
やはり床全面に敷いてしまうのは、おすすめできません。
暖房効率が落ちてしまうからです。
ですから、
床を覆う範囲が広すぎないように、配置などを工夫してくださいね。
全面カーペットにしたいなら
これから床暖房を施工する場合で、全面カーペットにしたいなら、
カーペット仕上げの床暖房にする
という方法もあります。
これなら、フローリング仕上げの上にカーペットを全面敷くより、暖房効率も良いです。
ただし、施工してしまってから『やっぱりフローリングに戻す』ということはできません。
本当に全面カーペットにしたほうが良いかどうかをよく考えて、床仕上げ材を選んでくださいね。
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まとめ
床暖房が暖まらないことには、ちょっとした操作ミスから本格的な故障まで、いろいろな原因があります。
床暖房は、普通に使っているだけで壊れることは、めったにありません。
なんだか暖まらないな…と思ったときには、まずリモコンのパネルで、
- スイッチが入っているか
- エラーメッセージが出ていないか
をチェックしましょう。
それでも暖まらないときは、
取扱説明書も見ながら、できる範囲で機械部分などもチェックしてみてください。
一通りチェックしても暖まらないし、故障かも?
と思った時は、業者に連絡してくださいね。
カーペットを床暖房に敷くと、床暖房の熱をうまく使えず、部屋が暖まりにくくなる一因にもなり得ます。
基本的には、床暖房にはカーペットを敷かないほうが良いです。
でも、もし使うなら、必ず床暖房対応のカーペットを使ってくださいね。