日常生活に欠かせない、プロパンガスや都市ガス。
料理をする時や、お風呂を沸かす時など、いつでも簡単に使えて、とても便利な存在ですよね。
ところで、プロパンガスと都市ガスでは、いろいろな違いがあります。
たとえば、供給方法やガスの成分、原料、それにガス器具など…。
では、ガスホースについては、どうでしょうか?
ガスホースって、色に違いはあっても、どれも似たような感じがしますよね。
でも、お店に行くと、
ガスホースには『都市ガス用』『LPガス用』などと書かれています。
何がどう違うのでしょうか?
そこで、この記事では、
- プロパンガスと都市ガスでのホースの違い
- ガスホースの接続口や接続方法
について、お伝えします。
ガス器具は、ホースのつなぎ方も含めて、正しく使うことが大切なんですよ。
スポンサーリンク
プロパンガスのホースと都市ガスのホースの違い

ガスの火
プロパンガスのホースと都市ガスのホースはここが違う
ではさっそく、プロパンガスと都市ガスのホースの違いを見てみましょう。
プロパンガス | 都市ガス | |
色 | オレンジ色 | パステルベージュ
(以前は青) |
構造 | 内側…耐ガス性の良いゴム
中間層…難燃性、対候性の良いゴム 外側…耐可塑性樹脂 |
内側…耐ガス性の良いゴム
中間層…高強度ゴム 外側…耐熱性の高い合成樹脂 |
耐用年数 | 3年 | 8年 |
プロパンガスのガスホースと都市ガスのガスホースでは、以上の違いがあります。
構造は、どちらも三層構造になっていますから、似ているように見えるかもしれませんね。
しかし、どちらも
それぞれのガスの性質に合わせた素材
で作られているのです。
ガスを安全に使うためには、ガスの種類にあったホースを使うことが必要です。
プロパンガスと都市ガスでホースが違う理由
では、プロパンガスと都市ガスでは、なぜホースに違いがあるのでしょうか?
その理由は、プロパンガスと都市ガスでは
- 成分
- 圧力
- 熱量
に違いがあるからです。
どのくらい違いがあるのか、表で見てみましょう。
プロパンガス | 都市ガス | |
成分 | プロパンが主成分。
他にブタンなど。 |
メタンが主成分。
他に、エタン、プロパン、ブタン |
圧力 | 2.3~3.3KPa | 1.0~2.5KPa(13Aの場合) |
熱量 | 24,000Kcal/1㎥ | 11,000Kcal/1㎥ |
このように、
- 圧力は、プロパンガスが都市ガスの1.3~2倍
- 熱量は、プロパンガスは都市ガスの2倍以上
と、こんなにも違いがあります。
そのため、プロパンガスには、
圧力や熱量が高くても安全に使えるホース
が必要なのです。
また、ガスホースのメーカーは、『(財)化学物質評価研究機構が定めた基準』に合うように、ゴムホースを作っています。
しかし、この検査基準は、あくまでも
『ガスの種類に合ったホースを使った場合』の基準です。
たとえば、プロパンガスに都市ガス用のホースを使った場合のことは、考慮されていないのです。
なので、先にも書きましたが、
プロパンガスにはプロパンガスのホースを、
都市ガスには都市ガスのホースを、
必ず使ってください。
とくに、
「都市ガスのホースのほうが、耐用年数が長いから」
と考えて、
プロパンガスに都市ガスのホースを使うのは、事故につながることもあり、危険です。
ガスホースの種類について
ガスホースには、何種類かあります。
- ガスソフトコード
- ガスコード
- 強化ガスホース
- 金属可とう管
などです。
これも、繋ぐガス機器などに合うものを使う必要があります。
では、それぞれのガスホースについて、簡単に説明しましょう。
ガスソフトコード
まず、『ガスソフトコード』。
これは、いわゆる
『ガスのゴム管』
と呼ばれているものです。
ガスコンロ、ガス炊飯器、ガスストーブなどのガス器具で使います。
ホースエンド型のガス栓とガス器具をつなぐために使うものです。
ソケットを付ければ、コンセント型の接続口でも使うことが可能になります。
ガスコード
『ガスコード』は、コンセント型のガス栓やガス器具をつなぐものです。
ガス栓用プラグを使えば、ホースエンド型のガス栓にもつなぐことができます。
これも、ガスコンロやガス炊飯器、ガスストーブのほか、衣類乾燥機やガスファンヒーターなどの器具で使います。
強化ガスコードと金属可とう管
そして、『強化ガスホース』『金属可とう管』は、小型湯沸かし器など、据え置き型のガス器具に使うものです。
これらは、接続や交換をするには、資格が必要です。
無資格の人は、付け外しをしてはいけません。
必要な時は業者などに頼んでください。
ガスホースを買う時のチェックポイント
ガスホースを買う時には、お店に行く前に
- ガスの元栓とガス器具の接続口の形
- ホースエンド型の接続口なら、9.5㎜用か13㎜用か
- ガスの種類(プロパンガスか都市ガスか、都市ガスなら12Aか13Aか)
- ガス器具の最大ガス消費量
を確認して、メモしていきましょう。
接続口には
- ホースエンド型
- コンセント型
の2種類があります。

ガスの接続口
この画像で、すぐ違いがわかるでしょう。
- ホースエンド型は、赤い線があり、接続口が段々になっている。(段の数は、製品によって違います。)
- コンセント型は赤い線がないことが特徴です。
さらに、ホースエンド型の場合は、
- 9.5㎜用のガスホース
- 13㎜用のガスホース
のどちらかが必要な場合があります。
なので、口のサイズも確認してください。
それから、使っているガスの種類の確認方法ですが、
- 家のそばにガスボンベがある場合は、プロパンガス
- ガスボンベがない場合は、都市ガス
- 都市ガスの種類は、ガスメーターを確認
という方法で、確認することができます。
そして『最大ガス消費量』は、
ガス器具についているステッカー
で確認することができます。
なぜ『最大ガス消費量』を確認する必要があるかと言えば、それはガスホースの長さに関わるからです。
ガスホースの長さは、
『その器具がどれくらいガスを消費するか』
によって決められています。
ガスソフトコードを使う場合なら、ガスの消費量に関係なく、最長3mまでです。
その他の場合は、このようになっています。
最大ガス消費量 | ガスホースの長さ |
4.7kW(4,000Kcal/h以下) | 5m |
5.8kW(5,000Kcal/h以下) | 4m |
6.4kW(5,500kcal/h以下) | 3m |
7.7kW(6,500Kcal/h以下) | 2m |
9.3kW(8,000Kcal/h以下) | 1m |
11.0kW(9,500Kcal/h以下) | 0.5m |
これも、
ガス器具を安全に使うための基準
なので、必ず守ってください。
たとえば、
- ガスホースが長すぎるのを折りまげて使う
- ギリギリの長さで張り詰めすぎた状態で使う
という使い方は、事故につながりかねません。
ガスホースは、
長すぎず、ほどよい余裕のある長さ
で使いましょう。
新しくガス器具を買う場合
- 家で使っているガスの種類
- 接続口
- 最大ガス消費量
以上の3つを確認したうえで、お店の人にガスホースを選んでもらうと、確実ですよ。
スポンサーリンク
ガスホースの接続方法について
では次に、ガスホースの接続方法についてです。
ここでは
- ホースエンド型の接続口に、ソフトガスコードをつなぐ方法
- コンセント型の接続口に、ガスコードをつなぐ方法
- 片方がホースエンド型、もう片方がコンセント型の接続口の場合の繋ぎ方
について、お伝えします。
ホースエンド型の接続口に、ソフトガスコードをつなぐ方法
ホースエンド型の接続口には、
ソフトガスコード
を使います。
つなぎ方は
- ソフトガスコードに、ガスバンドを通しておく
- ソフトガスコードを、接続口の赤い線のところまで、しっかり差し込む
- 差し込んだところを、ゴムホースの上からガスバンドで固定する
これで完了です。
簡単ですね。
ガスバンドは、下図のような形をしています。
ポイント
接続口に、ソフトガスコードを差し込みにくい時は、
水で少しぬらす
と差し込みやすくなります。
コンセント型の接続口に、ガスコードをつなぐ方法
コンセント型の接続口には、
ガスコード
を使います。
つなぎ方は、
ガスコードのソケットを、接続口に『カチッ』と音がするまで差し込む
これだけです。
とても簡単ですね。
片方がホースエンド型、もう片方がコンセント型の接続口の場合
時には、
『ガスの元栓はホースエンド型だけど、器具の接続口がコンセント型』
ということがあったりします。
その場合は、ガスソフトコード以外に
『ゴム管用ソケット』
が必要になります。
このゴム管用ソケットを、ガスソフトコードの片方の端に付けて、器具につなぐのです。
ゴム管用ソケットは、下図。
↓↓↓
ソケットの付け方は、
- ガスバンドをホースに付けておく
- ソケットの白いところが見えなくなるまで、ガスソフトコードを差し込む。
- ガスソフトコードがしっかり入ったら、ガスバンドで固定する
これで完成です。
あとは、
ソケットが付いたほうを、コンセント型の接続口に
ソケットが付いていないほうをホースエンド型の接続口に
それぞれつなぐだけです。
注意ポイント
ソケットには、
ガスバンドを使わず、塩ビチューブを熱湯で縮ませて固定するものもあります。
使い方や付け方は、ソケットの説明書きを確認してください。
ガスホースをつなげた後の注意点
ガスホースをつないだら、ガスを使う前に次のことをチェックしてください。
- 隠ぺい部(日常的に点検しにくい場所)にガスホースを通していないか
- ガスホースがねじれたり折れ曲がったり、長さがギリギリすぎて張りつめていないか
- ガスホースが、炎や強い熱が当たるところを通っていないか
- ガスホースがガス器具や他のものに踏まれていないか
このようなことがあると、
劣化が早くなったり、ガス漏れなどの事故の元になったりします。
くれぐれも、気を付けてください。
ポイント
ガスホースの汚れをマメに取り除くことで、
- 劣化
- ネズミに齧られる
といったことを防いだりすることができます。
そしてガスホースには
耐用年数
があります。
耐用年数
プロパンガスなら、3年
都市ガスなら、8年
耐用年数は必ずチェックして、年数を超える前に交換してくださいね。
スポンサーリンク
まとめ
プロパンガスと都市ガスは、成分や熱量、圧力などが違います。
そのため、それぞれのガスに合ったホースを使う必要があるのです。
使う側としては
「共通して使えたらいいのになぁ。」
と思うところでしょう。
しかし、プロパンガスと都市ガスで、ガスホースに違いがあるのは、
安全に使うため
だからです。
安全は、何より大切ですよね。
そのためにも、
ガスホースの種類や長さ、使う時の注意なども、きちんと守ってください。
そして、ときどき点検したり、汚れを取ったりすることもお忘れなく。
ガス器具のことって、難しそうに感じることもあるかもしれません。
でも1つ1つ確認していけば、そんなに難しいものでもないんです。
もし、なにかわからなかったり、自信がなかったりするときは、遠慮なくお店の人やガス会社の人に聞いてみてください。
そして、このブログでも、プロパンガスで困ったことを解決できるよう、どんどん記事にしていきますね!