寒い冬の朝、足元からじんわりと部屋全体をあたためてくれる床暖房はとても快適ですよね。
床からの熱で温もる空間は、エアコンやストーブとはまた違った心地よさがあります。
しかしながら、
「床暖房が急に暖まらなくなった」
「給湯器の調子が悪くて困った」
という声も少なくありません。
実は、床暖房は床下の配管や給湯器などが複雑に関わり合うため、一度トラブルが起きると修理が大掛かりになりがち。
そこで本記事では、ガス床暖房が故障したときにどんな症状が出るのか、どんなメンテナンスや点検が必要か、さらには寿命や修理費用の目安など、床暖房を長く快適に使うためのポイントを解説します。
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ガス床暖房とは?仕組みと特徴
ガス床暖房は、都市ガスまたはプロパンガスを燃焼させて得られる熱を、床下の配管に循環する温水に伝え、その温かい温水によって床全体を暖めるシステムです。
床下にパネルやパイプを設置し、そこをお湯が流れることで熱を放出し、足元から部屋を温めていきます。
- 床全体が暖かくなるメリット
- エアコンのように温風を出さないため、ホコリが舞いにくい。
- 部屋全体をムラなく暖められ、足元が特に暖かい。
- 気流が少ないため、肌や喉の乾燥を感じにくい。
- ガス床暖房の熱源
- 都市ガス…都市ガスの配管が通っている地域ならば供給が安定している。
- プロパンガス…ボンベ式のガスなので、地域によっては料金設定に差があり、値上げが気になることも。
ガス床暖房は設備費用や導入時の工事費用こそ高めですが、じんわり暖かく快適に過ごせるのが大きな魅力。
しかも床暖房が「壊れにくくて長持ちしやすい」という特性もあり、多くの方が導入を検討されています。
床暖房故障とその症状
1. 床暖房が壊れにくいと言われる理由
一般的に床暖房の配管システム自体は耐久性が高く、施工後すぐに不具合が出た場合は初期工事の不備であるケースが多いとされています。
正しく設置されていれば、配管部分は通常の使用においてはほぼメンテナンスフリーで長期的に使えることが多いです。
2. よくある故障の症状
とはいえ、以下のような症状が出たら要注意です。
- 床が温まらない・温まり方がいつもと違う
- 床の一部だけ冷たい、まったく温まらない、温まるまで時間がかかる…など。
- 配管の中の不凍液や水が不足している場合も考えられます。
- 給湯器から異音・煙・臭いがする
- 「シュー」という異音がする
- 煙が出る、ガス臭さを感じる
- この場合はすぐに使用を中止して、業者に連絡しましょう。
- リモコンにエラーメッセージが出る
- エラー内容を取り扱い説明書で確認。
- 自分で対処できない場合は業者に早めに連絡を。
- 電源が入らない・入っても勝手に切れる
- 通電不良や給湯器の不具合が疑われる。
3. 床暖房ではなく給湯器が故障することも多い
- 床暖房の配管部分は丈夫でも、熱源機である給湯器が消耗して故障する場合がよくあります。
- 特に10年程度使い続けた給湯器は寿命を迎える可能性も高いので、「床暖房が壊れたかも!?」と思ったら給湯器の状態を確認してみましょう。
床暖房給湯器との関係
1. ガス床暖房は給湯器が“心臓部”
ガス床暖房の“お湯を沸かす”役割を担うのが給湯器です。
この給湯器が正常に動いているからこそ、床下のパイプに十分な温度のお湯が行き渡り、床を暖められます。
したがって、床暖房の故障と思われる症状でも実際は給湯器側の不具合が原因というケースは珍しくありません。
2. 配管と給湯器、それぞれの寿命
- 配管(床暖房本体)の寿命:一般的には30年前後
- 給湯器の寿命:10~15年前後
給湯器は床暖房だけでなく、キッチンやお風呂など家庭の給湯全般を支えるため、消耗が早い部分といえます。
給湯器が調子悪くなると、お湯の温度が不安定になるだけでなく、床暖房にも影響が出るため要注意です。
3. 凍結などによるダメージ
給湯器は外に設置されていることが多く、寒冷地や冬場の寒波によって内部が凍結し、故障してしまうケースもあります。
- 長期間使わない間にコンセントを抜いてしまうと、給湯器の凍結防止ヒーターが働かず、内部が凍って破損する恐れがあります。
- 凍結破損が起きると部品交換や給湯器交換が必要になるため、かなりの出費につながる点に注意しましょう。
床暖房メンテナンス方法
1. 普段のお手入れ
床暖房の配管部分は一般の方が触れる場所ではないため、特別なお手入れはあまり必要ありません。
ただし、床面の清掃は重要です。
- ホコリや汚れがたまると、それらが熱を伝わりにくくしてしまうことも。
- とくにフローリングの隙間やカーペット下にホコリが溜まらないよう、こまめに掃除するのがおすすめです。
2. リモコン表示のチェック
床暖房のリモコンには温度表示だけでなくエラー表示が出る場合があります。
- 定期的にリモコンを確認し、異常な数値やエラーメッセージが出ていないかチェック。
- 小さな異常が大きな故障につながるケースもあるので、早めの対処が大切です。
3. 不凍液の補充・交換
寒冷地で採用されていることが多いガス床暖房では、不凍液を配管内に入れて凍結を防止しているケースもあります。
- 3~4年ごとに不凍液の補充、10年ほどで全交換が目安。
- 不凍液が劣化すると、配管や給湯器内部が腐食するリスクが高まるため、定期的なメンテナンスが重要です。
4. 業者による点検のすすめ
ガス床暖房はガス器具の一種でもあり、業者やメーカーによる定期点検が推奨されます。
- 安全性・耐久性を長持ちさせるためにも、定期的な点検で配管や給湯器の異常を早期発見できるようにしましょう。
長期利用時の注意点
1. しばらく使わない期間がある場合
家を空けるなど、年単位で床暖房を使用しないときには以下の点に注意してください。
- 不凍液の量・劣化チェック
- 配管の中の水が腐っていないか
- 給湯器のコンセントは抜かない(凍結防止ヒーター停止を防ぐため)
長期間使わなかった床暖房を再度使う前には、業者に一度点検を依頼すると安心です。
2. 重い家具の配置や床の傷
床暖房のある床に穴を開けるような行為(クギやビスを打つなど)は厳禁です。
配管を傷つける恐れがあります。
また、極端に重い家具を長期間同じ場所に置いて圧迫させるのは避けたほうが無難です。
- 家具を置くときは、配管の走行位置を施工業者から教わっておくと安全です。
- カーペットを敷く場合も、なるべく床暖房対応のものを選びましょう。
床暖房寿命と交換時期
1. 床暖房本体の寿命:30年前後
床暖房の配管は頑丈で、きちんと施工・メンテナンスされていれば30年ほど持つといわれています。
施工不良や長年の使用による錆(鉄配管の場合)・腐食がなければ、故障せずに長期間使えるケースも少なくありません。
2. 給湯器の寿命:10~15年前後
先述のとおり、給湯器は床暖房とあわせてお風呂・キッチンの給湯も担う心臓部。
内部の部品が経年劣化するため、10~15年程度で交換を考える時期がやってきます。
- 給湯器の性能が低下すると、床暖房の暖まり具合にも影響が及ぶ。
- 部品の生産終了などの理由で修理が難しい場合は、交換が必要になることも。
3. 寿命をできるだけ延ばすためのポイント
- 定期的な点検を受ける
- 異変に早く気付く(音・臭い・リモコンエラーなど)
- 給湯器まわりを清潔に保つ(通気を確保し、ゴミやホコリが溜まらないようにする)
修理や交換にかかる費用の目安
床暖房が故障した場合、修理や交換にかかる費用は故障箇所や規模によって大きく異なります。
ここでは、よくある例を挙げてみましょう。
- 給湯器の修理・交換
- 修理可能な場合:数千円~数万円
- 本体交換:20万~40万円程度
- 床下配管の修理
- 床を一部剥がして配管を交換:30万~80万円程度
- 配管洗浄だけで済む場合:1万円前後
- 不凍液の交換
- 全交換:3~6万円程度
修理費用が意外と高額になる理由
- 床下の配管に不具合がある場合、床を剥がす工事が必要となり人件費・資材費がかさんでしまう。
- 部品だけでなく、手間賃やガス器具特有の安全点検費用も含まれることが多い。
もしものための対策
- 床暖房の設置時から、将来的な修理費を見越して貯蓄を始める。
- 長期保証プランがあるメーカーやガス会社を選ぶのも一つの手。
床暖房のある暮らし快適に保つコツ
1. 普段からのチェックポイント
- リモコンや給湯器の外観チェック
- エラーメッセージや異音がないか。
- 給湯器まわりに物を置いて通気を妨げていないか。
- 床の劣化や傷みに注意
- 変色やたわみが出ていないか。
- 水をこぼした際に床下まで染み込まないよう早めに拭き取る。
2. 使用時期ごとのポイント
- 冬場:こまめに床暖房を稼働し、配管内の水や不凍液が滞留しないように。
- 春~秋:床暖房を使わない期間が長いときでも、給湯器のコンセントは抜かずにそのままに。
3. 家族構成やライフスタイルに合わせる
- 仕事や外出が多い家庭なら、必要なときだけ床暖房をオンにする「部分的な使用」も検討。
- 高齢者や小さな子どもがいる家庭なら、「足元を冷やさない」という面から床暖房はとても重宝する。
こまめにメンテナンスをして安全に使い続けることが大切です。
ガス料金の話題プロパンガス切り替えの可能性
ここまでは床暖房の故障・寿命・メンテナンスについて詳しくお伝えしてきました。
しかし
「床暖房を使用していたらガス代が思ったより高かった」
という問題に直面する方もいるでしょう。
特にプロパンガス契約をされている場合は、ガス料金が地域や契約内容により大きく変動しやすいです。
1. ガス料金がこっそり値上げされるケース
プロパンガス会社の中には、市場価格の上昇を理由に値上げを行うことがあり、通知が不十分なケースも見受けられます。
結果、利用者は値上げに気づかず
「なんだかガス代が高いな…」
と思いながら支払いを続けてしまう場合があります。
2. ガス会社を変更するメリット
もし現在のプロパンガス料金が高く感じるのであれば、ガス会社を変更することで料金が安くなる可能性があります。
- 料金プランの見直しができる
- 基本料金・従量料金の設定が会社によって異なる。
- 初期費用や更新手数料がかからない場合もある。
- サポート体制やアフターサービスが充実
- 給湯器の修理やメンテナンス費用が割安になる会社も。
- 相談窓口が24時間対応の会社も存在。
3. エネピなど比較サービスを試してみる
もしプロパンガスの料金見直しを考えるなら、
複数のガス会社に一括で見積りを出してもらえるサービス
があります。
たとえば「エネピ」という比較サービスを利用すれば、自宅の地域や使用状況に応じた複数のガス会社の料金を比較できます。
- 「自分でイチから調べるのは大変…」という人でも、サイト上に必要事項を入力するだけでプランの提案を受けられる。
- ただし、床暖房の使用量や給湯器の状況など、細かい条件を担当者に伝えることも大切です。
ガス会社の変更は必須ではありませんが、
「ちょっとガス代が高いかも?」
と感じる場合には一度試してみる価値があります。
まとめ
長く快適に床暖房を使うためには、
給湯器の状態と配管のメンテナンス
が欠かせません。
とくに
「床が温まらない」
「給湯器から異音や臭いがする」
「リモコンにエラーメッセージが出る」
など、気になる症状があれば早めに業者に相談し、必要に応じて修理や交換を検討しましょう。
- 床暖房の配管は30年ほどもつケースが多く、基本的にはそう簡単に壊れません。
- 給湯器の寿命は10~15年とやや短く、故障の原因は給湯器にあることが少なくありません。
- 不凍液の交換や定期点検で、寿命を最大限に延ばすことが可能。
- 万が一故障したときに、修理費用が高額になることもあるので、事前にある程度の予算を確保しておくと安心です。
また、ガス料金の高さにお悩みの場合は、プロパンガス会社の変更を選択肢に入れてみるのもひとつの手段。
比較サービスを利用すれば、現在のガス料金よりも安いプランが見つかることもあります。
もし「今のままのガス料金で大丈夫かな?」と感じる方は、ガス会社変更サービスをチェックしてみるとよいでしょう。
床暖房を長く快適に使い、足元からあたたかい幸せな暮らしを楽しんでくださいね。