ガス床暖房を設置するなら、もしくは設置したら、ぜひ考えておきたいのが、『メンテナンスや修理のこと』。
なぜかというと、
床暖房は部屋を暖めるシステムが床下にあるため、故障すると修理が大掛かりになるからです。
修理が大掛かりになれば、費用もそれなりにかかりますよね。
あらかじめ、床暖房の故障や修理、寿命などについて知っておけば、備えることもできます。
そこで今回は、ガス床暖房について
- 寿命はどのくらいなのか
- どんな故障が起こりうるのか
- どんな修理が必要で、その費用はどのくらいかかるのか
- 床暖房のメンテナンス
について解説します。
床暖房を快適に長く使うためにも、ぜひ知っておいてください。
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ガス床暖房の寿命はどのくらい?
ガス床暖房はどんな仕組み?
最初に、『ガス床暖房はどんな仕組みで部屋を暖めるのか』について、ざっくり説明しておきましょう。
簡単に言うと、
- 床下に配管を通す
- 配管の中の水を、給湯器(熱源機)でお湯にして循環させる
- 配管のお湯が床を温め、その温度が伝わって部屋全体が暖かくなる
という仕組みです。
ガス床暖房のシステムが直接温めるのは、『床』だけです。
でも、
- 床に触れたもの(足など)に直接熱が伝わる『伝導』
- 壁や天井に熱が反射して空間が温まる『輻射』
- 『暖まった空気が上に行き、冷えた空気は下に降りてまた温められる』という循環で部屋の空気が温まる『対流』
という、3つの熱の伝わり方を利用するため、
他の暖房に比べて体感温度も高く、部屋全体が温まるのです。
豆知識
ちなみに『電気ヒーター式』の床暖房は、床下に敷いた電気ヒーターに電流を流して温める方式です。
床暖房の寿命はどれくらい?
ガス床暖房の寿命は、配管と給湯器で違います。
だいたいの目安としては、
配管の耐用年数
⇒30年くらい
給湯器の耐用年数
⇒8~10年くらい
もちろん使い方や機種などによって、多少の差はあります。
ただいずれにせよ、
配管も給湯器も、耐用年数が過ぎたら交換が必要です。
ガス床暖房の導入を検討する時には、
- どのくらいの耐用年数か
- 交換する時に、どのくらいの費用が掛かるか
も、しっかりチェックしておくことが大切です。
床暖房の故障と修理について
ガス床暖房そのものは、しっかりできているシステムですから、多くの場合は寿命まで、故障せずに使い続けられます。
でも、10年以上経つと、少しずつですが、故障の確率も上がってきます。
では、どんな原因で故障するのか、修理方法、費用について、見ていきましょう。
床暖房の故障の原因は?
床暖房を設置して間もない時期に故障した場合は、初期工事が原因となる場合も多いです。
でも、ガス床暖房そのものはシステムがしっかりしています。
- うっかりして、床にくぎやビスを打ってしまった
- 床暖房の上に重い家具を置いてしまった
など、良くない使い方をしていなければ、多くの場合は寿命まで故障せずに使えます。
それ以外に故障の原因として考えられるのは、
- 長期間床暖房を使わない間に配管の中の水が腐り、配管が詰まってしまった
- 鉄の配管を使っていたために、錆びて穴が開いてしまった
- 給湯器内の水が凍結して給湯器が壊れた
といったことです。
ただ、給湯器の故障は、原因不明のこともよくあります。
はっきりした原因がない限り、業者でも

と判断することが多いのが実情です。
床暖房の修理方法
床下の配管が故障した場合
温水式床暖房は、床下に配管を設置していますよね。
この配管が壊れると、当然床暖房として機能しなくなってしまいます。
配水管が壊れた場合は、シンプルに
『床をはがして、壊れた配水管を交換する』
ということになります。
給湯器が故障した場合
給湯器が壊れた場合は、『修理』になる場合と『交換』になる場合があります。
修理で済むか交換になるかは不具合の状況によるので、メーカーや販売店に不具合を伝え、相談してください。
でも、給湯器は屋外にあるので、修理も交換も、配管より簡単です。
費用も比較的安く済みます。
ガス床暖房の修理費用はどのくらい?
気になるのが、修理にかかる費用ですよね。
あくまでも大まかな目安ですが、
配管の交換
⇒30~80万円
給湯器の交換
⇒10~40万円
くらいかかります。
もちろん実際には、必要な修理、設置面積、給湯器のスペックなどによって変わります。

急に数十万の出費は痛いなぁ…。
そうですよね。
ですから対策として、
- 床暖房を設置すると同時に、万が一に備えて少しずつ貯金を始める
- 設置の費用に修理費用も含めて考えておき、最初からその費用分をキープしておく
としている人もいます。
いずれにせよ、なるべく早い時期から『修理の時の費用』も、ある程度考えておくと良いですよ。
ガス床暖房のメンテナンスについて
せっかく取り付けた床暖房、長く快適に使いたいですよね。
ここからは『床暖房のメンテナンス』について解説します。
メンテナンスとしては、
- 私たちユーザーが日常的にするメンテナンスや点検
- 配管や給湯器の定期的なメンテナンスや点検
があります。
2つ目は、業者に依頼してやってもらうことです。
では、詳しく見ていきましょう。
普段のメンテナンスや点検
床暖房の室内部分は特にメンテナンスなし!
床暖房の室内の部分については、日常的には、これといった特別なメンテナンスは必要ありません。
エアコンやファンヒーターのような、フィルターの手入れのような作業も要りません。
あえてあるとすれば、
- 普通の床と同じように掃除する
- 水などをこぼしたら、すぐに拭き取る
- 床暖房の上に重い家具を置かないなど、使い方の注意を守る
ということくらいです。
給湯器のメンテナンス
室外の給湯器については、
- 運転中に給湯器から異常な音が聞こえないか
- 給湯器の外観に異常がないか
- 給湯器の周りや排気口、排気筒トップのそばに燃えやすいものがないか
- お湯の蛇口の先端に泡沫器が内蔵されているものは、ときどき内部のフィルタ(金網)を掃除する。
- 機器本体のラベルが読める状態になっているか(はがれたり読めなくなったりしたら、販売店に連絡して新しいラベルに貼り替える)
といったことを時々チェックし、
異常を見つけた時は、すぐに販売店に連絡してくださいね。
そのほかに、取扱説明書に書いてあるメンテナンスも、なるべくきちんとしましょう。
(給湯器のメンテナンスの内容は機種によるので、取扱説明書を確認してください。)
たとえば、あるメーカーの給湯器の場合は、お手入れ方法として
給水水抜き栓先端のストレーナにゴミなどが付いていると、お湯の量が減ることがあります。
お湯の量が少なくなった場合は、給水元栓を確実に閉めて、給水水抜き栓を外し、ストレーナーのゴミを取り除いてください。
給湯器の給気口にホコリやゴミが詰まった状態で使用すると、不完全燃焼などを起こすことがあります。
給気口のホコリやゴミを取り除いてご使用ください。
といったお手入れ方法が書いてあります。
給湯器は屋外に設置してあるので、つい忘れてしまうことも多いですよね。
でも、安全に使うため、またなるべく長持ちさせるために、説明書をよく読み、必要なメンテナンスをしてください。
業者による定期的なメンテナンスと点検
ガス床暖房も、他のガス器具と同じように、業者による定期的なメンテナンスや点検が必要です。
どのようなメンテナンスが必要かというと
- 不凍液の交換(寒冷地など、不凍液を使っている場合)
- 給湯器の点検
- その他、説明書に書いてある点検とメンテナンス
不凍液の交換
温水式床暖房で使う不凍液の交換は、メーカーにもよりますが、目安として
- 4年ごとの追加補充
- 10年に1度、不凍液の全交換
が必要です。
不凍液は、寒冷地などで使うことがあり、
- 凍結防止
- 配管を腐食から守る
という役割があります。
この不凍液は、空気に触れると酸化し、腐食してしまいます。
そうすると、配管や給湯器の故障につながりかねません。
そのため、定期的な補充や交換が必要なのです。
不凍液の全交換には、3~6万円くらいかかります。(不凍液の量にもよります)
ガス床暖房の点検
ガス床暖房の給湯器は、年に1度くらいの点検が必要です。
この点検の時期などは業者によって違うので、業者に確認してくださいね。
また、これも業者によりますが、
有料で床暖房の定期的な点検を頼めるところもあります。
一例だと、
『その点検の契約をしていると、給湯器が壊れた場合に新しいものと交換してもらえる』
という契約もあります。
このような契約をすると、維持費はかかります。
でも、故障の予防としては、有料点検を頼んでおくと安心できますね。
その他のメンテナンスや点検
不凍液の交換や給湯器の点検のほかに、
- 取り扱い説明書に書いてある点検やメンテナンス
- 業者からするように言われている点検やメンテナンス
がある場合は、きちんとするようにしましょう。
場合によっては費用がかかったり、ちょっと面倒に思うこともあるかもしれません。
でも、メンテナンスや点検をきちんとしておくと、安心して使えます!
メンテナンスや修理について確認しておきたいこと
ここで
床暖房を設置するときに、メンテナンスや修理について、どんなことを確認しておくと良いか
をまとめておきましょう。
業者に確認すること一覧
- ガス床暖房の耐用年数
- 給湯器の耐用年数
- 床暖房と給湯器、それぞれの修理や交換にかかる費用
- 不凍液を使う場合は、不凍液の補充や交換の時期とその費用
- 床暖房の有料の点検やメンテナンスのサービスがあるかどうか、ある場合どのような内容で、どのくらいの費用か
- 床暖房の保証の期間と、保証の内容
もちろん、修理や点検などの費用は、状況にもよります。
でも、『どんな時に、だいたいどのくらいの費用がかかるのか』を知っておくことは、大切です。
そして、できる範囲で良いので、万が一の故障に備えておくと安心ですよ。
床暖房にかかる費用を抑えるには

そうですね。
床暖房のメンテナンスや修理にも費用がかかるとなれば、
- 設置の費用
- 普段使っている時の、ランニングコスト
をなるべく抑えておきたいですよね。
ということで、床暖房の設置費用やランニングコストを抑える方法を、ざっとお伝えしましょう。
設置費用をなるべく抑える方法
床暖房の設置費用を抑えるためには
効率的に部屋を温められて、なるべく少ない面積に設置する
という方法があります。
設置面積が少なくて済めば、費用も抑えられますからね。
床暖房は、部屋の床全面に設置する必要はありません。
だいたい5~7割くらいで、十分に暖房効果があります。
ですから、設置するときには、
『どこにどう設置すると、少ない面積で効率良く暖房効果を得られるか』
を、業者とよく相談してくださいね。
関連記事:ガス床暖房の設置費用を紹介!フローリング張替えのリフォームは必須?
使い方でランニングコストを抑える方法
床暖房のランニングコストを抑えるには
スイッチのオン・オフは1日2回までにする
⇒スイッチを入れてから1時間くらいの間にガスを多く使うので、その回数をなるべく減らす
『自動運転モード』を使う
⇒外気温や室温に合わせて自動的に運転を調節し、ムダを省くことができる
タイマーを使って、30分くらい早めにスイッチを切る
⇒スイッチを切ってしばらくは温かさが続くので、早めに切っても大丈夫
温度設定を低めにする
⇒床暖房は他の暖房器具より体感温度が高いので、2~4℃低めの設定でOK
といった方法があります。
上手に使って、コストをなるべく抑えましょう!
床暖房の上手な使い方はこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでください。
関連記事:ガス床暖房のガス代をコスパよく節約しながら使う方法を紹介!
ガス床暖房向けの料金プランを使う
どんなに節約して使っても、そもそも料金が高かったら、ガス代が高くなってしまいますよね。
それに、ガス床暖房を使うと、どうしてもガスの使用量が増えます。
普通の料金プランでは、ガス代が高くなってしまうのは、目に見えています。
そこで活用したいのが、床暖房向けのガスの料金プラン。
ガス会社では、床暖房向けのプランを用意しているところも多いので、ぜひ利用してください。
ぜひというより、『必須』と言っても過言ではありません。
もし、契約しているガス会社で床暖房向けプランがない時は、
ガス会社変更サービスを使って、『床暖房に良い料金プランのあるガス会社はありませんか?』と問い合わせてみてください。。
ガス会社変更サービスは利用料もかかりません。
ガス会社変更サービスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2020最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
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まとめ
床暖房は、基本的に30年間は安心して使える暖房です。
でも、長く使うためには点検やメンテナンスが大切!
必要なメンテナンスや点検は、しっかり受けておいてくださいね。
万が一、修理となると、どうしても費用がかかってしまいます。
その時に慌てないためにも、
- 耐用年数が過ぎたり、修理が必要になったりした時の費用について考えておく
- 保証の期間や内容、メンテナンスや点検、修理の内容と費用について、業者に確認しておく
といったことが大事です。

その気持ちも、わかります。
でも、気軽に買い替えたりできないのが、床暖房。
どのみち費用がかかるなら、早くからどう工面するか考えておくほうが、安心です。
床暖房のメリットを満喫するためにも、できる範囲での備えを、ぜひ考えてみてください。