『食材がくっつきにくい』と言われているテフロン(フッ素樹脂)加工のフライパン。
使いやすくて価格も安いので、コスパ抜群ですよね。
でも
『せっかくテフロンのフライパンを買ったのに、食材がくっついてしまう』
なんてこと、ありませんか?
フライパンに食材がくっつくのには、原因があります。
原因を知って、くっついたり焦げ付いたりしにくい使い方をすれば良いのです。
ということでこの記事では、テフロンのフライパンを中心に
フライパンに食材がくっつかない・焦げ付かない方法
について解説します。
テフロン以外のフライパンについても書いてあるので、ぜひ読んでくださいね!
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テフロン(フッ素樹脂)の フライパンに食材がくっつかない方法とは?
フライパンに食材がくっつく原因
フライパンに食材がくっついたり焦げ付いたりする主な原因は
食材がくっつく
⇒フライパンの温度が低すぎる
食材が焦げ付く
⇒フライパンの温度が高すぎる
です。
つまり、どちらも『温度の問題』なのです。
では、詳しく解説しましょう。
食材がフライパンにくっつく原因
食材がフライパンにくっついてしまう一番の原因は、『フライパンの温度が低いこと』です。
なぜフライパンの温度が低いとくっついてしまうかというと、フライパンには『吸着水』がくっついているからです。
『吸着水』というのは、フライパンの表面に付いている、目に見えない水分のことです。
乾いているように見えるフライパンにも、付いています。
フライパンが十分熱くならないうち、つまり吸着水が蒸発しないうちに食材を入れると
- 食材のたんぱく質が吸着水に溶けだす
- 吸着水に溶けたたんぱく質が糊のような役割をはたし、フライパンの金属と結合する
という現象が起きるのです。
でも吸着水は、フライパンが十分熱くなれば、蒸発します。
つまり、
フライパンをよく熱して、吸着水を蒸発させてから食材を入れれば良いのです
食材が焦げ付く原因
食材が焦げ付く主な原因には、
- フライパンを熱しすぎた
- 熱伝導率の良いフライパンで、強火で調理した
ということが挙げられます。
食材は、フライパンの温度が高すぎれば、当然焦げます。
また、テフロン加工やアルミ、銅など、熱伝導率が高い素材のフライパンを強火で使うと、焦げやすくなります。
具体的な目安は、『200℃以下で調理をする』ということです。
そのためには、テフロンのフライパンは中火か弱火で使いましょう。
焦げ付きの原因には、他にも
- 油を引かなかった、もしくは油の量が足りなかった
- テフロンのコーティングが剥がれていた
ということもあります。
テフロン加工のフライパンは『油が要らない・少なくて良い』と思っている人も多いですが、
テフロン加工であっても油を引かずに調理すると、焦げてしまうことがあります。
テフロンのコーティングが剝がれていても、やはり焦げつきやすくなります。
食材がくっつかない基本的な調理方法
食材がフライパンにくっつかない調理の仕方は、基本としては
- 冷蔵庫で保存していた食材を調理するときは、前もって常温に戻しておく
- テフロン加工のフライパンであっても、油を引く
- 食材を入れる前に、フライパンをしっかり熱しておく
- 混ぜる時は『ヘラ』を使う
- 調味料は最後に入れる
ということです。
食材は冷蔵庫から出しておく
なぜ食材は前もって常温に戻しておいた方が良いかというと、
冷えたままの食材を入れると、フライパンの温度が下がってしまうからです。
フライパンの温度が下がれば、食材から出た水分にたんぱく質が溶け込んで、フライパンの金属とくっついてしまいます。
卵や肉なども、使う前に冷蔵庫から出しておいてくださいね。
メモ
夏場は食材が傷みやすいので、あまり長時間出しっぱなしにしないようにしましょう。
『常温に戻る程度』の時間で十分です。
テフロン加工のフライパンでも、油を引いて使う
テフロン加工のフライパンを使う時でも、油はきちんと引いて調理してください。
テフロンのコーティングは、食材がくっつきにくいですが、過信は禁物です。
油を引くタイミングは、フライパンを中火40~50秒くらい熱した後です。
このくらい熱すれば、吸着水は蒸発します。
なお、水分が蒸発した後でないと、水分に阻まれて油がフライパンになじみません。
なので、しっかり熱してから油を引くことが大切です。
メモ
脂分の多い肉を調理する場合は、肉の脂を利用してもOKです。
肉の脂を使うときも、40~50秒ほど中火で熱してから肉を入れてください。
フライパンをしっかり熱してから食材を入れる
フライパンに食材を入れる基本的な目安は、
『フライパンから煙が立ち始める頃』です。
このタイミングだと、フライパンが十分熱くなっています。
(温度はだいたい200℃くらいになっています。)
ただし、テフロン加工のフライパンは
- 『空焚き』は絶対にしない
- 強火で熱さない
ということに気をつけてください。
空焚きをすると、2~3分で過熱状態になり、有毒なガスが発生してしまいます。
『煙が立つくらいの温度』なら問題ないので、その段階で食材を入れてくださいね。
それから、テフロンのコーティングは熱に弱く、強火でフライパンを熱すると、傷んでしまいます。
なので、必ず『中火か弱火』で火にかけてください。
混ぜる時は『ヘラ』を使うのがおすすめ
食材を混ぜる時には、菜箸より『ヘラ』を使うと、焦げ付きにくいです。
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なぜかというと、ヘラのほうが
- 食材を均等に混ぜられる
- 食材を手早く混ぜられる
ということから、火の通りのムラや焦げ付きを防ぎやすいのです。
フライパンがテフロン加工の場合は、ヘラはシリコン製や木製を使いましょう。
金属製のヘラだと、フライパンのコーティングを傷付けてしまいます。
調味料は最後に
調味料は、
食材に火が通ってから、『仕上げ』という感じのタイミングで入れると、食材がフライパンにくっつきにくいです。
特に
- 醤油
- ソース
- 砂糖
などは焦げやすいので、最後に入れるのがおすすめです。
『調味料を順番に入れているうちに焦げてしまいそう』という場合は、
入れるタイミングが同じ調味料を混ぜておき、『合わせ調味料』にして入れる
というやり方もありますよ。
食材別くっつかない・焦げ付かない調理の方法
ここからは、食材ごとに『くっつかない・焦げ付かない』調理の仕方を見ていきましょう。
肉料理の場合
肉料理をするときは、基本の所でも書いた
- 肉を冷蔵庫から出し、常温に戻しておく
- フライパンが十分熱くなったら油を引く
- 煙が出始めるくらい熱くなったら肉を載せる
ということを守ると良いですよ。
さらに、
一度肉をフライパンに置いたら、焼き色が付くまでそのままにしておきましょう。
火が通り切らないうちにいじったりひっくり返したりすると、肉の水分が出て焦げ付きやすくなってしまいます。
関連記事:焼肉をフライパンで焼くとまずいのはなぜ?美味しく焼く方法を解説
魚料理の場合
フライパンで魚を焼く時は、クッキングシートを敷いて焼くのがおすすめです。
魚がフライパンにくっつきにくくなるだけでなく、フライパンへのにおい移りも防げますよ。
ポイントは
- クッキングシートを魚より大きめに切って敷く
- クッキングシートに軽く油を引く(魚がシートにくっつきにくくなる)
- 魚の脂が出てきたら、キッチンペーパーで拭きながら焼く
ということです。
油を拭き取りながら焼くと、表面がカリッと仕上がりますよ。
ただし、クッキングシートが燃えてしまわないように、
- フライパンからクッキングシートがはみ出さないようにする
- クッキングシートに火が当たらないように、火の強さを加減する
ということに注意してください。
メモ
フライパンで魚を煮る場合にも、クッキングシートを敷くとくっつきにくくなります。
煮魚の場合は、フライパンとシートの間に煮汁が入ってしまわないように、きっちり敷き詰めてください。
ただし、クッキングシートの耐熱温度は250℃で20分くらいです。
なので、あまり長時間煮込む料理には向きません。
卵料理の場合
卵料理の場合は、
- 油を多めに引く
- 油を引く時には、フライパンを回すようにして、フライパンのすみずみまで油を行き渡らせる
- フライパンから煙が上がるくらいまで熱したら、余分な油はオイルポットに戻すか拭き取る
ということがポイントです。
さらに、目玉焼きを作るときに水を入れて蒸し焼きをする場合は、
- フライパンと卵が接しているところに火が通ってからお湯を入れ、蓋をする
- 水ではなく、お湯を入れる
というのがコツです。
お湯を入れるのは、水だと温度が下がってしまうからです。
メモ
この『お湯を入れる』ということやお湯を入れるタイミングは、焼きそばや餃子などの蒸し焼き系料理でも応用できます。
『コーティングを傷めない』ことが大切
フライパンに食材がくっつかない・焦げ付かないようにするためには、調理の仕方に加えて、
テフロンのコーティングを傷めないように気をつけることが大切です。
そのためには、
- 強火ではなく、中火または弱火で使う
- コーティング面に固いもの(金属ヘラや金属たわし、固いスポンジ、食器など)を接触させない
- 調理が終わったら、早めに洗う
- 熱いままのフライパンに水をかけない(急激な温度差でコーティングが傷むため)
- 洗ったら水分を拭き取り、乾燥させて保管する
といったことに気をつけましょう。
詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。
関連記事:フライパンのテフロン・フッ素加工を復活させる方法【寿命が長持ち】
焦げ付く場合はどうしたらいい?
しょっちゅう食材が焦げ付いてしまう場合は、
- 油汚れなどが付いている
- コーティングが剥がれてきている
といった可能性があります。
コーティングに傷や剥がれがなく、油汚れが付いているだけなら、
『フライパンに水を入れて沸騰させ、1分ほど煮洗いをする』
という方法で、汚れが取れる可能性があります。
もしコーティングが剥がれてしまっている場合は、
- コーティングを復活させる
- コーティングのないフライパンとして使い続ける
- 新しいフライパンを買う
ということになります。
テフロン加工のフライパンはコーティングが剥がれたまま使っても、まったく問題ありません。
コーティングの機能が失われるだけなので、『普通のフライパン』として使えます。
『コーティングがある方が良い』ということであれば、復活させるか買い替えるかすると良いですよ。
関連記事:フライパンのテフロンが剥がれたまま作った料理を食べても大丈夫?コーティングは有害なのかチェック
フライパンのコーティングを復活させる方法
フライパンのコーティングは、復活させることができます。
方法は
- フッ素樹脂加工のスプレーで、自分でコーティングする
- 業者に頼んで、フッ素樹脂加工をしてもらう
この2つがあります。
自分でコーティングをするほうが手軽ですが、大切に使い続けたいフライパンなら、業者に頼むのがおすすめです。
詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。
関連記事:フライパンのテフロン・フッ素加工を復活させる方法【寿命が長持ち】
テフロン以外のフライパンで食材がくっつく原因と対策
ここからは、テフロン加工以外のフライパンの
- 食材がくっつく原因
- 対策方法
について紹介しましょう。
素材別フライパンに食材がくっつく原因と対策
フライパンに食材がくっつく基本的な原因は、テフロン加工以外でも同じで、
- フライパンの温度が十分高くなっていない
- 油を引かない・油を引く量が足りない
- 火加減が強すぎて、フライパンが熱くなりすぎた
といったことです。
逆に言うと、鉄やセラミックなどのフライパンでも、
- フライパンを十分熱する
- 油をきちんと引く
- 火加減を強くし過ぎない
ということに気をつければ、くっつきや焦げ付きは防げます。
ただ、フライパンの素材が違うと原因や対策にも、多少違いがあります。
原因と対策を、表で見てみましょう。
食材がくっつく原因 | 対策 | |
鉄 |
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セラミック |
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アルミ |
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ステンレス |
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銅 |
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チタン |
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『油ならし』について
フライパンの素材によっては、最初に使う前に『油ならし』が必要な場合があります。
『油ならし』というのは、
フライパンに油を馴染ませ、焦げ付きや錆を防ぐためにする作業です。
テフロン以外のフライパンを買うときは、『油ならし』が必要かどうか、確認してくださいね。
そして、油慣らしが必要な場合は、必ずしておきましょう。
基本的な油ならしの仕方は、
- フライパンを弱火で2~3分温める
- 火を止めて放置し、触っても大丈夫なくらいまで冷ます
- 油をフライパンに入れ、弱火で5分くらい加熱する
- フライパン全体に油が馴染んだら、火を止め、余分な油をオイルポットに入れる
- キッチンペーパーなどで油を全体に塗り込み、なじませる
入れる油の量や加熱する時間などは、素材や製品によって違う場合があります。
取扱説明書に書いてある方法に従って、油ならしをしてくださいね。
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まとめ
フライパンに食材がくっついたり焦げ付いたりする原因は、多くの場合、
- フライパンが十分熱くならないうちに食材を入れてしまった
- 油を引かなかった、もしくは油の量が足りなかった
- フライパンの温度が高すぎた・熱伝導の良いフライパンで強火で調理した
- テフロンのコーティングが剥がれていた
といったことです。
それを防ぐためには
- フライパンを十分に熱してから食材を入れる
- テフロンやセラミックのフライパンであっても、油を引いて調理する
- 必要以上に火を強くしない
- 混ぜる時はヘラを使う
- 調味料は最後に入れる
というポイントを押さえて調理すると良いですよ。
そして、
テフロンなど、コーティングのあるフライパン
⇒コーティングを傷付けないように気をつけて扱う
鉄やアルミ、銅などのフライパン
⇒必要に応じて、使う前に『油ならし』をする
など、フライパンに合った使い方やメンテナンスをすることも、忘れないでくださいね。