たとえば、羽毛布団のタグに「詰めもの1.2kg」、洗濯機には「8kg」。こんな組み合わせなら、余裕で洗えそうに感じませんか?ところが、布団の洗濯では、この数字の比べ方から間違えることがあるんです。
冬布団を出すついでに丸洗いしたい。でも、羽毛が飛び出したり、今夜までに乾かなかったりすると困りますよね。寝る前に湿った布団を抱えて途方に暮れるのは、ちょっと避けたいところ。
- うちの洗濯機は8kg。羽毛布団1枚を洗える?
- 布団の表示が「手洗い」でも、毛布コースなら使っていい?
- 洗ったあと、羽毛の奥まで乾かせる?
羽毛布団を自宅の洗濯機で洗えるのは、布団の洗濯表示・メーカーの案内と、洗濯機の羽毛布団用の条件が両方合う場合です。さらに、洗う前に中まで乾かす方法を決めておきます。
「洗濯容量8kg」の数字だけでスタートを押さず、布団のタグにある詰めものの重さと、機種ごとの布団の上限を見比べてください。
カバーのタグでは分かりません羽毛布団本体の洗濯表示と注意書きを確かめる
カバーを外して、布団本体に縫い付けてあるタグを探します。カバーが洗濯機で洗えても、中の布団まで同じ扱いにはできません。
読むのは、洗濯表示、記号のそばや裏面の注意書き、詰めものの素材・重量、布団のサイズ。商品名や品番も分かれば、販売元へ洗い方を問い合わせられます。
| 布団本体の表示 | 洗濯機を使う前の判断 |
|---|---|
| 洗濯おけに数字があり、手の絵がない | 洗濯機洗いができる表示。数字は水温の上限、下の線は洗う強さを表すので、布団に合うコースか確認する |
| 洗濯おけに手の絵がある | 手洗いの表示。洗濯機のコースがその表示に対応し、羽毛布団も対象か確認する。布団のメーカーが洗濯機を禁じている場合は使わない |
| 洗濯おけに×がある | 家庭での洗濯は禁止。クリーニング店や布団専門店に、表示に合う手入れを相談する |
手洗い表示の布団を、洗濯機の「手洗い」「おしゃれ着」というコース名だけで洗ってよいと決めないでください。衣類の手洗い表示には対応していても、大きな羽毛布団まで対象にしているとは限りません。
布団側が家庭洗濯や洗濯機洗いを禁止していたら、洗濯機に布団用コースがあっても洗わないでください。
たとえば、ニトリの羽毛布団「ムーンシャンテン」「ウクライナ」シリーズは、家庭用洗濯機・乾燥機の使用を避ける指定があります。「洗濯OK」の言葉だけで決めず、シリーズごとの注意書きまで読む必要があるんですね。
穴・ほつれ・羽毛の吹き出しがあれば、丸洗いを止める
布団を広げ、表面の生地と、羽毛が片寄らないように区切ってある縫い目を見ます。小さな穴、ほどけた糸、すでに羽毛が出ている部分はありませんか?
生地が傷んでいる布団は、洗濯中に破れて羽毛が出るおそれがあります。洗濯ネットに入れれば直る、というものでもありません。
縫い目の区切りがない布団や、区切りが崩れて中身が大きく移動している布団は、洗う前に販売元や布団専門店へ相談してください。洗濯槽の羽毛を拾う作業まで、休日の予定には入れたくないですから。
NA-FA8K3で洗う場合は、においも先に確かめてください。目立たない部分に水を付けて絞り、においを確認します。洗濯後ににおいが残る羽毛布団は、この機種では洗えません。
同じkgでも比べる相手が違います洗濯機の容量・布団の総重量・羽毛の充填量を分ける

「羽毛布団には何キロの洗濯機が必要?」と調べたくなりますが、洗濯機本体の容量だけでは答えが出ません。取扱説明書のふとん・毛布コースの対象品と上限を見ます。
| 数字 | 何の重さか | どこを確認するか |
|---|---|---|
| 洗濯機の定格容量 | 規定の乾いた布地を洗うときの容量。布団の中わた上限とは別 | 洗濯機の本体表示・仕様欄 |
| 布団の総重量 | 表面の生地と羽毛などを合わせた布団全体の重さ | 布団のラベル・商品仕様。載っていなければ販売元へ確認 |
| 羽毛の充填量・詰めもの重量 | 中に入っている羽毛などの重さ。中わた重量ともいう | 布団のタグの「詰めもの」「充填量」欄 |
たとえば「ダウン90%・フェザー10%」は中身の配合で、重さではありません。「詰めもの1.2kg」のような重量を探します。タグに数字が見当たらないときは、布団全体を量った重さで羽毛の量を代用せず、販売元へ問い合わせるのが確実です。
取説が「詰めもの1.3kg以下」と指定していれば、照合するのは羽毛などの詰めもの重量です。布団全体の重さを、洗濯機の8kgと比べるだけでは判定できません。
8kg縦型の実例:NA-FA8K3は羽毛の詰めもの1.3kg以下
Panasonicの縦型NA-FA8K3は洗濯・脱水容量8kg。羽毛、または羽毛と化繊を混ぜた布団は、「毛布」コースで詰めもの1.3kg以下が対象です。布団の洗濯には、別売の洗濯キャップAXW3215-6BM0が必要になります。
仮定の場面:洗濯機洗いができるシングルの羽毛掛け布団1枚で、乾いた状態の総重量が2.0kg、羽毛の充填量が1.2kgだったとします。布団の注意書きに家庭用洗濯機の禁止はなく、生地・縫製にも傷みがない条件です。水を付けて絞る事前確認で、においが残らないことも確かめたものとします。
この場合、詰めものの比較は1.2kg ≦ 1.3kgなので、NA-FA8K3の中わた重量の条件を満たします。においの確認に加え、指定キャップを付けて正しく収まることも必要です。布団の表示に合う洗い方と乾かし方も確保できれば、洗濯できます。2.0kgの布団が8kgより軽い、という計算で許可が出るわけではないんです。
同じ仮定で羽毛の充填量が1.4kgなら、1.3kgを超えるため、この機種では洗えません。軽く押したら槽に入っても、上限は変わりません!
2枚洗う場合には、同機種の羽毛布団は1枚につき詰めもの0.6kg以下という別の条件もあります。1.2kgの布団を2枚まとめて、とはいかないので要注意。
8kgでも不可の機種があり、ドラム式も羽毛対応とは限らない
同じPanasonicの8kg縦型でも、NA-FA8H6は布団を洗えません。容量が同じでも、型番が変わると布団への対応が違います。
また、Panasonicのドラム式LXシリーズのNA-LX129E・LX127E・LX125E・LX113Eは、布団の対象がシングルの化繊100%・詰めもの1kg以下です。羽毛布団は対象に入っていません。
「縦型より大きなドラム式だから洗えるはず」とも考えがちですよね。自宅の機種の取説に羽毛布団の対応が見つからなければ、洗う前に洗濯機メーカーへ確認してください。
中わたが化繊のこたつ布団は、素材や寸法の条件が変わるので、こたつ布団を洗濯機で洗うときの容量と禁止品目で確かめられます。毛布を一緒に片付けるなら、毛布コースの容量と、毛布が洗濯機に入らないときの対処も確認しておくとよいでしょう。
洗い終わりより、乾き終わり乾燥機の可否と、羽毛の奥まで乾かせる場所を確認する
羽毛布団は、表面の生地が乾いても中の羽毛に水分が残ることがあります。朝洗って夜使いたい気持ちは分かりますが、乾燥までの予定はゆったり取っておきたいですね。
洗濯乾燥機を使うなら、布団のタンブル乾燥の表示と、洗濯機の布団の乾燥条件を両方確認します。タンブル乾燥は、布団を回転させながら温風などで乾かす方法です。四角の中に丸がある記号に×が付いていれば、その乾燥はできません。
「洗える」と「乾燥できる」は別です。NA-FA8K3の「槽・風乾燥」は、布団に使えません。
布団の乾燥ができない機種なら、干す場所を確保するか、布団と布団乾燥機の両方が対応している方法で乾かします。布団乾燥機も、乾燥時間や使い方はその機種の指定に合わせてください。
自然乾燥は日数だけで終わりにしない
風通しのよい場所で広げ、つり干し・陰干しなど、布団の表示に合わせて干してください。つり干しができる布団なら、物干し竿2本にまたがせて布団の間にも風を通す方法があります。
乾くまでには翌日以降もかかることがあり、厚さ、脱水の状態、気温、湿度で変わります。「2日干したから完成」と日数だけで決めず、厚い部分や四隅に湿りが残っていないか確かめる必要があるんです。
途中で表裏を返し、ある程度乾いたら、片寄った羽毛を軽くならします。強くたたいたり、生地を引っぱって羽毛を移動させたりするのは避けてください。
湿りや湿った塊が残る布団は、使ったり収納したりせず、対応する方法で乾燥を続けます。乾燥不足はにおいやカビの原因になるので、乾いた手触りの表面だけで判断しないこと。
今夜使う予備の寝具も用意しておくと、布団が乾くまで待てますよ。洗濯は終わったのに寝られない、というのも困りますから。
キャップとネットは勝手に代用しません条件を満たした羽毛布団を洗濯機で洗う手順
布団を槽へ入れる動きが分かるPanasonic公式動画です(NA-FW120V2の例)。
自宅の機種では、その取説の布団用の入れ方と部品指定に従います。洗濯キャップを使う機種と、洗濯ネットを使う機種を混同しないでください。
- カバーを外し、本体を点検する。洗濯表示、素材、詰めもの重量、サイズ、生地や縫い目の傷みを確かめます。NA-FA8K3なら、目立たない部分に水を付けて絞り、においが残らないかも点検してください。
- 指定の部品と洗剤を準備する。ネットの有無、キャップの品番、併用の可否は洗濯機ごとの指定次第です。布団の指定とも合うおしゃれ着用の液体中性洗剤を用意してください。
- 取説のたたみ方・入れ方で布団を収める。布団を無理に圧縮してふたを閉めず、指定位置から生地がはみ出していないか確認します。NA-FA8K3では、布団の角から少しずつ槽へ入れ、空気を抜きながら指定キャップを取り付ける方法です。
- 布団に対応するコースで洗う。NA-FA8K3の対象コースは「毛布」。洗剤は表示された水量と洗剤の使用量に合わせ、通常コースや長時間の脱水へ自己判断で変更しないでください。
- 終了したらすぐ取り出し、決めておいた方法で乾かす。水を含んだ布団は重いので、生地の端だけをつままず、全体を支えて運びます。
布団のタグが「ネット使用」、洗濯機の取説がキャップ指定なら、両方を使ってよいかも確認が必要です。キャップとネットの併用を禁じる機種があるため、合わない指定はメーカーに相談してください。
洗濯中に浮いた布団を押さえる作業も、取説の指定がある場合だけ。回転中の槽には手を入れず、一時停止して完全に止まってから扱います。異常な振動や音が出たときは運転を止め、取説の対処に従ってください。
羽毛が入っていても、ダウンジャケットは布団とは対象品や加工が違います。衣類を洗う際は、ダウンジャケットの洗濯表示と、洗濯機で洗えない加工・条件を確かめましょう。
無理な丸洗いで仕事を増やさない家で洗えない羽毛布団は、お店への相談と日頃の手入れを

家庭洗濯禁止、洗濯機が羽毛布団に未対応、指定部品がない、中まで乾かす場所がない。このどれかに当たるなら、その日は家での丸洗いを見送ります。
クリーニング店や布団専門店には、布団の品番、洗濯表示、サイズ、においや汚れ、羽毛の吹き出しの有無を伝えてください。布団の写真とタグの表裏があると、相談時に説明できます。
家庭洗濯禁止でも、お店でできる処理は製品ごとに違います。受け付けてもらえるか、布団の表示と状態を見てもらってから依頼しましょう。生地や縫製の傷みが強ければ、補修や仕立て直しの相談になることもあります。
「もっと大きな洗濯機に入れれば解決」と、大型機での丸洗いに切り替える前にも、布団の禁止事項は確認が必要です。自宅の機種に非対応という話と、布団自体を水洗いできない話は別ですから。
冬布団を出しただけで、毎回本体を洗う必要はありません。カバーをこまめに洗い、布団は表示に合う干し方で湿気を逃がします。
西川の羽毛掛け布団の日常の干し方の目安は、乾燥した晴天日に月1〜2回、片面1時間ずつ。カバーなどで生地を保護し、強くたたかず干します。これは普段のお手入れの目安で、丸洗い後の乾燥時間ではありません。
カバーを洗ったら、内側にたまったほこりも取り除いて付け直す。そういう手入れを続けるほうが、毎回大きな布団を洗うより続けやすいですよね。
羽毛布団の洗濯でよくある質問
洗濯機は8kgか10kgあれば洗えますか?
容量の数字だけでは決まりません。布団の表示と、自宅の型番の羽毛布団への対応、詰めものの重量上限、サイズ、指定部品を合わせて確認します。NA-FA8H6のように、8kgでも布団を洗えない機種があるんです。
手洗い表示なら、洗濯機の手洗いコースで代用できますか?
そのコースが手洗い表示に対応し、羽毛布団も対象で、布団メーカーの指定とも合う場合に使えます。コース名だけで選ばないでください。確認できない場合は販売元と洗濯機メーカーへ問い合わせます。
羽毛布団を洗ったら、においが強くなりました。失敗ですか?
羽毛は動物性の素材なので、湿気で特有のにおいを強く感じることがあります。においだけでカビとは決まりませんが、まず厚い部分の湿りと羽毛の塊を確かめ、対応する方法で十分に乾かしてください。乾燥後も強いにおいが続く、カビを疑う変色がある場合は、お店に状態を見てもらいましょう。
脱水だけなら、自宅の洗濯機を使ってもいいですか?
脱水も、布団の表示と機種の条件が合うか確認が必要です。洗濯機で羽毛布団が対象外なら、脱水だけに変更して使うのも避けてください。浴槽で手洗いする場合にも、洗う前に水を切って乾かす方法まで決めておきます。
タグが読めず、羽毛の重さも分かりません。洗えますか?
洗濯機には入れず、商品名や品番、購入時の情報から販売元へ確認してください。総重量を量っても、羽毛の充填量は分かりません。タグがない、品番も不明なら、布団専門店に実物を見てもらう方法があります。
まとめ
羽毛布団の洗濯は、布団本体の表示とメーカーの指定、洗濯機の型番ごとの羽毛対応、最後に乾燥までそろって初めて進められます。8kgや10kgの数字だけでは、洗えるか決まらないんですね。
比べるのは、取説が指定する重さと、布団のタグにある同じ項目の重さです。中わたの上限には羽毛などの詰めもの重量を照合し、キャップやネットも指定どおりに準備します。
洗えない条件があるなら、お店へ相談する方法があります。家で洗える1枚も、中まで乾くまでは予備の寝具で待つ。ふかふかの布団で眠るために、洗った日の夜だけは少し余裕を持っておきたいですね。