お役立ちの防災グッズとして欠かせないのが、カセットコンロとカセットガスボンベです。
ボンベの規格が同じであれば、コンロと違うメーカーのボンベでも使える可能性はありますよね。
互換性があるかどうか、確認しておきましょう。
また、しっかりと災害に備えるためには、
『防災のための備蓄には、どういうカセットガスボンベが良いのか』
もチェックしておきたいところです。
ということで、この記事では、
- カセットガスボンベの規格
- カセットガスボンベは、違うメーカーのコンロで使える互換性があるのか
- 備蓄するカセットガスボンベはどんなものが良いのか
について解説します。
ぜひ、災害に備えてください!
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カセットガスボンベの規格は統一されている?互換性は?
カセットボンベの規格は同じ?
カセットボンベの規格は、『JIS規格』で
- 容量
- 大きさ
- 形
- 切り込みのサイズやどこに切り込みを入れるか
- ノズルの長さ
などが、細かく規定され、統一されています。
ですから、どのカセットボンベでも同じ形、同じ容量ですし、同じ方法で使うことができます。
ただし、
JIS規格は、すべての寸法を完全に決めているわけではなく、許容されている誤差があります。
なので、『どのメーカーのカセットガスボンベも、すべての部分が完ぺきに同じ』というわけではありません。
なお、カセットボンベの中に入っているガスも、
- 成分の種類
- 成分の割合
が同じであれば、メーカーや値段によって燃焼力などに差が出ることもありません。
関連記事:カセットボンベのメーカーの違いを解説!イワタニのボンベは良い?
豆知識
カセットボンベの規格が統一されたのは、1998年です。
1998年以前に製造されたカセットガスボンベは規格が統一されていないことから、違うメーカーのコンロで使うことはできません。
もっとも、もう20年以上前のボンベですから、『古すぎる』という面でも、使うのは危険です。
カセットボンベは互換性がある?
実は、これは微妙です。
『互換性はあるが、コンロと違うメーカーのカセットガスボンベを使うのは基本的にNG』
と言えます。
なぜかというと、
- カセットコンロとボンベはセットで『JIA(日本ガス機器検査協会)』の検査を受け、認証を受けたうえで販売される
- 『コンロとボンベが違うメーカーの組み合わせ』では検査を受けておらず、認証も受けていない
- 検査も認証も受けていないので、安全性も確認されていない
ということからです。
実際には、カセットコンロとボンベのメーカーが違っても、問題が起こることは少ないです。
でも、あくまでも『少ない』という範囲であり、まったく問題がないわけではありません。
まれにガス漏れなどが起こることがあります。
富山県が行ったテストでも、
カセットコンロに使用すべき容器として指定された専用容器以外の容器を装着してのガス漏れの有無は、9銘柄のうち4銘柄で、微量ではあったが、ガス漏れが生じた。
とのこと。
なので、カセットガスボンベの規格が統一されていて、互換性があるとしても、
安全に使うためには、カセットコンロで指定しているカセットガスボンベを使うことをおすすめします。
コンロと違うメーカーのボンベを使うのは自己責任
コンロとボンベが違うメーカーの組み合わせで使うときは、自己責任で使うことになります。
説明書に書いてあるのとは、違う使い方になるわけですから。
万が一、カセットコンロが故障したりした場合、保証の対象外になることもあります。
ですから、コンロのメーカーと違うカセットガスボンベを使うとしても、
『災害時で、コンロと同じメーカーのボンベが手に入らない』など、やむをえない場合だけにしておいてください。
防災備蓄用には、どんなカセットガスボンベが良い?
防災備蓄用のカセットボンベの選び方
ここからは、防災備蓄のためのカセットガスボンベの選び方を見ていきましょう。
基本的なカセットガスボンベの選び方
まず基本としては、
できるだけ、カセットコンロで指定しているカセットボンベを選んでください。
指定以外のカセットガスボンベでも、カセットコンロを使えないわけではありません。
でも、確実に安全なのは、指定のボンベを使うことです。
メモ
もちろん、コンロに合わせてボンベを選ぶだけでなく、
『寒い時でも使えるボンベを備蓄用にしたいので、そのボンベが使えるカセットコンロを選ぶ』
というのも、ありですよ!
たとえば、下のカセットボンベは10℃以下の環境でも使えます。
気温別のカセットガスボンベの選び方
カセットガスボンベのガスは、気温が低いと気化しにくくなってしまうことがあります。
それを考えると、
気温が10℃を下回る可能性がない
⇒ブタンが主成分のノーマルタイプ
気温が5~10℃の環境で使う可能性がある
⇒イワタニの『カセットガス パワーゴールド』のような、『イソブタン』を多く含むもの
気温が5℃を下回る環境で使う可能性がある
⇒寒冷地対応のカセットボンベや冬のアウトドア向けのカセットガスボンベ
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を選ぶのがおすすめです。
災害は、いつやってくるかわかりません。
真冬に災害が発生する可能性もあります。
なので、冬の気温も考えてカセットボンベを選ぶと、安心ですよ!
極寒地の場合
アウトドア用のカセットガスボンベには、厳冬の冬山でも使えるものもあります。
ですから、そういったカセットガスボンベを用意しておくのもひとつの手です。
ただし、アウトドア用の寒冷地や極寒地向けのカセットガスボンベとなると、
- OD缶のカセットボンベだと、互換性がないし、普通のカセットコンロでは使えない
- ガスコンロもアウトドア用のものを使うとなると、使うのに慣れが必要
- アウトドア用のコンロは、テーブルの上では使えないものもある
- 寒冷地や極寒地向けのカセットガスボンベは、それなりに値段が高い
- 普通のホームセンターなどでは手に入れにくい
- プロパン入りのハイパワータイプは、夏場に使うと火力が強くなりすぎることがあるので、注意が必要
といったデメリットもあります。
たとえば『極寒の地で4人家族が1週間、自宅避難生活ができるだけのボンベ』となれば、けっこうコストがかかりますよね。
であれば、コンロとボンベの備蓄は無理のない範囲にして、
- 発熱材と水で食材を温めたりお湯を沸かしたりできるアイテム
- ガスや電気を使わずに使えて、上に鍋などを置いて調理できるような石油ストーブ
などで補うのも良いでしょう。
発熱材と水で食材を温めたりできるアイテムには、
モーリアンヒートパック
湯沸かしBOX
といったものがあります。
こういったアイテムは、極寒地でなくても役に立ちますよ!
カセットボンベは何本くらい備蓄する?
次は、カセットボンベの備蓄は、どれくらい必要なのかを見ていきましょう。
まず
- 大人2人で1週間過ごす
- 1日3回、レトルトの総菜やごはんを温める
- お茶など、温かい飲み物を1日3回作る
- 1日3回、煮沸消毒などのためにお湯を沸かす
という使い方では、
これが目安です。
この本数を基準に、あとは家族の人数や状況を考え、必要になりそうな本数+αを備蓄しておくと安心です。
多めに備蓄したほうが良い場合
カセットガスボンベを多めに備蓄しておいた方が良いのは、
- 赤ちゃんがいて、ミルク作りや哺乳瓶の消毒などでお湯が必要
- 介護が必要な家族がいて、体を拭くためのお湯などが必要
- 災害時でも、なるべくしっかりした食事を作りたい
- 気温が低い地域に住んでいる
といった場合です。
先ほどの目安からもわかるように、
ガスの消費量は、気温が低いと多くなります。
気温が低いと水や食品などの温度も下がるので、温めるのにはより多くのエネルギーが必要だからです。
そういう意味では、住んでいる地域の気候に関わらず、
夏より冬のほうが、多くの本数を備蓄しておく必要があります。
備蓄しているカセットガスボンベの管理について
カセットガスボンベは、
- 火気がない
- 静電気や火花などが発生しない
- 気温が40℃を超えない
- 湿度が高くならない
- 子どもやペットなどが触らない
- いざという時に取り出してすぐ使える
という場所で保管してください。
また、カセットボンベは製造後6~7年で使用期限を迎えます。
ですから、
『使用期限が切れる前に使うようにして、減った分を買い足す』という、『ローリング・ストック』がおすすめですよ!
カセットコンロの動作確認もできますからね。
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まとめ
カセットガスボンベの規格は、JIS規格で統一されています。
なので、カセットコンロとボンベのメーカーが違っていても、使うことは可能です。
ただし、カセットコンロと同じメーカーのボンベを使うのが、最も安全で安心です。
- カセットコンロの安全性などの検査は、同じメーカーのボンベを使った場合でしかされていない
- 規格が統一されていても誤差レベルの違いがあり、『絶対にガス漏れしない』とまでは言えない
という理由からです。
防災にカセットガスボンベを備蓄するなら、
- 1週間くらいの避難生活を見越して、余裕を持った本数を用意する
- 使う場所の気温に合わせて、ノーマルタイプ、ハイパワータイプ、寒冷地や極寒地向けなど、ガスのタイプを選ぶ
ということも考慮して備蓄すると良いですよ。
災害は、いつ来るかわかりません。
ぜひ、できる範囲での備えをしてくださいね!