キャンプや登山に持っていくガスボンベと言えば、やはり『OD缶』ですよね。
でも、このOD缶、『丈夫でアウトドアに携行しやすい形』というメリットがある反面、価格が高いのが玉にキズ。
そのことから、
『安いCB缶のガスを、アダプタを使ってOD缶に詰め替えて使っている』
という人もいるんです。
しかし、この『ガスの詰め替え』は、事故につながる可能性があり、危ないんです!
そこで今回は
- CB缶からOD缶にガスを詰め替える場合に起きる事故やその原因
- CB缶からOD缶にガスを詰め替えて良いのかどうか
について解説します。
『OD缶にガスを詰め替えて使おうかな』と考えている人は、ぜひ読んでくださいね!
CB缶からOD缶への詰め替えで事故は起きる?
実際にあった事故の事例
CB缶からOD缶への詰め替えでは、実際に事故が起きています。
まず、その事例を見ていきましょう。
平成30年9月に起きた事故では
事故の事例
CB缶からOD缶への詰め替えをする時に、詰め替えやすくしようとしてCB缶を加熱したところ、CB缶が破裂し、ガス漏れが起きた。
とのこと。
また、
事故の事例
ガスを詰め替えようとしてアダプタを取り付けたら、中のガスが液体のまま噴き出してきた。
という事例もあります。
この事例ではどちらも、幸い火災や爆発には至っていません。
でも、ガスカートリッジやボンベの破裂で怪我をする可能性がありますし、漏れたガスに引火したら大変なことになります。

ガスの詰め替えでは、そこまでの大事故の例は、見つかっていません。
でも、消防署などに連絡しないで済ませてしまう程度のガス漏れは、発生しているでしょう。
そういったガス漏れも含めると、実際にはそれなりに事故件数はありそうです。
なお、プロパンガスの事故の事例はこちらに詳しく書いています。
あわせて読んで見てください。
関連記事:プロパンガスで起きた事故を過去から現在まで調査!ボンベが爆発したことは?
ガスの詰め替えではどんなことが事故の原因になる?
CB缶からOD缶への詰め替えでは、どんなことが事故につながるかというと、
アダプターを接続したときに、きちんと接続していなかった・アダプターのバルブを閉め忘れた
⇒ガス漏れが起きる
ガスが漏れていたところに静電気や電化製品の火花が散る
⇒引火して火災や爆発につながる
OD缶にぎりぎりまでガスを入れてしまう(入れすぎ)
⇒ガス器具に繋げて点火した時に、液体のままのガスが噴き出して火柱になり、火事になる
といったことです。

はい、危ないです!
というのも、ガスは
- 換気扇など、電気器具のスイッチで起きる火花
- 静電気の火花
といった、ほんのちょっとした火花でも引火し、火事や爆発につながる可能性があるからです。
『たかがガス漏れ』と思ってはいけませんよ!
CB缶からOD缶にガスを詰め替えるのはアリ?

CB缶のガスを入れて持っていきたいけど、詰め替えて良いの?
ガスの詰め替えはOK?それともダメ?
『そもそもCB缶からOD缶にガスを詰め替えても良いのかどうか』ですが、
ガスの詰め替えは、絶対にやらないでください。
- 事故が起きる可能性がある
- ボンベやカートリッジは、再充填(空のボンベに再度ガスを詰めること)を前提に作っていない
ということからです。
メモ
この記事では主に『CB缶のガスをOD缶に詰め替える』ことについて解説していますが、
- OD缶のガスをCB缶に詰め替える
- CB缶のガスを別のCB缶に詰め替える
- OD缶からOD缶など、同じ種類の別のボンベに詰め替える
といった詰め替えも、同様に危険ですし、禁止されています。
詰め替えは事故につながる可能性がある
たとえば、
ガスを充填するときに、アダプタがきちんとつなげていないと、ガス漏れが発生しかねません。
ガス漏れが起きれば、引火して火事になったり爆発したりする可能性がありますよね。
また、先に上げたように
- ボンベを温めたことで、破裂する
- 液体のガスが突然噴き出してくる
- ボンベにガスを詰めすぎて、ガスを使うときに勢いよく噴き出す
といったことが起きる可能性もあります。
ボンベが詰め替えに対応していない
OD缶やCB缶は、『使い切り』を前提に作られています。
- 再充填して使った場合の安全性は確認していない
- 再充填して使うための、ボンベの法定検査などもされない
ということから、詰め替えた場合の安全性は担保されていません。
そのため、
ガスの再充填は、高圧ガス保安法でもカセットガスボンベのメーカーでも禁止しています。
ガスの詰め替えは自己責任

確かにネット上には、『自分で詰め替えたけど問題なかった』と書いている人もいますよね。
でも、
『空のボンベにガスを自分で再充填して使う』のはメーカーが定めた『正しい使い方』ではありません。
ですから、自己責任になりますし、事故を起こしても、メーカーの補償は受けられません。
筆者としても、『やっている人がいるから大丈夫』とは思いません。
法律でもメーカーでも禁止しているのは、やはり危ないからなのです。
身近なカセットガスも、『可燃性のガス』という危険物です。
そのことを忘れず、決して甘く見ないでくださいね。
『慣れれば大丈夫』ではない
自分で詰め替えている人の中には、
詰め替えをしている人の話
作業に慣れれば、ほとんどガス漏れせずに詰め替えられるようになります。
と言う人も見受けられました。
これは一見、『慣れてうまく詰め替えられるようになれば大丈夫』という意味に取ってしまうかもしれませんが、
- 慣れないうちは、ガス漏れする可能性が高い
- 『慣れればほとんど漏れない』ということは、慣れても少しはガス漏れする
と、筆者は捉えました。
また、
作業に慣れたために油断して、注意がおろそかになることもあり得ますよね。
それを考えると、やはり詰め替えはしないのが一番安全です。
CB缶のガスを使いたいなら

そうですよね。
『OD缶が高いから、CB缶のガスを使ってコストを安く済ませたい』という人は多いです。
そこでおすすめなのが
- CB缶に対応しているバーナーなどを使う
- CB缶のガスを使うのはあきらめて、普通にOD缶を使う
といった方法です。
CB缶対応のバーナー
『ぜひともCB缶のガスを使いたい』ということなら、
CB缶で使えるガス器具を使うのがおすすめです!
そうすれば、詰め替えしなくて済みますからね。
たとえば、バーナーなら
といったバーナーがあります。
他にも、
- ガストーチ
- ツーバーナー
- ランタン
などにも、CB缶で使えるガス器具があります。
素直にOD缶を使う
OD缶はアウトドア向けのガスカートリッジなので、やはり持ち歩きしやすいですよね。
また、CB缶より丈夫にできています。
そういったOD缶のメリットを生かしたいということであれば、
コストはかかっても、OD缶を買って使うのが一番良いです。
OD缶はたしかにCB缶より高いですが、『安心して使うためのコスト』だと考えてみてください。
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まとめ
CD缶のガスをOD缶に詰め替えるのは、
- ガス漏れする
- 漏れたガスへの引火から火災や爆発が起きる
- OD缶にガスを詰めすぎたために、着火した時にガスが噴き出して火柱になってしまう
といった事故が起きる可能性があります。
危険ですから、絶対にやらないでください。
実際に、
詰め替えるためにボンベを温めたら、破裂してガスが漏れた
という事故も起きています。
また、カセットガスボンベも、再充填して使うための安全性の確認や検査はしていません。
『カセットボンベのガスの詰め替えは危険性がある』ということで、法律でもガスボンベのメーカーでも禁止しています。
ですから、危険を冒して詰め替えをするのではなく、
- CB缶のガスを使うなら、CB缶で使えるガス器具を使う
- コストがかかってもOD缶を買う
といった方法を取ってください。
アウトドアを楽しむためには、安全であることが大切ですよね。
もちろん、キャンプや登山に行くための準備も、『安全第一』です。
存分に楽しむためにも、カセットガスボンベやカートリッジは、正しく使いましょう!