トイレ用の洗剤と言えば、『サンポール』。
このサンポールは酸性で、塩酸も含まれているのですが、
その成分を利用して、サンポールで錆落としをする人も、けっこういます。
そうですね。
ただ、
サンポールでの錆落としは、おすすめしません。
やめておいたほうが良いです。
理由を知りたいですよね。
ということで今回は
- なぜサンポールでの錆取りはやめたほうが良いのか
- サンポール以外の錆取りの方法
についてチェックしていきます。
ぜひ読んでくださいね!
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サンポールでの錆落としをおすすめしない理由とは
サンポールでの錆落としを避けたほうが良い理由は
- メーカーでは金属への使用を禁止している
- サンポールでの錆落としには、リスクもある
- サンポール以外に、もっと安全で楽な方法がたくさんある
ということです。
理由について、詳しく解説しましょう。
サンポールは金属に使ってはいけない
サンポールを錆落としにおすすめしない理由の第一は、
そもそもメーカーが、サンポールを金属に使わないように言っている
ということです。
サンポールは、強い酸性で、塩素も入っている洗剤です。
ですからメーカーでも、本来の用である
- トイレの便器の掃除
- トイレのタイル部分の掃除
以外に使わないよう、注意を促しているのです。
なぜ用途外の使い方を禁止しているか、その理由の1つには、メーカーとしての責任もあります。
でもそれだけでなく、サンポールを金属に使うのには、リスクもあるからです。
次に、リスクについて見ていきましょう。
サンポールで錆落としをするリスクとは
サンポールでの錆落としには、
- 金属の種類によっては、腐食や変色、変質することがある
- 金属の種類を間違えて、酸に弱い金属にサンポールを使って傷めてしまう可能性がある
- 場合によっては、時間が経つうちにもろくなって壊れることがある
といったリスクがあります。
中でも怖いのは、
『錆を落とした直後は問題ないように見えても、時間が経つうちにもろくなって壊れる』
という可能性があることです。
壊れたのが棚に使う部品だったら、物が落ちるかもしれません。
自転車など乗り物の部品が突然壊れたら、ケガをするかもしれませんよね。
さらに、
- サンポールで錆を落とした後の処理が不十分だと、かえって錆びやすくなってしまう
- 薄い鉄板などでは穴が開くこともある
- メッキのしてあるものだと、メッキが曇ったり傷んで剥がれたりする可能性がある
といったリスクもあります。
ですからやはり、サンポールでの錆落としはやめたほうが良いのです。
サンポールに浸けおく時間の見極めが難しい
サンポールでの錆落としには、ここまでに見てきたリスクに加え、
適切に錆を落とすための、浸けおき時間の長さを見極めるのが難しい
という問題もあります。
サンポールでの錆落としでは、『しばらく浸す』という方法がよく使われます。
でも、どのくらいの時間浸すのが適切なのかは、
- 錆の程度
- 錆の範囲
などによって違います。
短すぎれば、当然錆は落としきれませんし、長すぎれば金属が傷んでしまいます。
その間を取って、ちょうど良い時間で適切に浸すのは、なかなか難しいのです。
サンポールより良い方法は沢山ある
ここまで見てきたように、サンポールでの錆落としには、いろいろなリスクやデメリットがあります。
一方、
サンポールを使うより安全で簡単に錆を落とす方法は、けっこう多いです。
それを考えたら、わざわざサンポールを使うメリットはありませんよね。
サンポール以外の物で錆を落とす方法はこの後紹介するので、読んでくださいね。
特にサンポールを使ってはいけないものとは
サンポールを錆落としに使うとすれば、自己責任ということになります。
自己責任で、サンポールで錆を落とすとしても、特におすすめしないのは、
- 自転車やバイクなど、乗り物の部品
- 重い物を乗せる棚などの部品
- 高価な物
など、万が一のことがあったら怪我をしかねない部品や、失敗したら取り返しの付つかない物です。
たとえば
『バイクのタンクの錆をサンポールで落としたら、穴が開いてしまった』というケースもあります。
バイクの部品は、壊すと修理費もかかりますよね。
であれば、最初からバイクの部品に合う方法で錆落としをしたほうが、安上がりです。
また、
ネジやナットなどは、錆びているものをわざわざ錆落としして使うメリットはありません。
ホームセンターなどでバラ売りしているので、同じものを買ってくださいね。
そのほうが手間もかかりませんし、安心です。
サンポールより安全で手軽な錆落としの方法
ここからは、サンポールよりやりやすい錆取りの方法を紹介します。
市販の錆取り剤を使う
一番効率的で安全なのはやはり、
錆取り用のクリーナーや錆取り剤などをつかうことです。
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たとえば、KUREの『サビ取りクリーナー』の場合は、
- 錆びの部分の汚れを、なるべく取り除いておく(錆が塗装の下に潜り込んでいる場合は、塗装をはがして錆びを露出させる)
- 錆びの部分に錆取りクリーナーを塗り、布などで伸ばす
- 3~5分放置する
- ぬるま湯で軽く絞った布で、錆を拭き取る
- 乾いた布で水分をしっかり拭き取る
という手順で錆を落とせます。
面倒な中和や錆取りに使った液体の処理もいりません。
もちろん、KUREの『サビ取りクリーナー』の他にも、いろいろな錆取り剤があります。
錆取り剤を選ぶときには、
- 錆を落としたい金属の種類(鉄、ステンレス、アルミなど)
- 錆取り剤がどの金属に使えるか
- 使い方や使用上の注意
をよく確認して、金属に合う製品を選んでくださいね。
『KURE 5-56』を使う
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防錆・潤滑剤としてとても有名な『KURE 5-56』でも、錆を落とすことができます。
やり方は
- 錆びた部分にKURE 5-56をたっぷり吹きかける
- そのまましばらくおいて、浸透させる
- ブラシで磨く
これだけです。
KURE 5-56は他にもいろいろな用途に使えるので、公式サイトもぜひチェックしてくださいね。
クレンザーで磨く
メッキのしてある部分の錆や軽い錆なら、クレンザーでも落とせます。
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手順は
- 錆の部分にクレンザーを付ける
- こする
- 錆が落ちたら、水で洗い流す(水洗いできない場合は布で丁寧に水拭きし、乾いた布で水気を取る)
です。
なお、シンクのサビを取る場合は、こするときに
- 丸めたラップや、ラップで包んだ柔らかいスポンジを使う
- 力を入れすぎず、なでるように磨く
という風にすると、シンクに傷が付きにくいですよ。
『錆転換剤』を使う
『錆転換剤』とは、赤錆に対して使うアイテムで、
赤錆を黒錆に変えることで、金属が傷むのを防ぐ
という、錆を持って錆を制してしまうアイテムです。
錆転換剤には、
- スプレータイプや刷毛などで塗るタイプ
- 水性・油性
など、いろいろな種類があります。
また、金属の種類によっても、合う合わないがあります。
なので、買う時は
- 錆対策をしたい部分の素材
- 赤錆の程度や、錆が付いている部分の広さ
- 塗りやすい方法
などをチェックしてから買いに行きましょう。
どれを選んだら良いか判断できなそうなときは、錆転換剤を使いたい部分の写真を撮ってお店に行き、お店の人に聞くとよいですよ。
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金属磨きで磨く
ちょっとした錆なら、
『ピカール』や『ピカピカン』などの金属磨きで磨くと、落とすことができます。
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ピカールは、液状の金属磨きで、布に付けて磨きます。
ピカピカンは、『中の綿を必要なだけちぎって取り出し、磨く』というお手軽さ。
この簡単さは助かりますね!
ただし、金属磨きも
- 使って良い金属
- 使えない金属
があるので、使い方や注意点などをよく読んで選んでくださいね。
錆落としに使える食べものもある!
食べものや、口に入れても大丈夫なアイテムの中にも、錆落としの効果を持つものがあります。
どんなものが錆落としに使えるかというと、
お酢やクエン酸液
⇒しばらく(お酢の場合は数時間~1日くらい)浸し、歯ブラシなどでこすった後、布などでよく拭き取る
重曹
⇒粉のまま振りかけたり、ペースト状にしたりして、磨き粉として使う
レモンと塩
⇒レモンの絞り汁と塩を混ぜてペースト状にし、磨く
歯磨き粉
⇒歯磨き粉で磨く(研磨剤入りの歯磨き粉が効果的)
ケチャップと歯磨き粉
⇒サビの部分にケチャップを付け、サランラップで覆ってパックをしてしばらくおいた後、歯磨き粉と歯ブラシで磨く
こういった方法は、錆落とし剤ほど効果が高くない可能性があります。
でも、『なるべくケミカルなアイテムは使いたくない』という人には、おすすめですよ。
なお、
本格的に錆落としをする前に、目立たない所に少しだけ付けてみて、変色や変質などが起きないか試してみてください。
また、錆を取った後は、必要に応じて
- 水でよく洗い、水分をよく拭き取って乾かす
- 防錆剤やオイルなどを塗る
といったメンテナンスをしてくださいね。
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まとめ
サンポールでの錆取りは
- 金属の変色や変質、腐食が起きて、傷めてしまう可能性がある
- 錆落としをしたときは問題ないように見えても、時間が経過するうちに劣化が進み、壊れる場合もある
- 錆を落とした後の処理がきちんとできていないと、逆に錆びやすくなる
- メッキが劣化したり剥がれたりする可能性がある
といった理由から、おすすめしません。
『錆は取れたけど、劣化してダメになっちゃった』なんていうのでは、元も子もないですものね。
そもそも、サンポールよりも安全に簡単に錆取りができるアイテムや方法は、
- 錆取り剤
- KURE 5-56
- クレンザー
- 錆転換防止剤
- 金属磨き
- お酢やクエン酸
- 歯磨き粉や重曹
- レモン+塩
- ケチャップ+歯磨き粉
など、たくさんあります。
であれば、わざわざサンポールを使う必要もないですよね。
金属を傷めない方法できれいに錆を落として、ピカピカにしてくださいね。