手軽に使えて、テーブルの上で焼きたてのお肉やアツアツのお鍋を楽しめるのが、カセットコンロの便利なところ。
災害への備えにも、心強いアイテムです。
でも、時には
使おうとしたら火がつかない!
なんてことがありますよね。
電池切れも寿命もあり得ますし、点火できない原因は他にもあります。
安全に使うためにも、火が点かない時の原因やコンロの寿命を知っておきたいですよね。
ということで今回は
- カセットコンロの点火の仕組み
- カセットコンロが点火しないときに考えられる原因と対処法
- カセットコンロの寿命
について解説します。
ぜひ読んでくださいね!
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カセットコンロってどういう仕組みで点火するの?
カセットコンロの点火の仕組み
カセットコンロの点火の仕組みには、
連続点火方式
⇒電池を使って点火する
圧電点火方式
⇒電池を使わずに点火する
という2つの方式があります。
電池を使う『連続点火方式』
『連続点火方式』は、
- 電池の電力で点火器を作動させて火花を飛ばす
- 火花がバーナーから出て来たガスに着火して火が点く
という仕組みで点火します。
『連続点火方式』という名前の通り、点火するときには『パチパチパチ』と連続で火花が出ます。
電池の要らない『圧電着火方式』
『圧電着火方式』は、
- スイッチを押すと、内部の部品が『電圧素子』を叩く
- その振動や圧力で電圧が発生し、火花が出る
- 火花がバーナーから出ているガスに着火する
という仕組みで点火します。
圧電着火方式は、
- 100円ライター
- チャッカマン
など、スイッチをカチッと押して火を点ける点火器によく使われています。
圧電着火方式では、電池の電力は要りませんが、
火花が出るのは『パチッ』と1回だけなので、すぐに火が点かないことがあります。
『圧電素子』や圧電点火方式について詳しく知りたい人はこちらを読んでくださいね。
参考 松定プレシジョン『圧電(ピエゾ)素子とは?圧力をかけるとどうなるの?』
電池を使うコンロのほうが安全!
圧電点火方式は、たしかに便利で低コストです。
でも安全性の面では、電池を使う『連続点火方式』のほうが良いんです。
先にも書いたように、圧電着火方式だと一発で火が点かないことがあります。
着火を試みる度にガスが出るので、何度も着火を試みた場合、『ガス漏れと似た状態になっている所に火をつける』ことになってしまうのです。
もしガスが広がっていたら、危ないですよね。
一方、連続点火方式では火花がパチパチと何回も出ますから、1回目の点火で火が点きやすいのです。
電池のコストはかかりますが、安全性で選ぶなら連続点火方式のほうがメリットが大きいですよ。
カセットコンロの火がつかない原因と対処法は?.
ここからは、カセットコンロの火がつかない原因を
- コンロに原因がある場合
- ボンベに原因がある場合
に分けて見ていきましょう。
コンロに原因がある場合
カセットコンロ側の問題で火がつかないときは、
- 電池切れ
- 点火プラグの先の汚れ
- 点火プラグのズレ
- 安全装置が作動している
- 風で火がつきにくくなっている
- コンロが古くなっている
といったことが原因として考えられます。
それぞれの対処法を表にまとめました。
原因 | 対処法 | 備考 |
電池切れ | 電池を交換する | 点火しようとしたときに火花が出ないときは、電池切れの可能性がある |
バーナーのガスが出る穴に汚れが付いて点火しにくくなっている | 布や古い歯ブラシなどで掃除する | 火花が出るのに火が点かないときは、穴が汚れている可能性がある |
点火プラグの先が汚れていたり炭化したりしている | 点火プラグの先を、目の細かいサンドペーパーでそっとこする | 強くこすったりプラグを曲げたりしないように注意すること |
点火プラグがズレている | 指やペンチでそっと押して調整する | プラグの先が
に来るようにするのがポイント |
安全装置が作動している | 解除の方法はコンロの機種によって違うので、取扱説明書で確認する。 | 点火したときにつまみから手を離すと火が消える場合は、安全装置が作動している可能性がある |
風で火が消える |
| 風よけを作るときは、燃えにくい素材を使い、風で倒れないようにすること |
コンロの寿命 | 買い替える |
というときは買い替え時 |
電池を変えたり掃除をしたりするときは、安全のために必ずつまみを『切』にしてから行ってくださいね。
また、バーナーの位置を調整したあとに点火するときには、点火プラグに触らないでください。
触ったまま点火すると、感電ややけどをすることがあります。
ボンベに原因がある場合
カセットボンベ側の原因で火が点かなくなるときには、
- カセットボンベが正しくセットされていない
- カセットボンベのガス切れ
- 気温が低すぎる
といった原因が考えられます。
これも表で見ていきましょう。
原因 | 対処法 | 備考 |
ボンベのガス切れ | ボンベを交換する | ボンベは余裕を持ってストックしておくのがおすすめ |
ガスの出口が詰まっている | ボンベのガスが出る穴を点検し、汚れていたら布や掃除ブラシで掃除をする | 点火するときに『シュー』というガスの出る音がしないときは、ガスの出口が詰まっている可能性がある |
気温が低すぎる |
| カセットボンベをストーブや火で温めると爆発の危険があるので、絶対にやらないこと 寒冷地対応のカセットボンベを普通のカセットコンロで使うときは、説明書やメーカーへの問い合わせで使っても大丈夫か確認してから使う |
原因が不明の場合は?
ここまで、カセットコンロで火がつかない場合のいろいろな原因と対処法について見てきました。
『どれもあてはまらないけど、やっぱり火がつかない』というときに考えられることは、
10年近く使ったカセットコンロ
⇒寿命
まだまだ使えるはずのカセットコンロ
⇒故障
買ったばかりのカセットコンロ
⇒初期不良
です。
寿命が来てしまったカセットコンロは、買い替えるほかありません。
無理に使わず、買い替えてくださいね。
まだ使えるはずのコンロや買ったばかりのコンロの場合は、買ったお店やメーカーに相談してください。
自分で分解するのは絶対にダメ!
カセットコンロが点火できないからといって、
自分でコンロを分解して掃除や修理をするのは危険なので、絶対にしないでください。
素人が分解すると、不具合の原因になりかねませんし、ガス漏れや不完全燃焼、過燃焼などの事故につながりかねません。
手軽なカセットコンロとはいえ、あくまでも『ガス器具』です。
無理に自分で修理して事故を起こすよりは、問い合わせたり買い替えたりしたほうが安全ですし、安上がりですよ!
カセットコンロの寿命はどれくらい?
カセットコンロの寿命
カセットコンロの寿命は、
取扱説明書やパッケージなどに使用期限や『製造から何年』などと書いてある場合
⇒使用期限や年限まで
特に書いていない場合
⇒製造から10年が目安
はい、そうです。
- 新品のまま一度も使っていない
- ほとんど使っていない
- 故障の気配もなく、まだまだ使えそう
- 使用期限が来たが10年は経っていない
という場合でも、使用期限が来たら、もしくは製造から10年になったら買い替えてください。
なぜかというと、
使用頻度に関わらず、『Oリング』というガス漏れ防止のゴムパッキンが経年劣化してくるからです。
大事な部品が劣化したまま使い続けるのは、危ないですからね。
また、使用頻度や年数に関わらず、『Oリング』が
- 変形している
- ひびが入っている
といった場合は、買い替えてくださいね。
カセットコンロの製造年を確認する方法
大丈夫です。
カセットコンロの製造年は、カセットコンロのシールに書いてあります。
たとえば、このコンロだったら『2019年2月に製造された』ということです。
このシールは製造年月などの情報が書いてあるシールなので、
- はがさない
- 汚れが付いたら拭き取っておく
という風にして、いつでも確認できるようにしておいてくださいね。
カセットコンロを寿命まで使うには?
カセットコンロを寿命まで使うためには、使い終わったら
- カセットコンロを掃除して、汚れを取り除いておく
- カセットコンロに付いた水分も、きちんと拭き取ったり乾かしたりする
といった手入れをしてください。
汚れが付いたままにしておくと、
- ボンベの穴が目詰まりする
- コンロのガスの出る穴が詰まる
- 点火プラグが汚れて火が付きにくくなる
- 汚れや水分でさびが生じたり、故障したりする
といったことにつながり、火が付きにくくなったり、コンロの寿命が縮まってしまったりする可能性があります。
使い終わったら、取扱説明書に従って手入れをしておきましょう。
きれいにしておけば、次に使うときもすぐに使えますよ。
いいえ、手入れしても寿命は使用期限まで、もしくは約10年です。
『手入れすれば寿命が延びる』というわけではありません。
先にも書いたように、『Oリング』が経年劣化するからです。
また、頻繁に使う場合は、手入れをしていても10年に満たずに寿命が来ることもあります。
でも手入れをしておけば、寿命まで安全に使えますよ!
カセットボンベの寿命
カセットボンベの寿命は、製造から6~7年です。
カセットボンベの製造年月日は、缶の底を見るとわかりますよ。
下の画像の数字の部分は、『2018年12月20日製造』を表しています。
ただし、製造から6~7年たっていなくても、
- ボンベがさびている
- ボンベが変形している
- ボンベや部品がゆがんでいる
- キャップがないまま保存されていた
といった場合は、使わないでください。
内部の部品の劣化が進んでいる可能性があるからです。
関連記事:キャンプ用や家庭用ガスボンベを処分する方法!廃棄や回収の料金はいくら?
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まとめ
カセットコンロ側の問題で火がつかないときに原因として考えられるのは
- 電池が切れている
- 点火プラグの先が汚れている
- 点火プラグがずれている
- 安全装置が作動している
- 風のために火が点きにくい
といったことです。
電池を使うコンロは、電池で火花を出して点火します。
なので、電池が切れると点火できなくなってしまいます。
カセットボンベ側の原因としては
- ボンベが正しくセットされていない
- カセットボンベのガスがなくなっている
- 気温が低すぎてガスが気化できない
といったことが考えられます。
火が点かないときは、コンロとボンベ両方にあり得る原因を1つ1つ確認して対応してください。
カセットコンロの寿命は、
- 製造から約10年
- 取扱説明書などに書いてある使用期限が来た
- ガス漏れを防ぐ『Oリング』が劣化した
というタイミングです。
新品で未使用のままであっても、この3つのどれかに当てはまったら買い替えてくださいね。