生活で身近なプロパンガスボンベといえば、
- カセットガスボンベ
- プロパンガスボンベ(高圧ガスボンベ)
の2つですよね。
この2つ、ボンベの大きさも材質も、中に入れるガスの種類も違います。
となると、もちろん、処分方法も違います。
では、具体的になにが違うのでしょうか?
どうしたら、ガスボンベを安全に捨てることができるのでしょうか。
今回は、
- カセットガスボンベの処分の方法
- プロパンガスボンベの処分方法
について解説します。
カセットボンベのガス抜きの仕方についても解説していますので、ぜひ読んでくださいね!
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カセットガスボンベを処分する方法
では、まずカセットガスボンベの処分方法について解説します。
カセットガスボンベには、
- カセットコンロ用のガスボンベ
- アウトドア用のガスボンベ
がありますが、どちらも処分の方法は同じです。
カセットガスボンベは自治体の決まりに従って捨てる
カセットガスボンベの捨て方は、自治体によって違います。
住んでいる自治体が、どういう方法を指示しているか確認して、従ってください。
カセットガスボンベの捨て方のチェックポイント
『自分が住む自治体でどういう捨て方を指示しているか』のチェックポイントは
- 自治体でカセットガスボンベを回収しているかどうか
- 穴を開けて回収に出すか、穴を開けずに回収に出すかか
- どのごみの区分で出すか(たとえば、『不燃ごみ』『資源ごみ』など)
の3点です。
自治体によって、穴を開けるかどうかや、ごみの区分が違います。
よく確認してください。
自治体では回収しない場合
自治体によっては、カセットガスボンベを回収していないところもあります。
その場合は、資源回収業者などに処分を依頼しましょう。
業者に依頼する場合、費用が掛かるかどうかは業者によります。
無料で引き取ってもらえることも多いので、問い合わせて確認してください。
ボンベは必ず空にして捨てること
カセットガスボンベを処分する時に必ず守らなければいけないのは、
『中のガスを使い切ってから処分する』ということです。

そうですね。
中身が残ってしまっている時は、十分にガスを放出させてから処分しましょう。
ガスの抜き方については、このあとに詳しく解説するので、よく読んでください。
カセットガスボンベのガスの抜き方
カセットガスボンベのガスを安全に抜く手順は
- なるべく静電気の起こりにくい服装になり、軍手などをはめる
- 静電気除去グッズなどで静電気を取り除く
- 火の気がなく、風通しの良い屋外に行く
- ガスボンベより風上に立つ
- 風下に人がいないことを確かめる
- カセットガスボンベのキャップを外す
- 先端を下にして、コンクリートなどの固い地面に押し付け、ガスを噴出させる
- 液化ガスで液だまりができた場合は、ガス抜きを中断して、溜まったガスが気化するまで待つこと。
- ガスが噴出しなくなったら、ボンベをゆすって水の動くような音がしないか確認する。(音がしたら、さらにガスを噴出させる。)
- 水のような音がしなくなったら、ガス抜き完了
ガス抜きをする時は、もちろん、火気厳禁です!
ガス抜き中や、ガス抜きが終わったすぐ後に、その場所でタバコを吸ったりしてはいけません。
また、マッチやライターの火だけでなく、静電気や石がぶつかって出る小さな火花にも、注意してください。
それから、ガスを吸ってしまわないためにも、
『風上に立つ』ことを忘れないでくださいね。
ガス抜き中にガスの臭いで気分が悪くなった時は、すぐに中止してください。
そして、ガスを噴出する時には、凍傷予防のため、軍手などの手袋をして、少しずつガスを抜きましょう。
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ガスが気化する時は、ボンベが0℃近くまで冷えることがあります。
ボンベを持つ手が冷やされて、凍傷になってしまいかねません。
メモ
一度に大量のガスを抜くと、ご近所で『ガス臭い!』なんて騒ぎになるかもしれません。
前もってご近所に声をかけるか、騒ぎにならない範囲で少しずつ、ガス抜きをすると良いです。
カセットガスボンベの穴の開け方
カセットガスボンベに穴を開ける時は、穴あけ用の道具を使いましょう。
釘や金づちを使うと、火花が出る可能性があり、危険です。
穴あけ用の道具は、家庭に1つ用意しておくと便利ですよ。
また、穴が1ヵ所だけだと、中にガスが残ってしまうことがあるので、必ず2つ以上開けましょう。
未使用のカセットボンベの場合
未使用で新しいガスボンベであれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる場合もあります。
買取可能かどうか、問い合わせてみてください。
ただし、製造から7年以上たったガスボンベは、未使用であっても処分しましょう。
なぜかというと、
- カセットボンベの使用期限は、製造から7年である
- 製造から7年以上たったカセットボンベは、中の部品が劣化している可能性がある
ということから、リサイクルショップで引き取ってもらえない可能性が高くなるからです。
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いわゆる『プロパンガスボンベ』の処分方法
次に、家庭でのガス供給や露店などで使う灰色の、いわゆる『プロパンガスボンベ』の処分方法を解説します。
こうしたガスボンベは『高圧ガスボンベ』と呼ばれています。
高圧ガスボンベは、『高圧ガス保安法』で『危険物』と定められています。
ですから、高圧ガスボンベは、たとえ空のボンベであっても、個人で勝手に処分してはいけません。
では、どのように処分したら良いのか、見ていきましょう。
高圧ガスボンベの処分のしかた
高圧ガスボンベは
- 購入した本人が販売元に返却する
- 販売元の業者が無くなってしまった場合は、『高圧ガス保安協会』などに相談
- 回収業者を利用する
という方法で、処分します。
高圧ガスボンベの処分は『販売元に返却』が基本
高圧ガスボンベを処分する時は、
『ガスボンベを購入した本人が販売元に返却して、処分してもらう』
というのが基本です。
本人が返せない場合は、他の人が代理人となって処分しますが、その場合は委任状が必要です。
代理で処分する時は、販売元に委任状のことも問い合わせてから持って行くと良いですよ。

面倒だね…。
確かに面倒ですよね。
でもこれは、
『ガスボンベはそのくらい厳重に管理する必要がある』
ということなのです。
事情があって委任状を用意できない時は、どうすれば良いか、販売元に問い合わせてください。
メモ
なお、『返却』という言葉を使ってはいますが、購入した時に払ったボンベ本体の代金が戻ってくるわけではありません。
そのことは、承知しておいてください。
購入元の業者がなくなってしまった時は!?
もし、
- ガスボンベを買った業者やお店が、倒産や廃業してしまった
- 販売元に連絡が取れない
- 古いガスボンベを見つけたが、販売元が消えていたり汚れていたりして読めない
といった場合は、
- 高圧ガス保安協会( https://www.khk.or.jp/ )
- LPガス協会( https://www.japanlpg.or.jp/ )
に相談してください。
処分できないガスボンベの廃棄方法について、相談することができます。
ただし、処分してもらうには、手数料などの費用が掛かります。
問い合わせの時に、費用についてもきいておいてください。
回収業者に依頼する
不要になった高圧ガスボンベを回収してくれる業者もあります。
回収業者を探すには、
- 自治体のクリーンセンターなどに問い合わせて教えてもらう
- 『高圧ガスボンベ 回収 業者 ○○(地域名)』と入れて検索する
という方法があります。
安心なのは、自治体のクリーンセンターなどで教えてもらう方法です。
業者に回収してもらう場合は、料金がかかります。
料金は、業者によって違いますが、一例では
2kgボンベ
⇒2,000円
5kgボンベ
⇒3,000円
8kgボンベ
⇒5,000円
10kgボンベ
⇒8,000円
という料金になっています。
回収業者をネットで探す場合は、業者の情報をよく確認してください。
回収業者の中には悪質な業者もあり、『料金を払って回収してもらったのに、不法投棄された』なんてケースもあるからです。
悪質な業者を避けるためには
- 書いてある住所をネットで検索して、本当にその業者がその住所にあるか確認する
- 連絡先が固定電話である所を選ぶ
- 電話番号や業者名で検索して、悪評がないか確認する
- 作業トラックに業者名が書いてあるかチェックする
- 見積書や領収書をきちんと書いてくれて、後から勝手に金額や条件を変えないか確認する
ということがポイントです。
粗大ごみなどとして捨てるのは可能?

粗大ごみや不燃ごみとして捨てられないの?
捨てられません。
もし粗大ごみとして、ごみ収集所に持って行ったとしても、回収してもらえません。
先に書いたように、高圧ガスボンベは空っぽでも『危険物』の扱いです。
普通の粗大ごみや不燃ごみとは、全く違う種類の廃棄物なんです。
ガスボンベの不法投棄は絶対ダメ!
ガスボンベの処分がどんなに面倒でも、
絶対に不法投棄をしてはいけません!
不法投棄は危険!
ガスボンベの不法投棄は、違法行為であるだけでなく、事故につながる可能性もあります。
実際に、
- 不法投棄で放置されたガスボンベの容器が劣化してガスが出てしまった
- 不法投棄されたボンベが爆発して、負傷者が出た
という不法投棄の高圧ガスボンベによる事故も、起こっています。
ガスの事故は、大事故や火災にもつながりかねません。
必ず、決められた方法で処分してください。
不法投棄ボンベの持ち主はバレてしまう
ガスボンベは容器本体に
- 容器番号
- 販売店
- ガス充填日
- 検査日
が記されています。
また、高圧ガス保安法容器管理の義務規定によって
- ガス充填
- ガス販売会社
- 購入者
についても、それぞれの住所や連絡先を記録しておくように定められています。
つまり、誰が誰にガスボンベを売ったのか、記録されているのです。

そうですよ!
不法投棄がバレて罰せられるより、最初からきちんとした方法で処分したほうが、ずっと良いですよね。
メモ
不法投棄されたガスボンベを見つけた場合は、
絶対に触らずに、自治体や高圧ガス保安協会に相談してください。
連絡する時には、わかる範囲でいいので、
- ガスの種類
- ガスボンベの大きさ
- ガスボンベの色
- 容器に書いてある記号と番号
- 所有者の打刻番号
- 所有者の名称
を伝えると、相談を受けた側が対応しやすくなり、助かります。
腐食してガスが出ていたり、爆発したりするといけませんから、自分の判断で動かしたりしないでください。
ネットオークションやフリマサイトに出すってどうなの?
要らなくなったガスボンベを、ネットオークションやフリマサイトに出品している人もいますよね。
でも、ガスボンベをオークションなどに出すのはやめましょう。
ボンベを販売している業者も、『いらなくなったボンベをオークションなどに出さないでください』と言っています。

そうです!
なぜかというと、
- 法律で定められている、ガスボンベの所有者変更の手続きがきちんとできるかどうか定かではない
- 所有者変更の手続きをしないと、違法になってしまう
- ガスボンベを配送してくれる業者が少ない
ということからです。
先にも触れましたが、ガスボンベは『高圧ガス保安法』で
- 所有者が変わったら、すみやかに手続きをする
- ガスボンベに所有者を表示する
ということが義務付けられています。
(罰則もあります。)
でも、ネットを介した個人売買では、所有者変更の手続きを行えるかわかりませんよね。
所有者変更の手続きをしないと、法律違反になるだけでなく、事故などがあった時に、出品者も購入者も、責任を問われる可能性があります。
また、出品したとしても、宅配業者の多くは、ガスボンベの配送を受け付けません。
だからといって、中身を偽って発送し、事故が起きたら、やはり重大な責任が問われるでしょう。
…といったことを考えると、きちんと処分するほうが、オークションに出したりするより、よほど楽ですよ!
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まとめ
ガスボンベの処分方法は、カセットガスボンベであれ、高圧ガスボンベであれ、
『決められた方法に従って処分する』
これが大切です。
カセットガスボンベの処分のしかたは、自治体によって違います。
自治体で配っている、ごみの捨て方の手引きや問い合わせなどで確認して、指示に従ってください。
灰色のプロパンガスボンベを処分するときは、購入した販売店で引き取ってもらいましょう。
販売店で引取りができない時は、『高圧ガス保安協会』『LPガス協会』に相談するか、回収業者に依頼してください。
絶対に、不法投棄したり、ネットオークションに出したりしないでくださいね。
高圧ガスボンベは、『危険物』に指定されています。
販売店で引き取ってもらったり、ちゃんとした業者に回収してもらうのが、一番安全で安心ですよ!