ガスを使うときに絶対に気をつけなければならないのが
『事故を起こさないようにすること』
ですよね。
特に怖いのが爆発事故!
ひとたび起きると、大きな被害が出てしまいます。
プロパンガスはそう簡単に爆発することはありません。
でも、毎年ガス漏れを含めた何かしらの事故は起きていますし、カセットコンロでも事故があります。
では、プロパンガスやコンロの爆発は、どんな原因で起きるのでしょうか?
ということで今回は、
- プロパンガスやコンロの爆発事故の原因
- カセットコンロの事故の原因
- ガス事故を防ぐための正しい使い方と事故防止対策
について調査しました。
ガスを安全に使うためにもぜひ、じっくり読んでくださいね!
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プロパンガスやコンロが爆発する原因は?
プロパンガスが爆発する仕組み
『ガス爆発』と聞くと『ガスが爆発する』というイメージがありますが、プロパンガスそのものだけで爆発することはありません。
プロパンガスが爆発するメカニズムは
- プロパンガスがある程度の濃度で空気と混ざり、酸素と結びつく
- その状態で、火に接触する
ということです。
『ガスが酸素と結びついた状態で火に接触する』というのは、たとえば、
- ガス漏れが起きている場所で、換気扇などの電気器具を使ったりたばこを吸ったりする
- ガス器具の中にガスが漏れているのに気づかず、点火操作をする
といったシチュエーションです。

そうです!
漏れたガスに着火して爆発が起きるのです。
ですから、『たかがガス漏れ』と甘く見ないで、
ガス漏れが起きたときは絶対にガス器具を使わず、ガス会社に連絡してください。
メモ
『ガスの爆発』と『ガス器具での正常な燃焼』の違いは、
ガスの爆発
⇒急激な燃焼が起き、燃焼によって急速に空気が膨張して爆発する(燃焼をコントロールできない)
ガス器具での燃焼
⇒空気との混ざり具合やガスの出る量などを調整しているので、燃焼をコントロールできる
という点です。
なので、ガス器具を正しく使っていれば、爆発が起きる心配はありません。
コンロが爆発する原因は?
次に、
- ビルトインコンロやテーブルコンロ
- カセットコンロ
の爆発の原因について見ていきましょう。
ビルトインコンロやテーブルコンロの爆発の原因
ビルトインコンロやテーブルコンロから爆発や火災が起きる原因は
『ガス漏れ』です。
では、何がガス漏れの原因になるかというと
- ガス器具の故障や破損
- 火が消えているのに、ガス器具のつまみが『切』や『閉』になっていない
- ガスホースの亀裂や劣化
- ガスホースと元栓やガス器具をつなぐバンドが緩んでいる
- ガス栓の劣化や故障
- 使っていないガス栓を開けてしまった
といったことです。
そして、漏れたガスに着火すると爆発や火災が起きる、ということなのです。
カセットコンロの爆発や火災の原因
カセットコンロの場合は、『ガス漏れ』に加えて
- 複数のカセットコンロを並べて使う
- カセットガスを設置する部分を覆うような、大きな鍋やプレートを使う
- IHクッキングヒーターなど、電磁調理器の上でカセットコンロを使う
- カセットコンロで石綿やセラミックなどが付いた魚焼き機を使う
- カセットボンベのセットの仕方を間違える
- 古くなって部品が劣化したカセットコンロやボンベを使う
といった使い方でも、爆発や火災のリスクがあります。
カセットガスが過熱されるような使い方をすると、ボンベの中のガスが熱せられて爆発が起きてしまいます。
カセットコンロを使うときには
- カセットボンベをセットする部分に鍋やプレートがかからないようにする
- コンロは必ず単体で使い、複数のコンロを並べて使わない
- カセットボンベは正しくセットする
- 古いコンロやカセットボンベは使わない
といったことに注意しましょう。
注意
カセットボンベは、コンロにセットしていなくても
- 直射日光の当たる場所
- 車内
- 火の近く
といった高温になる場所に置いておくと、爆発する可能性があります。
カセットボンベの管理にも気を付けてください。
プロパンガスボンベが爆発する原因は?
プロパンガスボンベが爆発するとすれば、その原因は
- 中に空気が入り込み、プロパンガスと酸素が混ざったところに火がついた
- ボンベに急激に強い圧力がかかって押しつぶされた
- ガスボンベが壊れるくらいの、とても強い衝撃がかかった
といったことです。
でも実際には、
- プロパンガスの中はガスで満たされているので、空気が入ることはまずない
- ボンベには圧力がかかると中のガスを逃がして圧力を下げる仕組みがあるので、よほど急激に強い圧力が加わらない限り爆発しない
- ボンベはとても頑丈にできているので、よほど強い衝撃でなければ壊れない
ということから、プロパンガスボンベはめったなことでは爆発しません。
ただし、めったに爆発しないからといって、
設置してあるガスボンベをいじったり動かしたりといったことは、絶対にしないでください。
ガス漏れと爆発以外のガスの事故
ガスの『事故』は、ガス漏れと爆発だけではありません。
不完全燃焼による一酸化炭素中毒も、『事故』の一種です。
家庭用プロパンガスそのものには、毒性はありません。
でも、不完全燃焼で発生する一酸化炭素は、中毒を起こしやすい物質です。
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 失神
といった症状が出るだけでなく、
最悪の場合は命に関わることもあります。
ガスを使うときは、不完全燃焼にも十分注意しましょう。
プロパンガス爆発の威力はどのくらい?

ガスの量や爆発の規模にもよりますが、
一般家庭のプロパンガスの爆発でも、住宅が全壊することがあるくらいの威力
と考えておいてください。
また、プロパンガスの爆発は『小規模ならまだ大丈夫』というわけではありません。
爆発そのものの規模が小さくても、
- 近くの可燃物に火が移って火災に至る
- 体に火が触れたり服に火が移ったりしてやけどを負う
といった危険性があります。
絶対に甘く見ないでくださいね。
爆発事故に遭遇したら
万が一、爆発事故に遭遇したときは、
すぐにできるだけ遠くに避難し、身の安全を確保してください!
119番に通報する場合も、自分の安全をしっかり確保したうえで通報しましょう。
ガスの爆発事故では、
- 繰り返し爆発が起きる
- 爆発で物が飛んでくる(火が付いた物が飛んでくる可能性もある)
- 爆発の炎が広がる
- 突然、予想もしなかった大爆発が起きる
- 爆発の衝撃で、周りの建物の窓ガラスなどが割れて飛び散る
といった危険性があります。
絶対に、動画や写真を撮ろうとか、SNSで中継しようなどと考えてはいけません。
周りの人とも声を掛け合って、とにかくすぐに逃げてください。
プロパンガスの事故を防ぐには

正しい使い方を!
プロパンガスの事故を防ぐためには、
- ガスやガス器具を正しく使う
- 使わないガス栓にはカバーやキャップを付ける
- ガス漏れが起きたときは絶対にガスを使わず、ガス会社に連絡する
- ガス会社による定期点検を必ず受ける
- 緊急対応の体制が整っているガス会社と契約する
- 設置されたガスボンベはいじらない
ということが重要です。
では、具体的にどうすればよいのかを見ていきましょう。
ガス器具の正しい使い方
ガス器具を使う時には、
- ガス器具を買うときは、どんな安全装置が付いているかを確認して買う
- ガスの種類に合ったガス器具を使う
- ガス栓は、使う時には『全開』で使う
- 換気をする
- 点火・消火は必ず目で見て確かめる
- 青い火で使う
- 火が付いているときは必ず近くにいる
- ガス器具の近くに燃えやすいものを置かない
- ガス器具を使い終わったら、ガス栓を確実に閉める(ビルトインコンロや給湯器などを除く)
- 時々、ガス器具やガスホースの手入れや点検をする
といったことを守りましょう。

はい、そうです。
要するに、『基本的なことをきちんと守って使っていれば、事故は防げる』ということなんです。
関連記事:ガスコンロの都市ガス用とプロパンガス用の違いを解説!共用できる?
関連記事:ガスの元栓はどこにあるの?家の中の設置場所をチェック!
使わないガス栓には誤開放防止のカバーを
使わないガス栓には、ゴムキャップと栓カバーを付けておきましょう。
『使っていないガス栓を間違って開けてしまった』という誤開放によるガス漏れ事故が、けっこうあるからです。
特に、2口ガス栓を使っていて、片方しかガス器具につないでいない場合は、要注意。
間違ってガス器具につないでないほうの栓を開けると、ガス漏れが起きてしまいます。
開け閉めのたびに注意するよりも、カバーやキャップで間違いを防いだほうが確実で安心ですよ!
ゴムキャップと栓カバーとは、こういうものです。

使わないガス栓のカバーとキャップ
このガス栓カバーは、ネット通販でも買えます。
また、サイズや選び方がわからない場合は、ガス会社に問い合わせてくださいね。
栓カバーを付けるのは、法的な義務ではありません。
でもガス漏れを確実に防ぐために、付けておくことを強くおすすめします。
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ガス会社の定期点検を受ける
プロパンガス会社には、
4年に1度、定期保安点検を実施すること
が義務付けられています。
この点検は、必ず受けてください。
ガス器具の異常や不具合を見つけることで、ガス事故を防ぐことができます。
定期保安点検では
- 外のメーターなどの点検
- ガスコンロやガス栓などの点検
があります。
定期保安点検には立ち合いが必要なので、必ず立ち会える日程で点検日時を決めてくださいね。
緊急対応の体制が整っているガス会社を利用する

頼りになるガス会社を選ぼう!
ガス漏れなどがあった場合には、すぐにガス会社に連絡して、対応してもらう必要があります。
そのため、緊急対応の体制が整っているガス会社を利用することが大切です。
緊急対応はガス会社の『義務』なので、本来はどのガス会社でもきちんと対応してくれるはずです。
でももし
- ガス会社の緊急対応が心もとない
- ガス漏れがあって連絡したが、すぐ対応してもらえなかった
- 保安点検がずさんな感じがした
など、緊急対応や安全管理に問題や不安がある場合は、ガス会社の変更も検討したほうが良いでしょう。
ガス会社を変える時は、ガス会社変更サービスを利用するのが簡単で確実です。
良心的なサービスのガス会社を紹介してもらえるので、ガス会社の対応が気掛かりな時は、気軽に相談してみてくださいね。
関連記事:【2022最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
設置されたガスボンベはいじらない
ガス会社では、プロパンガスボンベを設置するときに
安全な場所にボンベを置き、安全にガスを使えるように、基準やルールを守って設置しています。
ですから、
設置されたボンベは絶対にいじったり動かしたりしないでください。
自分の判断でいじったり動かしたりした場合の安全は、担保できません。
また、ガスボンベを固定する鎖やガスボンベのそばにある元栓も、いじってはいけません。
- ガスメーターや元栓、配管などに異常を見つけた
- いつの間にかガスボンベを固定する鎖が外れている
- 移動させたい・ボンベの置き場所を変えたい
といったときは、必ずガス会社に連絡して指示に従ってください。
関連記事:プロパンガスボンベの設置基準や保管(置き場)のルールを解説!
関連記事:プロパンガスの取扱や運搬に必要な資格をわかりやすく解説!
プロパンガスの事故防止対策
ガス器具やボンベを作るメーカー、そしてガス会社でも、事故を起こさないための努力をしています。
ガスボンベやガス設備、ガス器具などには
ガスボンベ
⇒安全弁などの安全装置
ガスメーター
⇒異常が起きた場合にはガスを遮断する仕組みの安全装置
ガスコンロ
⇒不完全燃焼防止装置や立ち消え安全装置など
給湯器
⇒不完全燃焼防止装置や空焚き安全装置、凍結防止装置など
ガスファンヒーター
⇒不完全燃焼防止装置、転倒時ガス遮断装置、過熱防止装置など
といった安全装置が付いています。
さらに、ボンベを作る企業やガス会社でも
- 定期的なガスボンベの検査
- ガスメーターやガス器具の検査
を行っています。
このように、プロパンガスの事故は二重三重に防ぐ努力がされているのです。
でも、メーカーやガス会社の努力だけでは、やはり事故は防ぎきれません。
どんなに安全装置を付けたり点検したりしても、
最終的には、使う人がどう使うかが、とても重要なのです。
ガス器具は正しい使い方を守って安全に使いましょう!
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まとめ
プロパンガスは、爆発事故となると大きな被害が出てしまいます。
また、爆発までいかなくても、一酸化炭素中毒などの危険な事故が起きることもあります。
だからこそ、正しい使い方をしっかり覚えて、日々実行することが大事です。
プロパンガスの事故は、
- プロパンガスボンベやメーター、ガス器具の安全装置の開発と普及
- 配送や保安点検に関わるガス会社の努力
- 法整備
- 消費者への啓発
など、多くの人の努力で減ってきました。
でも、ここまでしても、事故件数はゼロにはなりません。
毎年、何かしらの事故は起きています。
安全装置が付いているからといって油断せず、
- 説明書に書いてあることや注意事項を守って使う
- 日ごろの点検や手入れ
- ガス漏れやガス器具の不具合があったら、ガス会社や器具のメーカーに連絡する
といったことを、必ず守ってくださいね。
そうすれば、安全にガスを使えますよ!