フライパンには、いろいろな素材の製品があります。
主流はやはり、
- さまざまな素材にフッ素樹脂などのコーティングを施したフライパン
- 鉄製のフライパン
ですよね。
鉄製のフライパンの一種には、
窒化鉄でできたフライパン
があります。
メリットやデメリット、気になりますよね。
それに、使うなら安全性も確かめておきたいものです。
ということで、この記事では
- 窒化鉄フライパンのメリットとデメリット
- 窒化鉄フライパンの安全性
についてチェックしていきます。
ぜひ読んで、フライパン選びの参考にしてくださいね!
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窒化鉄フライパンのメリットとデメリットは?
そもそも『窒化鉄フライパン』って?
最初に、『窒化鉄フライパン』とはどんなものなのかを見ておきましょう。
まず、『窒化鉄フライパン』とはどういうものか、簡単に言うと、
表面に窒素を染み込ませる加工をした鉄で作ったフライパン
のことです。
鉄は『窒化加工』をすると、表面が硬くなり、丈夫でさびにくくなります。
鉄を窒化加工する技術は、もともと飛行機や自動車などのサビを防ぐために使われてきたものです。
その技術を使った鉄で作ったフライパンが、『窒化鉄フライパン』というわけです。
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窒化鉄フライパンのメリット
窒化鉄フライパンのメリットは
- 普通の鉄フライパンに比べて頑丈で、さびにくい
- 表面に傷が付いても、コーティングのようにはがれることがない
- 油なじみが良い
- IHコンロで使っても変形しにくい
ということです。
丈夫でさびにくい
窒化加工された鉄は、強度がとても強くなります。
どのくらい強いかというと、
- 普通の鉄フライパンの5倍くらい
- ステンレスフライパンの2倍くらい
の強度があるのです。
金属製のヘラなどを使っても、表面が削れたりすることもありません。
また、先にも書いたように、窒化鉄はさび防止の技術でもあるので、
普通の鉄フライパンに比べてさびにくいです。
ただし、普通の鉄フライパンに比べてさびにくいというだけで、
絶対にさびないわけではありません。
洗った後濡れたままで放置しておくとさびる可能性があるので、洗ったらきちんと水気を拭き取り、手入れをしておきましょう。
表面が剥がれない
窒化鉄フライパンは、コーティングではなく、鉄そのものに加工がされています。
そのため、
フッ素樹脂加工などのコーティングと違って、傷が付いてもはがれることはありません。
ということは
- コーティングのフライパンよりも長く使える
- 寿命が長いので、頻繁に買い替えずに済む
というメリットもあります。
油なじみが良い
窒化鉄フライパンには、『油なじみが良い』というメリットもあります。
油なじみが良くなるのは、窒化加工によって、表面にとても細かいデコボコができるためです。
ただし、油なじみが良いといっても、手入れがいらないわけではありません。
取扱説明書に従って
- 買った後のシーズニング
- 使う前の油返し
- 調理の時に必要な分量の油を引く
- 洗った後に油を塗り込む
といった手入れは行ってくださいね。
関連記事:鉄製フライパンを買って最初にやること!空焼きと油ならしを解説!
IHコンロで使っても変形しにくい
IHコンロでフライパンを使うと、底に熱ムラが生じやすいです。
そのため、普通のフライパンだと変形してしまうことがあるのです。
でも、窒化鉄フライパンは、丈夫で変形しにくいです。
IHでも安心して使えますよ!
窒化鉄フライパンのデメリット
窒化鉄フライパンのデメリットは
- 硬い物に強くぶつけると、ひびや傷ができてしまう
- ひびや傷ができると、そこから腐食する可能性がある
- 普通の鉄フライパンより、料理にしみ出す鉄分が少ない可能性がある
- コーティングのフライパンや普通の鉄フライパンより値段が高い
ということです。
硬い物に強くぶつけるとひびや傷が入ってしまう
窒化鉄フライパンは丈夫ではありますが、
- 硬い金属のヘラやお玉などで強くたたく
- 硬い物に強くぶつける
といったことがあると、ひびが入ったり傷ができたりしてしまいます。
ひびや傷ができると、調理したときにそこから塩分や酸などが入り込み、腐食してしまう可能性もあります。
なので、硬い物で叩いたりぶつけたりしないように注意しましょう。
もっとも、窒化鉄以外のフライパンも、なるべく叩いたりぶつけたりしないほうが良いです。
料理することで摂れる鉄分が少ない可能性がある
鉄のフライパンのメリットの1つに、『調理するだけで鉄分を摂れる』ということがありますよね。
でも、窒化鉄のフライパンでは、
普通の鉄フライパンよりも、調理に入る鉄分が少ない可能性があります。
ですから、窒化鉄フライパンでの鉄分摂取は、あまりあてにしないほうが良いでしょう。
1個あたりの値段が高め
窒化加工は、特殊な加工なので、
コーティングや鉄のフライパンより、1個あたりの値段が高いことが多いです。
価格が高くなるのは、特殊な加工をしているということで、やむを得ません。
良い技術には、それなりのコストがかかりますからね。
ただ、鉄のフライパンと同じように、
窒化鉄のフライパンも、きちんと手入れをしながら使えば一生使えます。
試しに、
- 6,600円の窒化鉄のフライパン
- 1,700円のコーティング加工フライパン
の30年分のコストを単純計算でざっくり比較すると、
窒化鉄のフライパンを手入れしながら30年使った場合
⇒6,600円
窒化鉄フライパンを30年で3回買い替えた場合
⇒6,600円 × 3回買い替え = 19,800円
1個1,700円のコーティング加工のフライパンを2年に1度買い替えた場合
⇒1,700円 × 15回買い替え = 25,500円
コーティング加工のフライパンを4回買い替えた時点で、窒化鉄のフライパンの価格を上回る
ということになります。
実際の値段は製品や店舗によって違いますが、窒化鉄フライパンを大切に長く使えばコスパが良くなりますよ!
普通の鉄と窒化鉄どちらが良い?
普通の鉄フライパンにも窒化鉄フライパンにも、メリットとデメリットがあります。
となると、どちらを選ぶか迷ってしまいますよね。
これは1つの考え方ですが、
鉄フライパンに慣れていない人
⇒窒化鉄フライパンのほうがおすすめ
鉄フライパンに慣れている人
⇒どちらでもOK
と判断しています。
鉄フライパン初心者におすすめなのは、サビに強いからです。
初心者でなくても、錆が心配な人には窒化鉄フライパンがおすすめですよ。
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一方、『鉄フライパンの扱いや手入れに慣れていて、さびさせずに使えている』という人なら、どちらのフライパンでもうまく使っていくことができるでしょう。
窒化鉄フライパンの安全性は?
『調理に使うもの』となると、必ずチェックしておきたいのが『安全性』ですよね。
はい、調理に使ってもまったく害はありません。
窒素は、空気中にもたくさん含まれてる、体に害のない成分です。
普段の呼吸でも体内に取り込まれて、そのまま体の外に排出されます。
また、窒化加工も、人体に害のない方法で行われています。
そもそも体に害があるような加工なら、調理器具として売り出せませんものね。
なので、安心して使ってくださいね。
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まとめ
鉄に窒素を含ませる加工をした『窒化鉄』のフライパンは、
- 頑丈でさびにくい
- コーティングのようにはがれて効果が落ちることがない
- 油なじみが良い
- IHコンロで使っても変形しにくい
というメリットがあります。
もちろん『安全性』についても、まったく問題ありません。
『鉄のフライパンに憧れるけど、さびさせないか心配』という人は、窒化鉄フライパンを検討してみてくださいね。
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一方で、
- 硬い物に強くぶつけるとひびや傷ができ、そこから腐食する可能性がある
- 普通の鉄フライパンより、料理に移る鉄分が少ない可能性がある
- コーティングや普通の鉄のフライパンより値段が高い
というデメリットがあります。
コスパは、人によって感覚が違いますが、
窒化鉄フライパンは長持ちするので、コーティングのフライパンをしょっちゅう買い替えるよりコストが安いです。
きちんと手入れをして使えば一生使えるフライパンなので、ぜひ長く使ってください!