「物価は上がるのに、お給料は変わらない…。」
そんなこのごろ、家計に少しでも余裕を持たせるためには、節約したいですよね。
家計の中でもかなりの割合を占めるのが、『ガス代』。
ガスを節約するにはいろいろな方法があります。
その1つとして言われるのが
『ガスを使わない時は、元栓を閉める』
という方法。
でも実はこれ、
『節約になる』という話も、『節約にならない』という話
もあります。
一体どちらなのでしょうか?
今回は、
『ガスの元栓を閉める』ことと節約の関係について、またガス器具のスイッチと節約について
お話しします。
ぜひ読んでくださいね!
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ガスの元栓を閉めることの節約効果は?

ガスの元栓での節約効果は?
ガスの元栓を閉めると節約になる?
結論からずばり言うと、
『使わない時にガスの元栓を閉める』という方法には、節約効果はありません。
なぜかというと、
ガスはガス器具で火をつけて使う時にのみ、消費されるからです。
通常は、ガスの元栓が開いていても、ガス器具からガスが出ることはありません。
ガス器具は、使わない時にはガスが漏れないような仕組みになっています。
そのため、ガス器具を使わなければ、ガスの消費量は変わらないのです。
たとえば、ガスコンロを使わないまま元栓を開けっぱなしにしていても、ガスは出ていません。
というか、出ていたらそれは『ガス漏れ』で、とても危険ですよね。
そんなわけで、残念ながら『ガスの元栓を閉める』のは、節約にはならないのです。
『ガスの元栓を閉めたら使用量が減った』場合は…
でも、次に紹介する場合には、
『ガスの元栓を閉めたら使用量が減った』
ということが起きます。
どんな場合かというと
- 使っていないガス栓の元栓が開いていて、キャップが取れていた
- ガスホースに亀裂があるなど、ガスの元栓の先でガス漏れを起こしている
- ガス器具が故障や破損していて、使っていないのにガスが出てしまう
というように、要するに『ガス漏れ』の場合です。
もし
「先月と同じくらいしか使っていないはずなのに、先月よりかなり使用量が増えた。」
「ガスの元栓を閉めるようにしたら、ガスの使用量が減った。」
なんてことが起きた場合には、
真っ先に疑うべきは『ガス漏れ』
です。
「元栓を閉めて節約できた!」
と喜んでいる場合ではありません!
ガスの使用をすぐに中止して、ガス会社に連絡し、点検してもらってください。
ガスの元栓を閉めたほうが良いわけ
このように、ガスの元栓を閉めること自体には節約効果はありません。
でも、やはり使わない時は元栓を閉めたほうが良いです。
何のためかというと
『安全のため』
です。
先にも書いたように、ガスの元栓を閉めなかったからといって、それだけでガス漏れが起きるわけではありません。
でも、
- いつの間にかガスホースが外れていた
- ガスホースが劣化して敗れていることに気づかなかった
なんてことがないとも言えません。
そんな万が一に備えるには、やはり『使わない時は元栓を閉める』ことが大切なのです。
そしてさらに安全性を高めるには、時々でも良いので
ガスの注意ポイント
- 元栓とガスホースをつなぐ部分が緩んでいないか
- ガスホースが劣化したり亀裂が入っていたり、油汚れが点いたりしていないか
- 使っていない元栓に、ゴムキャップがしっかりはまっているか
- 使っていない元栓が占めてあるか
- ガスコンロのバーナーの詰まりや、劣化や故障などはないか
ということを点検してください。
そして、4年以内に1度の、ガス会社の点検も、しっかり受けてくださいね。
長期の旅行や出張の時の節約術
長期の旅行や出張など、長い間留守になる場合は、
ガス会社に依頼して元栓を閉めてもらいましょう。
安全性の面ももちろんありますが、ガス会社によってはオトクになります。
なぜかというと、ガス会社に依頼して元栓を閉めてもらうと、
その間は『契約していない期間』として扱われ、基本料金が安くなることがあるからです。
ただし、基本料金を日割りにしてくれるかどうかは、ガス会社にもよります。
なので、長期にわたって留守にする場合は、ガス会社に知らせて、基本料金を日割りにしてもらえるかどうかも、問い合わせてみましょう。
元栓がないタイプのガス栓の場合
『元栓を閉めようにも、そもそも元栓がない』
という場合もありますよね。
今は、元栓のないガス栓も増えています。
ガスの元栓がない場合は、元栓のことを気にせずに使って大丈夫です。
元栓のないガス栓は、ガス栓そのものに、自動的に開閉する栓が組み込まれています。
スライド式の栓で、接続具を差し込むとガス栓が開き、外すとガス栓が閉まる仕組みです。
万が一、地震などでガス器具が外れても、自動でガスが止まるようになっているので、安全が保たれます。
ガス器具のスイッチは切ったほうが節約になる?

ガスファンヒーター
ガスの元栓を閉めても節約につながらないことはわかりましたが、ではガス器具についてはどうでしょうか。
スイッチを切ったほうが、節約になるのでしょうか?
これが実は、ガス器具によっても違うのです。
ここでは家庭で使われているガス器具として、
- ガス給湯器
- ガスストーブやファンヒーター
- 種火のあるタイプの風呂釜
- 床暖房
について、お話ししましょう。
給湯器の場合
今多く出回っている、リモコン操作式のガス給湯器のほとんどは、
使わない時にスイッチを切っても、ガスの消費量は変わりません。
リモコン式のガス給湯器は、種火を使わず、使う時に火を点ける方式です。
そのため、種火のある風呂釜と違って、お湯を使わない時にはガスを使わないで済みます。
だから、スイッチを切るかどうかでは、ガスの消費量は変わらないのです。
ただし、リモコンのパネルやセンサーなど、細かい所で待機電力は消費しています。
そのため、使わない時にはスイッチを切っておくと、待機電力分の電気代の節約になります。
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種火のある風呂釜の場合
種火のあるタイプの風呂釜の場合は、
お風呂を使い終わったら種火を消し、元栓を閉めるようにしましょう。
といってもこれも、種火が付いているからといって、そんなにガスを食うわけではありません。
どちらかというと、安全面からです。
なので、たとえば家族が何人かいる家庭で、
『一人がお風呂を使い終わったらその都度消して元栓を閉める』
というところまでする必要はありません。
でも、種火で使うガスも、わずかとはいえ使っているわけです。
お風呂が終わったらすぐに消したほうが、わずかながらも節約にはなるでしょう。
お風呂では、むしろお風呂やシャワーの使い方に気を付けたほうが、節約できます。
家族が立て続けに入るようにする、お風呂の温度を上げ過ぎないなど、
お風呂やシャワーの節約方法を、実行してみてくださいね。
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ガスストーブやファンヒーターの場合
ガスストーブやファンヒーターは
使わない時はもちろん、タイミングよくスイッチを切ると、ガスの節約ができます。
ガスファンヒーターやガスストーブのメリットは、温まるのが早いこと。
それを利用して、
部屋が温まったらスイッチを切ってエアコンに切り替えると、ガスの使用量を抑えられます。
逆に、ガスファンヒーターやストーブをつけっぱなしにすると、
部屋が暖まり過ぎて、ガスの無駄
になってしまうこともあります。
賢く使って、ガスの使用量を抑えてくださいね。
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床暖房の場合
ガスの床暖房は、
こまめにスイッチを切るより、なるべく長い時間運転したほうが、節約になります。
床暖房で一番ガスを使うのは、スイッチを入れてから約1時間の間。
最初に水をお湯に温める時点で、ガスを多く使うのです。
その後は、温めたお湯の温度を保ちながら循環させるので、最初ほどガスは使いません。
でも、一度スイッチを切って、水が冷えてからスイッチを入れると、また最初から温め直しです。
ということは、ガスを多く使う『運転し始め』を何度も繰り返すよりは、
一度運転し始めたら長く運転しておいた方が、コストは安くなります。
床暖房には、『自動運転』や『パワフル運転』などの機能が付いているものもあります。
そういった機能も上手に使って、節約してくださいね。
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まとめ
ガスの節約方法はたくさんありますが、残念ながら
『ガスの元栓を閉める』
というのは、『節約』にはなりません。
でも、元栓を閉めること自体は、安全のためにとても大切です。
- 使い終わったら元栓を閉める
- 寝る前や外出前には、元栓が閉まっているか確認する
ということを、習慣にしてくださいね。
元栓がないガス栓の場合は、元栓を気にしなくて大丈夫です。
万が一、ガス器具が外れてしまっても、自動的にガスを止める仕組みが付いているので、安全です。
そして、ガス器具について。
『こまめにスイッチを切ったほうが節約になるかどうか』は、ガス器具によって違います。
それぞれのガス器具の特徴に合わせて、オン、オフを上手に使ってみてください。
それで少しずつでも、ガス代が節約できますよ!