冬の部屋で温度が下がるポイントは、『窓際』ですよね。
窓は、外の冷気がダイレクトに部屋の中に伝わってくる場所です。
窓の寒さ対策には、
- カーテンをかける
- 窓に断熱シートを貼る
という対策がよく知られていますが、それに加えて
断熱ボードを使う
という方法があります。
はい、効果も使い方も違いますし、他にもいろいろな違いがあるのです。
ということでこの記事では、
『断熱ボード』と『断熱シート』について、効果や特徴などのいろいろな違いについて比較していきます。
暖房を使って温めた部屋の温度が保てれば、暖房費も節約できます。
ぜひ読んで、節約に生かしてくださいね!
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窓用断熱ボードと断熱シートの特徴と効果はどう違う?
まず、最も気になる特徴と効果を比較していきましょう。
なお、この記事では
- 窓の下の方を覆うタイプの断熱ボード
- 窓に直接貼るタイプの、冬向けの断熱シート
について取り上げます。
特徴の違い
断熱ボードの特徴は、
- ポリプロピレンなどを原材料として作られている
- 窓の下のほうを覆う
- 窓に置いたり、掃き出し窓では床に置いたりして使う
|
一方、断熱シートは
- 非常に薄い金属や空気層を含んだ構造のフィルムである
- 窓全体を覆って使う
- 窓ガラスに直接貼り付けて使う製品が主流
という特徴があります。
効果の違い
断熱ボードと断熱シートでは素材や使い方が違うので、効果にも違いがあります。
断熱ボードの効果
⇒窓から下に降りてきて足元を冷気が流れるのを防ぐ(冷気の流れを防ぐ)
断熱シートの効果
⇒外気に冷やされた窓ガラスによって部屋の空気が冷やされるのを防ぐ
これは、『どちらがより優れているか』という話ではなく、
『役割が違う』
ということです。
断熱ボードは部屋の空気が冷やされることそのものは防げません。
逆に断熱シートだけだと、防ぎきれなかった冷気が足元に行ってしまいます。
ですから、部屋を暖かく保つためには、どちらも大切な効果なのです。
結露を防ぐ効果について
窓の結露は、『窓のところで室内の空気が冷やされることで、空気中の水分が水になる』という現象です。
結露を防ぐには、外気で冷えた窓と部屋の空気が接触するのを防ぐことが大事です。
断熱ボードは、部屋の空気が窓に触れるのを防げないので、結露を防ぐ効果は期待できません。
一方、断熱シートは窓全体に貼ることで、部屋の空気と冷たい窓の接触を防ぐことができます。
ですから、
結露を防ぎたいなら、断熱シートを窓に貼ったほうが良いです。
なお、部屋と外の温度差や湿度、断熱ボードや断熱シートの性能などによっては、
- 断熱ボードを設置したら、結露が減った
- 断熱シートを貼ったが、結露が防げなかった
ということもあり得ます。
実際に使った人は効果をどう感じている?
断熱ボードや断熱シートを使った人の感想もチェックしておきましょう。
断熱ボードを使った人の感想
断熱ボードを使った人の口コミを見てみると、
良い口コミ
足元だけで効果があるの?と思っていましたが、思った以上に効果ありでした。
足元に冷たい空気が流れるのがなくなって、なんとなく温かいと感じるほどです。
良い口コミ
かなり冷気が遮断できて、あるのとないのでは全然違います!
カーテンを閉めてしまえば、見た目もまったく気になりません。
良い口コミ
エアコンで暖房しているのですが、サーキュレーターと断熱ボードを使うようにしたら、電気代がかなり減ってびっくりしました。
という口コミがありました。
断熱シートを使った人の感想
|
断熱シートもなかなか効果があります。
良い口コミ
断熱シートを貼ってから、窓際の寒さが減りました。
良い口コミ
断熱シートを貼ったら寒さが減って、少しだけど暖房の温度を上げられました。
暖房費も節約できそうです。
良い口コミ
結露がかなり減りました。
断熱の効果も期待できそうです!
という口コミがあります。
『断熱効果がない』という口コミはある?
断熱ボードにも断熱シートにも、
- 期待したほどの効果がなかった
- 効果があるのかどうか、よくわからない
といった口コミはあります。
ただ、どちらも
『効果があった』という口コミのほうが、『効果を感じない・わからない』という口コミより多いです。
どのくらい効果があるかは
- 窓の状況や外気温
- 設置の仕方
- 建物そのものの気密性
などによっても違いますから、実際に効果があるかどうかは、使ってみなければわかりません。
となると、コストをかけて使ってみるかどうか迷ってしまうかも知れませんが、
部屋の寒さや暖房費に悩んでいるなら、使ってみる価値はありますよ!
窓用断熱ボードと断熱シートの違いをさらに比較
ここからは、断熱ボードと断熱シートの違いをさらに比較していきましょう。
設置しやすさの違い
設置のしやすさは、断熱ボードが圧勝です。
断熱ボードは、
- 窓の幅に合わせて切る
- 床や窓の額縁に接するところを折り曲げる
- 必要に応じて、両面テープなどで固定したりする
というくらいで設置できます。
『額縁』というのは、窓のこの部分のことです。
一方、断熱シートの場合は
- 窓に霧吹きで水を吹きかけて貼る
- シールタイプになっているシートをそのまま貼る
という2通りの貼り方のどちらかがほとんどですが、
曲がったり気泡が入ったりしてしまうこともよくあり、きれいに貼るのはちょっと大変です。
見栄えの違い
断熱ボードも断熱シートも、見栄えを大きく損なうような製品は、あまりありません。
断熱ボードには模様が入っているものもあるので、インテリアに合わせて選ぶことができます。
また、カーテンを閉めてしまえばほとんど目立たないので、気になりません。
断熱ボードの見栄えが気になるとすれば、段ボールなどで自作した場合くらいでしょう。
断熱シートはどうかというと、
- 透明
- 色付き
- すりガラス風
- 模様入り
などがあり、見た目を考えながら選ぶことができます。
部屋の明るさの違い
設置した時に部屋がどのくらい暗くなるかは、
断熱ボード
⇒窓の下の方を覆うだけなので、部屋の明るさへの影響が少ない
断熱シート
⇒透明な薄手の断熱シートなら部屋が暗くならないが、厚手のシートやすりガラス風、マジックミラータイプなどの製品だと、ある程度暗くなることがある
という違いがあります。
メモ
窓全体を覆うタイプの断熱ボードの場合は、当然部屋が暗くなります。
寒いときに薄暗い部屋で過ごすと、なんとなく気持ちも下がってしまうかもしれません。
断熱シートを買うときは、『部屋の明るさ』も考えながら選んでくださいね。
どちらが耐久性がある?
断熱ボードにしても、断熱シートにしても、耐久性については
- 製品の素材や品質
- 温度や湿度、日光の当たり具合などの環境
などによって違うので、どちらが長持ちするか比較するのは難しいです。
ただ、一例として、ニトムズの『窓際あったかボード』を実際に使った人によると
『冬になるたびに使って、3シーズン使ってもほとんど劣化しなかった』
とのこと。
参考 冬支度:窓断熱ボードで窓からの冷気対策。簡単なのに劇的に改善!
一方、断熱シートの場合は、
- 1シーズンしか使えない断熱シートや繰り返し使えないシートも多い
- 製品や環境によっては、半年くらいで劣化することがある
ということから、断熱ボードほどは寿命が長くない製品が多いと考えられます。
コストの違いは?
断熱ボードにしても断熱シートにしても、コストは
- ボードやシートの価格
- 窓の大きさ
によって違います。
ですからこれも一概には言えないのですが、同じサイズの掃き出し窓に設置するとして比べてみましょう。
今回は、
窓のサイズ
⇒幅85cm×高さ180cm(×2枚)
断熱ボード
⇒ニトムズ『窓際が暖かい 冷気ストップパネルN 掃き出し窓 Lサイズ』
|
断熱シート
⇒ニトムズ『窓ガラス断熱粘着シート平滑ガラス用』(楽天最安値665円+送料)
として比較します。
最初に設置するコスト
最初に設置するコストは、
断熱ボード
⇒1枚で済むので、1,159円
断熱シート
⇒2枚必要になるので、665円×2枚=1,330円
ということで、大きな差はありません。
3年間でかかるコスト
先に書いたように、断熱シートは断熱ボードほど耐久性がなかったり、繰り返し使えなかったりする可能性があります。
仮に断熱ボードが3年使えて、断熱シートは毎冬新しいシートを貼るとすれば、3年間のコストは
断熱ボード
⇒1,159円
断熱シート
⇒1,330円 × 3シーズン = 3,990円
ということになります。
コストゼロの断熱ボード・断熱シート
断熱ボードや断熱シートを自作すれば、コストゼロで設置することもできます。
断熱ボード
⇒受け取った宅急便やスーパーなどでもらった段ボールを使って自作する
断熱シート
梱包に使われているプチプチ梱包材を集めて使う
という方法です。
ただし、
- 見栄えが良くない
- 段ボールの断熱ボードの場合、結露で濡れて弱くなる可能性がある
- プチプチ梱包材を断熱シートにすると、外が見えない
という欠点があります。
なので、
『見た目は気にしないので、とにかく安く済ませたい』
とか
『人の入らない部屋に使いたい』
という場合にとどめておいた方が良いでしょう。
メモ
見栄えについては、100円ショップのリメイクシートなどを使って改善するという手もあります。
メリット・デメリットを比較
最後に、断熱ボードと断熱シートのメリットとデメリットをまとめて比べてみましょう。
青いマスの部分がメリット、赤いマスの部分がデメリットです。
断熱ボード | 断熱シート | |
断熱効果 | 窓の所から冷気が降りてくるのを防ぐ 足元に冷気が流れるのを防ぐ | 部屋の暖気が窓に触れて冷えるのを防ぐ |
結露に対する効果 | 基本的に期待できない | 期待できる |
設置しやすさ | 簡単 | きれいに貼るのは難しい |
見栄え | 見栄えを損なうことはあまりない | |
部屋の明るさ | 窓の下の部分を覆うだけなので、部屋の明るさへの影響が少ない | 透明なシートなら明るさは変わらないが、厚みのあるシートやマジックミラータイプ、色付きタイプなど、製品によっては部屋がいくらか暗くなる。 |
耐久性 | 何シーズンか繰り返し使える | 1シーズンしか使えない製品が多く、貼りっぱなしにしても半年くらいで劣化することもある |
コスト | 何シーズンか繰り返し使えば、コストが安く済む | 貼り替えるとコストが高くなる |
無料で手に入れた段ボールなどで自作すればコストゼロで設置可能 | 無料で手に入れたプチプチ梱包シートを使えば、コストゼロにできる | |
その他のメリット | 使わないときは畳んでしまっておける | 窓に直接貼るので、邪魔にならない |
その他のデメリット | 掃き出し窓などで足元に設置した場合、うっかり踏んだりして壊れる可能性がある | ガラスの種類によっては貼れないので、ガラスの種類と断熱シートの対応ガラス種をよく確認する必要がある |
断熱ボードと断熱シートの併用もおすすめ!
ここまで、断熱ボードと断熱シートを比較してきましたが、
両方使うのも、もちろんありです!
窓ガラス部分で冷気を防ぎ、さらに窓から降りてくる冷えた空気の流れを防ぐことがきれば、
- 部屋が冷えにくくなる
- 暖房効率が良くなる
- 体感温度が上がり、暖房の設定温度を少し下げられる
といった効果がさらに高くなります。
暖房効率が良くなって暖房の設定温度を下げられれば、電気やガスなどの使用量も暖房にかかる費用も減らせますね。
なお、
- さらに暖房効果を上げたい
- 断熱ボードが使えない
- 断熱シートが使えない
という場合は、断熱カーテンとの併用もおすすめです。
断熱カーテンについては、こちらの記事で詳しく書いているので、併せて読んでくださいね。
参考記事:窓に断熱カーテンは効果なし?断熱効果と省エネ節約効果の真相
参考記事:【ガス代節約】レースの断熱カーテンを設置する断熱効果を解説
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まとめ
断熱ボードと断熱シートの効果の違いは
断熱ボード
⇒窓から冷気が降りてきたり、足元に冷気の流れができるのを防ぐ
断熱シート
⇒部屋の暖かい空気が、外気で冷えた窓に触れて冷えるのを防ぐ
ということです。
どちらも部屋の寒さを防ぎ、暖房効率を良くするのには、とても有効です。
実際に使った人からは『効果があった』という感想が多く出ています。
断熱ボードの一番のメリットは、設置が簡単でコストも安いことです。
ただ、窓の冷気を根本的に防ぐわけではありません。
一方、断熱シートだけだと、防ぎきれなかった冷気が床に降りて足元がひんやりする、ということもあります。
|
ですから、断熱ボードと断熱シートを併用すると、より効果的ですよ。
断熱ボードと断熱シートを上手に使うと、暖房にかかるエネルギーを減らせます。
暖かくて環境にもお財布にも優しい部屋にして、快適に過ごしてくださいね!