『ガス暖房』って、どうしても『高い』っていうイメージがありますよね。
特に使っているガスがプロパンガスだと、都市ガスより料金が高いため、その分、暖房費もかかってしまいます。
「ガスファンヒーターはガス代が高くなるから、石油ファンヒーターにしよう。」
と考える人も多いことでしょう。
でも、本当にプロパンガスの方が、石油より高いのでしょうか?
実際には、どのくらい差があるでしょう。
今回は、プロパンガスファンヒーターにかかるガス代と、石油ファンヒーターにかかる灯油代を比較します。
ぜひ、さいごまで読んでくださいね!
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ファンヒーターのガス代と石油代、どっちが安い?
最も気になるのが、
『プロパンガスと石油のファンヒーターでは、燃料費がどのくらいかかるか』
ですよね。
ではさっそく、比べてみましょう。
プロパンガスと石油のファンヒーター、安いのはどっち?
プロパンガスファンヒーターと石油ファンヒーターのガス代と灯油代を比べると、
たいていの場合、石油ファンヒーターの灯油代の方が、プロパンガスファンヒーターのガス代より安い
と考えて良いでしょう。
では実際に、プロパンガスファンヒーターと石油ファンヒーターで
- 1時間あたりのガス代、灯油代
- 12時間使った場合のガス代、灯油代
- 1日12時間×30日使った場合のガス代、灯油代
を比べてみます。
ここでは、LDKで使うことを想定して、
- それぞれ一般木造15畳、鉄筋・断熱木造20畳まで対応のファンヒーターで比較
- 消費ガス/灯油量は、ファンヒーターの仕様に書いてある最大値と最小値の中間値
- プロパンガスファンヒーターはリンナイの『RC-U5801E』の仕様を参考にする
- 石油ファンヒーターはコロナの『FH-G5718BY』の仕様を参考にする
- プロパンガスの従量単価は350円
- 灯油の価格は88.6円/L(2019年2月4日の全国平均価格)
として計算しています。
燃料消費量 (中間値) | 1時間あたりの ガス・灯油代 | 12時間での ガス・灯油代 | 12時間×30日の ガス・灯油代 | |
ガスファンヒーター | 0.12384 立方メートル | 43.3円 | 520.1円 | 15,603.8円 |
石油ファンヒーター | 0.318L | 28.2円 | 338.1円 | 10,142.9円 |
この計算だと、1ヶ月あたりの燃料費では
石油ファンヒーターの方が、ガスファンヒーターより5,000円以上安い
という結果です。
プロパンガスの従量単価がもっと高いければ、さらに差は大きくなりますね。
このように、やはり石油ファンヒーターの灯油代の方が、プロパンガスファンヒーターのガス代より安いのです。
なお、実際のガス代・灯油代は、もちろん
- 部屋の広さ
- プロパンガスや灯油の価格
- 室温
- 温度設定
などによって違うので、ここでの金額は参考値として見てください。
プロパンガスと灯油の料金の変動について
今回の比較では、
『石油ファンヒーターのほうが安い』
という結果が出ました。
また、プロパンガスの従量単価が350円より高ければ、ほぼ石油ファンヒーターのほうが安く済みます。
ただし、灯油の料金に関しては、ちょっと注意が必要なことがあります。
それは
灯油は価格が変動するため、突然暖房費が高くなってしまうこともある
ということです。
なぜそんなことになってしまうかというと、
灯油の価格は、海外市況の状況によって、大きく変動することがあるからです。
今回の試算での価格は、88.6円/Lでした。
でも、過去最高価格は平成20年(2008年)8月の137円/L。
仮に、この価格で計算すると、1ヶ月の灯油代は
15,683.8円
と、従量単価350円のプロパンガスと、ほぼ変わらない額になってしまいます。
もちろん、ここまで高騰することは、そう多くないでしょう。
というか、高騰が多かったら困りますよね。
でも、
『いきなり灯油代が上がってしまうこともある』
ということも、頭の片隅に入れておいてくださいね。
なお、プロパンガスも、価格は変動します。
でも、プロパンガスの価格は、灯油ほど大きく変動することはなく、比較的安定しています。
これは、『原料費調整制度』といって、原料費が大幅に高騰しても、価格の高騰がある程度抑えられる制度があるからです。
関連記事:CP価格とは?プロパンガス従量単価(料金)への影響を解説!
プロパンガスのほうが安い場合ってあるの?
ところで、
『プロパンガスファンヒーターのほうが燃料費が安くなる』
という場合は、あるのでしょうか?
これは、当然と言えば当然ですが、
プロパンガスの従量単価が安くて、灯油価格が高ければあり得ます。
では、先ほどのガスファンヒーターと石油ファンヒーターの燃料消費量を参考に、考えてみましょう。
プロパンガスの従量単価は、一番安くても280円くらいです。
この従量単価だと、1時間あたりのガス代は、約34.7円。
そこから計算すると、
灯油の価格が1Lあたり109.3円以上になると、プロパンガスより高くなります。
逆に、灯油が88.6円/Lの時にプロパンガスの方が安くなるのは、プロパンガスの従量単価が227.7円の場合。
でも、残念ながらプロパンガスの従量単価としては、280円なんて、まずない価格です。
メモ
もしあったとしても安すぎるので、この価格帯のガス会社は避けた方が安全です。
というように、
プロパンガスが安い料金で利用できていて、なおかつ灯油の価格が高騰すれば、
『ガスファンヒーターの方が、石油ファンヒーターよりコストが安い』
という状況になることも、ありえないわけではありません。
関連記事:プロパンガスの料金が高いか比較診断するオススメの方法を紹介!
プロパンガスファンヒーターを使うなら
プロパンガスのファンヒーターを使いたいなら
なるべく安い料金のガス会社と契約しておくことを、強くおすすめします。
なにしろ、ガス代がかかりますからね。
とはいえ、先ほども書いたように、
安すぎるガス会社も危ないです。
料金がとても安いガス会社の中には、
『契約時は安くしておいて客を引き寄せ、後から高くする』
というガス会社もあるからです。
では、どうやって安全で安いガス会社を見つけるかというと、一番簡単なのは
ガス会社変更サービスでガス会社を紹介してもらう
というやり方です。
ガス会社変更サービスを通してガス会社を変えると
- 自分で1件1件探さなくても、安くて良心的なサービスのガス会社を見つけられる
- うるさい勧誘がない
- ガス会社を変える手続きも代行してもらえる
- 料金保証があれば、万が一不当値上げがあったら、ガス会社に対応してもらえる
というように、とても楽で安心です。
もちろん、ガス会社乗り換えでどのくらい安くなるかは、状況によります。
でも、ガスファンヒーターを検討するなら、
『ガス会社を変えた方が安くなりそうなら、ガス会社を乗り換える』
これも一緒に検討することをおすすめします。
ガス会社乗り換えで料金が安くなりそうかどうかは、
ガス会社変更サービスのサイトにある『料金シミュレーション』をすると、ある程度わかります。
料金シミュレーションは個人情報も要らないので、気軽に試してみてくださいね。
関連記事:【2021最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
関連記事:プロパンガスの料金が高いか比較診断するオススメの方法を紹介!
プロパンガスと石油のファンヒーターはどう違う?
暖房器具を選ぶときには、コストはもちろん大切です。
でも、それだけではなく、使い勝手や、ライフスタイルに合うかどうかも大切ですよね。
ここからは、燃料費以外の部分で、プロパンガスと石油のファンヒーターを比べてみましょう。
プロパンガスと石油のファンヒーターの違い
では、さっそくプロパンガスファンヒーターと石油ファンヒーターの違いを見てみましょう。
ガスファンヒーター | 石油ファンヒーター | |
設置場所 | ガス栓とコンセントが近くにある場所に限られる。 また、ガスホースが足に引っかからない場所に設置するなどの注意も必要。 | コンセントがある場所だったら設置できる。 |
設置工事 | ファンヒーターそのものの設置には工事は要らないが、ガス栓がない場合はガス栓を付ける工事が必要。 | コンセントさえあれば、設置工事は要らない |
燃料補給 | ガスホースから供給されるので、燃料を買って来たり、補給作業をしたりする手間がいらない。 | 灯油を買って来て(もしくは配達してもらって)タンクに補給する作業が必要。 |
燃料の管理など | 使わない時はガスの元栓を閉めておく。 | 火の気のない安全な所に灯油を保管しておく |
燃焼する時の臭い | ほとんどない。 | 少しある。 |
このように
- 使う場所の自由度が高いのは、石油ファンヒーター
- 燃料補給や管理が楽なのは、ガスファンヒーター
と、どちらにもメリットがあるんですね。
プロパンガスと石油のファンヒーターの共通点
プロパンガスと石油のファンヒーターでの共通点は
- 部屋が温まるまでの時間が短い
- エアコンに比べて空気が乾燥しにくい
- 1時間に1~2回以上の換気が必要
- ガスや灯油の扱いには注意が必要
ということです。
部屋が温まるのが早いことや、空気が乾燥しにくいことはメリットですね。
ただ、やはり燃焼によって暖房をするので、換気が必要です。
換気が不十分だと、不完全燃焼を起こしやすくなったり、一酸化炭素が発生したりして、危険です。
また、
- 使い終わったらガスの元栓を閉める
- 灯油の管理に気を付ける
など、燃料の取扱いに気を付けなければならないことも、同じですね。
さらに、節約の方法も共通しています。
その節約方法とは
- 窓に厚手のカーテンをかける
- 窓に断熱シートを貼って、部屋の保温力を高める
- ファンヒーターは窓側に置く
- サーキュレーターを使う
- ファンヒーターで部屋が温まったら、エアコンにバトンタッチする
- エコ運転モードなどを使う
- こまめに手入れをする
という方法です。
特に、窓の対策とこまめに手入れをすることは、ファンヒーター以外も含め、どの暖房器具にも効果があります。
ぜひやってみてくださいね!
関連記事:ガスヒーターの節約術をチェック!できるだけコスパ良く使う方法!
こんな家庭にはエアコンがおすすめ
ファンヒーターは、ガスも石油も、部屋の温まりが早くて使いやすい暖房器具です。
でも、ファンヒーターよりもエアコンがおすすめの場合もあります。
それは
- 高齢者のみの世帯で、ガスや灯油の扱いが心配
- 認知症の家族がいるので、火を使わない暖房器具を使いたい
- どうしてもペットがファンヒーターやコンセント、ガスホースなどをいたずらしてしまい、対策もうまく行かない
など、安全性を最優先したい場合です。
エアコンだったら、ガスも灯油も要らず、火も使いません。
また、本体が天井近くに設置されているので、いたずらされたりする心配もないですよね。
そういう意味では、
安全性が一番高いのはエアコンと言えます。
暖房器具は、冬を快適に過ごすもの。
家庭の状況に合わせて、安全で快適に使えるものを選んでくださいね。
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まとめ
プロパンガスファンヒーターと、石油ファンヒーターにかかるガス代、灯油代は
たいていは、石油ファンヒーターの方が安くなります。
プロパンガスのほうが安くなる可能性もなくはないのですが、
『安いプロパンガスを使っていて、なおかつ灯油価格が高騰した』
という時くらいと思っておいて良いでしょう。
ただし、灯油の価格は、大きく変動することもあります。
そのため、時には
「使い方は変わらないのに、今月は急に灯油代が高くなっちゃった!」
なんていうこともあり得るのです。
ここは覚えておいてくださいね。
プロパンガスファンヒーターと石油ファンヒーター、基本的には似たような暖房器具です。
でも、
- ガスファンヒーターはガスホースやガス栓が必要
- 石油ファンヒーターは燃料補給の作業や、灯油の管理が必要
というような違いもあります。
コストも考えつつ、どちらがライフスタイルや家庭の状況に合っているかを検討して選んでくださいね。