ガスや石油燃料が値上がりしているこの頃。
ガス代や電気代を節約するために、時短料理のできる『圧力鍋』を使っている人もいます。
圧力鍋を使うとしても、できれば光熱費が安いほうを使いたいですよね。
ということで今回は
ガス圧力鍋にかかるガス代と電気圧力鍋にかかる電気代はどちらが安いのか
を比較していきます。
ガス圧力鍋と電気圧力鍋の違いも解説するので、圧力鍋選びの参考にしてくださいね!
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ガス圧力鍋と電気圧力鍋の光熱費を比べてみた!
ガス圧力鍋と電気圧力鍋、どっちが光熱費が安い?
ガスと電気の圧力鍋の光熱費を
- 従量料金がそれぞれ400円、500円、600円のプロパンガス
- 従量料金193.80円の都市ガス
- スタンダードな料金プランの電気
で計算して比べたところ、
- 従量単価が400円なら、電気よりプロパンガスのほうが安い
- プロパンガスの従量単価が500円だと、電気のほうが安い
- 従量単価600円のプロパンガスを使う圧力鍋と電気圧力鍋との差は、30分使った場合で3.5円ほど
- 一番安いのは、都市ガスでガス圧力鍋を使った場合
- 一番差が大きい都市ガスと従量単価600円のプロパンガスでの差は、年額2,000円くらい(1日1回30分使った場合)
という結果になりました。
プロパンガスの従量単価が600円の場合の『電気との3.5円差』を大きいと取るか小さいと取るかは、人によって判断が分かれるところです。
料理にこだわりたいなら、ガス圧力鍋にしても損にはならないくらいの額でしょう。
圧力鍋のガス代と電気代を計算してみた
では、圧力鍋に掛かる光熱費が
- プロパンガス
- 都市ガス
- スタンダードな料金プランの電気
で、具体的にどのくらい違うのか、見ていきましょう。
今回は『圧力鍋を30分間使う』として、条件を以下のように決めて計算しました。
プロパンガス・都市ガスについては
調理時間
⇒強火で10分、弱火で20分
ガスの出力
⇒強火2.7kW、弱火0.4kW
ガスの発熱量
⇒プロパンガス100.48MJ、都市ガス45MJ
ガスの従量単価
⇒プロパンガスは400円、500円、600円それぞれを比較
⇒都市ガスは193.80円(2023年2月20日現在の東京ガス関東料金)
電気については、
消費電力
⇒700W
調理にかかる時間
⇒30分
1kWhあたりの電気料金(2023年2月20日現在の東京電力料金)
⇒スタンダードS、120kWhまでの料金で19.88円
計算の結果は以下の通りです。
従量単価 | ガス代・電気代(約) | ||
ガス用圧力鍋 | プロパンガス | 400円 | 8.4円 |
500円 | 10.4円 | ||
600円 | 12.5円 | ||
都市ガス | 193.80円 | 8.2円 | |
電気圧力鍋 | スタンダードSプラン | 19.88円 | 9.0円 |
ということで、この試算でのベスト3は、安い順に
- 従量単価193.80円の都市ガスでのガス用圧力鍋
- 従量単価400円のプロパンガスでのガス用圧力鍋
- スタンダードSプランでの電気圧力鍋
となりました。
なお、実際のガス代や電気代は、
- 契約しているガスや電気の料金
- ガスや電気圧力鍋の出力や使用電力
- 気温(鍋が温まるまでにかかる時間)
- 予熱や加圧にかかる時間
- 圧力をかけて調理する時間
- 余熱調理(ガスの火を止めて余熱で調理する)や蒸らしにかかる時間
などでも変わります。
今回の試算はかなりざっくりした計算ととらえておいてくださいね。
長期的なガス代と電気代の差は?
『30分使った場合』の試算をもとに、毎日1回30分使った場合の長期的なガス代、電気代を比べてみましょう。
従量料金 | 1回分 | 1年分 | 5年分 | |
プロパンガス | 400円 | 8.4円 | 3,066円 | 15,330円 |
500円 | 10.4円 | 3,796円 | 18,980円 | |
600円 | 12.5円 | 4,562.5円 | 22,812.5円 | |
都市ガス | 175.87円 | 9.0円 | 3,285円 | 16,425円 |
電気 | 19.88円 | 6.6円 | 2,409円 | 12,045円 |
この結果で比較すると、
従量料金600円のプロパンガスと電気では、1年間で2,000円ちょっと、5年間で1万円強の差が出る
ということになります。
光熱費を重視して圧力鍋を選ぶなら、
- プロパンガスの従量料金が高い場合は、電気圧力鍋も検討する
- 圧力鍋のガス使用量や消費電力量をよくチェックする
- ガス代と電気代の差が気になるなら、実際の圧力鍋のガス使用量や使用電力量と、契約しているガス料金、電気料金で計算してみる
ということもしてみて検討するのがおすすめです。
今回使った計算式
今回の試算で使った計算式は
ガスの場合
⇒コンロの出力(kW)×3.6MJ/h×使用時間 ÷ ガスの発熱量(MJ/㎥)×ガス料金(円/㎥)
(ガスの発熱量は、プロパンガス:100.48MJ、都市ガス:45MJ)
電気の場合
⇒消費電力(W)÷1000×使用時間 × 電気料金の単価(円/kWh)
この式を使えば、圧力鍋にだいたいどのくらいの光熱費がかかるか計算できます。
あなたの家で契約しているガスや電気料金で計算してみてくださいね。
節約のために圧力鍋を使うのは効果的?
圧力鍋は時短調理ができるので、ガスをいくらか節約することはできます。
ただ、『圧力鍋を使えばガス代が大幅に減らせる』というほどの節約効果は、残念ながらあまり期待できません。
- ガス代全体で見た場合、キッチンで使うガスよりもお風呂で使うガスのほうがずっと多い
- 圧力鍋を使うことで減らせるガス代は、家計のガス代全体のごく一部である
- そもそもプロパンガスの料金が高いことも多い
という理由からです。
ガス代を節約したいなら、
- お風呂やシャワーで使うガスも節約する
- 今よりガス料金が安いガス会社に乗り換え、料金そのものを安くする
この2つの方法も実行するのがおすすめです。
ポイント
ガス会社の変更は、『ガス会社変更サービス』を利用すれば簡単にできます。
『ガス代を減らしたいな』と思ったら、ひとまずガス会社変更サービスのサイトで料金シミュレーションなどを試してみてください。
ガス会社変更サービスについては、こちらの記事を読んでくださいね。
ガス圧力鍋と電気圧力鍋、どっちを選ぶ?
ガス圧力鍋と電気圧力鍋どちらにするか選ぶときには、
- 使いやすさ
- 安全性
- メリットやデメリット
をよく調べることが大切ですよね。
ここからは、ガスの圧力鍋と電気圧力鍋の違いをチェックしていきましょう。
ガス圧力鍋と電気圧力鍋のメリット・デメリットを比較
ガス圧力鍋と電気圧力鍋のメリット・デメリットを表で比べてみましょう。
水色のマスはメリット、ピンクのマスはデメリット、色のないマスはどちらともいえないことです。
ガス圧力鍋 | 電気圧力鍋 | |
調理中の音 | おもり式の圧力鍋 ⇒シューシューと蒸気の出る音がする スプリング式の圧力鍋 ⇒蒸気の音は出ないが、タイマー音が出る製品もある | 音が静か |
火加減の調節 | 圧力が上がったら火力を調節する必要がある (調理中は鍋のそばにいる必要がある) | 火加減の調節をする必要がない (放置でOK) |
予約調理 | できない | 予約調理機能付きの製品もあるが、多くの場合は『炊飯』以外はできない |
保温機能 | ない | 機種によってはある |
料理の簡単さ | 火加減の操作が必要 | 火加減の操作が要らず、簡単 |
火加減などで料理を自分好みに調整しやすいか | しやすい | 基本的にできない |
安全性 | 使い方を守らないと中身の噴出や爆発が起きることがある | よほどの事がなければ事故は起きない |
価格 | 1万円以内で買える製品が多い | 1万円以上の製品が多く、10万円以上する製品もある |
その他のメリット | 電気が要らないので、ガスが通っていれば停電時でも使える 料理へのこだわりも工夫次第で実現できる | 料理を簡単においしくつくれる 小さい子のいる家庭でも安心して使える |
その他のデメリット | 安全に使うには、使い方の注意を守ることが必要 | 使用電力量がオーバーするとブレーカーが落ちる 自分好みの火加減や煮込み加減にできない |
なお、圧力鍋を選ぶときには
ガス圧力鍋を買う場合
⇒おもり式とスプリング式どちらが良いか
⇒表示ピンが見やすいかどうか
⇒片手鍋と両手鍋、どちらが自分にとって使いやすいか
電気圧力鍋を買う場合
⇒使いたい機能や必要な機能が付いているかどうか
⇒安全に置ける場所があるかどうか
といったこともよくチェックして選んでくださいね。
ガス圧力鍋と電気圧力鍋、どちらが安全?
圧力鍋は、安全性も大切ですよね。
ガス圧力鍋でも電気圧力鍋でも、取扱説明書をきちんと読み、使い方や注意事項を守って使えば安全に使えます。
普通に使って危ない製品なら、そもそも販売できません。
ただ、
- 圧力鍋の扱いに慣れてなくて自信がない
- ガス圧力鍋は『爆発』のイメージがあってなんとなく不安
- 小さい子どもがいる
といった場合は、電気圧力鍋のほうが安心です。
もちろん、電気圧力鍋でも
- 子どもが触らない場所に置く
- 濡れた手でコンセントの抜き差しをしない
- 食材を多く入れすぎない
など、注意事項は必ず守って使いましょう。
関連記事:圧力鍋でなぜ肉や魚の骨が柔らかくなるの?理由や原理を解説!
関連記事:圧力鍋が爆発する原因とは?間違った使い方と正しい使い方を解説
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まとめ
ガス圧力鍋と電気圧力鍋の光熱費を比べると、今回の試算では
- プロパンガスの従量単価が500円以上の場合には、電気圧力鍋のほうが安い
- プロパンガスの従量単価が600円の場合、電気との差は年間2,000円ちょっと
という結果でした。
この差を大きいと取るか小さいと取るかは人によるので、
- プロパンガスの料金が高い
- わずかでも光熱費を節約したい
ということなら、まずあなたの家の電気代、ガス代で計算して比べてみてください。
その結果があなたにとって大きな差がなければ、
- 自分にとっての使いやすさ
- 安全性
- 料理にこだわりがあるかどうか
などを考えて、ガス圧力鍋にするか電気圧力鍋にするかを選ぶのがおすすめです。
圧力鍋はガスでも電気でも、正しい使い方と注意事項を守れば、安全に使うことができます。
あなたに合う圧力鍋を選んで、おいしい食事を楽しんでくださいね!