コーヒーやお茶などを飲むためにお湯を沸かす方法は、
- ガスコンロにやかんをかける
- IHケトルを使う
- 電気ケトルや電気ポットを使う
と、たくさんあります。
特に最近では、IHケトルや電気ケトルを使う人も多いです。
電気だと、火を使わなくて済むので安心ですものね。
でも、お湯を沸かすときの光熱費は、なるべく抑えたいもの。
光熱費が安いのは、プロパンガスとIHケトル、どちらなのでしょうか?
ということで、今回は、
- プロパンガスとIHケトルでお湯を沸かす場合、どちらが光熱費が安いのか
- お湯を沸かす光熱費を節約する方法
について解説していきます。
ぜひ読んで、光熱費を考えるための、参考にしてくださいね。
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プロパンガスと電気、お湯を沸かすならどちらが安い?
今回比較するお湯の沸かし方と、計算の条件
プロパンガスとIHケトルの光熱費を比べてみるにあたって、まず『何をどう比べるか』を整理しておきましょう。
今回は、
- やかんに水を入れて、プロパンガスのコンロだけで沸かす
- プロパンガス使用の給湯器で50℃にしたお湯をやかんに入れて、コンロで沸かす
- IHケトル(IH対応のやかん)に水を入れ、IHコンロで沸かす
という沸かし方で比較します。
計算の条件は
- 水は1リットルの水を15℃から100℃まで温度を上げることとし、それに必要な熱量を得るのにいくらかかるかを計算する
- プロパンガスの熱量は24,000Kcal/立方メートル
- 熱効率は、ガスコンロが60%、給湯器が90%とする
- 電気は1Kwhで860Kcal
- IHケトルで沸かすときの熱効率は90%とする
とします。
そして、当然プロパンガスも電気も、料金によって光熱費が変わりますから、
- プロパンガスは従量料金に幅があるので、470円の場合と280円の場合の2通りで計算する
- 電気料金は、昼間が31.27円、夜間が12円の2通りで計算する
としましょう。
合計6通りの沸かし方で比較します。
光熱費はどれが一番安い?
では、試算の結果を見てみましょう!
このようになりました。
(料金ごとに色分けしてあります。)
料金 | 水1リットルを沸かす光熱費 | 水1リットルを 1日3回沸かした場合の、 1年間の光熱費 | ||
プロパンガス | ガスコンロ | 従量料金470円 | 2.8円 | 3,066円 |
従量料金280円 | 1.7円 | 1,861.5円 | ||
給湯器 + ガスコンロ | 従量料金470円 | 2.4円 | 2,628円 | |
従量料金280円 | 1.4円 | 1,533円 | ||
IHケトル | 昼間料金 (31.27円/1kw) | 3.4円 | 3,723円 | |
夜間料金 (12円/1kwh) | 1.3円 | 1,423.5円 |
(小数点2位以下は四捨五入)
この結果を見ると、光熱費が安い順に
- 夜間料金のIHケトル
- 従量価格280円のプロパンガスで、給湯器+ガスコンロ
- 従量料金280円のプロパンガスで、ガスコンロのみ
- 従量料金470円のプロパンガスで、給湯器+プロパンガスコンロ
- 従量料金470円のプロパンガスで、ガスコンロのみ
- 昼間料金のIHケトル
となります。
一番安いのは、夜間料金のIHケトルですが、
『高い』と言われがちなプロパンガスでも、従量価格が安ければかなりコスパが良くなりますね。
ただし、ここでの結果は、あくまでも『いろいろな条件を、かなり単純化した場合の試算』です。
実際の光熱費は、
- 電気のプランや時間帯
- 電気、ガスの従量単価
- やかんやIHケトルの熱伝導率
- 加熱する前の水温
などによって、変わります。
今回の試算の計算方法
今回、どういう計算をしてこの結果になったかを紹介しましょう。
今回は、『水1リットルを沸かすのに必要なカロリー量を得るのに、光熱費がいくらかかるか』で比べています。
1リットルの水の温度を1℃上げるのに必要なカロリーが1Kcalなので、1リットルを15℃から100℃にするには、85Kcal必要です。
85Kcal分の光熱費の出し方は、
85Kcal ÷ (1kwあたりもしくは1立方メートルあたりの熱量×熱効率) × 従量単価
となります。
プロパンガスの光熱費
従量価格470円の場合
⇒85Kcal÷(24,000Kcal×0.6)×470円=2.77円
従量価格280円(適正価格のプロパンガス)の場合
⇒85Kcal÷(24,000Kcal×0.6)×280円=1.65円
プロパンガスで『給湯器+ガスコンロ』の光熱費
給湯器(熱効率90%)で15℃から50℃まで上げるのにかかる光熱費
⇒(50-15)Kcal÷(24,000Kcal×0.9)×470円=0.76円
50℃から100℃までコンロで加熱する分の光熱費
⇒50Kcal÷(24,000Kcal×0.6)×470円=1.63円
以上の結果を足して、
0.76円+1.63円=2.39円
従量価格が280円の場合は、上の式の『470円』のところを『280円』にして、
0.45円+0.97円=1.42円
となります。
IHケトルの光熱費
昼間の料金(1kwあたり31.27円)
⇒85Kcal÷(860Kcal×0.9)×31.27円=3.43円
夜間の料金(1kwあたり12円)
⇒85Kcal÷(860Kcal×0.9)×12円=1.31円
給湯器を使うときの注意点
試算から『ガスでお湯を沸かすときは、給湯器と併用するとコストを抑えられる』ということがわかりましたね。
ただし、これはあくまでも計算上のこと。
『お湯を沸かすためにわざわざ給湯器のスイッチを入れ、お湯になるまで水を出す』というのは、実際には節約になりません。
お湯が出るまでのガス代や水道代がかかってしまうからです。
『すでに給湯器のスイッチが入っている時にお湯を沸かすなら、給湯器を使う』
というくらいに考えてくださいね。
お湯を沸かす光熱費を節約するには?

コスパよくお湯を沸かすには…
ここからは、
- プロパンガス
- IHケトル
- 電気ケトルや電気ポット
でお湯を沸かすときの光熱費を節約する方法について、見ていきましょう。
給湯器がオンの時は活用しよう!
ガスコンロでお湯を沸かすなら、
『給湯器のスイッチが入っている時は、給湯器のお湯をやかんに入れて火にかける』
という方法が、節約になります。
なぜかというと、先ほどの試算にもあったように、
給湯器のほうが、ガスコンロより熱効率が良いからです。
ただし、先にも触れたように、
給湯器がオフの時は、水を直接やかんに入れて沸かしてください。
わざわざ給湯器のスイッチを入れてお湯を出そうとすると、かえってガス代や水道代がかかってしまいますよ。
プロパンガスが安くなる方法はある?
プロパンガスは、適正価格ならかなり安く利用することができます。

はい、どうしたら『適正価格』のプロパンガスを利用できるかというと、
適正価格で供給してくれるガス会社に乗り換えれば良いのです!

そうですよね。
1つ1つ問い合わせるのも大変ですし。
そういう時は、
『ガス会社変更サービス』を利用しましょう!
ガス会社変更サービスについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:【2020最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
なお、契約状況や地域の状況などによっては、
- 適正価格にはできない
- 思ったほどは安くならない
- ガス会社を変えられない
ということもあります。
メモ
賃貸住宅の場合、ガス会社を変えるには大家さんの承諾が必要です。
ですから、ちょっとハードルが高くなります。
でも、賃貸でもガス会社を変更できる可能性はあります。
こちらの記事を参考にしてみてください。
IHケトルの節約方法
先ほどの試算では、IHケトルでお湯を沸かすなら、『夜間料金の時に沸かす』のが、最も安上がりです。
でも、『夜にしかお湯を沸かさない』というわけにも、いきませんよね。
そこでおすすめなのが、
お湯がたくさん必要なとき
⇒IHケトルで沸かす
カップ1杯分くらいのお湯が欲しいとき
⇒電気ケトルで沸かす
というように、使い分けることです。
電気ケトルは、カップ1杯分くらいなど、少量のお湯を効率良く沸かすのに向いています。
一方、ある程度の量のお湯が必要なときは、IHケトルのほうが効率的です。

電気ポットは、
『ある程度の量のお湯を、常に熱い状態で用意しておきたい』というときに向いています。
ただ、電気ポットは保温のための電気代がかかってしまいます。
ですから、保温の電気代を節約したいときは、
『IHケトルで沸かして、保温力のあるポットに入れておく』というのがおすすめですよ。
ガスコンロ、IHケトル、電気ケトル、電気ポットメリットとデメリットの比較
『お湯を沸かす方法』は、光熱費も気になりますが、状況に合った方法を使うことも大切です
そのために、
- ガスコンロ
- IHケトル
- 電気ケトル
- 電気ポット
この4つの方法でお湯を沸かすときの、メリットとデメリットを比べてみましょう。
メリット | デメリット | |
ガスコンロ |
|
|
IHケトル |
|
|
電気ケトル |
|
|
電気ポット |
|
|
IHケトル、電気ケトル、電気ポットの一番の利点は
『火を使わないので安心』
というところですね。
ただ、電気を使ってお湯を沸かす器具は、
『電気製品を一度に使いすぎるとブレーカーが落ちるので、注意が必要』
という弱点があります。
一方、ガスコンロは、
『火を使っている間は絶対に目を離してはいけないし、ヤカンをかけたまま忘れると危険』
というのが、一番大事なデメリットです。
でも、昼間の料金が高くなったり、ブレーカーが落ちたりする心配はありません。
お湯を沸かすのにも、いろいろな方法があります。
それぞれのメリットをうまく生かして、活用していけると良いですね
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まとめ
プロパンガスとIHケトルでお湯を沸騰させる光熱費を比べると、大まかな試算では
- 夜間料金のIHケトル・電気ケトル・電気ポット
- 適正価格のプロパンガスコンロ
- 都市ガス
- 給湯器+プロパンガスコンロ
- プロパンガスコンロ
- 昼間料金のIHケトル・電気ケトル・電気ポット
という結果になりました。
もし家に電気ケトルがあって、夜間の電気料金が安いなら、夜は活用すると良いですね。
もちろん、安いからと言って無理に電気を使ったり、夜にだけ電気を使うようにしたりする必要はありません。
そして普段プロパンガスをメインに使っているなら、
適正価格でプロパンガスを供給してくれるガス会社と契約するのがおすすめです。
節約は、『ライフスタイルに合わせて無理なく』が大切です。
今回の結果を参考に、電気もガスも上手く使って、あなたにとってちょうどいい節約方法を見つけてくださいね!