家の中のいろいろな掃除に大活躍の『マジックリン』。
キッチンやお風呂だけでなく、いろいろな物に使えます。
車やプリンタヘッドの掃除などにマジックリンを使う人もいるんですよ。
『自転車チェーンにマジックリンを使う』という話、筆者も知っています。
コスパも良いですから、もし安全に使えるのであれば、とてもおトクですよね。
ということで今回は
- マジックリンは自転車チェーンの洗浄に効果があるのかどうか
- 正しい自転車チェーンの洗浄方法
について解説します。
ぜひ読んで、自転車のチェーンをきれいにしてくださいね!
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自転車チェーンの洗浄にマジックリンは効果あり?
チェーン洗浄にマジックリンはNG!
結論から言うと、
自転車のチェーン洗浄にマジックリンを使ってはいけません!
なぜかというと、洗浄効果のあるなし以前の問題です。
- マジックリンはアルカリ性である
- 自転車のチェーンはアルカリ性の洗剤で洗浄すると、部品が割れたりひびが入ったりしてしまう可能性がある
ということから、走行中にチェーンが切れて事故につながる危険性があるからです。
自転車チェーンのメーカー、和泉チエンのツイッターによると
アルカリ剤で洗浄して切れた人のチェーン再掲しときますね。パッキパキやで。 pic.twitter.com/H0FVI1IPJt
— 和泉チエン Izumi Chain (@ChainIzumi) May 19, 2021
とのこと。
また、自転車メーカーのシマノでも、
錆び落とし等のアルカリ性、あるいは酸性の洗浄液は決して使用しないでください。これらを使用するとチェーンが破損し、重傷を負う恐れがあります。
と警告しています。
なので、自転車のチェーン洗浄には、マジックリンをはじめとした、アルカリ性の洗剤は絶対に使わないでください。
ネット上には、『マジックリンでチェーンを洗浄したらきれいになった』という記事もあります。
でも、自転車のメンテナンスは、『安全に乗れる』ためでもあります。
メンテナンスの方法は、安全性も考えて選んでくださいね。
マジックリン以外のチェーンに使ってはいけない洗剤とは
マジックリンなどのアルカリ性洗剤以外にも、
- 酸性の洗剤
- 洗浄成分の強い洗剤
も、自転車チェーンの洗浄に使うのは避けてください。
酸性の成分は、金属の腐食や錆の発生につながる恐れがあります。
また、洗浄成分が強い洗剤だと、
- チェーンの内部のグリスも溶かして落としてしまう
- 洗浄成分を水で十分洗い流せないまま油を挿しても、残っていた洗浄成分がオイルを分解して、オイルの効果がなくなってしまう
といったデメリットがあります。
自転車のチェーン洗浄には
- 自転車チェーン用のクリーナー
- 中性洗剤
を使ってくださいね。
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『中性洗剤での水洗い』で気をつけること
中性洗剤はチェーン洗浄に使ってもOKですが、注意しなければならないことがあります。
それは
- 水洗いしたらしっかり水分を拭き取る
- 必ず『水置換性』の自転車チェーン用潤滑剤を塗る
ということです。
なぜかというと、中性洗剤を使って水洗いし、そのままにしておくと、
- チェーンの油が落ちる
- 油が落ちたために、チェーンの内部に水分が残ってしまう
- チェーンに油を挿しても、水分が残っていて油をはじいてしまうので、油が馴染みにくい
ということから、チェーンに錆が発生しやすくなってしまうのです。
チェーンに錆が出たら、切れやすくなって危険です。
なので、水洗いしたら、水置換性の潤滑剤を使ってくださいね。
『水置換性』の潤滑剤は、金属の表面に付いた水分や湿気と置き換わる性質があり、潤滑作用や防錆皮膜を貼る作用があります。
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正しい自転車チェーン洗浄のやり方
ここからは、正しい自転車チェーンの洗浄の仕方を解説します。
チェーン洗浄には何通りかやり方がありますが、今回は
- 自転車用チェーンクリーナー
- フォーミングマルチクリーナー
を使って、手作業で洗浄する方法の手順を紹介します。
なお、クリーナーの使い方は、製品によって違う場合があります。
この記事で紹介する使い方とクリーナーに書いてある使い方が違う場合は、クリーナーに書いてある使い方に従ってください。
自転車チェーン洗浄の作業に必要なもの
チェーン洗浄の手順の前に、必要な物についてチェックしておきましょう。
用意するものは
- 自転車チェーン用クリーナー
- フォーミングマルチクリーナー
- ブラシ(自転車のメンテナンス用がおすすめ)
- ウエス(2,3枚以上用意しておくと良い)
- 新聞紙やブルーシートなど
- 手袋やエプロン
新聞紙やブルーシートは、床や地面の汚れ防止のために敷くものです。
室内で作業するときは、必ず敷いてくださいね。
また、自転車チェーンには油汚れが付いていますから、手や服が汚れないように手袋やエプロンをして作業することをおすすめします。
自転車チェーン洗浄のやり方
では、自転車チェーン洗浄の手順を見ていきましょう。
step
1クリーナーできれいにする
まず、クリーナーがフレームなどに付かないように、チェーンの回りを新聞紙やウエスで覆っておきましょう。
クリーナーによっては、塗装部分に付くと塗装を傷めてしまう可能性があるからです。
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チェーン回りを覆ったら、チェーンの表面が湿る程度に、クリーナーを吹きかけます。
メモ
クリーナーはかけ過ぎないようにしましょう。
掛け過ぎると、ハブの中のグリスを溶かしてしまう可能性があります。
『湿る程度』でOKです。
クリーナーを吹きかけたら、1分ほどそのままおいて、染み込むのを待ちます。
1分くらいたったら、ブラシでチェーンをこすります。
このとき、すみずみまでくまなくブラシが当たるように、細かいところまで丁寧にこすってください。
一度に広い範囲をこするよりも、狭い範囲を念入りにこすって次へ、というやり方がやりやすいですよ。
ブラシでチェーン1周をくまなくこすったら、ウエスで汚れを拭き取ります。
拭き取るときは、『ゴシゴシこする』という感覚で拭き取ってください。
step
2フォーミングマルチクリーナーをかける
次に、フォーミングマルチクリーナーを、チェーンに一回りかけます。
これでチェーンの内部の汚れが浮いてきます。
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フォーミングマルチクリーナーをかけたら、またウエスでごしごしこすり、浮いた汚れを拭き取っていきます。
すみずみまで丁寧に拭き取ってくださいね。
step
3油を挿す
チェーンのクリーニングをしたら、必ず油を挿しておきましょう。
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油を挿すときは、チェーンのつなぎ目を探して、つなぎ目をスタート&ゴールにするとやりやすいですよ。
オイルを1周挿したら、一晩おいてオイルを浸透させます。
すぐ乗りたいときも、できれば15分くらいはおいたほうが良いです。
一晩たったら、ウエスで余分な油を拭き取ります。
メモ
変速機が付いている自転車の場合は、全ての段に変速して油をなじませてください。
これで自転車チェーンのクリーニングは完了です!
自転車のチェーンはどのくらいの頻度で洗浄すればいいの?
自転車のチェーンを洗浄する頻度は、
1か月に1度が目安です。
厳密には
- 自転車に乗る距離や頻度
- 走る場所の状況(どのくらい汚れが付くか)
- 使っているオイルの種類
などによって違ってきます。
頻繁に乗るなら、2週間に1度くらい洗浄すると良いですし、
- 長距離のサイクリングをした後
- 雨の中の走行など、チェーンに汚れが多く付いた後
などは、チェーンの汚れを取り除いておくことをおすすめします。
何でもそうですが、汚れは早く取り除いたほうが楽に落とせます。
それに、こまめにメンテナンスをすると、『不具合に気付きやすい』というメリットもあります。
ぜひ、定期的なメンテナンスをしてくださいね。
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まとめ
『自転車のチェーン洗浄にマジックリンが効く』という話がありますが、
- マジックリンを含めたアルカリ性の洗剤
- 酸性の洗剤
は、自転車チェーンの洗浄に使ってはいけません。
チェーンの部品を傷めて、チェーンが切れてしまう危険性があるからです。
走っている時にチェーンが切れれば、事故につながりかねません。
マジックリンやアルカリ性、酸性の洗剤は、絶対にチェーン洗浄には使わないでください。
チェーンを洗浄するときは、やはり自転車向けの
- 自転車チェーン用クリーナー
- フォーミングマルチクリーナー
などを使うのがおすすめです。
自転車用なら、パーツを傷めずに汚れを落とせる成分が入っているので安心して使えますし、効率良く洗浄できます。
自転車で安全に快適に走るには、定期的なメンテナンスが大切です。
月に1度くらいは、チェーンをきれいにしてくださいね。
そうすれば、チェーンも長持ちしますよ!