『オール電化にして光熱費を削減!』
そんな話を聞くことって、ありますよね。
とくに、プロパンガスはガス代が高くなることが多く、ネットで検索すると、
『プロパンガスよりオール電化のほうが、光熱費を安くできる』
なんて記事も、たくさん出てきます。
でも、本当にオール電化のほうが、プロパンガスより節約になるのでしょうか?
なるとしても、オール電化に切り替えるには、費用もかかるものです。
プロパンガスのままガス代が安くなる可能性があるなら、それにこしたことはありません。
それに、メリットやデメリットも気になりますよね。
ということで今回は、プロパンガスとオール電化の料金やメリットについて比較します。
ぜひ読んでくださいね!
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プロパンガスとオール電化の料金と節約比較
まず、プロパンガスと電気の
- 同じことをした場合のコスト
- 基本料金
- 初期費用と設備費用
- 節約の方法
について比較してみましょう。
プロパンガスと電気、どちらが節約できる?
では、
『オール電化とプロパンガスで同じ量のエネルギーを使った時にかかるコスト』
を比べてみましょう。
プロパンガス料金と電気料金の違い
コストを比べる前に知っておいてほしいのが、
『プロパンガスの料金と電気の料金には違いがある』
ということ。
電気料金は、2016年に自由化されました。
今では電力会社が料金を決めることができますが、
自由化されてからもしばらくは、自由化以前の料金を引き継ぐように決められています。
そのため、電力会社が違っても、料金の差はそれほど大きくはありません。
一方、プロパンガスの料金は、
自由料金で、ガス会社によって差があります。
どのくらい差があるか、全国レベルで見てみると
基本料金では、だいたい1,500~2,000円
従量料金だと、だいたい280円~800円
そう。
このようにプロパンガスと一口で言っても、
従量料金は、ガス会社や契約によっては3倍近くもの差があるのです。
ということは、『○○にかかるプロパンガス料金』を計算するとしても、
料金をいくらとして計算するかによって、結果が違ってきますよね。
『オール電化のほうが、プロパンガスより安くなる』
という記事の中には、プロパンガスの料金を500円、600円に設定して計算して比較している記事もあります。
でも、『適正価格(280~380円)』であれば、結果は違います。
ということで、この記事では、プロパンガス料金については
- 500円の場合
- 適正価格の範囲内の350円の場合
について計算しています。
1kWhあたりのコスト比較
ではいよいよ、コスト比較です。
まず、1kWhあたりいくらかかるかを、見てみましょう。
オール電化は、東京電力の『スマートライフ』シリーズの料金プランを参考にします。
『スマートライフ』では、
スマートライフ(1kWhあたり)
午前6時~翌午前1時の料金…25.33円
午前1時~午前6時の料金…17.46円
プロパンガス(1kWhあたり)
従量単価500円の場合…18円
従量単価350円の場合…12.6円
この結果を見ると、安い順に
- 従量単価350円のプロパンガス
- スマートライフの午前1時~午前6時
- 従量単価500円のプロパンガス
- スマートライフの午前6時~翌午前1時
という結果になります。
オール電化の場合、時間帯によって料金が違うことも多いです。
さらに、このスマートライフの料金プランでは、
人が起きている時間のほとんどが、25.33円の時間帯に入っていますよね。
ということは、
『深夜は安くなる』と言っても、実際の生活の中では思うほど安くならない可能性もあります。
もちろん、プロパンガスは時間帯での料金差はありません。
お風呂を沸かす場合のコストは?
次に、お風呂を沸かす場合のコストを試算で比べてみましょう。
条件は、
- 風呂の湯量は250L
- 温度は10℃から40℃まで上げる(エネルギーを8.7kWh使う)
- 電気料金は、先ほどと同じく東京電力のスマートライフプラン
とします。
1回 | 30回(1ヵ月) | 365回(1年) | ||
オール電化 | 午前6時〜翌午前1時 | 220.3円 | 6,609円 | 80,409.5円 |
午前1時〜午前6時 | 151.9円 | 4,557円 | 55,443.5円 | |
プロパンガス | 従量料金500円 | 156.6円 | 4,698円 | 57,159円 |
従量料金350円 | 109.6円 | 3,288円 | 40,004円 |
ここでも、安い順に
- 従量単価350円のプロパンガス
- スマートライフの午前1時~午前6時
- 従量単価500円のプロパンガス
- スマートライフの午前6時~翌午前1時
という結果になりました。
もちろん、これはあくまでも単純計算です。
気温によって、水の温度の上げ幅も変わります。
でも、今回の計算では、
深夜1時以降にお風呂を沸かすのでなければ、プロパンガスのほうが安い
ということになります。
一番高いものと一番安いものの料金差は、30日で3,321円、1年間で40,000円以上。
プロパンガスの従量料金が500円だとしても、スマートライフの高い時間帯との差は、年間23,000円以上になります。
ちなみに、プロパンガスの料金がどのくらいだと電気より安くなるかは、先ほどのお風呂の例だと
プロパンガスの従量料金が485円以下だと、深夜の電気よりプロパンガスのほうが安くなる
という計算になります。
ただし、実際のガス代には基本料金もかかることを見越すと
『従量料金は300円台が良い』
と考えておくと良いでしょう。
ちなみに、IHコンロとガスコンロの比較は、こちらの記事で解説しています。
関連記事:プロパンガス料金とIHの電気代!コンロの光熱費はどっちが安い?
あわせて読んでみてくださいね。
『基本料金』も比べてみよう
電気やガスのランニングコストを考える時に、忘れてはいけないのが
基本料金
これも毎月払うものですから、ランニングコストの1つです。
では、比べてみましょう。
基本料金を比べてみると…
まず、オール電化の場合は、電気の基本料金だけで済みます。
でも、
プロパンガスを使うと、プロパンガスの基本料金+電気の基本料金が必要になります。
生活の中では、どうしても電気を使わないわけには行きませんからね。
(『オールガス』もあることはありますが、一般家庭ではあまり普及していません)
ここでも東京電力の料金プランを参考にして比べます。
- スマートライフSで30A契約
- スマートライフSで50A契約
- プロパンガス基本料金1,500円+スタンダードSで30A契約
- プロパンガス基本料金2,000円+スタンダードSで30A契約
この4つで比べてみましょう。
なお、オール電化については、IHコンロの使用などでアンペア数を上げる必要がある場合もあるので、30Aと50A、両方を計算してみました。
1ヵ月 | 1年 | ||
オール電化 | スマートライフS 30A | 842.4円 | 10,108.8円 |
スマートライフS 50A | 1,404円 | 16,848円 | |
プロパンガス | プロパンガス1,500円 +スタンダードS 30A | 2,342.4円 | 28,108.8円 |
プロパンガス2,000円 +スタンダードS 30A | 2,842.4 | 34,108.8円 |
このように、基本料金についてのみ考えれば、当然オール電化のほうが安く済みます。
スマートライフSの30Aと、プロパンガス基本料金2,000円+スタンダードSの30Aでは
1ヵ月で2,000円、1年では24,000円の差になります。
先ほどのお風呂を沸かす時の試算では、従量料金だけで計算していました。
それだと、
『プロパンガスのほうが安い!』
と思うでしょう。
でも、基本料金と、先ほどのお風呂の試算を合わせて考えるとすれば、ほぼトントンという感じになりそうです。
『どちらが安い』と言い切るのは難しい
ここまで、2つの試算と基本料金について、比較してきました。
でも、電気の使用量や使用時間帯によっても、電気料金は違いますよね。
今回参考にした、東京電力のスタンダードSというプランでは、電気の使用量によって、1kWhあたりの料金が変わります。
もちろん、ガス会社や電力会社、選ぶプランによっても、料金が変わります。
こうなると、比較するのも、どちらが安いか言い切るのも、とても難しいのです。
オール電化を検討する時に料金を比較するなら、
- オール電化にした場合に使いたい電気料金プラン
- ガス併用にした場合に使いたい、電気とガスの料金プラン
を絞ってから、試算してみると良いでしょう。
さらに綿密に計算したい時は、検針票などを見て、これまでの実際の使用量を参考にしながら、計算してみることをおすすめします。
年間の検針票が全部なくても、残っている分だけでも参考になります。
また、夏や冬よりも、春や秋の使用量がわかると、計算しやすいです。
春や秋の暑くも寒くもない時期のものだと、比較的平均的な使用量に近いからです。
初期費用や器具の費用はどっちが安い?
プロパンガスにするにせよ、オール電化にするにせよ、
始める時には『初期費用』がかかりますよね。
また、器具の寿命が来たら、交換しなければなりません。
ということで、初期費用と器具の費用について見てみましょう。
オール電化にする初期費用は?
オール電化にするための工事には、
工事だけでだいたい20万円くらい
かかります。
これには、専用の回路の配線の工事や分電盤の工事などがあります。
また、ガス使用からオール電化に切り替える場合には、配管やガス器具などの撤去工事もします。
調理器具や給湯器を買い替える費用も必要で、
だいたい60~100万円くらい
になります。
プロパンガスの初期費用はいくら?
プロパンガスを使うには、
- 給湯器やガスコンロなどのガス器具の費用
- ガスの配管などの工事費
がかかります。
ガス器具の費用については、この後お話ししますが、お風呂とキッチンでガスを使う場合の工事費は、一般的に
工事費を最初に払う(配管を買い取る)場合…
12万円~
無償貸与契約で設置する場合…
18万円~
と、このくらいです。
『無償貸与契約』
というのは、ガス会社が
と言って、付けてくれることです。
でもこれ、本当は無償ではありません。
月々のガス代に上乗せされて、費用を回収されます。
また、回収のために、
『一定期間ガス会社を使い続ける』
『途中で解約する時は、違約金や残債金を払う』
という契約内容になっていることが多いです。
そのうえ、
費用の回収が終わった後、上乗せされていた分の料金が安くなることは、ほとんどありません。
つまり、無償貸与にすると、無駄なコストがかかってしまいます。
調理器具や給湯器にかかるコストは?
次に、オール電化とプロパンガスで使う器具の費用についてです。
主な器具として、コンロと給湯機について、比較しました。
器具の費用 | 工事費 | 寿命 | ||
調理器具 | IHコンロ | 3~30万円 (据え置き型なら2万円~) | 15,000円くらい (据え置き型は工事なし) | 10~15年 |
ガスコンロ | 25,000~20万円 ガステーブルなら15,000円程度 | 2万円程度 (ガステーブルは工事不要) | 10~15年 | |
給湯器 | エコキュート | 15~60万円 | 10~15万円 | 10~15年 |
ガス給湯器 | 3~40万円 | 25,000~4万円 | 10~15年 |
器具を両方使う場合の合計額としては、だいたいこのようになります。
器具の費用 | 工事費 | 合計 | |
オール電化 | 18~90万円 | 115,000~165,000円 | 295,000~1,065,000円
|
プロパンガス | 55,000~60万円 | 45,000~6万円 | 10万~66万円 |
どの器具も、だいたい10年から15年で寿命が来て、買い替えが必要になります。
もちろん、器具の値段は、機種や機能によって変わるので、これも一概には言えません。
でも、大まかに見て、プロパンガス用の器具のほうが安いと考えられます。
プロパンガスとオール電化での節約方法は?
プロパンガスもオール電化も、
- 使い方を工夫して、エネルギー消費量を少なくする
- 料金プランなどをよく選ぶ
というのが、主な節約方法です。
『使い方を工夫する』ことに関してはガスでも電気でも、
- コンロを使う時間を、なるべく短くする
- シャワーの時間を短くする
- シャワーやお風呂の設定温度を低くする
など、方法に大きな違いはありません。
具体的な節約方法は、こちらの記事でも解説しています。
関連記事:プロパンガス料金とIHの電気代!コンロの光熱費はどっちが安い?
関連記事:プロパンガスで毎日お風呂やシャワーに入るといくら?追い焚きもチェック
ぜひ参考にしてください。
次に、料金の節約についてです。
先にも書いたように、
電気料金は、電力会社による料金差はそれほど大きくありません。
一方、プロパンガスの場合は、料金差が大きいです。
また、中には
契約する時は安くしておいて、後から値上げする
というような業者もあるので、
適正料金でガスを供給してくれて、なおかつ良心的なガス会社を選ぶ必要があります。
難しそうに見えますが、『ガス会社変更サービス』を使えば、とても簡単です。
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関連記事:【2021最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
プロパンガスからオール電化にするのは節約になるか?
「プロパンガスが高いから、オール電化にしたほうが節約になるのでは?」
と考えている人もいるでしょう。
でも、結論から言うと
プロパンガス料金を安くすることを考えたほうが、オール電化にするよりも安く済む
というのが、筆者の考えです。
- オール電化にする初期費用がかからない
- 鍋などの調理器具をIH対応のものに買い替える必要がない
- 電気代が増えることなく、ガス代を減らせる
- 給湯器やコンロを買い替える時にも、プロパンガス用のもののほうが安いことが多い
というのが、その理由です。
もちろん、地域によっては、どうしてもプロパンガスの料金が高くなってしまうケースもあるでしょう。
「だからオール電化に切り替えたい」
ということであれば、
- ガス会社を変えることで、どのくらいガス代が節約できる可能性があるか
- オール電化にする時に必要な費用
- オール電化にした場合、どれくらいのランニングコストになるか
をよく考えて、じっくり検討したほうが良いです。
特に、
『ガス会社を変えることでどのくらい節約できそうか』
は、料金シミュレーションなどで簡単に出せるので、おすすめです。
料金シミュレーションは、ガス会社変更サービスで無料で登録なしでできるので、ぜひやってみてくださいね。
関連記事:プロパンガスの料金が高いか比較診断するオススメの方法を紹介!
ちなみに、
キッチンだけIHコンロにする
という方法も、なくはないのですが、これはあまり節約にはなりません。
エネルギーの使用量が多いのは、キッチンよりむしろお風呂とシャワーだからです。
なので、キッチンだけ電化したとしても、節約効果はそれほど期待できないのです。
プロパンガスとオール電化、メリットとデメリット比較
プロパンガスにするかオール電化にするか考える時に大事なのは、料金だけではありませんよね。
どちらにするにせよ、メリットとデメリットを知っておくことが、とても大切です。
ということで、プロパンガスとオール電化のメリットとデメリットを比較してみましょう。
プロパンガスとオール電化のメリット
まず、プロパンガスとオール電化のメリットを見てみましょう。
オール電化のメリット
オール電化のメリットは
- 火を使わないので、安全性が高い
- 不完全燃焼で一酸化炭素が発生する可能性も低い
- ガス料金を払わなくて済む
- 光熱費を一本化でき、家計管理がしやすくなる
- IHコンロは、掃除が楽
- オール電化住宅向けの割引のある火災保険を利用できる
オール電化の一番のメリットは、
『火を使わないので、安全性が高い』
ということでしょう。
このメリットのために、オール電化を選ぶ人も少なくありません。
特に、小さい子どもや高齢者のいる家庭では、安心感がありますよね。
また、当然ですがガス料金が要らなくなります。
光熱費を電気代一本にでき、オール電化向けのプランを利用できる点で、オール電化を選ぶ人もいます。
また、オール電化割引のある火災保険を使えるのも、家計にはありがたいものです。
プロパンガスのメリット
プロパンガスのメリットはというと
- 停電でも、ガス設備に異常がなければ使える
- 大きな災害の時、復旧が早い
- ガスの熱量が高いので、給湯や調理などが効率的
- ほとんどの調理器具が使える
- ガス給湯器は湯切れを起こす心配がない
- 普段から『火の扱い』を身につけられる
というものが挙げられます。
ガスと電気を使う人の中には、
『オール電化にすると、停電の時に何もできなくなるから』
と考えてガスを使う人も、けっこう多いです。
ガスは都市ガスとプロパンガスがありますが、プロパンガスだと災害時の復旧も早いです。
また、プロパンガスは火力が強くて効率的。
中華などの強い火力が必要な料理も、おいしく作れます。
そして、プロパンガスでコンロを使うと、『火』がしっかり見えます。
『消し忘れのないようにする、火のそばを離れない、火移りに気を付ける…』
などといった、調理に必要な注意力も、日常の中で身につけることができます。
このような理由から、あえてプロパンガスを選ぶ人もいるのです。
プロパンガスとオール電化のデメリット
次は、プロパンガスとオール電化のデメリットです。
オール電化のデメリット
次に、デメリットです。
オール電化のデメリットとしては、
- 初期費用が高い
- オール電化向けの料金プランは、時間帯によっては普通のプランより割高になる
- 停電すると、すべて使えなくなってしまう
- 火が見えないために、うっかりIHコンロに触ってしまったり、周りに物を置いてしまったりして怪我や事故につながることもある
- 強い火力の必要な料理には不向き
- 状況によっては、エコキュートの低周波音の問題が発生することがある
初期費用とランニングコストについては、先に書いた通りです。
オール電化向けの、時間帯で料金が変わるプランで気を付けたほうが良いのは、
実際に電気を多く使う時間帯の料金が、どのくらいか
ということです。
いくら深夜の料金が安くても、実際に電気を多く使う時間帯の料金が高かったら、電気代が高くなってしまいますからね。
安全面では、『IHコンロで火を使わない』というメリットはあるものの、
『火を使わないがゆえに、油断してしまう』
という危なさもあります。
IHコンロも、熱を発生させることには変わりありません。
でも、火が見えないために
『うっかり触ってしまった、うっかり上に物を置いてしまった』
というようなことも起こり得ます。
『IHコンロの上に家電を置いてスイッチを入れたらコンロが誤作動して、家電が壊れた』
というような事故も、実際に起こっています。
そして給湯面で気になるのが、
『エコキュートでの低周波音の発生』
これは必ず起きるとは限りません。
でも、状況によっては低周波音が発生して、
- 低周波音の影響で体調を崩してしまう
- 自分の家族には影響がなくても、隣近所の人に影響が出てしまう
ということも実際にあります。
万が一、低周波音の被害があった場合は、
- ヒートポンプユニットの向きを変える
- ヒートポンプユニットの下に緩衝材を敷く
などの対策があるので、業者に相談してくださいね。
プロパンガスのデメリット
プロパンガスのデメリットは、
- 適正料金でガスを供給してくれる会社と契約しないと、料金が高くなる
- 火を使うので、火災や調理時の火移りに注意が必要
- ガス漏れや一酸化炭素の発生にも気を付けなければならない
- 敷地内に、プロパンガスのボンベを設置する場所が必要
ということです。
先にも書いたように、プロパンガスを使う時には、
適正料金の良心的なガス会社と契約することが大切です。
でないと、ガス代が高くなってしまいますからね。
また、気になる『安全性』のこと。
火やガスを使うので、火災やガス漏れ、不完全燃焼にも注意が必要。
ガス漏れ警報器は、義務ではありませんが、付けたほうが安心です。
そして、プロパンガスを使うなら、ガスボンベを置く場所も必要になります。
そんなに大きなスペースは要りませんが、
- 少しでも庭を広く使いたい
- 庭にボンベが置いてあるのは見栄えが良くない
という人にとっては、気になるデメリットですね。
プロパンガスとオール電化の比較一覧
プロパンガスとオール電化を一気に比較
ここまで、プロパンガスとオール電化をいろいろな面から比較してきました。
最後に、まとめて見てみましょう。
表のピンクの部分はメリット、青い部分はデメリット、白い部分はどちらとも言えないところです。
また、金額については、機種や業者によって違うので、目安ということで見てください。
プロパンガス | オール電化 | |
初期費用 | 12万円~+器具の費用 | 20万円~+器具の費用 |
調理器具・給湯器と工事の費用 | 約10~66万 | 約30~100万 |
1kWhあたりのコスト
| 従量単価500円の場合…18円 従量単価350円の場合…12.6円 | 一例では 午前6時~翌午前1時 …25.33円/1kWh 午前1時~午前6時 …17.46円/kWh |
料金について | 電気とプロパンガス両方の料金を払うことになる。 基本料金もそれぞれ払う。 | 電気料金だけで良い。 基本料金も、電気の基本料金だけになる。 |
適正料金のガス会社を選ぶことが重要。 | 時間帯で料金が違う場合、割高になる時間帯がある。 電気を多く使う時間帯の料金をよくチェックしたほうが良い。 | |
安全性 | ||
火災やガス漏れ、不完全燃焼などに注意が必要。 | 火災になる可能性がガスよりずっと少なく、不完全燃焼の心配もない。 | |
災害や停電時 | 停電でも、ガス設備に異常がなければ使える。 災害時の復旧も早い。 | 停電するとお湯もコンロも使えなくなる。 |
給湯器について | 湯切れの心配がない。 プロパンガスは火力が強いので、給湯も効率的。 | 湯切れを起こしたり、低周波音が発生したりする可能性がある。 |
コンロについて | 火が見えるので、火の調節がしやすい。
| 火が見えないため、火力の調節がしにくい。
|
効率よく使うため、また不完全燃焼防止のために、時々掃除が必要。 掃除に手間がかかる。 | プレートを拭くだけで簡単に手入れできる。 | |
料理面 | 強い火力が必要な料理にも向き、煽り調理もできる。 料理にこだわる人はあえてプロパンガスを選ぶことも。 | 強い火力が必要な料理には、あまり向かない。 鍋やフライパンを煽って料理することができない。 |
調理器具(鍋など) | ほとんどの調理器具を使える。 | IHコンロ対応の調理器具しか使えない。 |
その他のデメリット | プロパンガスボンベを置く場所が必要。 | トータルで考えると、ガス併用より安くなることもあるが、電気代そのものは高くなる。 |
その他のメリット | ガスボンベを置く場所さえあれば、どこでも使える。 | オール電化住宅向けの、割安の火災保険を利用できる。 |
プロパンガスとオール電化、どっちが向いている?
プロパンガスもオール電化も、それぞれに良い所がありますよね。
となると、
『うちはどっちが向いているんだろう?』
と思う人も多いでしょう。
オール電化が向いているのは、このような家庭です。
オール電化に向いている家庭
- 火災予防のため、極力火を使わないで生活したい
- オール電化向けのプランで料金が安い時間帯と、電気の使用量が多い時間帯が合っている
- 都市ガスが使えず、プロパンガスも料金が高いガス会社しか使えない
- 太陽光発電や蓄電池を導入したい
最後の、太陽光発電や蓄電池について、ちょっと説明しましょう。
オール電化と一緒に太陽光発電や蓄電池を導入すると、発電した電気を使うことで、電気代を安くできます。
太陽光発電と蓄電池があれば、災害時への備えにもなりますよね。
もちろん、初期費用はそれなりにかかります。
でもその費用をかけられるなら、太陽光発電+蓄電池+オール電化という選択肢もあります。
プロパンガスが向いているのは、
プロパンガスに向いている家庭
- 昼間にも料理をしたり、お湯を沸かしたりすることが多い
- 料理にはこだわりたい
- オール電化にするのは、停電時を考えると心配
- 少しでも災害に強い家にしたい
- 『火やガスの取り扱い』を常日頃から身につけておきたい
- 適正料金のガス会社を利用できる
といった場合です。
これは参考までにですが、筆者の家庭も、家を建てる時にオール電化も検討しました。
でも、東日本大震災の後だったこともあり、
- 停電や災害に備えて、あえてライフラインを分けておきたい
- プロパンガスのほうが、災害に強い
- 火を扱う時に必要な注意をする習慣をつけておきたい
ということから、あえてプロパンガスにしました。
料金も、その後適正価格のガス会社に変えられたので、この選択には満足しています。
もちろん、価値観や、何を重視するかは、人それぞれです。
なので、経済的な面はもちろん、あなたにとって大切なことや、ライフスタイルも考えて、検討してくださいね。
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まとめ
『オール電化はプロパンガスより安い』
とよく言われているようですが、
実際には、料金や電気を使う時間帯にもよります。
状況によっては、初期費用をかけてオール電化にするよりも、
プロパンガス会社を変えて料金を下げたほうが節約
できる場合もあります。
経済的な面でオール電化とプロパンガスを比べるなら
- オール電化で電気代が安い時間帯
- 実際に電気を多く使う時間帯
- プロパンガスの料金がいくらになりそうか
も気にしながら、比べてみてください。
その他にも、
- 導入にかかる費用
- それぞれのメリットとデメリット
- どちらがよりライフスタイルに合っているか
- 『ライフライン』について、どんなことを重視するか
といったこともあわせて、じっくり検討してくださいね。
検討する時には、ガス会社や電力会社、建設やリフォームを頼む会社など、複数の意見を聞いてみることがおすすめです。
あなたに合った選択ができますように!