一人暮らしなら、なおのこと切り詰めたいのが
『光熱費』
ですよね。
その中でも、
ガス代は多くの割合を占めています。
だから、できるだけ安くしたいもの。
ところで、ガスには
『プロパンガス』と『都市ガス』
の2種類があります。
この2つ、ガスの性質も違いますが、ガス代も違います。
よく
『プロパンガスより都市ガスのほうが安い』
と言われますが、
実際どのくらい違うのでしょうか?
ということで、今回は、
『一人暮らし』を中心に考えながら、プロパンガスと都市ガスのガス代を比較してみました!
プロパンガスと都市ガスの一人暮らしでのガス代比較
プロパンガスと都市ガス、一人暮らしでどっちが安い?
結論から言うと、
プロパンガスより都市ガスのほうが安い!
金額の面では、よほど安い料金でない限り、プロパンガスには勝ち目がありません。
そのくらいの違いがあるのです。
なぜプロパンガスと都市ガスで、それほど料金が違うかというと、
プロパンガス側の料金が高い理由としては
- プロパンガスは元から自由料金で、ガス会社が自由に価格を決めている
- プロパンガスは価格が変動し、それに乗じて少しずつ値上げする業者もある
- プロパンガスはガスの開閉栓やガスボンベの配送、交換などに人件費がかかる
- 賃貸の場合、プロパンガスの初期費用を、入居者のガス代に上乗せされることが多い
- 賃貸にプロパンガス会社が付けたガス以外の設備の費用も、入居者のガス代に上乗せされる
都市ガス側の料金が安い理由としては、
- 都市ガスは自由化されたばかりで、規制料金の価格を引き継いでいる
- 都市ガスはガスの供給にかかる人件費が、プロパンガスより少なくて済む
- 賃貸物件の都市ガスの場合は、建物内の配管などの費用は契約者(大家さん)の負担になるため、入居者のガス代に上乗せされない
といった状況があるからです。
ガスってライフラインだし、料金は同じじゃないの?
と思う人もいるかもしれませんね。
でも、ガスの供給の仕方や業界の考え方など、いろいろな違いがあるため、料金も違うのです。
関連記事:プロパンガスと都市ガスとLPガスと天然ガスの違いをチェック!
関連記事:プロパンガスと都市ガスの光熱費の違いとは?基本料金と使用量の関係を紹介
プロパンガスと都市ガスのガス料金比較
では、プロパンガスと都市ガスのガス代には、どれくらいの差があるのでしょうか?
比べてみましょう。
プロパンガスと都市ガスの、1立方メートルあたりのガス代
まず、1立方メートル当たりのガス代(従量料金)についてです。
従量料金は、もちろんガス会社によって違います。
また、都市ガスの場合は、使った量によって従量料金が変わる料金制度もあります。
- プロパンガスではガス会社によって違いが大きく、250~700円以上
- 都市ガスはだいたい143円くらい
という感じです。
プロパンガスの料金差、すごいですよね。
これはプロパンガス業者によって料金が違うということもありますが、その他にも
- 山間部や積雪の多い地域、離島など、ガス供給に人件費がかかる地域は高くなる
- あくどいガス会社が不当な値上げをしていることもある
といった理由もあります。
同じ量のガスを使った場合のガス代
プロパンガスと都市ガスで、同じ量を使った場合のガス代を比べてみましょう。
- 都市ガスの従量料金を143円
- プロパンガスの従量料金は、600円、500円、450円、350円で比較する
としておきます。
5立方メートル使ったとすると、
都市ガス…715円
従量料金550円のプロパンガス…3,000円
従量料金500円のプロパンガス…2,500円
従量料金450円のプロパンガス…2,250円
従量料金350円のプロパンガス…1,750円
都市ガスが圧倒的に安いですね。
なぜプロパンガスをこの4種類の従量料金で比べるかというと、
プロパンガスには『適正価格』があるからです。
プロパンガスは都市ガスより圧倒的に高いですよね。
そのため、
『なるべく都市ガスに近い価格で供給しよう』
と考えたプロパンガス関連企業が
「このくらいの価格なら、適正な料金になる」
として設定しているのが『適正価格』です。
適正価格は平均的な価格より安いです。
そこで、この記事ではプロパンガスに関しては、
- 一戸建ての平均的な価格(基本料金1,500円、従量料金500円)
- 賃貸集合住宅での平均的な価格(基本料金2,000円、従量料金600円)
- 一戸建ての適正価格(基本料金1,500円、従量料金350円)
- 賃貸集合住宅での適正価格(基本料金1,800円、従量料金450円)
を比較することにします。
もちろん、『適正価格』といっても、ガス会社によって違います。
また、地域差などもあるので、この料金は大まかな目安として考えてくださいね。
『適正価格』については、こちらに書いています。
同等の熱量分のガスを使うと、ガス代はどう違う?
では次に、
- プロパンガス5立方メートル使った場合
- 都市ガスで、プロパンガス5立方メートルと同等の熱量分のガスを使った場合
でのガス代を比べてみましょう。
なぜ『プロパンガスと都市ガス、それぞれ5立方メートル』ではないかというと、
- 都市ガスの熱量は11,000Kcal/立方メートル
- プロパンガスの熱量は24,000Kcal/立方メートル
と、都市ガスの熱量はプロパンガスの半分弱しかありません。
ここでは少し大まかに、
都市ガスの使用量=プロパンガスの使用量×2.2
としておきます。
プロパンガスで5立方メートル分使ったとすると、このようになります。
基本料金 | 従量料金 | 従量分ガス代 | 合計 | ||
都市ガス (5×2.2立方メートル) | 1,000円 | 143円 | 1,573円 | 2,573円 | |
プロパンガス | 賃貸平均 | 2,000円 | 600円 | 3,000円 | 5,000円 |
戸建平均 | 1,500円 | 500円 | 2,500円 | 4,000円 | |
賃貸適正 | 1,800円 | 450円 | 2,250円 | 4,050円 | |
戸建適正 | 1,500円 | 350円 | 3,250円 | 3,250円 |
プロパンガスの中で一番安い、戸建ての適正価格の従量料金だとしても、都市ガスでは、
600円以上の差
が出てしまいますね。
年間のガス代だと、どのくらい違う?
さらに、年間でもざっくりと比べてみましょう。
細かく考えると計算がややこしくなるので、ある程度単純化して、
春、夏、秋、冬を各3ヵ月ずつとする
春と秋のプロパンガス使用量…月5立方メートル
夏のプロパンガス使用量…月3立方メートル
冬のプロパンガス使用量…月8立方メートル
都市ガスの使用量は、プロパンガスの使用量×2.2とする
という条件で、計算しました。
従量料金 | 春(15) | 夏(9) | 秋(15) | 冬(24) | 合計 | ||
都市ガス | 143円 | 4,719円 | 2,831.4円 | 4,719円 | 7,550.4円 | 19,8120円 | |
プロパンガス | 賃貸平均 | 600円 | 9,000円 | 5,400円 | 9,000円 | 14,400円 | 3,7800円 |
戸建平均 | 500円 | 7,500円 | 4,500円 | 7,500円 | 12,000円 | 31,500円 | |
賃貸適正 | 450円 | 6,750円 | 4,050円 | 6,750円 | 10,800円 | 28,350円 | |
戸建適正 | 350円 | 5,250円 | 3,150円 | 5,250円 | 8,400円 | 22,050円 |
※( )内はそのシーズンのプロパンガス使用量
上の表は『使った分のガスの料金』なので、基本料も足してみましょう。
基本料金 | 従量料金 | 1年間の基本料金 | 年間の従量代金 | 従量代金+基本料金 | ||
都市ガス | 1,000円 | 143円 | 12,000円 | 19,819.8円 | 31,820円 | |
プロパンガス | 賃貸平均 | 600円 | 2,000円 | 24,000円 | 3,7800円 | 61,800円 |
戸建平均 | 500円 | 1,500円 | 31,500円 | 18,000円 | 4,9500円 | |
賃貸適正 | 450円 | 1,800円 | 28,350円 | 21,600円 | 49,950円 | |
戸建適正 | 350円 | 1,500円 | 22,050円 | 18,000円 | 40,050円 |
このような結果になりました。
こうなると、やはり
ガス代の金額面では、プロパンガスは都市ガスに負ける
と言わざるを得ないですね。
プロパンガスと都市ガスは料金以外の面ではどうなのか?
金額面では不利なプロパンガス。
特に賃貸では、プロパンガスは都市ガスよりずっと高くなってしまいます。
でも、生活のインフラって、
『コスト』も大事な要素ではありますが、他にも考える要素がありますよね。
そこで、
ガス料金以外の面での、『プロパンガスと都市ガス』
について、考えてみました。
ガス代と家賃のバランス
一人暮らしだと、賃貸集合住宅に住むことも多いですよね。
当然、賃貸住宅での生活費には『家賃』が加わります。
これも考えなければなりませんね。
『なんでガスの話に家賃が出てくるの?』
と思うかもしれませんが、実は
- プロパンガスだと、ガス代が高くなるが、家賃は都市ガス物件より安い
- 都市ガスだと、ガス代は安くなるが、家賃はプロパンガス物件より高い
ということも、よくあるのです。
そのため、状況によっては
家賃も含めて考えると、プロパンガス物件とどっこいどっこいか、都市ガス物件のほうが高くなる可能性もあります。
これは、
- 都市ガスは初期費用が高い
- その初期費用を大家さんが持つため、家賃に反映される
- 都市ガス物件のほうが人気があるので、家賃を高めに設定することもある
ということからではないかと考えられます。
となれば、ガス代と家賃、両方のことを考えて物件を探す必要がありますよね。
物件を探す時は、最初から『都市ガス』を条件に絞り込むのではなく、
- 立地や部屋の造りなどの条件が合う物件を、いくつかピックアップしておく
- 家賃とガス料金を調べる
- できれば、1年のガス代と家賃を試算してみる
というふうにしてみると良いでしょう。
そしてもし、
『都市ガスの物件も、プロパンガスの物件も、トータルで見るとそんなに変りないな』
と思った時は、都市ガスとプロパンガスのメリットデメリットを比べて決めるのがおすすめです。
プロパンガスの強み
プロパンガスの賃貸物件では、
『都市ガスの物件より家賃が安くなることがある』
ということの他にも、いろいろなメリットがあります。
それは
- 災害時、復旧が早い
- 強い火力が必要な料理にも向いている
- インターフォンやエアコンなどの設備が新しい物件もある
ということです。
中でも一番の強みが、
『災害に強い』
ということ。
この頃地震や台風などの災害も多いですし、これは心強いですね。
プロパンガスの設備は、1つの建物ごとで完結しています。
なので、災害があっても、その建物のガス設備に異常がないことが確認できれば、使用再開できるのです。
一方、都市ガスは、ガス供給設備から家まで、地下に埋設された長い配管を通して供給しています。
だから、一旦大きい災害が起きると、点検にも修理にも、どうしても手間と時間がかかるのです。
『災害への強さをできるだけ優先したい』
というのであれば、プロパンガスがおすすめですよ。
また、プロパンガスは熱量が高いです。
強い火力が必要な料理にも向いているので、料理にこだわりたい人には、プロパンガスがおすすめです。
そして、
『インターフォンなどの設備が整っている物件も多い』
ということについて。
これは、プロパンガス会社が、ガス以外の設備も整えてくれることが多いからです。
消費電力がより少ないエアコンや、最新のインターフォン、ウォッシュレットなど、良い設備が付いているプロパンガス物件もあります。
ただし、ガス会社が付けた設備の費用は、ガス代に反映されます。
部屋を借りる時には、
ガス代のうち、設備費としていくらぐらい払うことになるのか、確認しておきましょう。
もっとも、大家さんが同じ設備を付ければ、その費用は家賃に反映されるでしょうから、
『家賃として払うか、ガス代として払うか』の違い
と考えることもできます。
プロパンガスのアパートやマンションを選ぶメリットとデメリットについて、詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。
関連記事:プロパンガスのアパートやマンションを選ぶメリットとデメリット
持ち家一戸建てでの一人暮らしなら?
持ち家一戸建ての一人暮らしは、家賃を考えずにガスの種類を選べますよね。
となれば、都市ガスを選びたいところです。
でも、都市ガスには
初期費用が高い
というデメリットがあります。
都市ガスを導入するには、近くまで来ているガスの配管から家にガスを引きこむ工事が必要です。
ガスの配管は地下に埋まっているので、工事も大掛かり。
家から配管までの距離によっては、何十万円か、かかってしまうこともあります。
一方、プロパンガスの初期費用は、目安としてだいたい12万円くらい。
これはガス配管などを『無償貸与』にせず、『買い取る』場合です。
大掛かりな工事も必要ないので、初期費用が安く済みます。
もちろん、『災害に強い』というメリットは、一戸建てでも同じです。
そして、プロパンガスを一戸建てで利用するなら、
適正価格のガス会社と契約すれば、安くプロパンガスを利用できます。
持ち家一戸建てであれば、ガス会社は自分の意志で決められます。
適正価格のプロパンガス会社を探すのも、
ガス会社変更サービスを利用すれば、確実で簡単ですよ。
「できればプロパンガスにしたいけど、料金が…」
と思っているなら、ぜひ一度、ガス会社変更サービスに相談してみてください。
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下の記事で詳しく解説しています。
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プロパンガスしか選べない場合は…
ここまで、プロパンガスと都市ガスについて書いてきましたが、
「うちの地域は、都市ガスが来てないんだよね…」
という人もいるでしょう。
そんな時は、プロパンガスを使うしかありませんよね。
でも!
プロパンガスの料金を安くする方法はあります!
賃貸なら、
大家さんに相談して、プロパンガス会社を変えてもらう
という方法です。
賃貸住宅は、入居者の意志だけでガス会社を変えることはできません。
賃貸集合住宅なら、建物1棟単位で、大家さんがガス会社と契約することになっています。
そのため、
ガス会社を変えるには、大家さんの許可が必要なのです。
また、賃貸一戸建ても、ガス会社を変える時には大家さんの承諾が必要です。
でも、逆に言えば
大家さんの承諾がもらえれば、ガス会社を変えられるのです。
賃貸集合住宅でガス会社を変える方法については、こちらの記事に詳しく書いてあります。
大家さんへの交渉についても書いてあるので、賃貸一戸建ての人も、読んでみてくださいね。
関連記事:賃貸の家でプロパンガス代を節約したい!ガス会社の変更は可能?
そして、一人暮らしでガス代を節約する方法については、こちらの記事で解説しています。
関連記事:プロパンガスを節約したい!一人暮らしのガス代が高い原因をチェック
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まとめ
都市ガスは、プロパンガスより熱量が低く、同じ熱量を得るためには約2倍の量のガスを使います。
それでも、ガス代としては、都市ガスよりプロパンガスのほうが、高くなることがほとんどです。
都市ガスのところに住んでいた人が、初めてプロパンガスのところに引っ越して
「ガス代が高くなった!」
と驚くことも、珍しくありません。
でも、
『都市ガスの物件のほうが家賃が高い』
ということも、よくあります。
物件を選ぶときには、家賃とガス代と、両方を考えながら選ぶことをおすすめします。
そして、経済的な面以外では、
- プロパンガスは災害に強い
- 良い設備が付いているプロパンガス物件も多い
という大きなメリットがあります。
料金や家賃のこと、立地などはもちろん大事にしつつ、
『自分にとって何が大事か』
しっかり考えて、物件を選んでくださいね。
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