家計の中で大きな割合を占めるのが
『光熱費』
なんとか節約したいですよね。
とくに、プロパンガスを使っていると、
「ガス代が高いなぁ…」
と思うことも多いのではないでしょうか。
ガス代さえ安くなればいい
というなら、
キッチンのコンロを、ガスコンロからIHのクッキングヒーターにしてしまう
という手もあります。
でも、それだと今度は
電気代が増えてしまう可能性
もありますよね。
実際のところ、
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ
どちらの光熱費が安いのでしょうか?
この記事では、
IHクッキングヒーターとガスコンロにかかる料金の比較から、キッチンでのガス節約術まで
を、お話します。
IHの導入を考えている人や、キッチンでの光熱費を節約したい人は、ぜひお読みください!
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IHとガスコンロ、光熱費はどっちが安い?
IHとガスコンロの料金比較は、とても複雑
一番気になるのは、
『IHとガスコンロ、どちらの光熱費が安いか』
ですよね。
ズバリ結論は
一概には言えない
です。
なぜこんなミもフタもない結論になるのかというと、キッチンでのガス代やIHの電気代を計算する場合、
- 契約している電気料金やガスのプラン
- IHクッキングヒーターを使う時間帯(時間帯によって電気料金が違う場合もある)
- 調理の時間の長さ
- IHクッキングヒーターの性能
- 鍋などの調理器具の材質(熱伝導率など)
- プロパンガス、都市ガスの従量単価
などによって、数字が変わってくるからです。
『安い電気やガスの料金プランで、熱伝導率の良い調理器具で調理をした』
場合と
『高い電気やガス代で、熱伝導率の悪い調理器具で調理した』
場合では、光熱費も違ってきますよね。
ネットの記事をいろいろ読んでみると
「ガスのほうが安い!」
「IHのほうが安い!」
両方の結論があるのは、そういうわけなのです。
でも、そんなことを言っていても仕方ないので、ここでは大雑把な見立てでお伝えすると
料金の安い順に
- 都市ガス
- 夜間電力
- プロパンガス
- 昼間電力
という順になることが多いです。
ポイント
とくにプロパンガスだと、
『適正料金』
に近ければ近いほど、安くなります。
プロパンガスの適正料金については、こちらの記事で解説しています。
では、この結果について、くわしく見ていきましょう。
電気1Kw分のエネルギーにかかる電気代とガス代は?
では、
- 都市ガス
- IH(電気)
- プロパンガス
の光熱費を、いろいろなシチュエーションで比較してみましょう。
参考までに、
『適正料金のプロパンガス』
も比較に加えました。
ただし、先に書いたように、料金プランや調理器具などの条件によって変わってくるので、
ここでは半ば強引に、条件を決めています。
あくまでも参考として、ご覧ください。
まず、
『電気1Kw分のエネルギーを得るのに、電気代とガス代がどのくらいかかるか』
です。
この条件を
- 都市ガスの従量料金…150円
- プロパンガスの従量料金…500円
- プロパンガスの従量料金が適正価格の場合…280円(東京の適正価格)
- 昼間の電気代が1Kwあたり22円
- 夜の電気代が1Kwあたり12円
- 熱効率など、ややこしいことは、ひとまずないことにする
とした場合、計算の結果はこのようになりました。
従量単価 | 電気1Kw分の光熱費 | ||
電気 | 昼間 | 30円 | 30円 |
夜 | 12円 | 12円 | |
都市ガス | 150円 | 11.7円 | |
プロパンガス | 従量料金 | 500円 | 18円 |
適正価格 | 280円 | 10円 |
(小数点2位以下は四捨五入)
この計算によると、安い順に
- 適正価格のプロパンガス
- 都市ガス
- 夜間料金の電気
- 従量料金500円のプロパンガス
- 昼間料金の電気
となりました。
適正価格だと、プロパンガスが都市ガスより光熱費が安くなるんですね。
プロパンガスと都市ガスの光熱費の計算
電気1Kw分の熱量は、およそ860Kcalです。
この860Kcalの熱量を出すのには、
プロパンガスは約0.036立方メートル
都市ガスは約0.078立方メートル
必要です。
プロパンガスと都市ガスで必要な量が違うのは、
プロパンガスの熱量は、約24,000Kcal/立方メートル
都市ガスの熱量は、約11,000Kcal/立方メートル
と、熱量の違いがあるからです。
なので、
都市ガスは、
0.078立方メートル×150円=11.7円
プロパンガスの場合は、
0.036立方メートル×500円=18円
プロパンガス適正価格の場合は
0.036立方メートル×280円=10円
という結果になるのです。
1リットルの水を沸騰させる光熱費で比較すると?
では、今度は電気やガスの熱効率も考慮に入れてみましょう。
できれば『同じ料理を作る』場合で試算したいところですが、シンプルにするため、
『1リットルの水を沸騰させる場合』
で計算しました。
IH、都市ガス、プロパンガスの値段は先に書いたものと同じで、
- IHクッキングヒーターは、熱効率80%、860Kcal/1Kw
- ガスはプロパンガス、都市ガス共に熱効率は60%
- 水の温度は15℃から100℃まで上げる
という条件です。
その結果を見てみると…。
従量単価 | 水1リットルを沸かす光熱費 | ||
電気 | 昼間 | 30円 | 3.6円 |
夜 | 12円 | 1.4円 | |
都市ガス | 150円 | 2円 | |
プロパンガス | 従量料金 | 500円 | 3円 |
適正価格 (東京の場合) | 280円 | 1.7円 |
(小数点2位以下は四捨五入)
ここでは
- 夜間料金の電気
- 適正価格のプロパンガス
- 都市ガス
- 従量料金500円のプロパンガス
- 昼間料金の電気
となりました。
先ほどの結果と違うのは、IHのほうが熱効率が良いからです。
つまり
- 時間帯によって電気料金が違う場合、電気を使うなら、安い時間帯に
- 都市ガスのほうが、電気やプロパンガスより安い
- 電気料金の高い時間帯にIHクッキングヒーターで調理するより、ガスのほうが安い
- プロパンガスでも、適正料金に近いほど安くなる
ということになります。
ただ、先ほども書いたように、実際は
調理器具の熱伝導率や、調理時間、料金プランなどによって、実際の光熱費は変わってきます。
IHクッキングヒーターを導入する、あるいはIHからガスにする場合は、
お店の人に光熱費のことなどもよく聞いてみてください。
1リットルの水を沸騰させる光熱費の計算
今回の結果についても、式と結果を書いておきましょう。
計算式は、15℃の水1リットルを沸騰させるために必要な熱量を85Kcal、
- 85Kcal÷(1kwあたりもしくは1立方メートルあたりの熱量×熱効率)=85Kcalを得るのに必要な電気やガスの量
- 85Kcalを得るのに必要な電気やガスの量×従量単価=電気・ガス代
となります。
まず、昼間の電気の場合は、
85Kcal÷(860Kcal×0.8)=0.12Kw/h
0.12Kw/h×30円=3.6円
夜間の電気料金の場合は、2つ目の式の30を12にするだけなので、
0.12Kw/h×12円=1.4円
次に、都市ガスの場合です。
小数点2位以下は四捨五入してあります。
85Kcal÷(11,000Kcal/立方メートル×0.6)=0.013Kcal立方メートル
0.013Kcal立方メートル×150円=2円
そしてプロパンガスの場合は、
85Kcal÷(24,000Kcal/立方メートル×0.6)=0.006Kcal立方メートル
0.006Kcal立方メートル×500円=3円
プロパンガスの適正価格は、2つ目の式の500が280になり、
0.006Kcal立方メートル×280円=1.7円
と、このように計算しました。
IHクッキングヒーターとガスコンロの比較

IHコンロでベーコンを焼く
IHにするか、ガスにするか考える時に大切なのは、光熱費だけではないですよね。
次に、IHクッキングヒーターとガスコンロの
- 安全性
- 使い勝手
- 機能
- 向いている料理
なども比べてみましょう。
IHクッキングヒーター | ガスコンロ | |
火災の危険性 | 火を使わないので、火災になったりやけどしたりする可能性が低い。 ガス漏れの心配もいらない。 | 火を使うので、火災ややけど、袖への火移りなどに常に注意が必要。 ガス漏れや不完全燃焼、消し忘れにも気を付けなければならない。 ただし今は、Siセンサーが付いていて、消し忘れても自動的に止めてくれる機能が付いたものが多い。 |
注意力など | 火が見えないので、『注意しなければ』という意識を比較的持ちにくい。 | 火が見えるので、『火事ややけどに気を付けなければ』という意識を持ちやすい。 子どもにも『火』について教えることができる。 |
熱効率 | 90%くらい。 鍋などに直接熱を伝えるので、熱効率が良い。 | 熱効率は50~80%。 熱が周りの空気にも行ってしまうので、熱効率が悪い。 |
調理器具 | IH対応のものを使わなければならない。 多層鍋や銅、アルミ、耐熱ガラスや土鍋、セラミックなどは使えない。 | どんな調理器具でも使える。 |
導入費用 | 高い。 コンロの購入費用だけでなく、工事費に6万円くらいかかる。 また、鍋などの買い替えが必要になる場合もある。 | コンロの購入費用は必要。 ガス機器の購入と設置費用は、多くの場合、ガス会社が負担してくれる。 ただその分の費用は、最終的には毎月の料金に上乗せで払うことになる。 不透明な部分もある。 |
火加減 | ボタンで調節。 簡単だが、火が見えないので、『火の強さ』がわかりにくく、微妙な火加減はしにくい。 ある程度の慣れも必要。 | つまみで調節。 火を見て強さを確認できるので、微妙な火加減もしやすい。 |
加熱の速さ | ガスより早い。 | IHクッキングヒーターより遅い。 |
複数の鍋での強火の調理 | コンロ上で複数の強火調理が難しい。 内線規程で、使う電力の量が決められていて、それを超えるとブレーカーが落ちてしまうこともある。 | コンロ上で複数の強火調理ができる。 |
料理での使い勝手 | 調理器具が天板についていないと熱が伝わらないので、鍋を振って調理をすることができない。 | 均等な味付けや『程よく焦がす』ことなどがしやすい。 中華鍋を振ってかき混ぜたりもできるし、食材に味を行き渡らせやすい。 |
向いている料理 | 角煮やシチューなど、じっくり煮込む系の料理。 | 中華など、強い火力が必要な料理。 |
手入れ | 平らなので、手軽に掃除ができる。 | ゴトクを外したり、バーナーの穴を掃除したりなど、手間がかかる。 |
汚れ具合 | 水蒸気が発生しないので、水と油が混ざったようなベタベタした汚れが少ない。 | 水と油が混ざったベタベタ汚れが付きやすい。 |
頑丈さ | 調理器具を乱暴に置くと、天板が傷ついたりすることがある。 | 天板が割れてしまうことはないので、多少雑に鍋を置いたりしても大丈夫。 |
周りの汚れ | 壁や換気扇などの汚れが少ない。 | 壁や換気扇などにも汚れが付きやすい。 |
空気の汚れ | 空気が汚れず、二酸化炭素や窒素炭化物が発生しない | 二酸化炭素や窒素炭化物などが発生する。換気も大事。 |
キッチンの暑さ | 室内に熱がこもりにくく、夏も比較的キッチンが暑くならない。 | コンロ周りの空気も温めるので、キッチンも暑くなる。 |
時間帯と、電気代・ ガス代の関係 | 契約プランにもよるが、電気代が高い時間帯に長時間使うと、電気代が高くなってしまう。 逆に、電気代が安い時間帯に調理すれば、節約できる。 | どの時間帯に調理しても、ガス代は一定。 |
停電に対する強さ | 停電時は使えない。 | 停電時でも、ガスの安全が確認できれば使える。 |
こうしてみると、どちらも、メリットとデメリットがさまざまです。
IHクッキングヒーターには、ガスコンロにはない良さがあり、ガスコンロにはIHクッキングヒーターより強い面もあります。
もし、これからどちらかを選ぶなら、両方のメリットやデメリットも考えて、じっくり検討すると良いでしょう。
また、もし
「ガスコンロからの乗り換えを検討してるけど、迷ってる」
というなら、
IHクッキングヒーターの導入を検討しつつ、ひとまずガスの節約を考えてみる
というのも手です。
新しく導入するには、費用も掛かりますからね。
プロパンガス代を節約するのに一番効果的な方法
都市ガスより高いプロパンガス代を節約するのに、一番効果的な方法は
- 今より安いガス会社に乗り換える
- ガス会社に交渉して、値下げしてもらう
という方法です。
もちろん、日々の暮らしでガスの使い方に気を付け、ガスの使用量を節約するのも大切ですが、
ガスの従量単価が下がると、バッサリ節約できます。
では、2つの方法について、お伝えします。
安いガス会社に乗り換える
プロパンガス代は、自由価格であるため、プロパンガス会社がそれぞれに価格を決めています。
なので、
驚くほど安い値段の会社も、ボッタクリ的に高い会社もある
というのが実状です。
まず、自宅で使っているガスの契約をチェックして、
- 基本料
- 従量単価
を確認しておきましょう。
そして次に、
- 住んでいる地域の相場価格
- 住んでいる地域の適正価格
もチェックしてみましょう。
メモ
次に、ガス会社選びです。
もちろん、自分で調べて探すのも良いですし、
「ややこしくて難しい…」
という場合には、
『プロパンガス料金消費者協会』でも相談に乗ってもらえます。
ガス会社を選ぶときに重要なのが
『良心的なガス会社を選ぶ』
ことです。
ガスは
『安ければいい』というものではありません。
なぜなら、あまりに安いガス会社だと
- 経営がヤバくなったらいきなり値段が上がる
- やっていけなくなって潰れてしまう
- 契約する時は安いけど、少しずつ値段が吊り上がって、結果的に高くなる
- 値段が高くなって解約しようとしたら、違約金を請求される
なんて可能性もあるからです。
もちろん、すべてのガス会社がこうというわけではありませんが、
残念ながら、中には悪質な会社もあります。
なので、安いところに飛びつくのではなく、
『相場価格や適正価格を参考にしながら、良心的なしっかりした会社を選ぶ』
ことが大切です。
ガス会社に値下げ交渉をする
ガスの値段って『公共料金のようなもの』って感じがしますよね。
なので、
「ガスの値段は同じ会社ならどこの家でも同じだし、値下げなんて無理なんじゃ…」
と思う人もいるかもしれません。
でも、
同じガス会社でも、隣近所で値段が違う、なんてことも、実はあったりします。
そして
ガス会社は、何も言わないでいると値下げしてくれないことも多いです。
なので、こちらから
「相場より高いから、値下げしてください」
って言ってみましょう。
もちろん、ガス会社も商売ですから、
いきなりドーンと半額なんてことは、期待しないほうが良いでしょう。
また、
「もともと安いけど、もっと値下げして」
というのも、応じてもらえる可能性は少ないです。
「相場と比べてこのくらい高いから、もう少し値下げしてほしい」
くらいが、妥当なところと考えるのが良いです。
関連記事:賃貸の家でプロパンガス代を節約したい!ガス会社の変更は可能?
プロパンガスから都市ガスに切り替えるってどうなの?
たしかに都市ガスは、プロパンガスより料金が安いことが多いです。
でも、
プロパンガスから都市ガスに切り替えるのは、効果的とは言えません。
なぜなら
都市ガスは、導入にかかるコストが高い
からです。
実際どれくらいかかるかというと、
- 自宅近くまでガスの配管が来ている場合でも、10~20万円
- 自宅の近くまでガスの配管が来ていない場合は、50万を超すことも多い
という感じです。
都市ガスのある地域で導入するとしても、元を取るのには、けっこう年数がかかりそうです。
そしてもちろん、
その地域にガス配管がない場合は、都市ガスを導入することはできません。
なので、
無理に都市ガスに切り替えるよりは、プロパンガスのまま節約する方法を考えたほうが早いです。
キッチンで毎日できるガス節約術
では、ガス代を節約するのに、毎日できることを紹介します。
どれも、
1つ1つはささやかなことですが、積もり積もるとあなどれませんよ。
なお、この中には電子レンジや炊飯器を使うアイディアもあります。
電気は時間帯によっては、ガスより高くなることがあるので、先ほどの電気代との比較を頭に浮かべながら、どちらを使うか選んでください。
鍋の底の水を拭き取ってから火にかける
まず、鍋を火にかける前には、
鍋の底についた水を拭き取りましょう。
水がついていると、それが乾くまでの間の熱が、ロスになってしまいます。
また、鍋底の水が蒸発する時に熱を奪ってしまいます。
ガスの熱を少しでも有効利用するためにも、布巾でシュッとひと拭きしてください。
火の大きさは、鍋の底からはみ出さないように
これはガスを無駄なく使うための基本です。
ガスの火が鍋底からはみ出してしまうと、はみ出した火は空気を温めることになってしまいます。
もったいないですよね。
ガスの火は、鍋底からはみ出さない大きさにしましょう。
なるべく大きめの鍋や、底が平らな鍋ややかんを使う
大きめの鍋だと、ガスの火がしっかり鍋底に当たるので、ガスの熱をできるだけ逃がさず使うことができます。
また、底が平らな鍋だと、さらにガスの熱がしっかり鍋に伝わります。
なので、短時間で調理ができるのです。
これの応用が、
『パスタやうどんなどを、フライパンで茹でる』
という技です。
フライパンは鍋底が平らで、火の熱がしっかり伝わるので、お湯が沸くのも早いです。
水と麺がしっかり入る大きさのフライパンを使えば、焦げたりせずに茹でることができます。
中火を中心に使う
ガスの火力については、ガス代が安い順に
- 中火
- 強火
- 弱火
です。
なので、中火を中心に使いましょう。
もったいないからと、弱火で時間をかけるよりは中火のほうが良いです。
また、時間を無理に短くしようとして強火で料理しても、ガス代は中火より高くなってしまいます。
もちろん、料理によっては、強火や弱火のほうがおいしくなります。
おいしさも大事に、火加減を考えてくださいね。
茹でものなどでお湯を沸かす時は、給湯器を利用
野菜や麺、肉などの茹でものをする時は、
給湯器のお湯を活用すると、節約できます。
給湯機はガスコンロより熱効率が良いです。
そのため、同じ量のお湯を同じ温度にするなら、給湯器のほうがガスの量が少なくて済みます。
水からガスで沸かすより、節約できますよ。
圧力鍋を使う
圧力鍋を使うと、料理の時間が少なくて済みます。
その分、ガスを使う量も減らすことができるのです。
その上、圧力鍋で作ると、おいしくなります。
圧力鍋は、扱いに注意が必要な部分もありますが、
節約になっておいしくて、一石二鳥!
おすすめですよ。
保温調理をする
煮物などの場合、保温調理をすると、これもガスの使用量を減らせます。
もちろん、保温調理用の鍋を使ってもいいですが、お値段がちょっと高いですよね。
なので、筆者は普通の鍋を使っています。
やり方は
- 火が通って、あとは煮込むだけ、というところまでコンロで調理する
- 鍋を新聞紙(少しくしゃくしゃにしてから広げたものだとなお良い)で包む
- さらにバスタオルやタオルケット、毛布などでぐるぐる包む
- そのまましばらく放置
という方法です。
要は
『包んで待つだけ』。
簡単ですね。
よほど時間をおいてしまわない限り、温めなおさなくて済むので、その点でも節ガスになります。
保温調理は、ガスを節約できるだけでなく、保温の間は安心して目を離していられるので、これもおすすめです。
中華鍋を活用!
炒め物などは、中華鍋を積極的に活用すると良いです。
中華鍋は底が丸くなってはいますが、
炎にフィットする形になっているので、鍋の底にしっかり火が当たり、無駄なく火の熱を使えます。
また、食材がたくさん入る、揚げ物の時は油が少なくて済むなど、利点も多い調理器具です。
炒め物や焼き肉などのほかにも、茹でたりする時にも活用してみてくださいね。
炊飯器で作れるものは、炊飯器で
今は炊飯器にも、いろいろな料理を作れるものがありますね。
また、ネットで探すと、たくさんの炊飯器レシピがあります。
せっかく機能やレシピがあるのですから、活用しちゃいましょう。
角煮やローストビーフなども作れるので、電気の安い時間帯に作り置きしておくのも良いですよ。
同時調理もおすすめ!
1つの鍋やフライパンなどで、1度に複数の料理を作るのも、おすすめです。
時短にもガス節約にもなります。
仕切り付きのフライパンも売っていますし、多少混ざっても構わないなら、普通のフライパンでも可能です。
また、たとえば
茹でものをしながら、同時に蒸し料理も作る
という手もあります。
鍋の大きさに合う金ざるを鍋にセットして、下でゆでものをし、金ざるの上に野菜や肉などを置いて、蒸してしまうのです。
茹で卵などは、茹であがるころに蒸し料理もできあがって、ちょうどいいですよ。
1リットル程度のお湯なら、電気ケトルのほうが安いことも
これも電気代やガス代の状況にもよりますが、
1リットルくらいのお湯を沸かすなら、電気ケトルのほうが安い場合もあります。
もしくは、ガスを使うなら、お湯はまとめて沸かして、保温性の高いポットに入れておくのも良いでしょう。
ガスコンロが冷えないうちに、次の料理を
最初にガスを点ける時は、ガスコンロが冷えています。
ガスコンロにも、熱がある程度奪われてしまうので、料理をするときは
ガスコンロが冷めないうちにまとめて作りましょう。
ほんの少しのことですが、これも積み重なると、けっこうな節約になります。
作り置き料理なども、まとめて作ると良いですね。
野菜の下茹でにレンジを活用
野菜を茹でたりする時には、
レンジで加熱しておくと下茹でになり、ガスで茹でる時間が少なくて済みます。
レンジでの加熱時間は、具材が何かや量によっても違いますが、
人参1本なら、600wで3分20秒〜4分くらいです。
加熱前に水を振るのと、耐熱皿を使うことも忘れないでくださいね。
具材を小さめに切って加熱時間を少なくする
具材が小さいと、中心まで早く熱が伝わります。
そのため、加熱時間、つまりガスを使う時間を短くすることができます。
もちろん、おいしさや食べごたえも大事にしてくださいね。
ガスを使う量が少ない料理法は?
料理のしかたによっても、使うガスの量は変わります。
一般的に、
- 炒める
- 蒸す
- 煮る
- 揚げる
の順に、使うガスの量が少ないです。
揚げ物は、けっこうガスを使ってしまいます。
でも、揚げ物をあきらめるのも、残念ですよね。
そんな時は、電子レンジやオーブンでできる揚げ物レシピもあります。
また、揚げないで揚げ物を作れる揚げ物の素もあるので、活用してみてください。
『揚げないで揚げ物を作れる揚げ物の素』なんて、なんだか『トゲアリトゲナシトゲトゲ』みたいで不思議な感じですが。
火と油を使わないというところでも、安心して調理できますね。
蓋や落し蓋を活用!
料理の時はもちろん、お湯を沸かす間でも、鍋に蓋をしておきましょう。
鍋に蓋をすると、ガスの使用量を15%近くも減らすことができます。
また、煮物の時は落し蓋をすると、料理によっては調理時間が半分近くまで減らせることもあります。
味もしみこみやすくなるので、これも一石二鳥ですよ。
余熱もうまく利用して調理する
たとえば、ホウレン草などをゆでる時は、さっと火が通れば大丈夫です。
なので、お湯が沸騰して、ホウレン草を入れたら、火を止めてしまいましょう。
また、カレーやシチューなどの煮込み料理でも、余熱調理ができます。
後は煮込むだけ、という段階で火を止め、蓋をきちんと閉めておくだけです。
ただ、よりしっかり煮込みたい場合は、先に書いた『保温調理』がおすすめです。
解凍して使う物は、冷蔵庫で解凍しておく
肉や魚など、冷凍しておいたものを解凍して使う場合は、
早めに冷蔵庫に移しておきましょう。
これなら、電気やガスを解凍のために使う、ということもありません。
もちろん、室温で解凍するのもありですが、暑い時期は冷蔵庫のほうが安心です。
ペットボトルの水は、未開封なら常温で保存
書くまでもないことかも知れませんが、調理にもミネラルウォーターを使っている場合は、
未開封なら常温で保存しておきましょう。
冷蔵庫に入れると、冷えた温度から温めるのに、よけいにガスを消費します。
なお、ペットボトルの水をお湯にする場合、
ペットボトルを黒く塗って、日のあたるところに置いておく
という方法もあります。
ちょっと涙ぐましいような気もしますが、夏の暑い時期などは効きそうですね。
ただ、あまりに暑いと、ペットボトルが変形したり破損したりすることも考えられるので、そこは気を付けてください。
ストーブで調理
もし、調理ができるような、上に鍋ややかんなどを乗せられるストーブがあるなら、冬はストーブで料理するのも節約になります。
時間をかけてコトコト煮るタイプの料理なら、ストーブでもやりやすいです。
ただし、火の扱いには、気を付けてくださいね。
キッチンの給湯のガス節約方法
キッチンでガスを使うのは、ガスコンロだけではありません。
給湯器も使いますよね。
こちらも、お皿の洗い方などを工夫すると、けっこう節約できます。
たとえば
- 食器や調理器具などは、溜め洗いする。
- 洗う時に、ゴム手袋をして水で洗う。
- パスタやうどん、ホウレン草や卵などの茹で汁で下洗いをする(すすぎは水や給湯器のお湯で)。
- 調理器具やお皿の汚れを、新聞紙などで拭き取ってから洗う。
- 食洗器を使う。
- 食洗器でもお湯を使う場合は、温度を1、2℃下げる。
などです。
溜め洗いをする時には、
湯飲みなど、汚れの少ないものから順に洗い、油汚れなどのあるものは後のほうに洗う
というようにすると良いです。
また、ゆで汁が温かいうちに食器などを洗うと、けっこう汚れ落ちも良いです。
水道代の節約にもなりますね。
カレーやシチューなど、
お皿にべっとり汚れが付いた場合は、まず汚れを拭き取ってしまいましょう。
拭き取れば汚れが落ちやすいので、お湯の節約になり、ひいてはガスの節約になります。
洗剤も少なくて済みますし、水に流れる汚れも少なくて済むので、エコにもなります。
食洗器を使うと、給湯器のお湯でお皿を洗う必要もなくなります。
食洗器は、水道代がかかるイメージがありますよね。
でも、節水型のものも多く出ているので、きちんと選べば、手洗いよりも使う水も少なくて済みます。
なお、食洗器でお湯を使う場合もありますが、温度を1℃下げるだけでも、節約に効果的です。
ガスコンロのお手入れもお忘れなく
ガスコンロの掃除、特にバーナーの穴の掃除も、時々しましょう。
ガスの節約は、使う量を減らすだけでなく、
ガスの火の熱が効率よく鍋などに伝わるようにする
ことも大切です。
ガスの熱が効率よく鍋に伝われば、調理時間も少なくて済み、結果的にガスの使用量も少なくなります。
なので、時々ガスバーナーの穴をきれいにしてください。
キッチン以外でのガス節約術
お風呂でのガス節約術
実は、家の中で最もガスを使っているのは
お風呂やシャワーなどの『給湯』
です。
なので、キッチンでの節約と合わせて、お風呂関係もしっかり節約しましょう。
お風呂関係でのガス節約は、
- お風呂やシャワーの温度を1℃下げる
- お風呂は立て続けに入る
- お風呂の湯量を少し減らす
- お風呂の蓋や保温シートを活用する
- シャワーの時間を1分減らす
- 節水のシャワーヘッドを使う
といった方法があります。
温度を1℃下げる、シャワーの時間を1分減らすなんて、ちょっとのことのように思えますよね。
でもこれも、数か月、1年、数年単位で見ると、かなりの節約になります。
具体的に、どのくらいの節約になるかなど、くわしくはこちらの記事に詳しく書いてあるので、あわせて読んでみてくださいね。
関連記事:プロパンガスでガス料金を節約するお風呂やシャワーの入り方を紹介
暖房関係の節約術
もしガスファンヒーターなど、ガスの暖房器具を使っている場合は、
- しっかり着こむ
- 湯たんぽを使う
- 暖房をつけている部屋に集まって過ごす
- 厚手のカーテンを使う
ということを心がけると、節約になります。
暖房は必要なものなので、しっかり使いたいところですよね。
でも、薄着では余分に暖房を使ってしまうことになります。
今は発熱インナーなどもあるので、活用してください。
また、湯たんぽも、かなり効果があるものです。
寝る時だけでなく、座っている時も膝に置いておくと、温かいですよ。
湯たんぽのお湯を洗顔などに使うのも、ガスの節約になります。
たくさんの部屋をバラバラに暖めると、どうしても暖房費がかかります。
なので、
『1部屋を暖め、そこでみんなで過ごす』
というのも、節約になります。
もちろん、寝る時などは、寝室もしっかり温め、風邪などをひかないようにしてください。
そして、窓は熱が逃げやすい場所です。
どんなに部屋を暖めても、窓から熱が逃げてしまうのではもったいないですよね。
厚手のカーテンで、なるべく室温が逃げないようにしましょう。
厚手のカーテンは、冷房の時も断熱効果を発揮してくれるので、役立ちますよ。
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まとめ
ガスより安いイメージもあるIHクッキングヒーターですが、じっくり計算してみると
電気代のプランなどによっては、ガス代より電気代が高くなることもある
ということが、わかりましたね。
もちろん、IHクッキングヒーターにも、たくさんのメリットがあります。
なので、導入する時には、光熱費はもちろん、メリットやデメリットをよく考えて、検討してください。
そしてガス代を節約する方法も、たくさんあります。
最も大きな節約になるのは、
- ガス会社の変更
- ガス会社に掛け合ってガス代を値下げしてもらう
という方法です。
関連記事:賃貸の家でプロパンガス代を節約したい!ガス会社の変更は可能?
また、普段からできる節約術もたくさんあります。
1つ1つは、小さな節約なので、
これで節約になるのかな…
と思うこともあるかもしれません。
でも、長い目で見てみると、まさに『ちりも積もれば山となる』です。
無理のない範囲で、ぜひやってみてくださいね!