朝、台所に立った瞬間に「そろそろ暖房かな」と思う。でも、押し入れのガスファンヒーターを出そうとすると、冬のガス代も気になりますよね。
- 朝晩だけ暖めたいけれど、エアコンとガスファンヒーター、どっちが安い?
- ネットの料金表は都市ガスばかり。うちのプロパンだと1時間いくら?
- 暖かいと、つい長く使ってしまう。週に何時間までなら予算に収まる?
ガスとエアコンの1時間あたりの費用を出し、その差に週の使用時間を掛けると、暖房を切り替えたときの追加費用を見積もれます。
たとえばLPガスの従量単価を税込600円/m³とすると、リンナイの6畳の試験条件ではガス代が約26円/時。エアコンは消費電力を0.7kWと仮定し、電気の目安単価31円で計算すると約22円/時になります。
ガスファンヒーターには別に電気代もかかりますし、エアコンの消費電力も一定ではありません。この数字は計算例。自宅の単価と機器の条件で差は変わるんです。
「出したら毎日使う」と決めなくてもいいでしょう。朝だけの出番もあり! 私なら、まず着替える間に暖かさが欲しいかを考えます。靴下を片方はいたところで寒さに負ける朝、ありますから。
うちはLPの列で計算ガスファンヒーターは1時間いくら?

ガス代の計算は、従量単価×1時間のガス使用量。検針票の「円/m³」と、メーカーが示す「m³/時」を使います。
ただし、ガスの種類を取り違えると結果が大きく変わりますよね。都市ガスの使用量に、プロパンガスの従量単価を掛けてはいけません。
リンナイ公式FAQの実験値は次のとおりです。条件は戸建ての洋間・設定22℃・外気温5℃。秋のどの家でも同じ量を使うわけではなく、部屋の広さや断熱、設定温度などで変わります。
| 試験した部屋・機器 | 都市ガス13A | プロパンガス(LP) |
|---|---|---|
| 洋間6畳・2.44kWタイプ | 0.095m³/時 | 0.043m³/時 |
| 洋間8畳・4.07kWタイプ | 0.126m³/時 | 0.058m³/時 |
6畳・8畳はこの実験の部屋の広さで、製品の「対応畳数」とは別です。手持ちの機器を6畳用・8畳用と決めつけず、型番の仕様も確認してください。
出典:リンナイ「ガスファンヒーターのガス料金(ランニングコスト)はどれくらいかかりますか?」
単価600円なら約26円、900円なら約39円
料金の例は、LPの従量単価を税込600円/m³または900円/m³と仮定したもの。全国平均や、おすすめの契約価格を示す数字ではありません。
| 条件 | 計算 | 1時間のガス代 |
|---|---|---|
| 6畳の試験値・単価600円 | 600円×0.043m³ | 25.8円 → 約26円 |
| 8畳の試験値・単価600円 | 600円×0.058m³ | 34.8円 → 約35円 |
| 6畳の試験値・単価900円 | 900円×0.043m³ | 38.7円 → 約39円 |
同じ使用量でも、単価600円と900円では料金が1.5倍。使う時間を我慢する前に、検針票の単価を見ておきたいですね。
ガスファンヒーターにも電気代がかかる
ファンなどを動かすため、電気も必要なんです。暖房時の消費電力は取扱説明書や仕様表に載っています。
たとえばリンナイRC-Y2402PEの公式仕様は、暖房時14W。31円/kWhで計算すると、14÷1,000×31=0.434円/時、80時間なら約35円の電気代を足します。これは仕様値を使った例で、先ほどのガス使用量を測った実験機種がRC-Y2402PEだという意味ではありません。
出典:リンナイ「Standardの仕様」。電気ヒーターを併用する機種や空気清浄機能などは、使うモードの消費電力で計算してください。
22円は計算例エアコン暖房の電気代はどう出す?
エアコンの電気代は、消費電力(kW)×使う時間×電気単価(円/kWh)。kWhは、電気を使った量の単位で、0.7kWで1時間動けば0.7kWhです。
電気単価には、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWh(税込)を使います。これは家電の電気代を計算するための目安。自宅の契約単価が分かれば、そちらに入れ替えてください。
出典:全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」Q7
消費電力0.7kWの仮定なら、0.7×1時間×31=21.7円、約22円/時。消費電力の仮定を変えると、同じ式でこんなに変わります。
| 仮定した消費電力 | 1時間の電気代 |
|---|---|
| 0.3kW(300W) | 9.3円 → 約9円 |
| 0.7kW(700W) | 21.7円 → 約22円 |
| 1.2kW(1,200W) | 37.2円 → 約37円 |
エアコンの「暖房能力2.8kW」などの数字を、そのまま消費電力として掛けないでください。仕様表で探すのは、暖房時の「消費電力」の欄。W表示なら1,000で割ってkWに直します。
定格消費電力は決められた条件での値で、運転中ずっと同じ電力を使うわけではありません。暖め始めには電力を多く使い、外気温、設定温度、部屋の断熱でも変わるため、「毎時22円固定」とは考えないでくださいね。
パナソニック公式には、暖房シーズンの消費電力量から求めた6畳用で約4.6〜5.3円/時の例もあります。東京をモデルに設定20℃・1日18時間などの条件で計算した平均値なので、寒い朝の最初の1時間がその金額になるとは限りません。パナソニック「エアコン暖房の電気代」で、手持ちの機種に近い条件も確認できます。
ガスの試験値とエアコンの仮定値は、同じ部屋でそろえた比較実験ではありません。実際に選ぶときは、自宅のエアコンで十分暖かいか、その使い方で何円かかるかも見てください。
朝晩だけならどうなる?週の使用時間と予算を並べる
1時間の差が数円でも、週に何日・何時間使うかで月の差は変わります。逆に、朝だけ使うなら「ガスだから高そう」と押し入れにしまい続ける必要もないでしょう。
1日4時間を、ガスとエアコンに振り分けた例
次の表は1日合計4時間・週5日・4週間で20日使用した仮定です。6畳のLP使用量0.043m³/時を使い、単価600円ならガス約26円/時、900円なら約39円/時、エアコンは0.7kW・31円/kWhで約22円/時として計算しました。
| 1日の使い方 | ガスを使う時間/週 | LP単価600円の場合 | LP単価900円の場合 |
|---|---|---|---|
| エアコン4時間 | 0時間 | 約1,760円 | 約1,760円 |
| 朝夕にガス各1時間+エアコン2時間 | 10時間 | 約1,920円 | 約2,440円 |
| ガス4時間 | 20時間 | 約2,080円 | 約3,120円 |
計算は、ガス4時間・単価600円なら26×4×20=2,080円。朝夕だけガスなら、(26×2+22×2)×20=1,920円です。ファンを14Wと仮定すると、ガス40時間の行には電気代約17円、80時間の行には約35円を足してください。
1か月を4週間とした簡易計算なので、実際の月は使う日数で掛け直します。朝夕のガスとエアコンは別の時間帯に使う想定。2台を同時に4時間動かした料金ではありません。
料理やお湯にもLPガスを使い、基本料金が変わらない家庭を想定しています。暖房のために新しく契約する場合や、機器の購入・ガス栓工事が必要な場合は、その費用も別にかかるんです。
「週100円の追加まで」なら、週何時間?
エアコンからガスに置き換える時間の目安は、「週に許容する追加費用÷1時間あたりの費用差」で計算できます!
たとえば、エアコンだけの場合より週100円まで増えてよいと決めたとしましょう。ガス0.043m³/時、ファン14W、エアコン0.7kW、電気単価31円の仮定で、丸める前の数字を使うと次の目安になります。
- LP単価600円/m³:差は25.8+0.434−21.7=約4.5円/時。週100円なら約22時間。今回の週20時間を全部ガスに置き換える計算でも、追加は約91円です。
- LP単価900円/m³:差は38.7+0.434−21.7=約17.4円/時。1時間単位で決めるなら週5時間。週5日使う場合は、朝夕30分ずつで1日1時間になります。
ここでの100円は追加費用の予算で、暖房費の総額ではありません。また、週22時間は予算から出した例で、今回の暖房予定は週20時間まで。実際の消費量や電気単価が変わったら、上限の目安も計算し直してください。
手持ちのエアコンが平均0.3kWで暖まるなら、電気代は約9円/時。ガスに切り替える差はもっと大きくなりますよね。反対にガスの方が安い計算になった場合は、差額による上限ではなく暖房費全体の予算を確認します。
私は「朝30分」と決めるなら、タイマーも使いたいですね。暖かい部屋でつい座り込むと、30分の予定が長編になりがちです。
一日を通して使う場合の料金を考えたいときは、ガスファンヒーターを長時間使ったときの料金記事もあります。機器や単価の前提はこの記事と異なるので、自宅の条件で計算してください。
日中は暑いのに、朝は寒いガスファンヒーターはいつから出す?

「10月になったら」「外が15℃を下回ったら」と一律に決めず、朝晩、家の中で過ごすときに寒いかを目安にすると選びやすいでしょう。同じ外気温でも、部屋や家族の感じ方は違いますから。
- エアコンだけで快適:秋はそのまま使い、ガスファンヒーターは必要になってから出す。
- 朝の着替えや帰宅直後だけ暖かさが欲しい:ガスを短時間使う案を、週の追加予算で計算する。
- 家で長く過ごす日が多い:1時間の単価差が積み重なるので、長時間使う機器の費用を比べる。
リンナイはガスファンヒーターの特長として、点火後すぐに温風が出る速暖性を案内しています。短い朝にその暖かさが欲しい、という選び方もありですね。
ただし、短時間運転を繰り返す場合、暖め始めの使用量が影響します。メーカーの1時間の目安を4で割っても、毎回の15分運転の料金を正確に出せるわけではありません。
私なら寒くなる前に機器を出して手入れをして、使う日は朝の冷え具合で決めます。押し入れの奥から引っ張り出す作業、眠い朝にはなかなかの大仕事です。
しまっていた機器は点検から換気と接続は、使い始める前に確認
東京ガス公式「ガス器具とガス栓の接続方法~ファンヒーター篇~」で、接続の動きを確認できます。
動画は都市ガス事業者の案内です。LPガスで使う場合は、本体の対応ガス種・指定ガスコード・自宅のガス栓を取扱説明書で確認してください。形が似ていても、ガス種の違う機器は使えません。
久しぶりに使う機器は、フィルターのほこり、コードの傷、接続口の汚れも確認します。接続が分からない、傷がある、機器に異常があるときは、使用を止めて契約中のガス会社や販売店へ相談してください。
ガスファンヒーターの使用中は、1時間に1〜2回、1〜2分程度の換気が必要です。短時間の使用でも換気を省かず、取扱説明書の指示に従って窓を開けるなどして空気を入れ替えてください。
不完全燃焼防止装置などが付いていても、換気は必要なんです。「せっかく暖まったのに」と思うところですが、ここは省けません。
- 暖房運転をしたまま、就寝や外出をしない。
- 一般のガス用ゴム管で代用せず、機器に指定されたガスコードを使う。
- カーテン、洗濯物、スプレー缶などを温風の当たる場所に置かず、周囲とどれだけ離すかは取扱説明書に従う。
- ガス栓を絞って火力を調整しない。温度は機器の操作で設定する。
出典:ノーリツ「ガスファンヒーターをお使いのお客さまへ」、日本ガス石油機器工業会「ガスファンヒーター・ガスストーブの安全な使い方」
置く場所に迷ったときは、ガスファンヒーターの置き場所の記事で部屋の配置も確認できます。カーテンとの距離など、手持ちの機器の取扱説明書を優先してくださいね。
検針票を1枚用意自宅の単価で、使う曜日と時間を決める
秋の暖房を出す前に、直近の検針票と機器の仕様を見て、週の予定を書いておくと使う時間を管理できます。
- LPの従量単価と電気単価を確認する。
LPは税込の円/m³を使います。単価がない場合は、検針票から従量単価を計算する方法で、基本料金・設備料金を分けて確認してください。使用量によって単価が変わる契約では、暖房で増える分にどの単価がかかるかをガス会社に聞きます。 - ガス・電気の1時間あたりの費用を出す。
LPの単価に、手持ちの機種に合うLP使用量の目安を掛けます。ガスファンヒーター自身の電気代も加え、エアコンは暖房時の消費電力で計算。税抜のガス単価と税込の電気単価は混ぜないでください。 - 使う日数・時間と、追加予算をメモする。
「週5日、朝30分・夕30分なら週5時間」のように書き、エアコンから置き換える費用差を掛けます。朝晩の予定とは別に休日も長く使うなら、その時間も合計してください。
請求総額を使用量で割った数字には、基本料金なども含まれます。暖房で増えるガス代を計算するときは、従量単価の欄や料金表を使ってください。
メモの例は、「LP900円/m³/朝夕30分ずつ、週5日/追加費用は週100円まで」。上の仮定なら週5時間、追加は約87円になります。
予定より長く使った週は、実際の時間で掛け直します。金額はメーカーの目安や消費電力の仮定による概算なので、予算ぎりぎりまで使う予定は避けたいですね。暖かさが足りない日は、機器の選び方や予算も見直してください。
よくある質問(FAQ)
プロパンのガスファンヒーターは、必ずエアコンより高いですか?
必ず高いとは限りません。LPの従量単価、機器の使用量、エアコンの消費電力、電気単価で変わります。この記事の約26円と約22円は条件を仮定した例なので、自宅の単価と仕様で掛け直してください。
秋は何月、何℃から使えばよいですか?
一律の月や外気温で決めず、家の中で寒さを感じる時間と、今のエアコンで快適に過ごせるかを目安にしてください。朝だけ使うなら、その時間分を週の予算で計算できます。
エアコンと同時に使うと安くなりますか?
同時に動かせば、ガス代と両方の電気代がかかります。部屋を暖めたあとにガスを止め、エアコンへ切り替える案もありますが、切り替えでいくら節約できるかは機器と部屋の条件次第。今回の表は、2台を別の時間帯に使った計算です。
石油ファンヒーターも比べたいときは?
灯油の1Lあたりの価格と機器の燃料消費量で、1時間の燃料費を出せます。給油の手間も含めて考えたい場合は、プロパンと石油ファンヒーターの比較記事も参考になります。掲載例の単価や機種は異なるので、今の灯油価格と手持ちの機器で計算してくださいね。
まとめ
ガスファンヒーターを秋に出すかどうかは、朝晩に欲しい暖かさと週の予算で選べます。LP単価600円/m³・6畳の試験値ならガス代は約26円/時に電気代を加算。エアコンは0.7kW・31円/kWhの仮定で約22円/時です。
自宅の単価で1時間の費用差を出し、「朝夕何分・週何日」を掛ける。それで、エアコンだけの日とガスも使う日の予算を比べられます。
暖かい朝は欲しい。でも、冬の請求額まで勢いよく増やしたくはないですよね。短時間のガス暖房を選ぶ場合も、換気と取扱説明書の確認はセットです。
