鉄製のフライパンって、料理が美味しく作れて丈夫で、とても良いフライパンですよね。
ところで、
『鉄製フライパンなら、金たわしで洗っても良い』
という話があります。
確かに金たわしは、汚れを落とすのには強力なアイテムです。
でも、『鉄製フライパンなら金たわしでごしごしこすっても良い』とも言い切れないんですよ。
ということで今回は
- 鉄製フライパンを洗うのに適したたわしとは
- 鉄製フライパンの正しい洗い方
について解説します。
鉄製フライパンを洗うのにおすすめのたわしも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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『鉄製フライパンなら金たわしで洗ってOK』って本当?
『鉄製フライパンは金たわしで洗って良い』と言う人もいますが、
鉄製のフライパンであっても、基本的には金たわしは使わないほうが良いです。
なぜかというと、
- フライパンの表面の油膜が落ちて、焦げ付きやすくなる
- 表面に傷が付いてしまう
ということからです。
鉄フライパンのメーカーをいくつか調べても、
⇒『たわしやささらで洗うように』
⇒『金属たわしで洗うと洗い過ぎになる』
⇒『天然素材のたわしやブラシ、ささらで洗い、スチールたわしは使用しないでください』
⇒『なるべくお湯とたわし・ささらのみで洗うように』
(メーカー名をタップすると、各メーカーのお手入れ方法のページが開きます。)
金属たわしよりも、植物素材のたわしや、ささらを使うことを勧めているメーカーが多いです。
なので、金たわしを使うのは、
- 取扱説明書に、『スチールたわしで洗っても良い』などと書いてある
- 焦げ付きがどうしても取れないときに使う
という場合くらいにしておきましょう。
鉄製フライパンを洗うのに適したたわしとは?
鉄のフライパンを洗うなら、植物素材のたわしが向いています。
『植物素材のたわし』というと『亀の子たわし』を思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろん、亀の子たわしでもOKですが、亀の子束子にも
シュロ(棕櫚)製のたわし
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パーム製のたわし
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があります。
さらに、植物素材のたわしには
といったアイテムもあります。
どれも、鉄製フライパンを洗うのに適した素材ですよ。
では、それぞれのたわしについて、素材ごとに解説し、各素材でおすすめの製品も紹介します。
なお、価格は2021年7月10日現在の税込み価格です。
シュロのたわし
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『シュロのたわし』と言うと耳慣れないかもしれませんが、
シュロは亀の子たわしにもよく使われています。
『シュロ』の素材の特徴
シュロは
- 柔軟性があり、かつ繊維のコシが強い
- 繊維が細いので、フライパンの表面の細かい凸凹にも入り込んで汚れを書きだすことができる
というのが特徴です。
また、シュロのたわしは、サイズも形も豊富です。
『自分にとって使いやすい形や大きさ』を選びやすいのも、メリットですよ。
おすすめのシュロ製たわし
シュロたわしの人気製品には、亀の子束子西尾商店の『棕櫚たわし極〆 No.1』があります。
『棕櫚たわし極〆No.1』は、手にすっぽり入るサイズです。
『棕櫚たわし極〆』シリーズには、いろいろなサイズがあるので、使いやすい大きさのものを選んでくださいね。
『棕櫚たわし極〆No.1』の価格は
亀の子束子西尾商店公式サイト
⇒税込715円
楽天最安値
⇒488円
Amazon
⇒583円
パームのたわし
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『パーム』も、たわしによく使われる素材です。
『パーム』の素材の特徴
パームの繊維は、シュロよりも固めです。
なので、シュロでは落としにくい、こびりついた汚れやガンコな焦げ付きも落とせます。
傷が付きやすい素材に対しては使えませんが、鉄フライパンのこびりつきを落とすのに使うなら大丈夫です。
おすすめのパーム製たわし
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定番の製品には、亀の子束子西尾商店『亀の子束子1号』があります。
亀の子束子西尾商店の『亀の子束子』は、100年以上人々に使われ続けてきた、たわし界のトップランナーです。
『1号』はサイズが8cm × 4.8 cm × 10cmのレギュラーサイズ。
業務用としてプロにも使われてきた逸品です。
価格は
亀の子束子西尾商店公式サイト
⇒税込429円
楽天最安値
⇒285円
Amazon
⇒600円
となっています。
竹製の『ささら』
『ささら』という名前はちょっと耳慣れないかも知れませんね。
竹を細く割って束ねてあるもので、こういう形をしています。
竹製の『ささら』の特徴
竹製のささらには、
- 繊維が固いので、焦げ付きやくっついた食材を落としやすい
- 長さがあるので、手が汚れや水に触れないままで洗うことができる
という特徴があります。
竹のささらは、使い始めは硬いです。
人によっては、『硬くて使いにくい』と感じるかもしれません。
でも、使っているうちに柔らかくなってくるので、心配しないで使ってくださいね。
おすすめのささら
ささらでおすすめなのは、EBM(江部松商事)の『竹ササラ』です。
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実は、竹製のササラに関しては情報が少ないです。
そのため、今回は、『筆者が買うなら』ということで考えて選びました。
EBMのささらを選んだ理由は、
- EBMが、業務用の厨房用品を扱っている会社である
- Amazonのレビュー数が多く、全体的な評価が星4つである
- 楽天最安値475円と、リーズナブルな価格である
ということです。
なお、2021年7月9日現在、Amazonでは入荷未定となっていますが、楽天では取り扱いがあります。
かるかや(刈萱)のたわし
『かるかや』も、普段あまり聞かない名前ですよね。
『かるかや』はイネ科の植物で、ささらと同じように、束ねてたわしとして使います。
『かるかや』の素材の特徴
かるかやの特徴は、
- 繊維が太くて硬く、ガンコな焦げ付きもこそげ落とせる
- 油に強い
- 水分を吸収しにくく乾燥するのが早いので、衛生的に使える
ということです。
また、ささらと同じように、細長い形なので握りやすく、手を汚さずに洗うことができます。
ただし、
かるかやは乾燥したまま使うと折れやすいので、必ず水で濡らしてから使ってください。
おすすめのかるかやたわし
かるかやのたわしでおすすめなのは、これも亀の子束子西尾商店の、『カルカヤたわし(小)』です。
使っていると先端がすり減って短くなりますが、束ねている金具を外せば、さらに使えます。
価格は
亀の子束子西尾商店公式サイト
⇒税込1,650円
楽天最安値
⇒1,650円
Amazon
⇒1,650円
です。
メモ
今回、『亀の子束子西尾商店』の製品を多く紹介しましたが、伝統と信頼性がある製品ということで選びました。
亀の子束子西尾商店は、日本で最初に亀の子たわしを作った企業なんですよ!
参考 亀の子束子誕生秘話
鉄製フライパンの正しい洗い方
ここからは、『鉄製フライパンの洗い方』について解説します。
鉄製フライパンの基本的な洗い方
鉄製フライパンの基本的な洗い方は
- フライパンに熱が残っているうちに、キッチンペーパーや新聞紙などで汚れを拭き取る
- 洗剤は使わず、お湯とたわしだけで洗う
- 汚れや焦げ付きをよく洗い落としたら、水分をよく拭き取る
- 火にかけて、水分を蒸発させる
- 水分が飛んだら、キッチンペーパーなどを使って内側に油を塗り込む
という手順です。
洗い方のポイントを見ていきましょう。
汚れを拭き取ってから洗う
フライパンに限りませんが、いきなり洗うより、汚れを拭き取ってから洗ったほうが楽です。
汚れを拭き取ると、それだけでだいぶきれいになりますし、
- 使うお湯の量を減らせる(水道代とガス代を節約できる)
- 下水に流れる汚れの量が減るので、環境にも優しい
というメリットもありますよ。
ただし、
フライパンに熱が残っているので、拭き取るときはやけどに十分注意してください。
熱が残っているうちにお湯で洗う
まず、『熱が残っているうちにお湯で洗う』ということですが、これは
冷めてから洗ったり水で洗ったりすると、油汚れが固まってしまい、落ちにくいからです。
油汚れは、やはり温度が高いほうが落ちやすいです。
だから『フライパンが温かいうちに』『お湯で洗う』ということがポイントなのです。
なお、熱いフライパンに急に水をかけると、
- 水が飛び散り、やけどをする
- 急な温度差でフライパンが変形する
といった可能性があります。
なので、
- フライパンが熱いうちは水をかけない
- かなり熱い場合は、温度が少し下がるのを待ってからお湯で洗う
ということに気を付けてください。
もちろん、やけどにも十分注意してくださいね。
洗剤やクレンザーなどは使わない
鉄製フライパンを洗剤やクレンザーで洗ってはいけないのは、
フライパンになじませた油が落ちすぎて油膜がはがれ、次に使うときに焦げ付いたりしやすくなってしまうからです。
鉄製のフライパンは、
- 汚れを拭き取る
- お湯とたわしで洗う
これだけで十分きれいになります。
洗剤やクレンザーは、『どうしても汚れが落ちない』というときだけ使うようにしてくださいね。
また、洗剤やクレンザーを使って洗った後は、『油ならし』をしておきましょう。
関連記事:鉄製フライパンを買って最初にやること!空焼きと油ならしを解説!
水分をよく取り除く
鉄は丈夫ですが、
水分が付いたままになっていると、錆びやすいです。
なので、鉄製のフライパンを洗ったら必ず
- 水分をよく拭き取る
- 火にかけて、拭き取れない水分を蒸発させる
ということをしてください。
製品によっては油塗りなどが要らない場合も
フライパンを洗ったら、最後に油を塗り込むのが基本ですが、
製品によっては、油塗りが要らないこともあります。
油塗りが必要かどうかは、取扱説明書で確認してくださいね。
洗っても焦げ付きが取れない場合は
焦げ付きが取れなくなってしまった場合の対処法も、チェックしておきましょう。
軽い焦げ付きなら、
- 金たわしや金属のヘラなどでこする
- 水かお湯で、焦げ付きや鉄のカスなどをしっかり洗い流す
- 水分を拭き取り、火にかけて水気を完全に飛ばす
- 油を塗り込む
という方法で対処できます。
焦げがひどい場合は、
- フライパンの底が浸るくらいの水を入れる(重曹を大さじ2~3杯入れても良い)
- 中火で加熱し、沸騰させる
- 焦げ付きが柔らかくなったら、火を止める
- 金たわしや金属のヘラなどで焦げをこすり落とす
- よく洗い流す
- 水分を拭き取り、火にかけて水気を完全に飛ばす
- 『油ならし』をする
という手順で対処できます。
メモ
フライパンを焦げ付かせないためには、
- 使用前に『油返し』をする
- 油をしっかり引いて調理する
- 使用後はしっかり洗ってしっかり水分を飛ばし、油を塗っておく
- 焦げがこびりついたら、早めに対処して取り除く
ということが大切です。
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まとめ
鉄製のフライパンを洗う時には、金たわしよりも、
がおすすめです。
こういった、たわしなら汚れもしっかり落とすことができ、なおかつフライパンの油膜を落としすぎることもありません。
普段から金たわしでガシガシ洗うと、
- フライパンの表面の油膜が剥がれすぎて焦げ付きやすくなる
- 傷が付いてしまう
といった可能性があります。
金たわしは、焦げが取れないときに使うくらいにしておくのがおすすめです。
そして、鉄製のフライパンを洗うときには
- フライパンに熱が残っているうちに洗う
- 洗剤は使わず、お湯とたわしだけで洗う
- 汚れや焦げ付きをしっかり落とす
- 洗った後は水分を拭き取り、火にかけて水気をしっかり飛ばす
- 洗った後の油塗りなど、製品に応じて必要な手入れをする
という風にしてくださいね。
鉄製フライパンは、使えば使うほど油が馴染んで『育って』いきます。
フライパン育てを楽しみつつ、大切に使ってみてください!