家庭用の生ゴミ処理機は
『生ゴミの臭いや虫が発生しなくなって快適』
『ゴミの量が減って、ゴミ出しが楽になった!』
と評判の家電です。
そうですね。
買ってから『失敗した!』とならないためにも、メリットとデメリットをチェックしておくことが大事です。
ということで今回は
- 生ごみ処理全般のメリットとデメリット
- 生ゴミ処理機の各タイプごとのメリットとデメリット比較
- 生ゴミ処理機はいるかいらないか
についてチェックしていきます。
ぜひ読んでくださいね!
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生ゴミ処理機のメリットとデメリットは?
生ゴミ処理機全般のメリットとデメリット
生ゴミ処理機には
- 乾燥式
- バイオ式
- ハイブリッド式
の3種類があります。
まず、この3種類の生ゴミ処理機共通のメリットとデメリットを見ておきましょう。
メモ
生ゴミ処理機には上の3種類の他にも
- ディスポーザー式
- 庭の土に設置するコンポスト
もありますが、ディスポーザー式は導入そのものが難しいこと、コンポストは『家電』には入らないことから、この記事では簡単に触れるのみにしています。
生ゴミ処理機のメリット
生ゴミ処理機のメリットは
- 生ゴミの量を減らせる
- 生ゴミの水分が抜けるので軽くなり、ゴミ出しが楽になる
- 生ゴミの量が減るので、ゴミ袋の節約にもなる・ゴミ出しの回数を減らせる
- 生ゴミの臭いを抑えられる
- 生ゴミに菌や虫が発生するのを防げる
- シンクに生ゴミを溜めておかなくて良いので、見た目も実質的にも清潔
ということです。
夏は特に、生ゴミの臭いや虫の発生が気になる季節。
ゴミ出しが楽になるだけでなく、臭いや虫ともおさらばできたら、本当に助かりますよね。
しかもハイブリッド式だと、
『生ゴミがほぼ消えるレベルまで分解できるので、処理機に入れれば終わり』という機種もあるんですよ!
生ゴミ処理機のデメリット
生ゴミ処理機にはいろいろなメリットがある一方で、
- 購入するのには、万単位の費用がかかる
- 電気代がかかる
- 電気代の他にもフィルターの費用やバイオ基材の費用など、ランニングコストがかかる
- 機種によっては毎日容器を洗うなどの手入れが必要
- 屋外専用の機種の場合、生ゴミを捨てるときにその都度外に出なければならない。
- 屋外専用の機種では『風雨が当たらず、電源がある場所』を確保する必要がある
- 処理機に入れてはいけない物(大きな骨や貝殻など)もあるので、生ゴミの仕分けが必要
といったデメリットもあります。
どんな家電製品でも、便利さと引き換えに費用や手入れの手間などが必要になる、ということですね。
乾燥式生ゴミ処理機のメリットとデメリット
ここからは、生ゴミ処理機の種類ごとのメリットとデメリットを見ていきましょう。
まず、一番使われている『乾燥式』です。
乾燥式は『生ゴミに温風を吹き付けて水分を飛ばし、乾燥させる』という方法で生ゴミを処理します。
メリットとしては、
- サイズがコンパクトな製品が多く、小さなスペースに置ける
- 小さい機種はシンクや調理台のすぐそばに置けるので使いやすい
- バイオ式やハイブリッド式に比べて価格が安い
- 使い方がシンプルでわかりやすい
- デザイン性の高い機種もある
といったことが挙げられます。
コンパクトだと移動もさせやすいし、手入れも楽ですよね。
価格が安いのも、大きなメリットです。
一方で
- バイオ式、ハイブリッド式よりも電気代がかかる
- 製品によっては音や臭いが気になることがある
- 使うたびにゴミを取り出して捨てる、バスケットを洗うなどの手入れが必要
- 処理中に蓋を開けたり生ゴミを追加したりできない機種が多い
- 処理した生ゴミを堆肥に使う場合、細かく砕く、土に混ぜてしばらく寝かせるなどの手間がかかる
といったデメリットがあります。
バイオ式生ゴミ処理機のメリットとデメリット
次は『バイオ式』です。
バイオ式の生ゴミ処理機は、『微生物に生ゴミを分解させる』という方法で処理します。
メリットは、
- 電気は主に中身をかき混ぜる機能で使うので、乾燥式より電気代が少なくて済む機種が多い
- 取り出す手間が少ない
- 手動で混ぜるタイプの機種なら、電気代がまったくかからない
- 自動撹拌機能なら、自分で混ぜる手間がかからない
- 構造がシンプルなことが多く、処理機の寿命が長持ちしやすい
- 処理した生ゴミはそのまま堆肥に使うことができる
といったことです。
消費電力量が少ないのはありがたいものです。
生ゴミを堆肥として使えるのも、無駄がなくてよいですね。
一方で
- 自動撹拌やしっかりした防臭などの機能が付いていると価格が高くなる
- サイズが大きめの機種が多い
- 屋外用の機種だと、生ゴミを入れるときに外に出なければならない
- 処理中に土の臭いや発酵した臭いが出ることがある
- 手動タイプの機種だと、電気代がかからない代わりに自分で混ぜる必要がある
- バイオ基材(バイオチップ・処理剤)の交換や補充が必要な機種が多く、その手間と費用がかかる
- 微生物の働きが弱まるとコバエが発生してしまうことがある
- 状況によっては、微生物の働きが弱まらないようにゴミの量の調整などが必要になる
といったデメリットがあります。
バイオ式は微生物の分解によってゴミがかなり減ります。
その代わり、『生き物を使う』ので、それなりに臭いが出たり手間がかかったりするのはやむをえません。
ハイブリッド式生ゴミ処理機のメリットとデメリット
3つ目は、『ハイブリッド式』です。
ハイブリッド式は
- 温風で生ゴミを乾燥させる
- 乾燥させた生ゴミを微生物に分解させる
という方法で生ゴミを処理します。
- バイオ式よりもさらに消費電力が少なくて済む
- 処理後の生ゴミはそのまま堆肥として使える
- 生ゴミを乾燥させるので、臭いが少ない
- 生ゴミは微生物が分解するので、処理するたびに取り出さなくて良い
- メンテナンスの手間があまりかからない
- 室内に置ける機種もある
- 機種によってはペットの糞も処理できる
というメリットがあります。
中でも一番のメリットは、『とにかく手間がかからないこと』。
なんと
- バイオ基材の交換も要らない
- 中身を取り出すのは年1~2回くらいでもOK
という、ハイブリッド式処理機もあるんですよ!
一方で、
- 本体が大きく、重量もある
- 本体価格が高い
- 機種が少なく、製品の選択肢が少ない
という点がデメリットです。
たとえば、株式会社伝然の『ナクスル』は
大きさ
⇒幅38.5cm × 奥行き 43cm × 高さ58cm
重量
⇒バイオ材を含めて約18kg
価格
⇒公式サイト税込価格で123,200円(Amazonは入荷予定なし、楽天は取扱なし)
本体が大きいとなると、買う前に置き場所の確認も必要ですね。
メモ
ハイブリッド式は価格が高いですが、自治体の助成金を利用すれば安く買えます。
助成金があるかどうかは自治体によるので、環境課などに問い合わせてください。
各タイプの生ゴミ処理機のメリット・デメリット比較一覧
ここまで見てきた、生ゴミ処理機のメリットとデメリットをまとめておきましょう。
乾燥式 | バイオ式 | ハイブリッド式 | |
3タイプ共通のメリット |
| ||
3タイプ共通のデメリット |
| ||
本体費用 | 比較的安い機種が多い | 乾燥式より高い | 3タイプの中では一番高い |
電気代 | かかる | 機種によってはかかるが、手動で撹拌する機種はかからない | かかるが、3タイプの中では一番安い |
大きさ | コンパクトな機種も多い | 乾燥式よりは大きめ | 大きい |
臭い | 出にくい | 土や発酵の臭いがすることがある | 出にくい |
処理の手間 | 処理が終わった生ゴミを取り出して捨てる | 中身が増えすぎたら取り出す | 中身が限界線を越えたら捨てる (3タイプの中では一番手間がかからない) |
手入れ | こまめに処理容器を洗う必要がある | 定期的にバイオ基材の補充や交換が必要 | 機種によっては定期的にバイオ基材などの補充や交換が必要だが、ほとんど手入れが必要ない機種もある。 |
生ゴミ処理機の一番のメリットは、やはり生ゴミの臭いや虫に悩まされなくなることです。
でも、デメリットもあるので、よく考えて購入を検討してくださいね。
特に
- 購入費用やランニングコストがどのくらいかかるか
- 手入れしやすいかどうか
ということは要チェックです。
関連記事:生ゴミ処理機の乾燥式とバイオ式の違い!家庭用のおすすめはどっち?
ディスポーザー式と『コンポスト』のメリット・デメリット
生ゴミ処理の方法には
ディスポーザー式の生ゴミ処理機
⇒シンクの排水口に設置して、生ごみを粉砕して水と一緒に流すタイプ
コンポスト
⇒庭の土の上に設置し、微生物に分解させるタイプ
もあります。
この2つについても、簡単に触れておきましょう。
ディスポーザー式生ごみ処理
ディスポーザー式生ゴミ処理機のメリットは、なんと言っても
シンクの排水口に生ゴミを流せばそれで終わりなので、便利だし清潔
ということです。
でも
- 建ててしまった家に後から付けるとなると、工事が大がかり
- 自治体によっては浄化槽などの設置が義務付けられている
- 本体購入費に加えて浄化槽などの設置費用がかかるので、導入コストがかなり高い
というデメリットがあります。
後付けで設置するのは、現実的ではありません。
コンポストのメリット・デメリット
コンポストの一番のメリットは
- 電気を使わず、自然に発酵・分解させるので環境負荷が小さい
- 質の良い堆肥が低コストで作れる
ということです。
一方でデメリットも多く
- 土がむき出しの場所がないと設置できない
- 時々自分で混ぜる必要がある
- 臭いが出る
- 生ゴミの種類によっては、分解されるまで時間がかかる
- スイカの皮など、大きな生ゴミは小さく切って入れる必要がある
- 生ゴミが堆肥になるまで数か月かかる
- 堆肥の使い道がないと庭に土の山ができていく
というデメリットがあります。
コンポストは、臭いや手間が苦にならない人向けです。
生ゴミ処理機はいる?いらない?
生ゴミ処理機は『必須アイテム』とまでは言えない
生ゴミ処理機はとても役に立つアイテムではありますが、『生活必需品』とまでは言えません。
たとえば
- 生ゴミの水分をしっかり切っている
- ゴミの臭いやコバエ対策が十分できている
- ゴミ出しをするときに、ゴミの重さが気にならない
- 生ゴミを減らしたりするよりも、少しでも電気代を減らすことのほうが優先順位が高い
など、今の生ゴミの扱い方で困ることがない人、電気の使用を控えたい人は、もちろん無理に導入する必要はありません。
生ごみ処理機を使わない場合の臭いや虫の対策には
- 三角コーナーを水がかかりにくい場所に置く
- 生ゴミは、ゴミの日まで冷蔵庫や冷凍庫に入れておく
- 生ゴミを新聞紙に包んで捨てる
- 生ゴミをビニール袋に入れ、さらに生ゴミ用のゴミ箱を外に置く
といった方法もあります。
堆肥を作りたいときも、手間はかかりますがコンポストで作ることもできますよ。
生ゴミ処理機があったほうが良い人
では、どんな人なら生ゴミ処理機があったほうが良いかというと、
- 生ゴミの量を減らす
- 生ゴミの臭いや虫の発生をより確実に防ぐ
- ゴミ出しの回数を減らす
といった生ゴミ処理機のメリットに対して『購入費用やランニングコストをかける価値がある』と思える人です。
たとえば、
- 重い物を持つのが大変
- 生活サイクルがゴミ出しの時間と合いにくくてゴミ出しが大変
- 生活の中の労力や負担、不快なことをできるだけ減らしたい
といった場合は、生ゴミ処理機が大いに役立つことでしょう。
生ゴミ処理機は『エコ』なのか?
もし『環境のために』ということが一番の目的で使うなら、
- 電気をまったく使わないタイプのバイオ式生ゴミ処理機を使う
- 生ゴミが『消える』レベルまで減らせて、なおかつ消費電力が少ないバイオ式やハイブリッド式の処理機を使う
- コンポストで堆肥にする
という方法なら、環境のためになる可能性があります。
でも
『普通の乾燥式など、それなりに電気を使う機種だと、環境に良いかどうかはわからない』というのが私の考えです。
もし多くの家庭で電気を使う生ゴミ処理機を使えば、当然その分電気を作る必要が出てきますよね。
特に乾燥式は、手軽で導入しやすいですが、バイオ式やハイブリッド式より電力を使います。
家庭から出るゴミが減れば、『焼却場で出る二酸化炭素』が減る可能性はありますが、
- ゴミ焼却場で生ゴミのまま焼く
- 家庭で電気を使って乾燥させてから焼却場で焼く
この2つの方法のどちらが、より環境負荷が低いのかはわかりません。
厳密に計算するのも、おそらく難しいでしょう。
メモ
2002年時点では『家庭用生ゴミ処理機が本当に環境に良いとは言い切れない』という見解もありました。
参考 一般財団法人環境イノベーション情報機構 環境Q&A 『生ごみ処理機が本当に環境にいいか調べてるんですが』
ただし今は、当時より消費電力量が少ない機種が多くなっていると考えられます。
とはいえ、『生ゴミ処理機を使うと環境負荷が増えるのでは』と気にしすぎる必要もありません。
家電で生活が便利になるなら、ぜひ上手に活用してください。
買うかどうか迷う場合は『レンタル』もおすすめ!
使ってみないとわからない部分があるので、判断も迷いますよね。
そんなあなたにおすすめなのが
『レンタルして実際に使ってみてから買うかどうか決める』という方法です。
レンタルには
- 自治体のレンタルを利用する
- 家電レンタルサイトのレンタルを利用する
という方法があります。
自治体によっては生ゴミ処理機を貸し出していることがあります。
でも貸し出しをしている自治体は、そう多くはありません。
自治体の環境課などに問い合わせてみましょう。
自治体で借りられない場合は、
『Rentio』などの家電レンタルサービスを利用するのがおすすめです。
家電レンタルサービスを利用するときも、まずは生ゴミ処理機を扱っているかどうか問い合わせてみてくださいね。
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まとめ
乾燥式、バイオ式、ハイブリッド式の生ゴミ処理機のメリットは、
3タイプ共通
⇒生ゴミを減らせる・悪臭や虫の発生を抑えられる
乾燥式
⇒価格が安い・コンパクトな機種が多い
バイオ式
⇒電気を使わない機種もある・堆肥を作れる
ハイブリッド式
⇒生ゴミをかなり減らせる・手間がかからない
ということです。
一方でメリットとしては、
3タイプ共通
⇒ランニングコストがかかる
乾燥式
⇒3タイプの中では電気代が高い・処理容器を洗うなどの手入れが必要
バイオ式
⇒臭いがすることがある・バイオ基材補充の手間や費用がかかる
ハイブリッド式
⇒本体が大きい・価格が高い
といったことがあります。
このように、どの機種もメリットデメリットがあります。
導入する前に、
- コストをかけるだけのメリットがありそうかどうか
- 自分にとってどの機種が使いやすいか
といったことをよく考えて選んでくださいね。
買う前に、自治体や家電レンタルサービスで借りて使ってみるのもおすすめですよ!