ガス料金を節約するには、
- お風呂やシャワーの設定温度を下げる
- 給湯器の温度を下げる
という方法が効果的と、よく言われますよね。
ではガス床暖房は、どうなのでしょうか?
ガス床暖房も、給湯器を使っていますよね。
ということは、やはり設定温度を下げれば節約効果があるのでしょうか?
もしあるとすれば、どのくらいの節約効果があるのかも、気になりますよね。
ということで今回は、ガス床暖房のガス料金について
- 設定温度でガス料金を節約する方法
- 効率良くガス暖房を使う方法
についてチェックしていきます。
ぜひ読んでくださいね!
スポンサーリンク
設定温度で床暖房にかかるガス料金を節約するには
設定温度を低めにすることが節約につながる
ガス床暖房も、『ガス器具』の一つ。
他のガス器具と同じように、
設定温度をなるべく低くすることで、ガス代を節約することができます。
設定温度が低いほうが、使うガスが少なくて済むからです。
ガス床暖房は、
- ガスで水をお湯にする
- お湯を床下に循環させる
という方法で暖房をしています。
ガスで水を温めるということは、
『設定温度が高い=水温の上げ幅が大きい=ガスの使用量が多い=ガス料金が高くなる』
ということでもあります。
逆に言うと、設定温度を低くして水温の上げ幅を小さくすることで、ガスの使用量を減らすことができるのです。
設定温度でガス代はどのくらい違うのか
では、設定温度が違うと、どれだけガス代がちがうのでしょうか?
2つの試算をしてみました。
温度が1℃違うと、ガス代はどのくらい違う?
まず、『温度を1℃上げるのに、ガス代がいくらかかるか』を計算してみましょう。
今回は、『簡易暖房負荷計算式』を使って、計算してみます。
この計算式では、ガス床暖房で温度を1℃上げる時のガス代は
- 広さ(平方メートル)×熱損失係数(2.7)×上げる温度(℃)÷熱ロス×使用時間=温度を上げるのに必要なW/h数(数値が出たら、wをkWに換算する)
- 温度を上げるのに必要なkW/h数÷低位発量(11.277)×ガスの従量料金=ガス代
という、2つの式で出すことができます。
- 部屋の広さは8畳(13.24m3)
- プロパンガスの従量料金は350円
- 運転が安定してからの暖房負荷とする
という条件で計算してみましょう。
(小数点2位以下は四捨五入します。)
13.24(平方メートル)×2.7×1(℃)÷0.75×1時間=0.04766kw
0.047664kw÷11.277×350円=1.48円
ということで、
温度を今より1℃上げた場合、1時間あたり約1.5円多くかかる計算結果になりました。

そう思うかも知れませんが、たかが1.5円、されど1.5円なんです。
たとえば24℃に設定すると、23℃の設定より
- 8時間使うと、11.8円
- 10時間使うと、14.8円
- 24時間使えば35.5円
- 1日8時間で30日使えば、354円
- 1日8時間で90日使えば、1,062円
多くかかるということになるのです。
設定温度が20℃と24℃では、ガス代はどれだけ違う?
次に、
『設定温度を20℃にした場合と、24℃にした場合ではガス代がどれだけ違うのか』
これを試算してみましょう。
条件は、
- 部屋の広さは8畳
- プロパンガスの従量料金は350円
- 気温が10℃の環境で、そこから設定温度にした場合の熱量からガス代を計算する
とします。
今回も、小数点2位以下は四捨五入します。
先ほどと同じ式を使うと、20℃設定で1時間使う場合は、
13.24(平方メートル)×2.7×10(℃)÷0.75×1=0.47664kw
0.47664kw÷11.277×350円=14.79円
ということで、約14.8円かかります。
24℃設定の場合は
13.24(平方メートル)×2.7×14℃÷0.75×1=0.667kw
0.667kw÷11.277×350円=20.7円
となります。
この結果から、使用時間ごとに、差額を見てみましょう。
20℃設定 | 24℃設定 | 差額 | |
1時間 | 14.8円 | 20.7円 | 5.9円 |
8時間 | 118.4円 | 165.6円 | 47.2円 |
10時間 | 148円 | 207円 | 59円 |
24時間 | 355円 | 496.8円 | 141.8円 |
8時間×30日 | 3,552円 | 4,968円 | 1,416円 |
8時間×90日 | 10,656円 | 14,904円 | 4,248円 |
と、設定温度が4℃違うと、これだけのガス料金の差が出るのです。
もちろん、これはざっくりした試算です。
実際に床暖房を使う時は
- 床暖房のスイッチを入り切りする回数(スイッチを入れてしばらくはガスを多く使うため)
- ガスの従量料金
- 外の気温
- 部屋の気密性や暖房効率の良さ
- 床暖房を使う時間の長さ
といった条件が違ったり変動したりすることが多いですよね。
ですから、実際のガス代も今回の結果とは違います。
でも、『設定温度を下げる』ことが節約につながることには、変わりありません。
ガス床暖房の設定温度は低めで大丈夫!

たしかに、温度を下げ過ぎたらやっぱり寒いです。
でも、床暖房の設定温度は、エアコンより低めでも大丈夫なんです。
床暖房は、温かい床に足が触れることで、直接温かさを感じられますよね。
そのため、体感温度が高めになるのです。
個人差はありますが、
エアコンのちょうど良い温度が24℃だとしたら、ガス床暖房は20℃くらいで、体感的には同じくらいの暖かさを感じることができます。
リモコンの『19℃』『20℃』という数字を見ると、あまり暖かくなさそうに感じるかもしれませんね。
でも、数字で暖かさを判断するのではなく、『自分の体で感じる暖かさ』を大事にして、温度を判断してみてください。
そして、あなたにとってちょうどいい、『快適な範囲で、なるべく低い温度』を見つけてくださいね。
ポイント
ガス床暖房のリモコンが、廊下の近くなど冷えやすい場所に設置されている場合、
センサーが実際の室温よりも低めに感知してしまうことがあります。
センサーが感じる温度が低いと、ガスを多く使うことになってしまいます。
リモコンが温度の低くなりやすい場所にある場合は特に、設定温度を上げ過ぎないように気を付けてください。
そういう意味でも、『適温』を体感で判断することは大切です。
効率よくガス床暖房を使う方法

床がぬくぬくで気持ちいいにゃ~
ガス床暖房の設定温度をなるべく低くして使うためには、
『効率よく床暖房を使い、かつ部屋の暖かさを逃がしにくい部屋』
にすることが大切です。
そのためにできることとして、
- 床暖房の使い方を工夫する
- 室内の温かさを保てるように、部屋の環境を整える
という方法があります。
床暖房の効率の良い使い方のポイント
床暖房を効率よく使うためには
- 自動運転機能を使う
- スイッチのオン・オフは1日2回くらいまでにする
- タイマーなどで早めにオフにする
という方法があります。
自動運転を活用しよう!
ガス床暖房の『自動運転』の機能を使うのも、節約になります。
自動運転とは、外気や室温に合わせて、快適な温度になるように調整しながら運転する機能です。
たとえば、冬の朝は寒いので、温度を少し高めに設定したとしましょう。
そのままの設定で日中も運転していると、室温が高くなりすぎてしまうことがあります。
室温が高くなる過ぎるのは、ガスのムダ遣いにもなってしまいます。
でも、自動運転にしておけば、部屋が自然に暖まる分も考慮して、ちょうど良くなるように運転してくれます。
ガスのムダ遣いも防げます。
自動運転が付いているガス床暖房も多いですから、この機能をぜひ活用してください。
スイッチのオン・オフはなるべく1日2回まで
床暖房のスイッチを入れたり切ったりする回数は、1日2回までがベストです。
なぜかというと、
スイッチを入れてから1時間後くらいまでが、一番ガスを消費するからです。
とはいえ、寝ている間にスイッチを入れっぱなしにするのも、もったいないですよね。
なので、スイッチを切るのは
- 寝ている間
- 長時間家に誰もいないとき
くらいにしておくと良いですよ。
関連記事:ガス床暖房をつけっぱなしにすると1日にかかるガス代はいくら?
タイマーなどで早めにオフにするのも節約に効果的
出かける時間や寝る時間が決まっているなら、その時間に合わせてタイマーで早めにスイッチを切るのも、節約につながります。
床暖房は、スイッチを切っても30分くらいは温かさが続きます。
ですから、寝る前ギリギリまで、出かける直前まで点けておかなくても良いのです。
『床が冷えてきたら、寝る時間・出かける時間』という習慣にしておけば、うっかり時間を過ぎてしまうことも減らせるかもしれませんね。
参考記事:ガス床暖房のガス代をコスパよく節約しながら使う方法を紹介!
部屋の保温力を高めよう!
ガス床暖房に限らず、どんな暖房器具でも同じですが、暖房を効果的に使うには、
部屋の保温力を高めること、特に『窓の断熱対策』をするのが効果的です。
部屋の中で、一番冷えやすいのは、『窓』のところです。
一所懸命に部屋の空気を暖めても、
外の冷気で冷えた窓に部屋の空気が接することで、室内の温度が下がってしまうのです。
ではどんな断熱対策があるかというと、
- 窓に断熱カーテンをかける
- 窓ガラスに断熱シートを貼る
- 窓に断熱ボードを設置する
- 床暖房のある部屋に階段の出入り口があるなら、出入り口の所に仕切りのカーテンをかける
といった方法があります。
こういった断熱対策をすると、室内の熱が逃げにくくなり、暖房効率が良くなります。
わりと安いコストで簡単にできる対策もあるので、無理のない範囲でぜひやってみてくださいね。
なお、カーテンは
断熱カーテン(厚手のカーテン)と断熱レースカーテンを併用すると、さらに効果的です。
関連記事:【ガス代節約】窓に断熱カーテンを設置する断熱効果を解説【省エネ】
関連記事:【節約】窓ガラスに貼る透明断熱フィルムの効果と口コミをチェック
関連記事:窓に貼る断熱ボードと断熱シートを比較!効果の違いとは?
関連記事【ガス代節約】間仕切りに断熱カーテンを設置する断熱効果を解説
カーペットは逆効果
普通のフローリングなら、カーペットを敷くことで寒さを軽減することができますよね。
でも床暖房の場合は、基本的にカーペットは敷かないほうが良いです。
- 床から来る暖かさが、カーペットによって遮られる
- カーペットの下に熱がこもってしまい、素材によってはカーペットが溶け、床を汚したり傷めたりする可能性がある
というデメリットやリスクがあるのです。
もし『床に座るのが好きで、カーペットがある方が座りやすい』ということなら、
- 自分の座るスペースだけ覆うような、座布団やクッションを使う
- 床暖房対応のカーペットやラグを使う
という方法をおすすめします。
特にカーペットを敷くときは、必ず床暖房対応の、なるべく薄手の製品を使ってくださいね。
ただし、『床暖房対応カーペット』は、『床からの熱を遮らないカーペット』という意味ではありません。
『床暖房の上に敷いても安全』という意味です。
カーペットを敷くと、どうしても床からの熱は遮られてしまいます。
そのこともわかったうえで、使ってくださいね。
スポンサーリンク
まとめ
ガス床暖房には、いろいろな節約術がありますが、設定温度を下げることでもガス代を減らすことができます。
ガス床暖房の特長は、
『エアコンより体感温度が高い』
ということ。
この特長を利用して、
あなたの体感で『過ごしやすいな』と感じられる範囲で、設定温度を下げてみましょう!
そして、自動的に室温を調整してくれる『自動運転』の機能も、ぜひ活用してください。
こまめに温度設定を変える必要もなく、効率良く運転してくれるので、便利ですよ。
温度を下げることでの節約効果は、一見すると、とても小さく見えるかもしれません。
でも、数時間、数日、1ヵ月、ワンシーズン…と積み重なると、けっこうな節約効果になります。
それが年単位になれば、さらに大きな額になりますよね。
小さな節約も上手に積み重ねながら床暖房を使って、おトクに快適にすごしてくださいね!