プロパンガスって、往々にして都市ガスより料金が高いですよね。
とくに、
『賃貸物件では、一戸建てより、さらにプロパンガス料金が高い!』
ということも、よく言われています。
ならば、よりいっそう節約したいですよね。
プロパンガス代を節約するには、ガスの使い方に気を付けるなど、いろいろな方法があります。
中でも最も有効なのは、
ガス会社を変更して、基本料と従量料金を減らすこと
です。
賃貸住宅でも、ガス会社を変更できれば、プロパンガス代が一気に安くなる可能性があります。
しかし、『賃貸住宅でガス会社を変更する』って、できるのでしょうか?
できるとすれば、どうしたら良いのでしょうか。
今回の記事では、
賃貸でプロパンガス会社を変更できる可能性と、その方法について、
お伝えします。
プロパンガス代が高くて困っているあなた、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
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どうしたら賃貸住宅でプロパンガス会社の変更ができるか?
賃貸住宅のガス会社の決定権は大家さんにアリ
賃貸住宅でも、プロパンガス会社を替えることは、不可能ではありません。
ただし、ガス会社を変えるには、
大家さんの了承
が必要です。
賃貸住宅では、
建物まるごとでガス会社と契約するため、
どこのガス会社と契約するかは、大家さんに決定権があります。
入居者それぞれが、
「私はここのガス会社にする」
などと勝手に決めることは、できないのです。
というわけで、ガス会社を変更するには、
「プロパンガス代が高くて困っているので、ガス会社を変更してほしい。」
と大家さんに伝え、大家さんの了承を得なければなりません。
逆に言えば、大家さんのOKさえもらえれば、ガス会社を変えることができるのです。
ガス会社を変更できない場合もある
ただし、大家さんに交渉すれば、必ずガス会社を変えられるわけではありません。
大家さんには大家さんの都合があり、ガス会社を変えにくい場合もあります。
たとえば、
- 大家さんとガス会社の間で、設備投資の契約が残っている
- 大家さんとガス会社の間で、ガス会社を変えにくい付き合いなどがある
といった場合です。
ガス会社は、大家さんにガスを契約してもらった時に賃貸物件に
- 初期費用を会社側が負担する
- 給湯器の無料修理や交換
- インターホンやエアコンなどの設置
といったものをサービスすることがあります。
そして、そういったサービスをする代わりに、
『10年から15年くらいは、そのガス会社と契約する』
という『貸付貸与契約』を行うことが多いのです。
だからその場合は、その期間が終わっていないと、ガス会社を変えることは難しくなりがちです。
もう一つは、大家さんとガス会社の間の関係のことです。
たとえば、
親せきや友人のガス会社と契約していたり、長年付き合いがあったりすると、心情的に他の会社に乗り換えにくい
と思う大家さんもいます。
しかし、だからと言って、あきらめる必要もありません。
大家さんの気持ちも理解したうえで、
『ガス料金が高くて困っている…』
ということを伝えれば、
契約中のガス会社に値下げ交渉をしてくれる可能性もあります。
ただ、こんなことを書くと、
「大家さんに交渉してもダメかも…」
と思う人もいるかもしれませんね。
まだがっかりするのは早いですよ!
この『大家さんの都合』は、交渉する上で、わかっておいたほうが良いことなのです。
『時には、ガス会社を変えられない場合もある』
ということをわかったうえで、まずはあきらめずに交渉してみましょう。
賃貸でガス会社を変えるには大家さんにどう交渉する?
では、次は
どうやって大家さんに、ガス会社を変えてもらうよう交渉するか
交渉の仕方について、お伝えします。
交渉前の下準備
交渉の成功率を上げるには、下準備が必要です。
思いつくままに、いきなり大家さんの所へ行って
「ガス代が高いので、ガス会社を変えてください!」
とだけ言っても、あまりうまくいきませんからね。
しっかり準備をして、『ガス会社を変えてほしい』というお願いに、
説得力を持たせる必要
があります。
そのためにまず、
- 今現在のガス代の『基本料』『従量単価』
- 住んでいる地域の『平均価格(相場)』と『適正価格』
- できれば、今のガス代の『平均金額』と、これまでのガス代の『最大の金額』
を調べておきましょう。
平均金額や、最大金額は、すぐにはわからないこともあるかもしれません。
なので、その場合は、直近で払ったガス料金の金額でも良いでしょう。
ただ、最低限、
『基本料』『従量単価』『平均価格』『適正価格』
この4つは、調べておきましょう。
さて、
- 基本料
- 従量単価
- 平均価格
- 適正価
- 払っている平均額
- 払った最大額
この6つの金額がわかっていると、
今の基本料は〇円、従量単価は△円です。
でも、地域平均だとXXX円くらいで、今のガス代と適正価格とは、これだけの違いがあるんです。
平均では□円くらいですが、冬などガスを使うことが多い時には◇円になってしまいます。
という感じで話せますよね。
今のガス代が他と比べて、どれくらい高いのか、それが数字として客観的に見えるので、言葉に説得力を持たせることができます。
それぞれの地域の『平均価格』と『適正価格』は、『プロパンガス料金消費者協会』のサイトで調べることができます。
周りの人の協力も得る
できることなら、
同じ賃貸に住んでいる人にも、協力してもらいましょう。
なぜというと、大家さんに
- 「他の人もガス代が高くて困っている」と伝える
- 複数の人が同じ気持ちでいる
といったことを伝えることで、ガス会社を変えて欲しいことが、大家さんにより強く伝わるからです。
また、複数の人の意見が集まることで、
『一人からの、思い付きの提案ではない』
ことも伝わります。
入居者同士で話しやすい人がいるなら、まずその人に協力をお願いに行くのも良いですね。
この時も、
「ガス代が高すぎるので、大家さんにガス会社を変えてもらうよう、交渉しに行こうと思っている」
「皆さんの意見も伝えたいので、ガス代についてどう思っているか、聞かせてほしい」
と、お願いしてみましょう。
さらに、
「このアパートのガスの基本料と従量単価はこれくらいで、この地域の平均や適正価格はこれくらい。」
ということを話してみると、
「アパートのガス代が高いのは仕方ないんじゃない?」
と思っている人の心も動くかもしれません。
さらに、もう一歩踏み込んで
- 入居者から『ガス代を安くするために、ガス会社を変えてほしい』という署名を集める
- 同じ考えの人に、一緒に交渉に行ってもらう
というのも良いですね。
いよいよ大家さんに交渉!その時に伝えること
では、交渉する時に大家さんに伝えると良いことを順番に挙げていきます。
もちろん、順番は必ずしもこの通りでなくてかまいません。
ここにあるすべてを伝えなければならないことでもありません。
『伝える内容のアイディア集』
という感じで読んでみてください。
大家さんへの交渉の流れ例
- 日頃お世話になっていることへの感謝。
- 『ガス代が高くて困っているので、ガス会社変更の検討をお願いしたい』ということ。
- 今現在のガス料金の、基本料、従量価格、地域の平均価格や適正料金、(できれば)平均の料金と最大料金のこと。
- 自分でも節約の努力をしているが、それでも高くなってしまうこと。
- 他の人も、ガス代が高くて困っていることや、節約の努力をしていること。
- このままガス代が高いのであれば、引っ越しの検討もやむを得ないと考えていること。
- 大家さんにとってのメリットを伝える。たとえば、「ガス代が安くなれば、他の入居者も喜ぶし長く住んでもらえる、新しい入居者も入りやすくなる」など。
- もしガス会社変更の了承をもらえたなら、こちらでガス会社を探して、再度大家さんに相談すること。
- 設備リースの残存費用や手数料などの費用が気になるのであれば、肩代わりしてくれるガス会社もあること。
- 時間をとってくれたことへのお礼。
このような流れですね。
では、ざっと解説します。
1.と10. 日ごろの感謝と、時間をとってもらったお礼
書くまでもないことかもしれませんね。
でも、『お願いごとを聞いてもらう』ためには、けっこう大事だったりします。
短くてもいいので、お礼は忘れずに伝えましょう。
2. ガス代が高くて困っているので、ガス会社変更の検討をお願いしたい
本題は率直に伝えましょう。
お金のことは言いにくいかもしれませんが、率直なほうが伝わりやすいです。
3. 現在の料金と平均や適正価格のこと
先ほども書いたように、『ガス代が高い』ことに具体性を持たせるために大切です。
客観的に『高い』ということをわかってもらうために、料金や適正価格は忘れずに調べておいてください。
また、大家さんの中には
- 入居者が実際にどれくらいの料金を払っているのか
- プロパンガスには『適正価格』というものがあること
- プロパンガスも安くなる可能性があること
を知らない人もいるので、知ってもらうことも大切です。
入居者のことを考えてくれる大家さんなら、この段階で、ガス会社の乗り換えやガス会社への交渉を検討してくれることもあります。
4.と5. 節約の努力をしているが高い、他の人も、ガス代が高くて困っている
これは先にも書いたように、
『自分も他の人もできることはしている』
ことと
『自分一人の意見ではない』
ことを伝えるためです。
できれば、
『冬でもゴム手をして水で食器を洗っている』
など、どんな節約をしているのか、具体的に伝えるのも良いでしょう。
6. このままガス代が高いなら引っ越しの検討もやむを得ないと考えている
これは、
『ガス代が高くてもここに住みたい』と思っている時は、無理に言う必要はありません。
あくまでも正直に行くのが最善です。
逆に、
「引っ越しも検討しているが、ガス代が安くなるなら住み続けたい」
と思っているなら、それも伝えると良いです。
ただし、
「安くならないなら引っ越すけど、それでもいいんですか?」
というような、脅すような言い方にならないようにしてください。
『やむを得ず感』を出すほうが、相手に受け取ってもらいやすいです。
7. 大家さんにとってのメリット
大家さんにとって大切なのは
- なるべく長く住んでもらう
- 空き室が出ない
ことですよね。
入居者にとって住みやすくなることで、
長く住む人も増え、新しい人にその物件を選んでもらいやすくなること
は、大家さんにとっても大切なメリットと言えます。
『ガス会社を変える』って、手間も時間もかかります。
でも
「絶対に変える甲斐はありますよ!」
ということを伝えることで、大家さんの背中を押すこともできるかもしれません。
8. 了承をもらえるなら、こちらでガス会社を探して相談する用意があること
ガス会社を決めるのは大家さんですが、こちらからお願いしていることでもあります。
ガス会社のことがよくわからない大家さんだと、
「ガス会社を探すのが大変そう…」
と思うかもしれませんね。
- ハードルを下げること
- なるべく大家さんに手間をかけさせないこと
も大事です。
また、
「こちらも、できることはします!」
という姿勢を示すことで、了承してもらいやすくなるかもしれません。
9. 設備の残存費用や手数料などを、肩代わりしてくれるガス会社もあること
もし、大家さんが残存費用のことを気にするようなら、
「こういう会社もありますよ」
という感じで伝えてみるのも良いでしょう。
ただし、すべてのガス会社ではないので、そのことも忘れずに伝えてください。
大家さんとの交渉の時に気を付けること
大家さんと交渉する時には、
- あくまでも『お願い』をする姿勢で。『クレーム』にならないようにする。
- 大家さんの話は、極力否定せずに、よく聞く。
- ウソやはったりは使わないほうが無難。
- 思うような結果にならなくても受け入れる。交渉はダメ元くらいの気持ちで。
といったことを心がけると良いでしょう。
プロパンガス代、なんとか安くしたいですよね。
でも、安くしてもらいたい気持ちが高じて、クレームみたいな言い方になってしまっては、その後の関係も気まずくなってしまいます。
後々も良い関係でいるためにも、『お願いする』という姿勢を忘れないでください。
次に、話をする時には、
『相手の話をよく聞くこと』
が大事です。
話が思うような方向に行かなくても、
どういうわけでガス会社を変更したくない(できない)のか、よく聞いてみてください。
あなたにとっても『なるほど』と思うようなことが出てくるかもしれません。
また、
『否定せずに話をよく聞いてくれる』人は印象が良くなります。
ガス会社の変更を検討してくれる可能性も、増えるかもしれません。
それから、
ウソやはったりは、たいていの場合、どこかでなんとなく伝わってしまうものです。
あくまでも、事実だけを使って交渉していきましょう。
正直なのが、一番無難です。
そして大切なことが、
『思うような結果にならなくても受け入れる』
ということです。
思うような結果にならなかった時は素直に受け入れて、次善の策を考えましょう。
ガス会社を変更できなくても、まだできることもあります。
大家さんからガス会社の変更OKがもらえたら
ガス会社の変更をOKしてもらったら、新しいガス会社を探さなければなりませんよね。
と言っても、自分で片っ端から調べて探すのも、大変です。
そんな時は
『プロパンガス料金消費者協会』
でも、ガス会社探しを手伝ってくれます。
大家さんにOKをもらったら、プロパンガス料金消費者協会に相談してみてください。
この協会では、
- 適正価格でガスを提供
- 不透明な値上げなどをしない
- 給湯器の設備費などを負担してくれる
といった、優良なガス会社を探して、紹介してくれます。
協会に相談する時には、
大家さんの了解の上で、大家さんの連絡先も、協会に伝えてください。
協会から大家さんに直接連絡を取ってくれます。
くわしくは、こちらのサイトをよく読んでくださいね。
もちろん、大家さんが
「全部こちらでやります」
と言ってくれるなら、お任せするのもありです。
でも、なるべく大家さんの負担を減らすことも大切です。
なので、もし大家さんが
「ガス会社を探す方法がわからない」
「どこがいいのかわからない」
といった感じなら、こちらでも探すお手伝いをしましょう。
大家さんにプロパンガス料金消費者協会のことを伝えるのも、良いですね。
ただし、プロパンガス料金消費者協会では
- ガス会社変更の了承をもらうための、大家さんへの交渉
- 賃貸の一部屋だけを安くしてくれるように、ガス会社に代理で交渉する
ということは受け付けていません。
大家さんや、ガス会社への直接交渉は、自力でしましょう。
大家さんからガス会社変更の了承がもらえなかった場合
残念ながら、大家さんに交渉しても、ガス会社を変更する了承がもらえないこともあります。
でも、あきらめないでください。
まだ手はあります。
それは、
- 大家さんに、現在のガス会社に交渉してくれるようお願いする
- ガス会社に直接交渉して、自室の料金を下げてもらう
- ガス代が安いところに引っ越す
- ガスを解約する
という方法です。
では、それぞれの方法について、詳しくお伝えします。
大家さんに、ガス会社に交渉してくれるようお願いする
先にも書きましたが、大家さんがガス会社と長い付き合いがあったり、貸付貸与契約が残っていたりすると、
「ガス会社の変更ができない」
と言われることもあります。
でももし、大家さんが
『平均価格や適正価格と比べて、ガス代が高い』
ということを理解してくれているのなら、
現在契約しているガス会社に、料金を安くしてくれるように、交渉してみていただけませんか?
とお願いしてみましょう。
大家さんに限らず、『ガス代は変わらないもの』と思っている人も多いですが、『交渉すれば可能性がある』ことも伝えてみてください。
注意ポイント
ガス会社によっては、一旦値下げしてくれても、後でまた値上がりしてしまうこともあります。
大家さんからガス会社に交渉してくれて安くなった場合は、念のため、その後もガス料金をよくチェックしておいてください。
ガス会社に直接交渉して、自室の料金を下げてもらう
大家さんに、ガス会社への交渉をお願いしても上手くいかなかった場合は
ガス会社に、自分で直接交渉してしまいましょう。
「えっ、そんなのあり?」
って思うかもしれませんが、
ありです。
実はガス会社の中には、
『値下げ交渉をしてきた人には安くするけど、何も言ってこない人には安くしない』
というところもあるのです。
なので、交渉がうまくいけば、
あなたのところだけ特別に安くしますよ。
でも、他の人には内緒にしてくださいね。
なんてこともありえます。
「でも、ガス料金って、賃貸だと全室同じじゃないといけないんじゃないの?」
なんて思うかもしれませんが、そんなことありません。
『アパートの部屋それぞれで料金が違う』
なんてこともあるのです。
さて、交渉のコツですが、ガス会社に交渉する時も、大家さんと同じく
- 今の基本料金と、従量料金
- 地域の平均価格と、適正価格
を持って行きましょう。
そして、ただ「安くしてほしい」と言っても、なかなか「うん」とは言ってくれないことも多いので
- アパートの他の住人と相談のうえ、団体交渉を検討している
- 大家さんにも相談して、ガス会社の変更を頼むことも考えている
ということも伝えてみましょう。
ガス会社にとってみれば、団体で交渉されて、そのアパート全体で安くなってしまったら、損ですよね。
また、大家さんが他のガス会社に乗り換えるとなれば、これも損です。
なので、
『それよりは、一部屋を値下げしたほうがまだいい』
と思ってくれるかもしれません。
「じゃあ、特別に…」
と言ってもらえたら、しめたものです。
どのくらい安くしてもらえるかは、こちらから提案もありですが、最終的には、ガス会社次第です。
ただ、こちらから価格を提案する時は、
値下げを欲張り過ぎないほうが、受け入れてもらいやすいです。
ガス会社に交渉して値下げしてもらうというやり方では、ガス会社を変えた時ほど安くはならないかもしれません。
でも、今の値段のまま払い続けるよりは、ずっと良いですよね。
ガス代が安いところに引っ越す
ガス会社への交渉もうまくいかず、プロパンガス代は高いまま…
となったら、いっそのこと
ガス代が安いところに引っ越す
という手もあります。
もちろん、引っ越しには費用もかかります。
それに、物件探しやいろいろな手続き、荷造りに片付けなど、けっこう大変ですよね。
賃貸契約の期限や更新がずっと先だと、これまた考えものです。
なので、
『そこまでしてガス代を安くするかいがあるかどうか』
ということと、
賃貸契約の期限や更新のタイミングがどうか
ということも考えたほうが良いでしょう。
そのうえで、引っ越しすることになったなら、当然
物件は、ガス代も考慮に入れて探す
ことになります。
物件探しの時には、
- 都市ガスかプロパンガスか
- その物件のガス代の『基本料金』『従量単価』
を確認しておくことが大事です。
もし都市ガスの物件があるなら、都市ガスにすると、ガス代は安くなりやすいです。
都市ガスは、プロパンガスより安いことが多いからです。
もちろん、プロパンガスでも、大家さんが良心的な価格のガス会社と契約している物件もあります。
ただし、
「ガス代がものすごく安い物件を見つけた!」
なんてことがあっても、すぐに飛びついてはいけません。
なぜかというと、
『とても安い』ということは、『ガス会社の利益が上がりにくい』ことでもあるからです。
利益が上がりにくいとどうなるかというと
- ガス会社の経営を維持するために、突然値段が高騰してしまう
- 最悪はガス会社がつぶれてしまう
なんて可能性もあるのです。
消費者としては、ガス代が安ければ安いほどありがたいのが、正直なところですよね。
でも、ガスを安定して使い続けるためには、『安さ』だけで決めるわけにはいきません。
『適正価格に近ければ理想、平均価格に近ければOK』
くらいに考えて、落ち着いて選びましょう。
もし引っ越しを決めたら、早めに調べ始め、じっくり慌てずに物件を選んでくださいね。
思い切ってガスを解約!
大家さんに交渉してもガス会社に交渉してもダメなこともあります。
そして、引っ越しもしたくない、できない、ということもありますよね。
そんな時の最終手段に
ガスを解約する
という方法があります。
これをやれば、
ガス代0円
です。
でも、いくらガス代が0円になるといっても、
「ガスがないと生活できないんじゃない!?」
って思いますよね。
ところが、生活できるんです。
どうするのかというと、
- 料理はカセットコンロやIH卓上コンロ、電子レンジ、オーブンなどを駆使する
- お風呂はバスヒーターなどで沸かす
- お皿を洗う時のお湯は、電気温水器ややかんで沸かすか、ゴム手をして水で洗う
というように、ガス以外の電気などや、代替機器を使うのです。
もちろん、代替機器を買う費用や、ガスを使わない分の電気代はかかってしまいます。
でも、実際にガスを使わずに生活した人からは、
「しっかり調べて電気代がなるべくかからない代替機器を選べば、電気代を払っても、プロパンガス代より安く済む。」
という報告もあります。
安く済んだ分で、代替機器の費用も元が取れることでしょう。
ただ、『ガスを解約する』って、やはり勇気が要りますよね。
解約する前に、代替機器や光熱費のことなど、しっかり下調べをしてください。
ちなみに、不動産管理会社に相談するのはどうなのか
プロパンガス代を安くする手段の1つとして、
『不動産管理会社に相談して、ガス会社に、安くするよう交渉してもらう』
という手も、なくはないです。
が、これは成功率が低いです。
なぜかというと、
ガス会社と契約しているのは、あくまでも大家さんです。
それに、管理会社としては
「ガス会社とあまりごちゃごちゃしたことはしたくない」
というのが、本音のところです。
なので、
「どこの賃貸もガス代はそんなものですよ」
と言われたり、場合によっては
「ガス会社に伝えておきますね」
と言ったきり、放置されてしまうこともあるようです。
なので、やはり自分で直接大家さんやガス会社に交渉したほうが、良い結果が得られやすいです。
そもそもなぜ賃貸のプロパンガス代は高いのか?
プロパンガスは、都市ガスより料金が高い傾向があります。
さらに、賃貸のプロパンガスの料金は、一戸建てより高くなりがちです。
でも、どうして賃貸だと、こんなに高くなってしまうのでしょうか。
その理由には、
- アパートのガス設備などの費用を、ガス代から回収している
- インターホンなどの設備をサービスで付けている場合、その費用もガス代から回収している
- 賃貸の入居者は、自分でガス会社を選べないので、高値でもガスを売りやすい
- 大家さんには、入居者に負担がかかっていることがわかりにくい
といったことがあります。
もちろん、良心的なガス会社なら、一戸建てでも賃貸でも、適正な価格にしています。
しかし、中には
一戸建てより約3割も高い価格設定になっている
ということもあります。
では、なぜこんなに高くなるのか、それぞれの理由について、くわしく説明しましょう。
アパートの設備費用やサービスの費用はガス代から回収される
実は、アパートなどのガス代の中には、
- ガスの配管や給湯機などの設備費や工事費
- エアコンやインターホンなどの無償貸与サービスの費用
- 給湯器の故障などの時位は、ガス会社が無償で修理や交換をしてくれるサービスの費用
などが含まれています。
だから、ガス代が高くなってしまうのです。
設備費は、もともとはアパートを建て、ガスを設置する時に、大家さんが負担するものです。
でも、その費用を会社が肩代わりしたり、エアコンなどをサービスしている会社は、少なくありません。
なぜそんなにサービスするかというと、
サービスで大家さんを囲い込めば、沢山の入居者からガス代を払ってもらえるから
です。
でも、サービスをするには、必ず費用が必要ですよね。
なので、サービスにかかる費用を、ガス代の中から回収しているのです。
では、
「費用を回収し終わったら、その分安くなるのか?」
というと、これは
ガス会社によります。
良心的なガス会社であれば、安くしてくれるでしょう。
しかし、中には、安くせず、そのまま回収し続ける会社もあるのです。
賃貸の入居者には、高値のガスを売りやすい
賃貸住宅のプロパンガスが高い理由の一つに、
「ガス会社が安心して高値のガスを売ることができるから」
というのがあります。
この記事のはじめに書いた通り、『アパートなどの賃貸住宅のガス会社を決めるのは、大家さん』です。
一戸建ては、家主が自分でガス会社を決めることができますし、ガス代が高ければ、ガス会社を変えることができます。
しかし、アパートなどの入居者は、自分でガス会社を決めることはできません。
入居者は基本的に、ガス会社の言い値でガスを買うよりほかに、選択肢はないのです。
それはガス会社から見ると、
「ガス代が高くても、ガス会社を変えられてしまう心配がない」
ということでもあります。
そのため、
ガス会社もガスの価格を吊り上げやすい
という面があるのです。
大家さんも、入居者の実際のガス代は把握していないことが多い
大家さんは、ガス会社と契約している『契約者』です。
しかし大家さんが、
- 入居者に設備費などの負担がかかっていること
- 実際どれくらい払っているのか
を、把握していないことも珍しくありません。
それは
- 大家さんが気にするのは、契約する時のガス代までのことも多い
- 契約した後に値上げしていても、気付かないこともある
- 大家さんがアパートに住んでいる場合、大家さんの部屋だけ安くしていることもある
といった理由からです。
大家さんといえど、常にアパートのガス代を気にしているわけではありません。
もちろん、契約する時には、基本料や従量料金は提示されます。
しかし、基本料の中に設備費が含まれることを知らない大家さんもいます。
それに、契約した後値上げしても、大家さんが把握していないこともあります。
「大家さんなんだから、把握していてよ…」
と言いたくなるところですが、大家さんのせいばかりとも言えません。
悪質なガス会社だと、
契約した後、黙って値上げしているところ
もあるのです。
大家さんも毎月ガス代をチェックしているわけではないので、黙って値上げされるとわからないですよね。
中には、同じアパートに住んでいる大家さんもいますよね。
そういう大家さんなら、ガス代も知っていそうと思いきや、実は
大家さんの部屋だけ安くしている
というガス会社もあるのです。
そして、大家さんが
『同じアパートの中なら、ガスの料金はどの部屋も同じはず』
と思い込んでいたら、他の入居者はもっと払っているなんて、気が付きませんよね。
こうしたことから、
入居者が実際に払っている料金を、大家さんが正確に把握することが難しいことも、少なくないのです。
なので、入居者から『ガス代が高い』と知らされて、
「そんなに払ってるなんて知らなかった…」
ということもあるのです。
入居者思いの大家さんだと、入居者が払っている額を知った時点で、ガス会社の変更を考えてくれることもあります。
なので、大家さんに交渉する時は、かならず『いくら払っているか』を具体的に伝えてくださいね。
賃貸のプロパンガス料金全体を安くするためにできること
賃貸だからと言ってプロパンガスが高いのは、納得いかないですよね。
それを変えていくには
消費者がガスの価格についてしっかり考え、しっかり声を上げていく
ということが大切です。
ガス代が高すぎるなら、大家さんに伝えたり、ガス会社に交渉したりしましょう。
そして、良心的な価格のガス会社を利用する賃貸を、増やしていきましょう。
そういったことが積み重なって、
『賃貸だからと言ってガス代を高くすると、不利になる』
という流れになれば、ガス会社も考えややり方を変えざるを得なくなります。
一人一人の行動は、小さいことに思えるかもしれません。
でも、現に消費者の声が集まった結果、
2017年6月にプロパンガスの法律である『液石法』が一部改正されました。
その中で
- プロパンガス料金の算定根拠を明示する
- 書面で、『基本料金』や『従量単価』について説明する
- 料金メニューや平均的な月額料金について説明する
- 液石法が定める書面を交付する際に入居者が払う費用を、きちんと伝える
- ガス料金を値上げする時は、入居者に『値上げする』ということや理由を伝える
- 入居者からの苦情や問い合わせには、適切に対応する
といったことが決められました。
これまで不透明だった、料金や値上げについて、ガス会社はきちんと明示、説明することになったのです。
このように、あきらめず声をあげ続ければ、変えることができます。
ゆくゆく、賃貸でも安心してプロパンガスを使えるようになるために、みんなで、それぞれができることをしていけると良いですね。
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まとめ
長い記事になりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
光熱費は、安いに越したことはないものです。
しかも、
『賃貸だから、なお高くなっている』
なんて、納得いかないですよね。
そんな状況を変えるためにも、ぜひ大家さんにガス会社を変えてもらう交渉をしてみてください。
その時には、ぜひ
- 今実際に払っているガス代の、基本料と従量価格
- 住んでいる地域のプロパンガスの平均価格と適正価格
を、大家さんに伝えてください。
そして、たとえ大家さんから色よい返事がもらえなかったとしても、
- 大家さんに、今のガス会社にガス代を安くしてくれるよう、交渉をお願いする
- ガス会社に直接交渉して、自室のガス代を安くしてもらう
- ガス代が安いところを探して引っ越す
- ガスを解約する
という方法もあります。
もちろん大家さんへの交渉がうまくいくのが、一番ですよね。
ぜひ、がんばってみてください。
良い返事がもらえるよう、健闘を祈ります!