フライパンをはじめ、調理器具は『調理が終わったら洗う』ことが当たり前ですよね。
ところが、意外なことに
『フライパンは洗わない方が長持ちする』というウワサもあるのです。
いやいや、本当にそうなのかどうなのか、よく考えてみましょう。
フライパンは調理器具なので、衛生面も大事ですよ。
ということで、今回は
- 『フライパンは洗わないほうが長持ちする』という話は本当かどうか
- フライパンの洗い方や長持ちする扱い方
について解説します。
ぜひ読んでくださいね!
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『フライパンは洗わない方が良い』の真相は?
フライパンは洗わないほうが寿命が長くなるって本当?
結論から言うと、
『洗わないほうがフライパンの寿命が長くなる』というのは、まったくの間違いです。
フライパンは使い終わったら洗いましょう。
洗ったほうが寿命が長くなります。
ウワサの出どころについては、はっきりしたことはわかっていませんが、
- 『コーティングのフライパンは、拭くだけのほうがコーティングが長持ちするのではないか』と誤解された
- 『鉄のフライパンは洗剤を使って洗わないほうが良い』という話が『鉄のフライパンは洗わないほうが良い』と誤解された
- 『鉄のフライパンは洗わないほうが良い』という誤解がさらに誤解され、『コーティングのフライパンも洗わないほうが良い』という話になってしまった
といったあたりではないかと考えらます。
フライパンを洗わないでおくリスク
フライパンを洗わないでおくと、
- フライパンの寿命が縮む
- 不衛生である
というリスクがあります。
使いっぱなしだと寿命が縮む
フライパンを使った後に洗わないと、
コーティングのあるフライパン
⇒食材の水分や調味料の塩分などで、コーティングが劣化しやすくなる
鉄のフライパン
⇒食材の水分や調味料の塩分などでさびやすくなる
⇒焦げ付きを放置するとさらに焦げ付きやすくなる
といったリスクがあります。
使った後に汚れを拭き取るとしても、それだけでは塩分や水分はきれいに取り除けませんよね。
コーティングのフライパンは、コーティングが剥がれたら寿命です。
汚れでコーティングが劣化しやすくなれば、寿命を縮めることになってしまいます。
鉄のフライパンは、焦げ付きやサビを取り除いてシーズニングすれば再生できますが、再生させる過程で焦げやサビを削ることになります。
つまり『再生させる回数が多いほどフライパンが薄くなり、寿命が短くなる』ということです。
衛生面の問題
フライパンを洗わずに使いっぱなしにすると、当然
- 料理に前の調理の時の焦げが混ざったりする
- 菌やカビがが繁殖する
- フライパンに付いた食材の臭いにひかれてゴキブリなどの害虫が寄って来たり、食材のカスをエサにして繁殖したりする
といった、衛生面での問題も出てきます。
フライパンは熱して使うので、火にかければ菌をやっつけられる可能性はあります。
だとしても、やはりカビや菌だらけのフライパンを料理に使いたくはないですよね。
フライパンは、使い終わったらきれいに洗いましょう。
間違った洗い方で寿命が縮まることも
フライパンは洗ったほうが長持ちしますが、どんな洗い方でも良いわけではありません。
正しい洗い方をすることが大切です。
素材に合わない洗い方をすると、
コーティングのフライパンを、たわしやクレンザーでごしごし洗う
⇒コーティングが剥がれてしまう
鉄のフライパンを洗った後、水分を飛ばさずに濡らしっぱなしにする
⇒錆が出る
アルミのフライパンを、酸性やアルカリ性の洗剤で洗う
⇒変色・変質してしまう
など、寿命を縮めてしまうことになります。
はい、次に素材ごとの基本的な洗い方を見ていきましょう。
フライパンの洗い方と長持ちさせる方法
ここからは、フライパンの
- 洗い方
- 長持ちする使い方
について解説します。
なお、ここで解説するのは基本的な洗い方や扱い方です。
製品によって手入れの方法が違うこともあるので、取扱説明書を確認し、書いてある方法に従ってくださいね。
コーティング加工のフライパンの洗い方・扱い方
コーティング加工してあるフライパンには、
- フッ素樹脂(テフロン)コート
- マーブルコート
- セラミックコート
- ダイヤモンドコート
といった種類がありますが、洗い方も扱い方も、基本的には同じです。
コーティング加工のフライパンの洗い方
コーティング加工のフライパンの洗い方は、
- 温かいうちにキッチンペーパーなどで汚れを拭き取る
- フライパンが冷めるのを待つ
- 柔らかいスポンジに洗剤を付けて泡立たせ、あまり力を入れずになでるように洗う
- 汚れと洗剤をよく洗い流す
- 水分を拭き取り、しっかり乾燥させてから保管する
やってはいけないのは、
- フライパンが熱いうちに水をかける(急な温度変化)
- 研磨剤の入った洗剤で洗う
- スチールたわしなどの硬いものでこする
といった洗い方です。
こういった洗い方だとコーティングを傷めてしまい、寿命が縮んでしまいます。
コーティング加工のフライパンを長持ちさせるには
コーティング加工のフライパンは、『コーティングが剥がれたら寿命』ですが、逆に言うと、
コーティングが剝がれないように使えば、長持ちさせられます。
どう使えば良いかというと、
- 空焚きをしない
- 中火か弱火で調理する
- 調理の時には、シリコンや木、竹などの表面を傷付けにくい素材のヘラやお玉を使う
- 調理が終わったらすぐに料理をフライパンから出し、お皿や容器に移す
- フライパンが熱いときに水をかけない
- 洗うときには柔らかいスポンジを使い、金属たわしやメラミンスポンジ、研磨剤入りの洗剤は使わない
- 洗った後は水分を拭き取り、乾かす
ということに気をつければ良いのです。
テフロンコーティングのフライパンを長持ちさせる方法については、こちらの記事も併せて読んでくださいね。
関連記事:フライパンのテフロン・フッ素加工を復活させる方法【寿命が長持ち】
鉄製のフライパンの洗い方・扱い方
鉄製フライパンは、コーティングのフライパンとは扱い方が違います。
しっかり区別して、鉄のフライパンに合った手入れをしてくださいね。
鉄製フライパンの洗い方
鉄製フライパンを洗うときには、
- フライパンが温かいうちに、キッチンペーパーや新聞紙で汚れをぬぐい取る
- お湯と植物素材のたわしだけで洗う(洗剤は使わない)
- 汚れが落ちたら水分を拭き取る
- 火にかけ、残った水分を蒸発させる
- キッチンペーパーなどで、油を塗っておく
という洗い方をします。
鉄製フライパンは洗剤を使わずに洗うのが基本ですが、どうしても汚れないときは洗剤を使ってOKです。
鉄は水分が付くとさびやすくなるので、水分はしっかり飛ばしておきましょう。
メモ
『鉄製フライパンは金属たわしでこすっても良い』という話もありますが、
金属たわしで洗うのは避けたほうが良いです。
表面の油膜が削られて焦げ付きやすくなってしまうからです。
鉄製フライパンの洗い方について、詳しくはこちらの記事を読んでください。
関連記事:鉄製フライパンの手入れに金たわしはおすすめ?正しい洗い方を解説!
鉄製フライパンの使い方
鉄製フライパンを使うときには
- 買ったら、『空焼き』と『油ならし』をする
- 使う前に『油返し』をする
- 調理の時には、必要な量の油を引いて調理する
- 調理が終わったら、料理をすぐに食器や容器に移す
- 湿気の多い場所を避けて保管する
- どうしても汚れが取れない場合だけ洗剤を使って洗い、その後に『油ならし』をしておく
ということが大切です。
鉄製フライパンは、手入れがちょっと大変な印象があるかもしれませんね。
でも手入れをしっかりして使っていけば、だんだん使いやすいフライパンになっていきます。
メモ
鉄製フライパンを買ったら『空焼き』や『油ならし』をしてから使うのが基本ですが、
リバーライト『極フライパン』
|
北陸アルミ『油をなじませたフライパン』
|
のように、空焼きが要らないフライパンや、空焼きも油ならしも要らないフライパンもあります。
鉄製フライパンの手入れについては、こちらの記事も読んでくださいね。
関連記事:鉄製フライパンを買って最初にやること!空焼きと油ならしを解説!
関連記事:焦げたりサビた鉄製フライパンを再生させる!正しい手入れを解説!
その他のフライパンの洗い方・扱い方
フライパンは、コーティング加工や鉄製のものが主流ですが、他にも
- ステンレス
- アルミ
- 銅
- チタン
といった素材があります。
この4つの素材については、表でざっと見ていきましょう。
洗い方 | 使うときの注意 | |
ステンレス |
| 丈夫でさびにくいので、コーティング加工や鉄のフライパンほど注意することはないが、
ということは守ったほうが良い。 |
アルミ |
(洗剤は『使っても良い』とする人も『使わずに洗う』とする人もいる) |
|
銅 |
|
|
チタン |
| 焦げ付いた場合は、金属たわしなどを使っても良い。 |
この表を見るとわかるように、フライパンはどういう素材でも
- 調理が終わったら早めに洗う
- なるべく表面を傷付けないように洗う
- 洗い終わったら水分を拭き取って乾かす
ということが基本です。
また、コーティング以外のフライパンはできるだけお湯で洗いましょう。
洗剤を使っても良いかどうかは材質によって違いがあり
洗剤を使ってもOK
⇒コーティング加工、銅、チタン、アルミ
洗剤を使わない方が良い
⇒鉄、ステンレス
となっています。
先にも書いたように、これはあくまでも『基本的な洗い方・扱い方』です。
製品によって扱い方が違う場合もあるので、詳しくは取扱説明書を確認してくださいね。
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まとめ
『フライパンは洗わない方が長持ちする』という説もありますが、この説は間違いです。
食材や調味料が付いたままにしておくと、コーティングの剥がれやサビなどの原因になり、フライパンの寿命を縮めてしまいます。
何より、汚れたままのフライパンは不衛生です。
フライパンは使い終わったら、それぞれのフライパンの素材に適した方法で洗いましょう。
洗い方は素材によって違いますが
- 使い終わったらなるべく早く洗う
- 表面を傷付けない方法で洗う
- 洗い終わったら水気を拭き取って乾かす
ということは、共通しています。
製品に合った手入れをしながら使えば、フライパンは長持ちします。
ぜひ、フライパンを大切に使ってくださいね!