家庭で使うガスには、
- プロパンガス(LPガス)
- 都市ガス
の2種類があります。
ガスの種類が違うと、ガスコンロの仕様も違います。
ですから、ガスコンロがどちらのガスに合うものか、きちんと見分けて使う必要があります。
同時に、
都市ガス用のコンロを、プロパンガスで使えるように変更すること
も、実はできます。
では、どうすれば変更できるのでしょうか?
ということで、今回の記事では、
- 都市ガス用のガスコンロとプロパンガス用のガスコンロの見分け方
- ガスコンロを違うガス種で使えるようにするための、変更や変換の仕方
について、チェックしていきます。
ぜひ読んでくださいね!
スポンサーリンク
都市ガスとプロパンガスガスコンロの見分け方
では、
『都市ガス用のガスコンロとプロパンガス用のガスコンロの見分け方』
について解説していきます。
プロパンガスと都市ガスの表記
まず、ガスコンロのガス器具などで『都市ガス』や『プロパンガス』がどう表記されているか、チェックしておきましょう。
プロパンガス
⇒『プロパンガス』『LPガス』『LPG』『LP』
都市ガス
⇒『都市ガス』『12A』『13A』
と、このように表記されています。
こういった表記の仕方を、頭に入れておいてくださいね。
豆知識
この記事では、都市ガスの種類は『12A』『13A』を取り上げますが、都市ガスにはこの2つのほかに、
『6A』『5C』『L1』『L2』『L3』
という種類もあります。
ただ、この5種類のガスは、今はほとんど使われていません。
そのためガス器具の生産も少なく、量販店などでは売っていないこともあります。
『12A』『13A』以外の都市ガスを使っている場合は、ガス器具を買う時には
- ガス会社に相談する
- ガスの種類をお店の人に伝えて、お店になければ取り寄せてもらう
としてください。
ガスコンロの対応ガス種はどこを見ればわかる?
ガスコンロが、どのガス種に対応しているかを見分けるには、
- ガスコンロのラベル
- ガスコンロの型番
を見れば、わかります。
テーブルコンロの場合
テーブルコンロの場合は、
ガスコンロの左側面に、メーカーや型番が書いてあるシール
が貼ってあります。
そのシールの中に、
『12A』『13A』『LPG』『プロパンガス』
などと書いてあります。
メモ
都市ガスで、12Aと13A両方が書いてある場合は、どちらにも使えるコンロです。
ビルトインコンロの場合
ビルトインコンロの場合は、
- ガスコンロの電池ボックスの周り
- 電池ボックスの蓋
などに、ラベルが貼ってあり、そこに表示されています。
筆者の家のコンロは、このように電池ボックスの蓋を開けたところにラベルが貼ってありました。
型番から判断する方法
ガスコンロの対応ガス種は、ラベルで判断するのが一番わかりやすいです。
でも、ラベルがはがれたり汚れたりしていて、ラベルで見分けることができない場合には、
型番でも対応するガス種を判断できます。
型番の末尾に『LP』『LPG』と書いてある
⇒プロパンガス
型番の末尾に『12A』『13A』『12A13A』と書いてある
⇒都市ガス
いくつか、例を挙げておきましょう。
- KGM33NBEL 13A(都市ガス13A用)
- NG60SVR13A(都市ガス12A、13A用)
- IC-N36BS-L-12A13A(都市ガス12A、13A用)
- KGM33NBER LP(プロパンガス用)
- NG60SVLLPG(プロパンガス用)
なお、都市ガス用の場合は、
型番に『13A』としか書いていなくても、12Aと共通で使えるものもあります。
ただし、13Aしか使えないものなのか12Aも使えるものなのかは、型番だけからではわからないので、メーカーやお店の人に確認してください。
見分ける自信がない時は…
お店などでガスコンロを買うときに
- 型番やシール、説明書きから判断しにくい
- 書いてはあるけど、自信がない
という場合は、お店の人に確認するのが、確実です。
「プロパンガス用のガスコンロを探しています。」
「都市ガス13A用のコンロがほしいのですが、これで大丈夫ですか?」
などと伝えて確認すれば、安心ですね。
中古のガスコンロを入手するときの注意点
中古のガスコンロを、個人売買で買ったりもらったりするなら、
- ラベルが読めない
- ラベルがはがれている
- ネットオークションやフリマサイトなどで、説明書きでしか機種を確認できない
など、対応ガス種が確実に確認できないものは、やめておきましょう。
万が一、合わないガス種のコンロを使ってしまうと、危ないからです。
筆者としては、そもそも中古でガスコンロを買ったりもらったりするのはお勧めできません。
どうしても中古で手に入れたいときは、対応ガス種がしっかり確認できるものを選んでください。
中古のガスコンロについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:プロパンガスのコンロの中古売買は危険?ガス漏れの心配をチェック
ガスコンロを中古で!と考えているなら、ぜひ読んでおいてください。
スポンサーリンク
ガスコンロをガス種に合わせて変更・変換する方法
ここからは、
ガスコンロをガスの種類に合わせて変換する方法
について、お伝えします。
『ガスコンロをガスの種類に合わせる』というのは、
- プロパンガス用のガスコンロを、都市ガス用にする
- 都市ガス用のガスコンロを、プロパンガス用にする
ということです。
つまり、内部の部品を交換して、改造してもらうのです。
改造してもらえば、引越してガスの種類が変わった時も、引き続き使えますよ。
ガスコンロの変換はメーカーやガス会社に頼むこと
ガスコンロを変換するときに必ず守ってほしいのが
ガスコンロの変換(改造)は、必ずメーカーやガス会社に依頼してやってもらう
ということです。
もちろん、依頼すれば費用はかかりますが、いくら節約したいからと言っても、
自分で改造することは、絶対にしないでください。
(もっとも、改造に必要な部品を、個人で手に入れることはできませんが。)
理由は、『危ないから』です。
自分で改造して不備があった場合、火事やガス漏れなどの重大な事故につながる可能性があります。
ガスコンロの改造は、必ずメーカーやガス会社に依頼しましょう。
ガスコンロのガス種変換の方法
では、ガスコンロを変換してもらうには、どうするかというと、
ガスコンロのガス種を変換するまでの流れ
- 引っ越しの場合、ガスコンロのサイズが引っ越し先でコンロを置く場所のスペースに合うか、確認しておく
- ガスコンロのメーカーやガス会社に、ガスコンロの対応ガス種変換ができるか問い合わせる
- 問い合わせのときには、必要な費用や日数などについて確認しておく
- 改造してもらう(何日か、メーカーに預ける場合もある)
とします。
1.引っ越しの場合は、コンロのサイズを確認しておく
『引っ越し先ではガス種が変わるが、今のガスコンロを使いたい』というときには、まず、
引越し先で、そのガスコンロを置けるかどうか
を確認してくださいね。
せっかく改造してもらっても、サイズが合わなくて設置できなかったら、残念なことになってしまいます。
2.ガスコンロのガス種を変換してもらえるか、問い合わせる
持っているガスコンロを改造してもらおうと決まったら、
メーカーやガス会社に、ガスコンロの改造が可能かどうか、問い合わせてみましょう。
問い合わせる時には、
- 型番
- 都市ガス用からプロパンガス用にするのか、プロパンガス用から都市ガス用にするのか
を伝えてください。
事前に問い合わせが必要なのは、
型番や年式によっては、部品がなくて改造できない場合もあるからです。
3.費用や日数などについて確認する
変換してもらえるとなったら、
- どのくらいの費用がかかるのか
- どのくらいの日数がかかるのか
- 保証期間内の場合、改造した後も保証が続くのかどうか
を確認してください。
具体的な費用については後でお伝えしますが、
場合によっては、買い替えるより高くついてしまうこともあります。
なので、いくらくらいかかるかは必ず聞いておいてください。
また、改造するには、
その場でできる場合と、何日かメーカーに預ける場合があります。
預ける間は、ガスコンロが使えなくなってしまうので、その日数も確認してください。
そして、改造すると、保証がなくなる場合もあります。
保証期間内のコンロだったら特に、改造後も保証が効くかどうかも確認しておきましょう。
4.改造してもらう
改造に出す時には、ガスコンロを外す必要があります。
テーブル式のガスコンロを外す時には
- 周りに引火するものや火のついたものがないか、確認する
- ガスの元栓を確実に閉めてから外す
ということに気を付けてください。
なお、元栓がないガス栓の場合は、自動的にガスの異常流出を止める機能が付いています。
ですから、そのままガスホースを抜いて大丈夫です。
ビルトインコンロは、必ず業者に付け外しをしてもらう必要があります。
外す工程の中でガス工事があり、その工事をするには、資格が必要だからです。
ですから、ビルトインコンロは自分で付け外しをしないでくださいね。
ガスコンロの改造にかかる費用
ガスコンロを改造してもらうとなると、
- 部品の費用
- 技術料
- 出張費(必要な場合)
がかかります。
どのくらいかかるかというと、だいたいの目安として
- 部品代で2,000~5,000円
- 交換の費用が5,000円前後くらい
- 出張費は業者による
という感じで、
およそ10,000円前後かかります。
ただし、状況によっては、もっとかかることもあり、
時には、ガスコンロ本体より高くなってしまうこともあります。
もし改造費のほうが高くて、『ぜひこのコンロを使いたい』というこだわりも特にないなら、
買い替えたほうがおトクになったりします。
改造したガスコンロは安全?
ガスコンロで一番気になるのが、
『安全に使えるかどうか』
ですよね。
はい、メーカーやガス会社での改造は、安全にガスコンロが使えるようにすることも含めての『改造』です。
なので、安全に使うことができますよ。
ただし、繰り返しになりますが、
自分で改造したコンロは、安全性が確実ではありません。
改造は、必ずメーカーやガス会社に頼んでくださいね。
ガスコンロはガス種に合ったものを使うこと
自分で改造できないし、頼めば費用が掛かるからといっても
ガス種に合わないコンロを使うのは、絶対にやめてください。
プロパンガス用のコンロを都市ガスで、都市ガス用のコンロをプロパンガスで使うと
- 不完全燃焼や、それによる一酸化炭素の発生
- 過燃焼による火災
- ガス漏れの危険性が高まる
- ガス器具の故障
など、事故や火災につながる可能性があります。
なぜかというと、都市ガスやプロパンガスでは、熱量も成分も違うからです。
ガスは空気とまぜて燃やしていますが、その混ぜる割合も、都市ガスとプロパンガスでは違います。
つまり、安全に使うための仕様が違うのです。
ガスコンロは、必ず
プロパンガスにはプロパンガス用のものを
都市ガスには、都市ガス用のものを
使ってください。
都市ガスとプロパンガスのコンロの違いは、こちらの記事でも解説しています。
関連記事:ガスコンロの都市ガス用とプロパン用の違いを解説!両用できる?
ぜひ、あわせて読んでみてください。
再改造は可能?
部品があれば、基本的にはできます。
ただし、
一旦改造して使っている間に、再改造に必要な部品が手に入らなくなってしまうこともあります。
また、最初に改造した時と同様、費用が1万円くらいかかります。
なので、『再改造してでも使い続けることが、コスパに見合うかどうか』もよく考えてくださいね。
スポンサーリンク
まとめ
ガスコンロは、プロパンガス、都市ガス、それぞれのガス種に合うものを使う必要があります。
どちらに合ったガスコンロなのかを、どこで見分けるかというと、
- ガスコンロの側面に貼ってあるラベル
- ビルトインコンロの場合は、電池ボックスの周りや蓋
- 型番の末尾のアルファベットや数字
などを見ると、わかります。
ガスコンロがガスの種類に合わない場合は、
メーカーやガス会社に依頼して、合うように改造してもらう
という方法で、ガスの種類に合わせることが可能です。
費用は掛かりますが、メーカーやガス会社で改造してもらったコンロなら、安全に使えます。
絶対に個人で改造せず、必ずメーカーやガス会社に依頼してくださいね。
ガスコンロは、毎日使うものです。
それだけに、正しく安全に使いたいものですね。
コンロを買い替えたり、引っ越しなどでガスの種類が変わる場合には、ガスの種類とガスコンロが合っているか、よく確認してください。