引っ越しなどで、ガスの種類が変わることがありますよね。
これまでプロパンガスだったのが都市ガスになったり、都市ガスからプロパンガスになったり。
そういう時には
ガス器具を取り換えなければいけません。

そう思いますよね。
でも、
都市ガスとプロパンガスで、同じガス器具を共用しても大丈夫なのでしょうか?
ということで、この記事では、
- 都市ガスとプロパンガスでガスコンロを共用できるのか
- ガスに合うコンロを選ぶためにどこをチェックすれば良いか
- 間違って買ってしまった場合の対処法
について解説していきます。
ぜひ読んでくださいね!
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都市ガスとプロパンガスでガスコンロを共用できる?
都市ガスとプロパンガスでは、合うガスコンロが違う
結論から言うと、
都市ガスとプロパンガスで同じガスコンロを使うことはできません。
必ず
都市ガス
⇒都市ガス用の、ガスの種類に合ったガスコンロ
プロパンガス
⇒プロパンガス用のガスコンロ
を使ってください。
コンロ以外のガス器具も、必ずガスの種類に合ったものを使いましょう。
合わないガス器具を使うとどうなる?
ガスの種類に合わないガス器具を無理に使うと、
- 不完全燃焼を起こす
- 異常点火や爆発的な着火で、やけどしたり、火災に繋がったりする
- ガス漏れの危険性が高まる
- ガス漏れがあってもガス警報器が反応しない
- 過燃焼によって炎が大きくなりすぎ、火災ややけどに繋がりかねない
- 一酸化炭素中毒を引き起こす
といったリスクがあり、とても危険です。
さらに、
- ガス機器が故障する
- 燃焼不良によって無駄にガスを使ってしまい、ガス料金が高くなる
という可能性もあります。

そうですよ。
器具が壊れたり、余計にお金がかかったりするだけでなく、
場合によっては、命に関わる事態にもなりかねませんからね。
なぜ都市ガスとプロパンガスではコンロが違うのか?

都市ガスとプロパンガスでは、ガスの成分や熱量が違うからです。
成分や熱量が違うということは、
『ガスと空気をどういう割合で混ぜると、ちょうど良い火力で安全に使えるか』も違います。
だから、都市ガスとプロパンガスでは、ガス器具が違うのです。
では、都市ガスとプロパンガスの成分や熱量の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
都市ガスとプロパンガスの成分の違い
都市ガスとプロパンガスの成分には
都市ガス
⇒メタンが主成分
プロパンガス
⇒プロパンやブタンが主成分
という違いがあります。
成分が違えば、当然熱量も違いますよね。
都市ガスとプロパンガスの熱量の違い
都市ガスとプロパンガスの、1立方メートル当たりの熱量は
都市ガス
⇒約11,000Kcal
プロパンガス
⇒約24,000Kcal
と、2倍以上の違いがあります。
この差は大きいですね。
プロパンガス用と都市ガス用のコンロの違い
成分が違っていて、熱量が2倍以上も違うとなれば、安全に使うための構造も違ってきます。
たとえばコンロでは
- プロパンガス用コンロのノズルは、都市ガスのものより細い
- 都市ガス用のコンロとプロパンガス用のコンロでは、バーナーの空気取り入れ口のサイズが違う
といった、違いがあります。
だから、都市ガスとプロパンガスでコンロを共用することができないのです。
もちろん他のガス器具も、共用できません。
都市ガスとプロパンガスの原料と熱量の違いについては、こちらの記事に詳しく書いてあります。
併せて読んでくださいね。
関連記事:プロパンガスと都市ガスとLPガスと天然ガスの違いをチェック!
都市ガスには7種類ある

ガスの種類によって合うコンロは違う
ガスの種類は、大きく分けると『都市ガス』と『プロパンガス』の2種類です。
でも、都市ガスには、さらにいくつかの種類があります。
- 12A
- 13A
- 6A
- L1
- L2
- L3
- 5C
の7種類です。

その通りです!
ですから、
- 都市ガスの物件から都市ガスの物件に引っ越した
- 都市ガスの会社を乗り換えた
というときも、必ずガスの種類を確認し、合うガス器具を使ってくださいね。
都市ガスは7種類ありますが、現在主流になっているのは、12Aと13Aの2つです。
残りの6A、L1、L2、L3、5Cは、13Aへの転換が進んで、ほとんど使われなくなっています。
でも、完全になくなったわけではありません。
だから、『都市ガスから都市ガスへ』の変更でも、確認が必要なのです。
メモ
プロパンガスの場合は、ガス会社が変わっても器具は共通して使えます。
ガスコンロを改造して使うことはできる?
ガスの種類が変わって、これまでのガスコンロが使えなくなる時には、
- ガス器具を買い替える
- 今持っているガス器具を、これから使うガスに合うように、メーカーに改造してもらう
という2つの方法があります。

そうなんです。
ただし、
ガスコンロの改造は、必ず業者やメーカーに依頼し、絶対に自分ではやらないでください。
素人が改造するのは、とても危険です!
それに、メーカーで改造してもらえば、保証が付くので安心ですよ!
ガスコンロの改造にかかる費用はどのくらい?
ガスコンロの改造にかかる費用は、器具や機種によっても異なりますが、
だいたい1万円くらいが目安です。
ただし、費用は器具の状態などにもよります。
場合によっては、改造するより買い替えたほうが安く済むこともあります。
また、コンロは、使っているうちに部品も劣化してきます。
古いコンロなら、改造して使うよりも新しく買ったほうがメリットが大きいですよ。
コンロの改造を考える時は、まずはガス会社やメーカーに問い合わせて、費用や改造のメリットデメリットについて、相談してみてくださいね。
改造を依頼するときのチェックポイント
ガス会社やメーカーにコンロの改造の問い合わせをする時には、前もって
- 今持っているガス器具の機種と型番
- これから使うガスの種類(都市ガスかプロパンか、都市ガスならどのガスの種類か)
を調べておいて、伝えてください。
そうすると、改造できるかどうかなども答えてもらいやすくなります。
そして問い合わせる時には、
- 改造にかかる費用
- 改造するのに、何日くらい器具を預ける必要があるか
- 改造場合、保証がどうなるか
- 古いコンロの場合、改造して使うメリットがありそうかどうか
- 出張訪問費などはかかるかどうか
といったことも確認しておくと良いですよ。
関連記事:都市ガスとプロパンガスのコンロの見分け方!変更や変換方法も解説!
ガスに合う器具を選ぶ時のチェックポイント

ガスに合うコンロは、どこを見ればわかる?
ガス器具を選ぶときに一番大事なポイントは、
- 家で使っている(引っ越し先などでこれから使う)ガスの種類
- ガス器具が対応しているガスの種類
この二つをきちんと把握することです。
どこをチェックすれば良いかを見ていきましょう。
利用している(これから利用する)ガスの種類を見分ける方法
まず、今利用している(これから利用する)ガスの種類を見分ける方法です。
何通りか見分け方があるので、表で見てみましょう。
プロパンガス | 都市ガス | ||
ガスボンベの有無 | 家の敷地内にガスボンベがあったら、プロパンガス | ※敷地内にガスボンベを置かずにプロパンガスを供給する場合もあるので、『家のそばにガスボンベがなければ都市ガス』とは言い切れない | |
ガスメーター | 液晶画面 | ある | ない |
シールなどの記載 |
などと書いてある |
などと書いてある | |
ガス警報器 | 床に近い場所にある | 天井に近い場所にある |
よくわからない、判断に自信がないというときは、ガス会社に問い合わせてくださいね。
引っ越し先のガスの種類については、不動産会社でも教えてもらえます。
ガス器具の対応ガス種を確認する方法
次に、『ガス器具が、どの種類のガスに対応しているか』を確認する方法を紹介します。
ガス器具にラベルが付いている場合
多くの場合、ガス器具にはこのようなラベルがついています。

ガス機器ラベル例
このように、ラベルには必ず適合するガスの種類が書いてあります。
都市ガス用の場合
⇒『都市ガス用 12A』『都市ガス 13A』
プロパンガス用
⇒『プロパンガス用』『プロパンガス』『LPガス』
などと書いてあります。
これも、自信がない場合は、お店の人に聞いて確認すると良いですよ。
特に、都市ガスで12A、13A以外のガスに合うものを探している場合は、しっかり確認してくださいね。
ラベルが付いていない・確認できない場合
- ガス器具にラベルが付いていない
- ラベルが汚れているなどで確認できない
という場合は、
型番の最後に書いてある英数字を確認してください。
『12A13A』『12A』などと書いてある
⇒都市ガス用
『LP』と書いてある
⇒プロパンガス用
というように、型番の中の英数字でも、都市ガス用かプロパンガス用かを見分けることができます。
これも、判断に迷うときはショップに問い合わせてくださいね。
そして、コンロが届いたら、すぐに『使うガスの種類に合ったものかどうか』を確認してください。
メモ
コンロは、やはりお店で新品を買うほうが、確実に安全です。
でも、もしネットオークションやフリマサイトなどで買うなら、
ラベルや型番がきちんと確認できる商品を選んでください。
ガスの種類を間違って買っちゃった!どうしたらいい?

『実店舗で買って、まだ箱を開けていない』という場合は、お店に相談してみてください。
返金や交換に応じてもらえる可能性があります。
(ただし、返金や交換に応じてもらえるかどうかは、お店の判断次第です。)
それから、
- 実店舗で買って、もう箱を開けてしまった
- ネットショップなどの通販で買った
という場合は、残念ながら、返品や交換に応じてもらえる可能性は低いです。
なので、
- コンロは買い直し、間違って買ったコンロはフリマサイトやリサイクルショップなどで安く売る
- メーカーに依頼して、ガスに合うように部品を交換してもらう
といった方法しかありません。
繰り返しになりますが、ガスの種類を間違えて買わないように、
使っているガスとガス器具の対応しているガスの種類は、しっかり確認してくださいね。
特にネットショップは、『ガス種の間違いによる返品はできません』としているショップが多いので、注意が必要です。
関連記事:都市ガスとプロパンガスのコンロの見分け方!変更や変換方法も解説!
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まとめ
都市ガスもプロパンガスも、安全に使うことが一番大切ですよね。
そのためには、必ず
プロパンガスにはプロパンガス用の、都市ガスには都市ガス用のガス器具を使ってください。
引っ越しやガスの変更などでガスの種類が変わったら、
- 使うガスの種類
- ガス器具が対応しているガスの種類
を忘れずに確認して、合うガス器具を使ってください。
ガスの種類と器具が対応するガスの種類が合わないと、
- ガス漏れが起きる
- 異常着火などでやけどや火災に至る
- 一酸化炭素中毒になる
- ガス器具が故障する
といったリスクがあり、とても危険です。
ガスの種類は
家で使っているガスの種類
⇒ガスメーターの液晶画面の有無や、貼ってあるラベル
ガス器具が対応しているガスの種類
⇒ガス器具の商品説明やラベル、型番
などで確認できます。
しっかり確認してガスに合う器具を選び、安全に快適にガスを使ってくださいね!