お風呂の椅子って、いつの間にか汚れてしまっていたりしますよね。
『見るたびに黒い汚れや水垢汚れなどが気になるけど、つい放置しちゃってる』
なんて人もいるでしょう。
はい、汚れの性質に合わせた掃除をすれば、きれいにできます。
ということで今回は
- クエン酸や重曹などを使ったお風呂の椅子の掃除方法
- クエン酸や重曹以外に椅子掃除に使えるアイテム
- お風呂の椅子の汚れを防ぐ方法
について解説していきます。
ぜひ読んで、お風呂の椅子もピカピカにしてくださいね!
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お風呂の椅子のいろいろな汚れを落とす方法は?
お風呂の椅子に付く汚れの種類
最初に、風呂場の椅子にはどんな種類の汚れが付くのか、ざっとチェックしておきましょう。
椅子に付く汚れは
白い汚れや灰色っぽい汚れ
⇒水垢、石けんカス、皮脂
黒い汚れ
⇒カビ
ピンクの汚れ
⇒『ロドトルラ』という酵母菌
白や灰色の汚れは、
水垢・石けんカス
⇒アルカリ性
皮脂
⇒酸性
と、それぞれ逆の性質をもっています。
逆の性質を持った汚れが混ざり合ってこびり付いてしまうのが、やっかいなところです。
黒カビはこすれるだけでも、見た目上は落とせます。
でも、カビが椅子の素材の中に根を張っているとすぐ復活してしまいます。
ピンク汚れの『ロドトルラ』によるピンクの汚れも、きれいにすること自体は簡単ですが、実際には落としきれていないことが多いです。
そのため、すぐに復活してしまうのです。
では、それぞれの汚れをきれいに落とす掃除の方法を、次に見ていきましょう。
なお、今回は一般的なプラスチック製の椅子の掃除方法について書いています。
他の素材の椅子の場合は、素材によってはクエン酸や重曹などで傷むこともあるので、掃除方法はメーカーに問い合わせてください。
水垢や石けんカスにはクエン酸を使う
水垢や石けんカスは『アルカリ性』なので、酸性の洗剤を使うのが効果的です。
酸性の洗剤の中でも使いやすいのが、『クエン酸』です。
クエン酸を使った掃除の方法には
- クエン酸水をスプレーしてこする
- 浴槽にクエン酸を入れ、浸けおきする
- キッチンペーパにクエン酸水を染み込ませてパックする
という方法があります。
クエン酸水を使う場合は、掃除を始める前に、
水またはぬるま湯200mlにクエン酸小さじ1杯
を入れてよく混ぜ、クエン酸水を作っておきましょう。
クエン酸スプレーでの掃除の仕方
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クエン酸水スプレーでの掃除は、汚れが軽い時に効果的です。
- 汚れ部分にスプレーする
- スポンジでこすって汚れを落とす
- 水でよく洗い流す
という手順で掃除をします。
クエン酸で浸けおきする方法
クエン酸水で浸けおきするときのやり方は、
- お風呂を使い終わったら、残り湯にクエン酸1カップを入れ、よく混ぜる
- お風呂の椅子や小物などを入れて、そのまま一晩浸けおきする
- スポンジでこすって汚れを落とす
- 水でよく洗い流す
この方法のメリットは、
- 手桶や洗面器なども、いっぺんにきれいにできる
- 浴槽もこすれば、浴槽の水垢も落とせる
ということです。
ただし、浴槽にクエン酸を入れた後は、追い炊きしないようにしてください。
酸で給湯器の部品が傷んでしまう可能性があるからです。
クエン酸パックで掃除する方法
汚れがひどい場合は、
- 汚れ部分にキッチンペーパーを付け、クエン酸水をスプレーする
- そのまま30分くらい放置する
- スポンジでこすって汚れを落とす
- 水でよく洗い流す
という方法で掃除をしましょう。
コツは、クエン酸を染み込ませたキッチンペーパーが汚れにしっかり密着するように貼ることです。
酸性の洗剤を使うときの注意点
酸性の洗剤を使うときに気をつけなければならないのは、
- 塩素系洗剤と酸性の洗剤(クエン酸水含む)を混ぜない・同じ日に使わない
- 酸性の洗剤を使った後は、しっかり水で洗い流す
- 酸に弱い素材の椅子にはクエン酸水や酸性の洗剤を使わない
ということです。
塩素系洗剤と酸性の洗剤を混ぜると、有毒なガスが発生してしまいます。
絶対に混ぜないでください。
塩素系洗剤と酸性の洗剤は必ず別々の日に使い、使った後は水でよく洗い流してくださいね。
また、酸性の洗剤を使った後も、水でよく洗い流しておきましょう。
素材によっては、酸が残ると傷んでしまうこともあります。
そして、素材によっては酸性の洗剤そのものに弱いこともあります。
たとえば、鉄は酸でさびやすくなりますし、大理石は酸で溶けてしまいます。
プラスチックであっても
- ポリアミド樹脂
- アセタール樹脂
- ポリウレタン
は、多少酸に弱いです。
素材が酸に強いか弱いかわからないときは、目立たない場所に少し付けてみて、様子を見てから使ってください。
メモ
クエン酸水で落ちない汚れにサンポールを勧める人もいますが、これはあまりおすすめしません。
サンポールは酸が強いからです。
サンポールを使うくらいなら、水垢用洗剤を使ったほうが良いですよ。
皮脂汚れは重曹で落とす
皮脂汚れは酸性なので、重曹やセスキ炭酸ソーダなどの『アルカリ性の洗剤』を使うのがおすすめです。
重曹やセスキ炭酸ソーダの使い方には
- 重曹をペーストにして付け、こする
- 重曹水やセスキ炭酸ソーダ水をキッチンペーパーに染み込ませてパックする
という方法があります。
重曹ペーストでこする
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重曹ペーストは、重曹にぬるま湯を加えながら練り混ぜるだけで作れます。
流れ落ちない程度の固さにすると良いですよ。
この重曹ペーストを使って
- 汚れの部分に重曹ペーストを付ける
- 汚れがひどい場合は、上からラップで覆って30分くらいおく
- スポンジでこする
- 水でよく洗い流す
という方法で掃除をします。
重曹には研磨力もあるので、アルカリ性と研磨力のコンボで汚れを落とすことができます。
また、重曹ペーストに中性洗剤を混ぜると、汚れ落としの効果が高まります。
重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を使う方法
重曹水やセスキ炭酸ソーダ水の作り方は
重曹水
⇒ぬるま湯100mlに対して小さじ1杯
セスキ炭酸ソーダ水
⇒水かぬるま湯250mlに対して小さじ1杯
を入れて混ぜるだけです。
この重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を使って
- キッチンペーパーに染み込ませ、汚れた部分に貼る
- そのまま30分ほど放置する
- スポンジなどで汚れをこすり落とす
- 水でよく洗い流す
という方法で掃除をします。
セスキ炭酸ソーダは重曹よりアルカリ性が強いです。
ですから、
軽い皮脂汚れ
⇒重曹を使う
重曹では落とせそうにない汚れ
⇒セスキ炭酸ソーダを使う
と使い分けると良いですよ。
アルカリ性洗剤を使うときの注意点
重曹やセスキ炭酸ソーダなど、アルカリ性の洗剤を使うときには、
アルミや銅、大理石など、アルカリ性に弱い素材や部品に付かないように注意してください。
変色したりして傷んでしまうことがあるからです。
また、重曹やセスキ炭酸ソーダのアルカリ性で肌荒れする可能性があるので、
掃除をする時は必ず手袋をしましょう。
ピンクの汚れには掃除後にアルコールを使う
酵母菌『ロドトルラ』によるピンクの汚れは、
- お風呂用洗剤を付ける
- スポンジでこする
- 水で洗い流す
- 水気を拭き取る
- アルコールやエタノールで殺菌する
という掃除の仕方で対処します。
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この手順の中で大事なのが
最後にアルコールやエタノールで殺菌する
という部分です。
この工程でロドトルラの復活を防ぐことができます。
先にも書いたように、ロドトルラは
- 一見きれいに落とせたように見えても、落としきれていないことがよくある
- 落としきれていないと、またロドトルラが発生してしまう
という特徴があります。
それを防げるのが、アルコールやエタノールでの殺菌なのです。
メモ
ロドトルラは人体には害が有りません。
でもロドトルラを放置していると、今度は黒カビが発生しやすくなってしまいます。
掃除のときにしっかり落としておいてください。
黒カビを落とす方法
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黒カビ汚れは、塩素系のカビ取り用洗剤を使って掃除するのが一番確実です。
- 椅子に付いている水分を拭き取る
- カビ取り用洗剤を吹き付ける
- カビがひどい場合は、しばらく放置する
- 水でよく洗い流す
という手順で掃除しましょう。
メモ
塩素系カビ取り用洗剤を付けて放置して良い時間の上限は、洗剤の使い方や注意事項を確認して従ってください。
塩素系洗剤を使うときは
- 換気をしながら、マスクと手袋を着用して掃除をする
- 放置して良い時間の上限を守る
- 水でしっかり洗い流す
- 塩素系洗剤と酸性の物質が混ざらないようにする(塩素系と酸性の洗剤は別々の日に使う)
ということに十分注意して使ってくださいね。
クエン酸+重曹は有効?
ところが、そう簡単には行かないんです。
まず、アルカリ性と酸性の洗剤を混ぜると、互いに中和されてしまいます。
そのため、
- 重曹のアルカリ性で酸性の汚れを落とす
- クエン酸水の酸性でアルカリ性の汚れを落とす
という効果は弱くなってしまいます。
クエン酸水と重曹で汚れを落とせるのは、主に『泡がブクブクする衝撃で汚れを剥がす』という効果によるものです。
クエン酸と重曹での発泡パワー自体は、そんなに強いものではありません。
私も実際にクエン酸水+重曹でお風呂の床の汚れを落としたことがありますが、
- 強力な洗剤のようにスルスル汚れが落ちるわけではない
- それなりに根気よくこすった結果、汚れが落ちた
- 合成洗剤のほうが汚れ落ちが良い
という結果でした。
椅子の掃除でも理屈は同じなので、クエン酸水+重曹での発泡掃除の効果は期待しすぎないほうが良いでしょう。
関連記事:お風呂(浴室)の床を重曹とクエン酸でピカピカに掃除した【やり方】
クエン酸や重曹などの他に使えるアイテムは?
クエン酸や重曹などの他にも
- オレンジ系洗剤
- スクラビングバブル『石けんカスに強いバスクリーナー』などの浴室用洗剤
- メラミンスポンジ
- 要らないポイントカードなどの、プラスチックのカード(汚れを削り落とす)
といったアイテムで、椅子の汚れを落とすことができます。
クエン酸や重曹などを使って落とせない汚れは、洗剤を使ったほうが早いです。
そういうイメージを持つ人もけっこういますが、
市販されている洗剤は、正しい使い方で使えば十分安全です。
そもそも、普通に使ったら危ないような製品は市販されませんからね。
それに、クエン酸などで何度も掃除を繰り返すより効率的です。
ただし、
ポイントカードで削る
⇒傷を付けないように注意する
メラミンスポンジでこする
⇒水をたっぷり含ませてなでるようにこする(水が足りなかったり力を入れすぎたりすると、傷付けてしまう)
ということに注意して使ってください。
関連記事:オレンジオイル洗剤(ADL)の使い方を解説!油汚れを強力除去【業務用】
関連記事:激落ちくんに毒性は本当?メラミンスポンジの正しい使い方と原理を解説
お風呂の椅子が汚れるのを防ぐ方法
掃除の手間を省くためにも、お風呂の椅子に汚れが付かないようにしておきたいものですね。
そのためには
お風呂を使い終わったら、50℃くらいのお湯をかける
⇒カビをやっつけられるし、椅子に付いた石けんやシャンプーを洗い流せる
雑巾などで水気を拭き取っておく
⇒濡れたままだとカビが生えやすくなる
風通しが良くなるようにして置いておく(椅子を斜めに置く、フックなどにつるしておくなど)
⇒風通しが良いほうがカビが生えにくい
換気扇を回したり窓を開けたりして、浴室の換気をする
⇒浴室の風通しを良くして湿気を追い出し、カビを防ぐ
という方法がおすすめです。
要するに、
- 使う都度、カビや汚れを洗い流す
- できるだけ乾燥させ、カビが発生しにくくする
ということです。
特に、箱型の椅子は中にカビが生えてやすいです。
汚れ防止とカビ防止を日常の習慣にしてくださいね。
お湯をかけるときは、やけどに十分注意してください。
お湯をかけるのが面倒なときは、水気を拭き取って乾燥させるだけでも違いますよ。
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まとめ
お風呂の椅子に付く汚れは、主に
- 水垢、石けんカス、皮脂が混ざった白や灰色っぽい汚れ
- 『ロドトルラ』という酵母菌によるピンクの汚れ
- カビによる黒い汚れ
この汚れを落とす方法は、
水垢や石けんカス
⇒クエン酸水を付けてこする
皮脂汚れ
⇒重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を付けてこする
ロドトルラのピンク汚れ
⇒中性洗剤とスポンジでこすり落とし、アルコールやエタノールで殺菌する
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カビ
⇒カビ取り用の塩素系洗剤を使う
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