夕食後の食器洗いと、家族のお風呂。仕事から帰って家事を片づけたい時間に、どうしてこう重なるんでしょうね。
頭に泡がついたまま「台所、ちょっと待って!」。給湯器を交換するなら、あのやり取りも何とかしたいところです。
- 16号・20号・24号のどれなら、冬にシャワーと台所を一緒に使える?
- 家族が減ったので号数を下げたいけれど、お湯が弱くならない?
- 24号は本体もガス代も高くなるの?
給湯器の号数は、冬の水温と「同時に使いたいお湯の量・温度」で選びます。人数だけでは、食器洗いと入浴が重なる家の事情まで分かりません。
また、毎月のガス代は、使ったガスの量と契約の単価などで変わるんです。本体の購入額と、使ったガスの料金は分けて考えたいですね。
人数より、お湯の使い方16号・20号・24号の違いは「温めて出せる量」

生活堂の16号・24号比較動画です。同時使用の場面は0:22から。
号数は、水の温度を25℃上げたお湯を、1分間に何L出せるかを表す数字です。16号なら毎分16L、20号なら毎分20L、24号なら毎分24Lを温める能力があります。
蛇口から出せる湯量は、給水温と使うお湯の温度で変わります。水温が低い冬は、同じ40℃のお湯にするにも、夏よりたくさん温める必要があるからです。
20号と24号は、同じ水温・同じお湯の温度なら、温められる湯量に20%の差があります。蛇口で出せる量は、20%の能力差に加えて給水圧や配管の条件にも左右されます。
下表は、お湯を40℃にする場合の計算上の湯量です。給水温は、給湯器に入る水の温度のこと。5℃・10℃は仮定の水温で、蛇口で出せる量は配管などの条件によって変わります。
| 号数 | 給水温5℃→40℃ | 給水温10℃→40℃ |
|---|---|---|
| 16号 | 約11.4L/分 | 約13.3L/分 |
| 20号 | 約14.3L/分 | 約16.7L/分 |
| 24号 | 約17.1L/分 | 約20.0L/分 |
計算式は「号数×25÷(お湯の温度−給水温)」です。冬に湯量が減るのは、同じ号数でも冷たい水を温める分だけ負担が増えるため。寒い日のシャワーは、ここが響きますね。
シャワーの好みは家ごとに違う自宅で「使いたい流量」を測る
シャワーをたっぷり出す人と、控えめでも平気な人。同じ家にいても、欲しい湯量は違うものです。人数の早見表だけで選ぶ前に、普段の使い方を測ってみませんか?
流量は、1分間に出るお湯の量のこと。用意するのは、目盛りのあるバケツや容器と、秒数を測れる時計です。次の方法で、普段使う量をL/分に直せます。
- ほかの蛇口を止め、シャワーヘッドを付けたまま、普段快適に使える温度と出方に合わせる。
- 温度が安定したら、30秒間のお湯を容器に受けて量を測る。あふれたり飛び散ったりした分は測定に含められないので、十分な大きさの容器を使う。
- 「受けた量(L)×60÷秒数」で流量を出す。台所も、実際に使いたい温度・出方に合わせて別に測る。
仮にシャワーが30秒で4.5Lなら、4.5×60÷30=9L/分。台所が30秒で2Lなら、4L/分です。いずれも仮定の流量で、快適に感じる量は家庭ごとに違います。
測る温度は、蛇口から出たお湯の温度です。水を混ぜて使うなら、混ぜたあとの温度と流量を組み合わせます。温度計で測るのは、お湯の温度が安定してからです。
号数を選ぶ基準は、単独で快適に使える流量です。湯量不足で弱くなった数字で小さい号数を選ぶと、交換しても不満が残るおそれがあります。
まずはシャワーだけ、台所だけで快適に使える量を測り、そのあと同時に出したときの変化を確かめると、不足する場面が分かりますね。単独でも弱い場合や、給湯器が故障している場合は、欲しい出方を施工業者に伝えて、配管や給水圧も調べてもらいましょう。
冬の水温も忘れずに
寒い時期に測れるなら、冷水だけをしばらく流して温度が落ち着いてから、給水温を確かめます。お湯が混じった状態や、配管内に残った水の温度では計算が変わってしまうんです。
交換するのが秋なら、冬の水温はその日に測れませんよね。その場合は「給水温5℃で仮計算」などと条件を決め、地域の冬に合う水温かを施工業者に確認してください。冬の給水温は地域によって異なり、5℃は仮定の水温です。
同時に使う場所を足す冬のシャワー+台所に必要な号数を計算する
必要な号数の目安は、流量(L/分)×(使うお湯の温度−給水温)÷25です。シャワーと台所を同時に使うなら、それぞれの計算結果を足します。
温度も流量も、さっき測った組み合わせで計算します。リモコンが50℃でも、蛇口で水を混ぜて40℃・9L/分で使うなら、計算に入るのは40℃と9L/分です。
仮の家庭例:シャワー9L/分+台所4L/分
給水温5℃、シャワーは40℃で9L/分、台所は35℃で4L/分と仮定します。
- シャワー:9×(40−5)÷25=12.6号相当
- 台所:4×(35−5)÷25=4.8号相当
- 同時使用:12.6+4.8=17.4号相当
この条件では、16号は計算上不足し、20号が候補になります。24号なら、さらに湯量を増やせる余地がありますが、給水圧や設置条件の確認は別に必要です。
一方、同じ条件でシャワーだけを使うなら12.6号相当なので、16号も候補に入ります。家族が何人いるかより、洗い物と入浴を同じ時間にするかどうかで結果が変わるんですね。
たっぷり出す家は、24号でも条件を確認
シャワー12L/分と台所5L/分を、どちらも40℃で同時に使う例も考えてみます。給水温5℃という仮定なら、合計17×(40−5)÷25=23.8号相当。20号では不足し、24号でも能力いっぱいに近い計算です。
さらに給水温を3℃と仮定すると、17×(40−3)÷25=約25.2号相当になり、24号を超えます。こういう家では「24号だから大丈夫!」で終わらせず、冬の水温、希望する流量、同時に使う時間を施工業者と相談したいところ。
蛇口で出る湯量は、配管で冷める分や給水圧にも左右されます。ぎりぎりの数値なら、流量を少し抑える使い方も選択肢になります。毎晩「洗い物が終わるまで入浴禁止」では、家事も入浴も終わりませんからね。
大きくする前に、弱い理由を確認号数だけでは直らない水圧・設置の問題
24号に替えれば、どのお宅もシャワーが勢いよく出るのでしょうか? 残念ながら、給湯器の能力だけで湯量は決まりません。
給水圧が低い、配管が細い・長い、シャワーヘッドなどで流れが制限されている。こうした条件では、大きい号数に替えても希望する量が出ない場合があります。
冷水でも弱いのか、冬のお湯だけ弱いのか、同時使用のときだけ落ちるのかを伝えると、業者が原因を調べる手がかりになりますね。今までは快適だったのに急に弱くなった場合は、号数選びより先に点検を。交換時期については給湯器の寿命と交換の目安も参考になります。
20号から24号への変更でも、ガスメーターや配管、設置場所の条件によっては追加工事や機種の制限があります。号数を下げる場合も、接続条件の確認が必要です。
見積もりでは、号数と一緒に次の点を確認してください。
- ガスの種類:プロパン用か都市ガス用か。号数が同じでも、使うガスに合った製品を選ぶ。
- 必要な機能:給湯だけ、追いだき付き、床暖房などの暖房付きのどれか。
- 設置・排気の条件:壁掛け・据え置き、集合住宅の専用スペースなど、今の設置場所に対応するか。
- 工事の範囲:ガス・水・お湯の配管、メーター、リモコンなどに変更が必要か。
本体の型番やガス種の表示は、見える範囲で写真に残すと、見積もり時に機種を確認してもらえます。賃貸は貸主・管理会社へ、分譲マンションは管理規約や設備の制限も確認しましょう。
買う金額と、毎月払う金額本体価格差はある。ガス代は号数だけでは決まらない

20号と24号の本体価格差は、同じ機能で比べる
号数が大きいと、本体価格も上がる傾向があります。ただし、給湯専用と追いだき付きの価格を比べたら、号数以外の違いも混ざりますよね。
下表はリンナイRUF-Eシリーズのオートタイプで比べた例です。2026年10月6日に確認した、2026年9月改定後のメーカー希望小売価格(税込)で、本体のみ。リモコン・設置工事費は別途かかります。実際の販売価格や工事込み総額とは異なります。
| 号数 | 型番 | 本体のメーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|
| 16号 | RUF-E161ESAW | 407,000円 |
| 20号 | RUF-E200FSAW | 442,200円 |
| 24号 | RUF-E240ESAW | 471,900円 |
この例の20号と24号の差は29,700円です。購入時の差額は販売価格や工事内容で変わるため、比べるのは同じ機能・設置条件にそろえた工事込みの見積もりです。
小さい号数にしただけでは、従量料金は下がらない
同じ量・温度のお湯を同じ効率で作るなら、号数を変えても同じ量のガスを使います。給湯器の号数は、検針票のガス使用量とは別の数字なんです。
検針票のm³はガスの使用量です。プロパンガスの従量分を、一律単価の仮の料金で計算するとこうなります。
月のガス使用量20m³×従量単価700円/m³(税込)=従量分14,000円(税込)
20m³と700円は仮定の使用量と単価です。基本料金や別に請求される設備料金は、この14,000円に別途かかります。使用量に応じて単価が変わる契約や原料費調整がある契約は、実際の料金表に合わせて計算します。
毎月の料金に関わるのは、使ったガスの量と契約の単価など。使うお湯の量・温度、給湯器の効率が変われば、ガス使用量も変わります。大きい号数に替えて気持ちよく出るからとシャワーを長く使えば、その分は増えるんですよね。
買い替えでは、排気の熱を再利用するエコジョーズなどの効率も比較したいところです。設定温度と節約の関係は、給湯器の設定温度を低くするとガス代は節約できるかで詳しく扱っています。
見積もり前に家の条件をメモ20号・24号を、希望する湯量と工事込み総額で選ぶ
業者には「家族○人なのでおすすめを」だけでなく、入浴中に何を同時に使いたいかまで伝えてください。冬に困る時間帯は、家で使っている人がいちばんよく知っていますからね。
測れた数字と、まだ仮定の数字は分けて、次の内容をメモしておくと見積もりの相談が具体的になります。
- 今の給湯器の型番・号数・ガス種、必要な追いだきや暖房の機能
- シャワーと台所それぞれの希望温度・流量、測った日
- 同時に使う場所と時間帯、冬に困った出方
- 計算に使った給水温と、それが実測か冬を想定した仮定か
- これから増えそうな使い方と、逆に同時使用をやめられるか
そのうえで、「この水温で、この湯量を同時に出せるか」「配管やメーターの工事は必要か」を質問します。20号と24号で迷うなら、リモコン・工事・撤去費などもそろえた総額をそれぞれ出してもらいましょう。
号数を小さくしてガス代を抑えたい、という理由だけなら、料金表も見直したいところ。ガス会社を自分で変更できる契約なら、機器の見積もりと合わせてプロパンガスの料金を比較する方法も確認できます。比較するのは、基本料金と従量単価、設備にかかる費用を含めた支払額です。
よくある質問
4人家族なら、24号にしないと足りませんか?
人数だけでは決まりません。同時に使う場所が少なければ20号も候補になりますが、たっぷり出すシャワーと台所などが重なる家では、24号を検討する場面もあります。来客や家族の生活時間も含めて、いちばん湯量が必要な使い方で比べたいですね。
家族が減ったら、24号から16号に下げても平気?
残った家族の使い方によります。二人でも入浴と食器洗いが重なれば、同時に使う湯量は大きいまま。号数を下げる判断には、単独使用が中心になったのか、冬でも希望する温度・流量を出せるのかの確認が必要です。
湯はりや追いだきも、蛇口の流量に足せばよいですか?
号数は給湯の能力を表し、追いだきなどの能力は別に設定されています。湯はり中に蛇口を使うと湯はりが一時停止するなど、同時運転の動作は機種ごとに違うんです。浴槽も使う時間帯が重なるなら、その機種でどの運転が優先されるかを見積もり時に確認しましょう。
今の20号で不便がなければ、次も20号でよいですか?
冬の同時使用でも困っていなければ、同じ号数が有力な候補です。ただし、シャワーヘッドを替えて多めに出したい、使う場所が増える、といった予定はありませんか? これからの使い方も業者に伝えたうえで、機能や設置条件に合う製品を選びます。
冬のシャワーがぬるいのは号数不足ですか?
「勢いが弱い」と「温度が低い」は、切り分ける症状が違います。冬は給水温が下がり、同じ温度で出せる湯量が減るんです。ぬるさには、給湯器の設定や混合水栓の状態も関わります。
仮に給水温5℃、シャワーのお湯40℃なら、20号の計算上の湯量は20×25÷(40−5)≒14.3L/分です。シャワーだけを9L/分で使う例では、必要な能力は9×(40−5)÷25=12.6号相当で、20号の能力内に収まります。
浴室のシャワーだけがぬるく、台所や洗面所は普段どおりなら、浴室の水栓側の不具合が考えられます。ほかの蛇口でもぬるい場合は、給湯器の設定や不具合も確認する対象です。
サーモスタット混合水栓は、湯と水を混ぜて温度を調節するタイプです。温度調節ハンドルと給湯器の設定を合わせる条件は、水栓の取扱説明書で機種ごとに決まります。給湯器の設定温度を上げたときは、ほかの蛇口でのやけどに注意してください。
解決しない場合や、急にぬるくなった場合、リモコンにエラーが出ている場合は、契約しているLPガス会社か給湯器メーカーへ相談してください。浴室だけの症状なら、水栓メーカーも相談先になります。
まとめ
給湯器の号数は、水温を25℃上げたお湯を毎分何L作れるかを表します。選ぶ基準は家族の人数だけでなく、冬の給水温と、同時に使うお湯の温度・流量です。
自宅で快適に使える流量を測り、場所ごとに「流量×温度差÷25」を計算して足すと、必要な号数の目安が出せます。ぎりぎりの能力にならないか、配管や給水圧に制限がないかも見積もりで確認したいですね。
本体価格には号数による差がありますが、毎月のガス代は号数だけで決まりません。冬の湯量を満たす機種を選ぶことと、ガス使用量・料金単価を見直すことは、それぞれ確認する内容が違うんです。