家庭で使うガス器具の中でも、最もガスを使っているのが『給湯器』です。
となれば、
『どういう給湯器の使い方をすると、ガス代を節約できるか』
は、知っておきたいですよね。
給湯器のガス代節約方法は、基本的には
- 使う湯量を減らす
- 給湯器の温度設定を下げる
の2つです。
そして、この中で気になるのが『温度設定』。
節約に効果的な温度設定ってあるのでしょうか?
ということで今回は
- ガス代を節約するための温度設定
- 給湯器での温度調節の仕方
について、お話しします。
ぜひ読んで、快適におトクに給湯器を活用してくださいね!
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節約になる給湯器の設定温度
設定温度についての基本的な考え方
まず、『節約になる設定温度』について、基本的な考え方をお話ししておきます。
それは
我慢しすぎず快適にお湯を使える範囲で、なるべく温度は低めに設定する
ということです。
当然ですが、お湯の温度が低いほど、使うガスの量は少ないです。
そのことから、給湯器のガス代節約では、
『シャワーやお風呂の温度を1℃下げる』
という話が、よく出てきます。
でも、節約のためといっても、水がとても冷たいのを我慢して洗い物をするのは、辛い…
また、お風呂の温度を下げ過ぎて風邪をひいたら、元も子もありません。
温度を下げるとしても、あくまでも『目的に合っていて、快適に使える温度であること』が大切です。
適切な設定温度はどのくらい?
給湯器の設定温度は、なるべく低いほうが節約になりますが、
- 特定の範囲の温度でなければコスパが悪くなる
- 温度設定次第で、給湯器の寿命が短くなる
ということはありません。
ですから、『適切な設定温度』も、お湯を使う場面や目的、その人の感覚によるということになります。
ここでは、どんなふうに考えて温度設定をするのがおすすめかを、
- お風呂の設定温度
- キッチンで洗い物をする時の設定温度
- やかんでお湯を沸かす場合
- 温水式ガス床暖房の場合
について、紹介しましょう。
お風呂の設定温度は?
まず、お風呂の場合は
37~42℃の範囲
がおすすめです。
といっても、これは『ガスの節約』というより、どちらかというと『体に良い温度』です。
お風呂には、
- お風呂に入ることでリラックスする
- 体を温める
という目的がありますよね。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、リラックス効果や自律神経のバランスをサポートする効果もあります。
中には、熱いお湯に入るのが好きな人もいますよね。
でも、寝る前なら特に、ぬるめがおすすめです。
『熱いお風呂は、血圧が上がったり神経が活性化したりする方向に働く』ということからです。
また、季節によっても
夏
⇒ぬるめの温度で、屋内外の温度差で疲れた体を癒す
冬
⇒40℃前後のお湯で血行を良くし、体をしっかり温める
など、温度や入り方を変えると良いですよ。
と、一見すると節約に関係ない話のようですが、要するに
『気持ちよくお風呂に入れる温度であること』を前提に、その範囲内で『ちょっとだけ温度を下げてみる』と良い
という話です。
少しずつ設定温度を下げてみながら、『気持ち良い温度』の範囲を探してみてください。
関連記事:プロパンガスでガス料金を節約するお風呂やシャワーの入り方を紹介
キッチンで洗い物をする場合
キッチンで洗い物をする場合の設定温度は、
『冷たくない』程度の温度で十分
ですよね。
ですから、
- 一番低い設定温度で使う
- 蛇口が『混合栓』になっているなら、最低温度よりぬるくて良いときは、蛇口のレバーで温度を下げる
がおすすめです。
『混合栓』とは、レバーで水とお湯の混ぜ具合を調節できる蛇口のことです。

混合栓
たとえば、この写真の混合栓だと、
- レバーを一番左にしておけば、給湯器から来たお湯だけを出す
- レバーを右に動かしていくと、蛇口の所で水と混ざって温度が下がる
- レバーを左にするほどお湯の割合が、右にするほど水の割合が多くなる
- レバーを一番に右にすると、水だけになる
という仕組みになっています。
(この下の写真は、筆者の家の混合栓の使い方のシールです。)

混合栓の使い方
キッチンで洗い物をしていて、『もっとぬるくて良いかな』と思うときは、この混合栓を使って温度を調節してください。
なお、洗い物の場合は
- 油汚れなどは、あらかじめ新聞紙などで拭ってから洗う
- 洗い物が少なくて、給湯器のスイッチを入れてもお湯が出る前に終わってしまいそうなときは、がんばって水で洗う
- 野菜やパスタのゆで汁を活用して、すすぐ時だけ給湯器のお湯を使う
という方法もあります。
やかんでお湯を沸かす場合
給湯器のお湯をやかんに入れてお湯を沸かす場合は、
すでに給湯器のスイッチが入っていてすぐにお湯が出る場合は、『給湯器のお湯をやかんに入れて沸かす』ほうが、おすすめです。
なぜかというと、ガスコンロより給湯器のほうが、熱効率が良いからです。
ただし、
瞬間湯沸かし器でない限り、『やかんにお湯を入れるために、わざわざ給湯器のスイッチを入れる』というのはおすすめしません。
普通の給湯器だと、お湯が出る前にやかんに入れ終わってしまいますよね。
かといって、お湯になるまで出しっぱなしにするのももったいないです。
なので、わざわざスイッチを入れると、逆に無駄になってしまうのです。
温水式ガス床暖房の場合
温水式ガス床暖房の給湯器の場合は、
- エアコンより2~4℃くらい低めの設定にする
- 自動運転を活用して、温めすぎを防ぐ
という方法で、ガス代を節約できます。
床暖房は、足が直接床に触れることで温かさを感じられます。
ですから体感温度が高く、低めの温度設定でも十分暖かく感じることができるのです。
また、自動運転だと、日光が入って部屋が自然に暖まったときには、暖房しすぎを防いでくれます。
ガス床暖房の節約については、こちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでください。
関連記事:ガス床暖房のガス代をコスパよく節約しながら使う方法を紹介!
給湯器の温度調節の仕方で節約はできる?

シンクでもお湯が使えて便利
給湯器の温度は
- 給湯器のリモコンで温度設定をする
- 混合栓で温度調節をする
という2つの方法で、変えることができますよね。

はい、ではその点について見ていきましょう。
温度調節はリモコンと混合栓、どちらが節約になる?
実をいうと、同じ温度であれば、温度調節をリモコンでしても蛇口でしても、
ガス代は、ほとんど変わりありません。
その理由は、給湯器の温度調節の仕組みにあります。
まず、給湯器の中で作っているお湯の温度は、60~70℃で一定しています。
つまり、給湯器の中のお湯の温度は、リモコンで何度に設定してあっても、同じなのです。
ですから、
温度調節は『給湯器で温めたお湯に水を足して、目標の温度にする』
という方法でしています。
では、リモコンで温度設定をするのと混合栓で温度を調節するのでは何が違うかというと、
リモコンで温度設定をする
⇒給湯器の出口のところで水を足して、リモコンで設定した温度にする
混合栓で温度を調節する
⇒給湯器の温度のまま蛇口のところまでお湯が来て、蛇口のところで水を足して温度を調節する
つまり、『どこで水を足して温度を下げるか』という違い。
ということは、たとえば『給湯器内では60℃のお湯を40℃にして使う』という場合、
給湯器の出口で水を混ぜても、蛇口で水を混ぜても、温度を下げるのに必要な水の量は同じですよね。
だから、ガスの使用量には変わりがないのです。
メモ
リモコンの温度設定でも混合栓での温度調節でも、ガスの使用量には変わりありませんが、
リモコンで温度を設定
⇒温度設定が簡単で、蛇口で調節せずに済む
混合栓で温度を調節
⇒最低設定温度より低くできる・家族がお風呂に入っているときでもキッチンではぬるいお湯を使える
と、それぞれにメリットがあります。
どちらも上手に活用してくださいね!
リモコンのほうがエネルギーロスが少ない
これはとても細かい話になるのですが、
『給湯器から蛇口までの配管に残ったお湯のエネルギーロス』
を考えるとすれば、リモコンで設定したほうが、若干ムダは少ないです。
お湯を使い終わった後蛇口を止めると、配管の中にお湯が残ります。
その後お湯を使わなければ、当然、配管の中のお湯は冷えていきますよね。
この『配管の中に残って冷えていくお湯の分に使ったガス』が無駄になってしまうと言えます。
配管にお湯が残ってしまうのは、どうしようもありません。
でも、たとえば水温が10℃だとして、給湯器を使い終わった後、
60℃のお湯を混合栓で35℃にして使っていた場合
⇒配管の中が全部60℃のお湯で満たされていて、それが10℃まで冷えていく
60℃のお湯をリモコンで(=給湯器の出口で水を足して)35℃にして使っていた場合
⇒配管の中は35℃のお湯で満たされていて、それが10℃まで冷えていく
どちらがムダになる分が多いかというと、『中が全部60℃のお湯』のほうですよね。
であれば、『リモコンで35℃にしておいたほうが、いくらかムダが少ない』ということになるのです。
もっとも、これは微々たる差です。
なので、リモコンか混合栓かは、自分の使いやすいほうで選んで大丈夫ですよ。
より安全な温度設定の仕方はどっち?
もう1つ、リモコンで温度を設定するメリットがあります。
それは『やけどしない範囲の温度にしておけば安全』ということ。
中には、『混合栓で調節できるから、リモコンの温度設定は60℃にしっぱなしのほうが良い』と考える人もいます。
でも、リモコンで設定温度を60℃にして混合栓で調節していると、
うっかり混合栓で調節し忘れた時に、やけどをしかねません。
特に、子どもや認知症の人がいる家庭などでは、危ないですよね。
それを考えると、やはり、
『リモコンで、使う温度のお湯にしておく』というほうが安全です。
家庭の状況はいろいろですが、より安全に暮らせることも、大事ですよね。
温度設定以上に効果的なガス代節約の方法

ガス代、どのくらい安くなるのかな
最後に、
給湯器の温度をなるべく低めにするより、より効果的で根本的な節約方法
を紹介していきます。
それは
ガス会社を変えて、プロパンガス料金そのものを下げる
という方法です。
プロパンガスの料金は、業者によって高い所も安い所もあります。
それなら、安くてサービスの良いガス会社に乗り換えたほうがおトクですよね。
『プロパンガス会社を乗り換える』というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、
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関連記事:ガス屋の窓口でプロパンガス会社を変更してみた【料金節約レビュー】
関連記事:【2020最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
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まとめ
給湯器のお湯の温度は、
- お風呂なら37℃~42℃くらい
- キッチンの洗い物なら、『冷たくない』と感じる温度
など、場面や目的によって使い分けるのが、おすすめです。
お湯の温度は、低いほうがガス代が安くはなります。
でも、無理に低い温度にして頑張るよりは、『快適に使える範囲』にしておくほうが良いです。
そのほうが、節約が長続きしやすいですからね。
温度を調節する時は、
- リモコンで温度を設定する
- 混合栓で蛇口の所で水を混ぜる
という2つの方法があり、コスト的には、どちらでも変わりありません。
混合栓が付いているなら、リモコンで設定した温度より、さらにぬるくしたいときは、蛇口で調節すると良いですよ。
そして、最も大きな節約になるのは、
『ガス会社を変える』という方法。
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