引越をすると、物件のガスの種類が変わることがありますよね。
これまでプロパンガスだったのが都市ガスになったり、都市ガスからプロパンガスになったり。
そういう時には
コンロなどのガス器具を取り換えなければいけません。
都市ガスとプロパンガスでは、ガス器具の仕様が違うからです。
そのあたり、知っておきたいですよね。
ということで、この記事では、
- 都市ガス用のコンロとプロパンガス用のコンロでは何が違うか
- ガスコンロを都市ガスとプロパンガスで両用できるのかどうか
について解説していきます。
ぜひ読んでくださいね!
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都市ガス用とプロパンガス用のガスコンロはどこが違う?
なぜ都市ガスとプロパンガスではコンロが違うのか?
ガスコンロは、都市ガスでは都市ガス用、プロパンガスではプロパンガス用を使わなければなりません。
他のガス器具も同じです。
なぜ都市ガスとプロパンガスでコンロが違うかというと、
都市ガスとプロパンガスでは、ガスの成分や熱量が違うからです。
成分や熱量が違うとなれば、ちょうど良い火力にするための
- ガスを噴き出させる量
- ガスと空気の混ぜ具合
なども違ってきます。
安全に使えるように、ガスの性質や熱量に応じた器具の作りにしなければなりません。
だから都市ガスとプロパンガスでは、ガス器具の作りが違うのです。
都市ガスとプロパンガスはどう違うのか、表でざっと見ておきましょう。
都市ガス | プロパンガス | |
原料 | 天然ガス | 原油 |
主成分 | メタン | プロパンやブタン |
1立方メートル当たりの熱量 | 約11,000Kcal | 約24,000Kcal |
都市ガスとプロパンガスの原料や熱量の違いについては、こちらの記事に詳しく書いてあります。
併せて読んでくださいね。
関連記事:プロパンガスと都市ガスとLPガスと天然ガスの違いをチェック!
プロパンガス用と都市ガス用のコンロの違い
コンロの都市ガス用とプロパンガス用では、具体的にどんなところが違うかというと、
- ガスを噴射するノズルの穴のサイズ
- バーナーの空気の取り入れ口のサイズ
- ガスの圧力を調整するバネ
といった部分です。
たとえば、ガスを噴射するノズルの穴は都市ガスのほうが大きいです。
都市ガスのほうが熱量が低いので、プロパンガスよりも多くガスが必要になるからです。
なお、使うガスの量は違いますが、
コンロの出力の数字が同じであれば、都市ガス用でもプロパンガス用でも同じ火力が出せます。
『都市ガスだと、調理にプロパンガスの2倍の時間がかかる』といったことはないので、安心して使ってくださいね。
都市ガス用コンロとプロパンガス用コンロの見分け方
都市ガス用コンロとプロパンガス用コンロをどこで見分ければよいかというと
お店で買うとき
⇒商品の説明書きや箱の表示
箱や商品の説明がない場合
⇒ガス器具のラベルを確認する
ガス器具のラベルもない場合
⇒型番の英数字で判断する
という3つの方法があります。
お店で買うとき
実店舗で買うときは、
- 展示してある商品の説明書き
- コンロが入っている箱
に、『都市ガス用』『プロパンガス(LPガス)用』などと書いてあります。
わからないときは店員さんに聞いて確認しましょう。
ネットショップでも、都市ガス用かプロパンガス用かは、商品の説明書きに書いてあります。
ネットショップでは、同じ機種のコンロで、都市ガス用とプロパンガス用を選べるようになっていることもあります。
1つの商品ページで都市ガス用かプロパンガス用かを選ぶ場合は、
- 商品選択のときに、ガスの種類を間違えないようにする
- 購入手続きのときにも、ガスの種類を再度確認する
ということに注意してください。
ガス器具のラベルで確認する方法
コンロのガスの種類は、コンロに貼ってあるラベルでも確認できます。
このように、ラベルには必ず適合するガスの種類が書いてあります。
都市ガス用の場合
⇒『都市ガス用 12A』『都市ガス 13A』
プロパンガス用
⇒『プロパンガス用』『プロパンガス』『LPガス』
などと書いてあります。
製品の型番で確認する
- ガス器具にラベルが付いていない
- ラベルが汚れていたりして読めない
という場合は、
型番の最後に書いてある英数字を確認してください。
『12A13A』『12A』などと書いてある
⇒都市ガス用
『LP』と書いてある
⇒プロパンガス用
というように、型番の中の英数字でも、都市ガス用かプロパンガス用かを見分けることができます。
判断に自信がないときやしっかり確認したいときは、メーカーに問い合わせてくださいね。
ラベルもなく、型番もわからない場合
確認のしようがない場合は、メーカーに持ち込めば確認できる可能性もありますが、
対応しているガスの種類を正確に把握できないコンロは、使わないでください!
万が一ガスの種類が合わなくて過燃焼や不完全燃焼などが起きると危ないからです。
ラベルも型番も確認できないような状態のコンロをどうしても使いたい場合は、
必ずメーカーに相談して
- 型番
- 適合するガスの種類
- 安全に使えるかどうか
を確認してもらってください。
- メーカー名すらわからない
- メーカーでもわからないと言われた
という場合は、使うのはあきらめましょう。
ガス器具は、安全性が確かなものを使ってくださいね。
家のガスの種類を確認する方法
家で使っているガスが都市ガスかプロパンガスかを調べる方法は、
ガスメーターを見るのがわかりやすいです。
ガスメーターに貼ってあるシールなどに
都市ガス
⇒『都市ガス』『12A』『13A』
プロパンガス
⇒『LPガス』『プロパンガス』『LPG』
と書いてあるはずです。
判断に自信がないときは、ガス会社に問い合わせると良いですよ。
なお、『引越し先のガスの種類を知りたい』という場合は、不動産屋で教えてもらえます。
物件探しのときには、ガスの種類や料金も、ぜひチェックしてくださいね。
ガスの種類を間違って買っちゃった!どうしたらいい?
実店舗で買った場合は、お店に相談してみてください。
ただし、
返品や交換ができるかどうかは、お店の判断次第です。
箱を開けていなければ返品や交換をしてもらえる可能性もありますが、開けてしまった場合は可能性は低いと考えておいてください。
メモ
ネットショップでは、『ガス種の間違いによる返品不可』としているショップが多く、返品や交換に応じてもらえる可能性は低いです。
返品や交換をしてもらえないときは、
- コンロは買い直し、間違って買ったコンロはフリマサイトやリサイクルショップなどで売る
- メーカーに依頼して、ガスに合うように部品を交換してもらう
といった方法しかありません。
繰り返しになりますが、ガスの種類を間違えて買わないように、
使っているガスの種類とガス器具の対応しているガスの種類は、しっかり確認してくださいね。
関連記事:都市ガスとプロパンガスのコンロの見分け方!変更や変換方法も解説!
『12A』『13A』以外の都市ガスを使っている場合
実は、都市ガスにもいろいろな種類があります。
今の都市ガスはほとんどが『12A』『13A』ですが、
- 6A
- L1
- L2
- L3
- 5C
という種類の都市ガスを使っている場所も、わずかながら残っています。
『12A』『13A』以外の都市ガスを使っている場合は、『都市ガス用』であることに加えて、使っている都市ガスに合うコンロかどうかも確認してください。
また、
都市ガスの物件から都市ガスの物件に引越すときも、必ず新居のガスの種類を確認しましょう。
ガスコンロを都市ガスとプロパンガス両用にできる?
都市ガスとプロパンガスガス器具の両用は可能?
結論から言うと、
都市ガスとプロパンガスで同じガスコンロを使うことはできません。
最初に書いたように、都市ガスとプロパンガスではコンロに必要な仕様が違うからです。
必ず
都市ガス
⇒都市ガス用の、ガスの種類に合ったガスコンロ
プロパンガス
⇒プロパンガス用のガスコンロ
を使ってください。
コンロ以外のガス器具も、必ずガスの種類に合ったものを使いましょう。
ガス種に合わないガス器具を使うとどうなる?
ガスの種類に合わないガス器具を無理に使うと、
- 不完全燃焼を起こす
- 一酸化炭素中毒を起こす
- 異常点火や爆発的な着火、過燃焼などで、やけどしたり火事になったりする
- ガス漏れが起きる可能性が高まる
といったリスクがあり、とても危険です。
さらに、
- ガス機器が故障する
- 燃焼不良によって無駄にガスを使ってしまい、ガス料金が高くなる
という可能性もあります。
そうですよ。
器具が壊れたり、余計にお金がかかったりするだけでなく、命に関わる事態にもなりかねませんからね。
ガスコンロを改造して使うことはできる?
『ガスの種類が変わっても、ぜひとも今のコンロを使い続けたい』ということなら、
これから使うガスの種類に合うように、メーカーに改造してもらう
という方法があります。
注意
ガスコンロの改造は、必ず業者やメーカーに依頼し、絶対に自分ではやらないでください。
素人が改造するのは、とても危険です!
メーカーで改造してもらえば、保証が付くので安心ですよ!
- ガスコンロの改造にいくらくらいかかるか
- 改造を頼むときのポイント
を見ていきましょう。
ガスコンロの改造にかかる費用はどのくらい?
ガスコンロの改造にかかる費用は、器具や機種によっても異なりますが、
だいたい1万円くらいが目安です。
ただし、費用は器具の状態などにもよります。
場合によっては、改造するより買い替えたほうが安く済むこともあります。
また、コンロは使っているうちに部品も劣化してきます。
古いコンロなら、改造して使うよりも新しく買ったほうがメリットが大きいですよ。
改造を依頼するときのチェックポイント
ガス会社やメーカーにコンロの改造の問い合わせをする時には、
- 今持っているガス器具の機種と型番
- これから使うガスの種類(都市ガスかプロパンか、都市ガスならどのガスの種類か)
を調べておいて、伝えてください。
そうすると、改造できるかどうかなども答えてもらいやすくなります。
問い合わせる時には、
- 改造にかかる費用
- 改造するのに、何日くらい器具を預ける必要があるか
- メーカーの保証が付くかどうか
- 古いコンロの場合、改造して使うメリットがありそうかどうか
- 出張訪問費などはかかるかどうか
といったことも聞いておきましょう。
関連記事:都市ガスとプロパンガスのコンロの見分け方!変更や変換方法も解説!
改造しても両用にはできない?
調べてみたのですが、『都市ガスとプロパンガス両用のコンロがある』『改造して両用にできる』という情報は見つかりませんでした。
- 改造しても、両用にはできない
- 両用のコンロはない
というのが現状です。
これは私の推測ですが、おそらく『都市ガスプロパンガス両用コンロ』を作るとしても
- 成分や熱量が全く違うガスでも安全に使える仕組みを開発するのにコストがかかる
- 1軒の家で使うガスは1種類なので、両用にしても片方のガス向けの仕様は使われず、ムダになってしまう
- ガスに応じて切り替えるスイッチなどを付けたとしても、切り替えを間違えると事故が起きる可能性があり、危険
- 両方のガスで使えるコンロを作れるとしても、製造コストがかかり、価格も高くなる
といったことから、コストや安全性の面で現実的ではないのでしょう。
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まとめ
都市ガス用コンロとプロパンガス用コンロは、
- ガスを出すノズルの穴のサイズ
- バーナーの空気を取り入れる部分の大きさ
- ガスの圧力を調整するためのバネ
が違います。
なぜ違うかというと、都市ガスとプロパンガスではガスの成分や熱量が違うので、
ちょうどよい火力にするために混ぜる空気やガスの量が違うからです。
それぞれのガスに応じて安全に使えるように作られているので、両用にはできません。
- 都市ガス用のコンロをプロパンガスで使う
- プロパンガス用のコンロを都市ガスで使う
ということは絶対にやめましょう。
ガスの種類に合わないガス器具を使うと
- 不完全燃焼
- 過燃焼
- ガス漏れ
- 一酸化炭素中毒
- 異常点火や爆発的な着火
などが起きる可能性があり、とても危険です。
もちろん他のガス器具も、両用にはできません。
ガス器具は必ず、ガスの種類に合ったものを使いましょう。
ガス器具を買うときには、ガスの種類と器具の対応ガス種をしっかり確認して買ってくださいね。