カセットガスボンベには、家庭用のカセットコンロで使う『CB缶』のほかに、
『OD缶』
と呼ばれるボンベがあります。
このOD缶には、いくつかのサイズがあります。

それが、一概にそうとも言えないのです。
大きいボンベは、その分、重さも増えます。
でも、アウトドアに持っていくなら、なるべく軽いほうが良いですよね。
また、使うガス器具によっても、使うボンベのサイズを選んだほうが良いのです。
ということで、この記事では
- OD缶の種類と、その大きさや重さ
- OD缶のサイズはどう使い分けると良いか
について解説していきます。
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アウトドア用カセットガスボンベ『OD缶』のボンベのサイズの種類は?
OD缶のサイズの種類
OD缶には3種類のサイズがあり、小さいものから順に
- 110缶
- 250缶
- 500缶
があります。
メーカーによっては
110缶
⇒『105』
250缶
⇒『230』
500缶
⇒『470』
と書くこともあります。
でも、内容量や缶のサイズは、ほとんど同じです。
OD缶のサイズごとの大きさや重さは?
では、OD缶の大きさや重さなどについて見ていきましょう。
なお、重さや内容量は、メーカーやガスのタイプ、成分によって多少前後します。
呼び方 | 110缶 (105) | 250缶 (230) | 500缶 (470) |
ガスカートリッジの大きさ(約) | 直径90mm × 高さ 65mm | 直径110mm × 高さ 90mm | 直径110mm × 高さ 150mm |
充填してあるガスの量 | 約105g | 約230g | 約470g |
ガスカートリッジの重さ (ガス満タン時) | 約180~190g | 約360~380g | 約670~680g |
OD缶はサイズでどう使い分ける?
OD缶は、大きさによって適した使い方があります。
基本としては、
110缶、250缶
⇒一体型のシングルバーナーやストーブ(分離型バーナーもOK)
500缶
⇒ランタンやツーバーナー、分離型バーナー
なぜこういう使い分けをするかというと、
- バーナースタンドは、だいたいにおいて250缶で使うように作られている
- 500缶で一体型のシングルバーナーを使うと背が高くなってしまい、不安定になりやすい
- ランタンは使用時間が長いので、500缶を使ったほうがカートリッジ交換の手間が省ける
といったことからです。

はい、そうです。
安全に使いやすく使えることが、大切ですからね。
OD缶のガスにはどんなタイプがある?
OD缶のカートリッジには、サイズだけでなく、用途に合わせて
ノーマルタイプ
⇒春~秋の温暖な時期向け
ハイパワータイプ
⇒オールシーズン向け
寒冷地向け
⇒低気温に強く、冬山でも使えるカートリッジもある
と、3つのタイプがあります。
メモ
寒冷地向けのガスカートリッジは、夏に使うとガスの出方が強くなることがあります。
気を付けて使ってくださいね。
3つのタイプは何が違う?
この3種類のガスは何が違うかとうと、ガスの成分と割合です。
イワタニ『プリムスガス』の
- ノーマルタイプ
- ハイパワータイプ
- ウルトラガス
で比べてみましょう。
ノーマルタイプ | ハイパワータイプ | ウルトラガス | |
ブタン (ノルマルブタン) | 65% | 75% | ― |
イソブタン | 33% | ― | 70% |
プロパン | ― | 25% | 30% |
※『その他』のガスが入っている場合があるので、合計が100%にならないものもあります。
どのガスをどの割合で混ぜるかは、メーカーやガスの種類によって違いますが、
ノーマルタイプ
⇒ブタンが主成分で、製品によってはイソブタンも入っている
ハイパワーガス
⇒ブタン+プロパン
寒冷地向け
⇒イソブタン+プロパン
という組み合わせが多いです。
なぜ混ぜるガスの組み合わせがこうなるか、ざっくり言うと
- プロパン⇒イソブタン⇒ブタンの順に、低温でも気化しやすく、火が付きやすい
- 低温で火が付きやすいガスを混ぜることによって、寒い場所でも使いやすいガスになる
ということからです。
ガスのタイプが違うと重さも違う?
ガスは、成分によって重さが違いますから、
どの成分がどのくらいの割合で入っているかによって、カートリッジの重さも変わります。
- イワタニ『プリムスガス』ノーマルガス
- イワタニ『プリムスガス』ハイパワーガス
- イワタニ『プリムスガス』ウルトラガス250缶
- スノーピークス『プロイソ』500缶
のガスの重量で比べてみましょう。
『プリムスガス』ノーマル(250缶) 『プリムスガス』ノーマル(500缶) | 『プリムスガス』ハイパワー(250缶) 『プリムスガス』ハイパワー(500缶) | 『プリムスガス』ウルトラ(250缶) 『プロイソ』(500缶) | |
250缶 | 約230g | 約225g | 約220g |
500缶 | 約470g | 約460g | 約450g |

この表をパッと見ると、そう思いますよね。
でも、ガスの体積は同じです。
なぜ寒冷地向けのほうが軽いかというと、
同じ体積でも、ブタン>イソブタン>プロパンの順に、重量が重いからなのです。
OD缶には互換性はある?
OD缶を選ぶときに注意しておきたいのは、
OD缶は日本では規格が統一されていない。
バーナーやコンロで指定しているOD缶を使う必要がある
ということです。

確かに、一見同じに見えますよね。
『ガス器具とカートリッジのメーカーが違っていたけど普通に使えた』という人もいます。
でも、
- 接合部分の大きさ
- ノズルの太さ
- ねじ穴の位置
といった部分が微妙に違っていたりします。
そのため、
- カートリッジとガス器具をしっかりつなぐことができない
- ガス漏れや正常に燃焼しないなど、不具合が起きる可能性がある
- ガス器具を傷めてしまう可能性がある
といったリスクがあります。
また、
ガス器具で指定している以外のカートリッジを使って事故があっても自己責任となり、『生産物賠償責任保険』の対象外になります。
損害が出てもメーカーの賠償を受けられません。
生産物賠償責任保険の対象になるのは、『正しく使って事故が起きた場合』だからです。
なので、やはりガス器具で指定しているカートリッジを使ったほうが安全ですよ!
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まとめ
カセットガスボンベの『OD缶』は、アウトドアに携行しやすいボンベです。
サイズは、
110缶
⇒缶の高さは約65㎜、ガスの量は約105g
250缶
⇒缶の高さは約90㎜、ガスの量は約230g
500缶
⇒間の高さは約150㎜、ガスの量は約470g
の3種類。
一体型のバーナーやストーブは、250缶が向いています。
500缶だと、不安定になりやすいからです。
逆に、500缶はランタンなどを長時間使う用途に向いています。
バーナーを500缶で使うなら、分離型バーナーがおすすめです。
ガス器具によって、缶のサイズを選んだほうが良い場合があることにも、留意してくださいね。
また、OD缶には、
- ノーマルタイプ
- ハイパワータイプ
- 寒冷地向け
があります。
使う場所の気温に合わせて選びましょう。
そしてOD缶は
ガス器具で指定しているものを使うことが大切です。
ガス器具とカートリッジのメーカーが違うと、不具合が起きる可能性もあるからです。
ガス器具やカートリッジは正しく安全に使って、アウトドアでの料理を楽しんでくださいね!