物価も税金も高くなり、家計のやりくりも大変になってきました。
そんな時に、
なんてお知らせが来たら、ガックリ来ちゃいます。
ただでさえ、都市ガスよりも高めのプロパンガスが、さらに値上げするなんて。
「値上げをズバッとお断りできたらいいのになぁ…。」
なんて思ってしまいますよね。
でも、プロパンガスの値上げって、拒否できるものなのでしょうか?
拒否できるとしたら、どうしたらできるのでしょうか?
ということで、この記事では、
- プロパンガスの料金値上げを拒否できるのかどうか
- なるべく安いガス料金で利用する方法
について解説していきます。
プロパンガスの料金値上げを拒否する方法は?
プロパンガス料金の値上げは拒否できるの?
そもそもプロパンガスの料金の値上げを拒否できるのかどうかというと
『100%不可能』ではありません。
しかし、まずできないと思った方が良いでしょう。
『プロパンガスの値上げを強引に拒否する』
というやり方も、なくはありません。
でも、強引に断って、『元の料金でしか払わない』というような強硬手段を取れば、
ガスを供給してもらえなくなることもあります。
なので、単に『拒否すれば値上げを免れる』とはいかないのが現実です。
値上げを拒否できる可能性がある場合とは?
先に書いたように、
値上げを拒否できる可能性は全くないわけではありません。
といっても、正確には『拒否する』というより、
『その値上げは不当なものであるとして抗議し、きちんとした対応を求める』
が、正確です。
なので、対応を求めた結果、ガス会社がどうするかは、ガス会社次第。
でも、なるべく良い対応を引き出したいものですよね。
そのためにも、どんな場合なら不当なものとして抗議できるのか、また、その時はどうすれば良いのかを解説していきます。
どんな値上げなら不当なものとして抗議できる?
値上げが不当である場合とは
- 契約書で値上げについて書いてある内容と違う
- まったく予告なしに、突然値上げされた
- 値上げの理由を教えてもらえない
- 値上げ幅が大きすぎるなど、どう考えても不当な値上げである
といった場合です。
まず、契約書と違うことをするのは『契約違反』です。
たとえば契約書に
『契約後1年間は、契約時の料金を維持する。』
と書いてあったのに、契約してから1年以内に値上げされた場合は、ガス会社側の契約違反!
この場合は、
「契約書に書いてあることと違うじゃないですか!」
ということで、値上げしないようにしてもらえる可能性があります。
それから、
プロパンガスを値上げする時は、事前に契約者に値上げを通知することが、法律で決められています。
また、値上げする時には、利用者に値上げの理由を伝えなければなりません。
なので、
- 連絡なしの値上げ
- 理由を教えずに値上げ
この場合も、ガス会社にそのことを伝え、対応を求めた方が良いです。
そして、たとえば原料価格の高騰を理由に、
基本料金1,500円、従量単価350円⇒基本料金2,500円、従量単価が650円
というような、明らかに不当な値上げの仕方をしていると思われる場合も、対応を求めた方が良いでしょう。
もっとも、実際はこの例のように、あからさまに大幅値上げをすることは、多くはないです。
でも、
「いくらなんでも、これは急に値上げし過ぎじゃない?」
と思った時は、『消費生活センター』に相談してみると良いです。
ガス会社に対応を求めたい時はどうすれば良いか
いくら不当値上げであっても、いきなりガス会社に連絡して
「この値上げは不当ですよね?撤回して、今までの料金で供給してください!」
と言っても、おそらくうまくいかないでしょう。
もし悪質なガス会社だったら、
なんだかんだと理由をつけて、言いくるめられてしまうこともあるかもしれません。
ではどうしたら良いかというと、
ガス会社に話をする前に、自分側の見落としや勘違いでないかを確認したうえで、ガス会社にどう話をしたら良いか、『消費生活センター』に相談する
というのが良策です。
具体的には
- 契約書の内容を確認する
- 通知がなかった場合は、ガスの検針票に書いていたりしないか、もらった通知を見落としていないか、もう一度確認する
- 値上げの通知がなく、ガス代の高さで値上げに気付いたような場合は、検針票をチェックしてガスを使い過ぎていないか確認する
- 値上げの理由が不明な場合は、ガス会社に問い合わせ、理由を尋ねてみる
以上を確認してから、『消費生活センター』に相談するのです。
消費生活センターは、ガス料金含め、いろいろな消費生活のトラブルの相談に乗ってくれる機関です。
電話で相談する時は、局番なしで
『188』
にかけると、最寄りの消費生活センターにつないでもらえます。
相手は、ガスのプロです。
いきなり一人でガス会社に話をするより、消費生活センターに相談して、どう対応したら良いかアドバイスをもらったほうが良いでしょう。
料金値上げの時は『拒否』や『抗議』より『交渉』
さて、
「1か月前に値上げ通知が来て、理由もちゃんと教えてくれたけど、やっぱりできれば拒否したいな…」
という時にも、打つ手がまったくないわけではありません。
それは
ガス料金を下げてくれるように交渉する
というやり方です。
『拒否』よりは『交渉』のほうが、無難にガス料金を安くできる可能性があります。
「ガス料金ってどこも同じなのに、交渉なんてできるの?」
と思うかもしれませんが、できます。
実は、ガス料金は『どこも同じ』ではありません。
プロパンガスの料金は、ガス会社の判断で自由に決められます。
さらに、地域もガス会社も同じなのに、『隣同士の家で料金が違う』なんてこともあるのです。
つまり、
『ガス会社の裁量で、1軒1軒のガス料金を決められる』
ということなんですね。
だから、料金を交渉することもできます。
料金交渉について詳しくは、次のところでお話しします。
プロパンガス料金が安いまま利用するための交渉
料金交渉の前にチェックすべきこと
プロパンガスの値下げ交渉も、いきなり
「もっと値上げ幅を減らしてくださいよ!」
と言っても、あまりうまくいきません。
交渉する前に、チェックしておくことがあります。
交渉する前にチェックすること
- 今の(値上げ前の)基本料金と従量料金
- 値上げ後の基本料金と従量料金
- 地域の平均価格、相場価格、適正価格
- CP価格
まず値上げ前後の料金を確認しておくのは、言うまでもないですね。
これを把握せずに交渉に行くわけにはいきません。
では、その他のことについて見ていきましょう。
地域の平均価格、相場価格、適正価格をチェック
まず、住んでいる地域のプロパンガスの
- 平均価格
- 相場価格
- 適正価格
をチェックしておきましょう。
この3つを把握していると、
「この地域の相場はこれくらいのようですが、それより高いですよね?」
などと交渉する材料にできます。
この3つの価格、似たように思うかもしれませんが、それぞれ違います。
平均価格
プロパンガス料金の平均
相場価格
『この地域ではだいたいこのくらいの料金で供給している』という目安
適正価格
消費者にとって妥当な価格で、かつガス会社にも利益が出る価格帯
平均価格は、こちらで調べられます。
石油情報センター 一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)
都道府県の地区ごとに調べられるので、『LPガス地域別検索』に住んでいる市町村名を入れて検索してくださいね。
検索で出た表から従量単価を計算する式は、
従量単価の計算式
(10立方メートルの料金-基本料金)÷10
東京都都心で10立方メートル使用した時のガス代が7,392円、基本料金が1,720円なら
(7,392-1,720)÷10=567.2円
となり、従量単価は567.2円です。
相場価格は、こちらで調べられます。
それぞれの地方をクリックすると、各都道府県へのリンクもあるので、住んでいる地域の相場を調べてみてください。
『適正価格』は、ガス会社やガス会社変更サービスが
『このくらいがプロパンガスの価格として適正』
と判断している価格です。
ガス会社変更サービスで調べてみてください。
適正価格を調べる
適正価格を調べることができる
ネットの無料サービス
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CP価格もチェック
料金値下げ交渉前には、『CP価格』もチェックしておくことをおすすめします。
値上げの理由が原料価格の高騰が理由である場合は、特に要チェックです。
『CP価格』というのは、サウジアラムコ社が輸入元に売る時のプロパンガスの価格で、
日本でプロパンガスを輸入する時の基準となる価格です。
CP価格は日本の家庭に供給されるプロパンガスの価格にも影響します。
そのため、CP価格をチェックすると、
- どのくらいの価格で輸入したのか
- 輸入価格にどのくらいの変動があったのか
がわかります。
ということは、たとえば
『CP価格は上がっていない、もしくは下がっているのに、原料価格の高騰を理由に値上げする』
というような場合は、
本当に原料価格の高騰が理由なのか、確認してみる価値がある
ということですね。
ただし、ここで気を付けておきたいのは
CP価格をチェックする時は、5ヶ月くらい前の価格の変化を観察する
ということです。
なぜかというと、CP価格の変動が私たちのプロパンガス料金に反映されるのには、5ヶ月くらいかかるからです。
くれぐれも、先月の変動を見て
「原料価格下がってるじゃないの!」
って怒ったりしないように、気をつけてくださいね。
関連記事:CP価格とは?プロパンガス従量単価(料金)への影響を解説!
値下げ交渉のマイナス面
値下げ交渉には、実はマイナス面もあります。
それは
- 交渉すれば安くなるとは限らない
- 交渉しても思うような料金額にならないこともある
- 交渉した時は安くしてもらえても、後で値上げされることもある
ということです。
まず、
値上げ前と同等の価格になることは、ほとんどない
と思っておいてください。
また、交渉しても、思ったほど安くならないこともあります。
ガス会社も、利益を得なければ、やっていけません。
原料価格が上がったのに、値上げ前と同じ料金にしたら、利益が出なくなってしまいますよね。
だから、思ったような料金にならないことも、値下げ自体に応じてもらえない可能性は、理解しておいてください。
それから、ガス会社によっては
交渉されると一旦安くしておいて、後で値上げする
という、やり方をするガス会社もあります。
たとえば、
- 今回の値上げで従量単価が420円から450円にする
- 交渉されたので、従量単価を440円にする
- 半年くらい後にまた値上げして460円にする
というようにです。
もちろん、『たまたま半年後にまた値上げせざるを得なくなってしまった』ということもあるでしょう。
でも、もし頻繁に値上げがあるようなら、注意しておいた方が良いです。
こんな時はガス会社の乗り換えを検討しよう
『今のガス会社に値下げ交渉をしながら利用し続ける』
という方法もありますが、
- しょっちゅう値上げがある
- 値上げ幅が大きい
- 契約した時は安かったのに、どんどん値上がりする
- 値上げの理由に納得がいかないことが多い
- 平均や相場の料金額に比べて、かなり高い
- ガス会社都合での値上げがたびたびある
- 5年以上同じガス会社を利用していて、値上げしたことはあるが値下げが一度もない
というような時は、
ガス会社の乗り換えを検討することをおすすめします。
ガス会社の乗り換えは、賃貸住宅だと大家さんの承諾が必要です。
でも持ち家の場合は、プロパンガス会社は、自分で選ぶことができます。
だったら、不当な値上げをしない、安いガス会社を利用したほうが安心ですよね。
「でも、ガス会社が不当な値上げをするかどうかなんて、見分けられるの?」
という心配もあるでしょう。
そういった心配なしにガス会社を乗り換えられるのが
ガス会社変更サービスを利用する
という方法です。
ガス会社変更サービスでは、料金もサービスも良心的なガス会社を紹介してくれます。
また、ガス会社変更サービスによっては、『料金保証』といって
不当な値上げがあった時は、ガス会社に対応してくれるシステムがあります。
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プロパンガスはなぜ料金の値上げをする?
ところで、プロパンガスは、なぜ料金の値上げをするのでしょうか?
ここでは、
値上げの理由や仕組み、プロパンガス料金には何がどのくらい含まれているか
を見ておきましょう。
プロパンガスが値上がりする理由
プロパンガスが値上がりする理由は、
- 原料価格の変動
- 為替の変動(円安になる)
- 需要と供給のバランスの変動
- ガス会社の経営維持のため
といったことが主です。
先にも書いたように、
原料価格が上がれば、ガスの値段も上げざるを得ない
ですよね。
また、円安になると、プロパンガスの輸入にかかる費用も上がります。
それから、ガスは
春から夏にかけては需要が減り、秋から冬にかけては需要が増えます。
需要が増加した時に値上げをすれば、輸出する側は収益を上げるチャンス。
だから、季節によっても価格は変動するのです。
そして、状況によっては、ガス会社の経営を維持するために値上げをすることもあります。
物価が上がったりすると、ガス会社もこれまでの料金では利益が出なくなってしまいますよね。
利益が出ないと、必要な費用や人件費なども賄うことができません。
このようなことが、反映されるので、ガス料金も変動するのです。
『変動』ということは、
『値上がりする時も値下がりする時もある』
ということです。
なお、ガス会社都合での値上げが、たびたびあるようだったら、ガス会社の経営の仕方に難がある可能性もあります。
経営に難があるとすれば、
今後も値上げが続く可能性
も出てきますよね。
先にも書きましたが、そのような時は、ガス会社の乗り換えを検討すると良いです。
ガス会社の乗り換え
プロパンガスの料金には何が含まれてる?
プロパンガスの料金には、どんな費用がどのくらい含まれているかというと、
輸入価格(原料や精製から輸入され、輸入元売りに販売するまでのコスト)…13.5%
輸入元売り(輸入元売りから卸売業者に売るまでのコスト)…2.5%
卸売り(卸売り業者からガス販売店に卸すまでのコスト)…20.7%
小売り(消費者にガスを売るまでのコスト)…63.3%
これを見てわかるように、原料価格の割合は、そんなに多くないのです。
ということは、
原料価格がちょっと上がったくらいで、消費者のガス料金が大きく跳ね上がるようなことは、まずない
ということでもあります。
むしろ割合が大きいのは、
プロパンガスが小売店に届いてから消費者に届くまでのコスト。
これには
- ガスボンベの配送費用
- 検針や保安点検、集金の人件費など
- ガス設備の減価償却費
- 緊急対応やそのシステムにかかる費用
などが含まれています。
なぜ『プロパンガスの料金の中身』について話したかというと、
アヤシイ値上げを見つける手がかり
になるからです。
では、次にその『アヤシイ値上げ』について、もう少しお話ししましょう。
どんな値上げが『アヤシイ値上げ』?
アヤシイ値上げの可能性がある場合とは
- 5か月前のCP価格がほとんど変わらないか、下がっているのに原料価格の高騰を理由に値上げされた
- CP価格は上がっているが、ガス料金の値上げ幅が大きすぎる
- 何年も同じガス会社を利用していて、値下げがまったくない
先にも書いたように、消費者が払うプロパンガス料金に占める輸入価格の割合は、大きくはありません。
そこから考えられることは
原材料価格が少し上がったくらいで私たちのガス料金が大幅に上がることはない
ということです。
もちろん、原料価格が下がったのに原料価格を理由に値上げするなんてことも、ないはずです。
もう1つ、要注意なのは、
原料費は確かに上がっていて、ガス料金も大幅に上がる
という場合です。
プロパンガスは原料費が価格に反映されますが、
原料費が大幅に高騰しても、消費者の価格の上昇はある程度抑えられる仕組み
になっています。
そのため、
原料費が高騰しても、私たちのガス料金がいきなり大幅に上がることはないはず
なのです。
ですから、
大幅な値上げがあった場合も、要注意と考えた方が良いでしょう。
そして、ガス料金は『値上げも値下げもある』ものです。
原料価格が下がったり円高になったりすれば、価格に反映されるのが本来です。
それに、
『原料価格が高くなったら値上げするけど、原料価格が下がっても値下げしない』
というのでは、
ガス料金は永遠に高くなる一方ですよね。
このようなアヤシイ値上げがあったら、ガス会社にせめて値上げ幅を小さくするように、交渉してみるとよいでしょう。
そして、もし度重なるようだったら、ガス会社乗り換えを検討してみてください。
ガス会社の乗り換え
なお、ガス会社の経営改善のための値上げも、まったくないわけではありません。
でも、
「経営状況が悪化したため、値上げします」
と、正直にお知らせする会社は、おそらくなかなかないでしょう。
そんなお知らせが来たら、顧客は不安になっちゃいそうですからね。
また、中には、原料価格の値上がりに便乗して経営のための値上げをするガス会社もあります。
そのため、経営改善のための値上げを見つけることは、実際には難しいと言えます。
まとめ
プロパンガスの値上げは、できることなら拒否したいのが本音ですよね。
- 何の通知もなく、突然料金を値上げされた
- 料金値上げの理由を教えてもらえない
- どう考えても不当な値上げ
などという場合は、
消費生活センターに相談のうえで、ガス会社にきちんとした対応
を求めたほうが良いです。
でも、それ以外の場合の値上げ拒否は、
『ガスを供給してもらえなくなるかもしれない』
というリスクもあります。
なので、基本的には値下げの交渉をすると良いでしょう。
交渉する時も、
- 地域の相場価格や平均価格
- CP価格
などをチェックして、交渉に臨むことをおすすめします。
ただ、交渉しても、後でまた値上げされたりすることもあるので、要注意。
また、
- 不審な値上げがたびたびある
- 契約時は安かったのに値上げされて高くなってしまった
- 何年も同じガス会社を利用しているが、値下げしたことが一度もない
などという時は、
『ガス会社変更サービス』を利用して、安くて良心的なガス会社に乗り換えること
も検討してみてくださいね。
ガス会社に乗り換える