最近使う人が増えているのが、『生ゴミ処理機』。
環境への関心の高まりや、おうち時間が増えて家庭菜園を始める人が増えたことから、
- 生ゴミが減らせる
- 家庭菜園の堆肥が作れる
ということで人気が出ているんですよ!
家庭向けの生ゴミ処理機には、
- 乾燥式
- バイオ式
- ハイブリッド式
があります。
選ぶなら、違いを知って自分の生活に合う製品を選びたいですよね。
ということで今回は
- 生ゴミ処理機の『乾燥式』と『バイオ式』の違い
- 乾燥式とバイオ式から選ぶときのチェックポイント
について調べました。
ぜひ読んで、参考にしてくださいね!
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生ゴミ処理機の『乾燥式』『バイオ式』の違いは?
乾燥式とバイオ式の違い一覧
まず、『乾燥式』と『バイオ式』の違いをざっくり見ておきましょう。
参考に、『ハイブリッド式』も含めて表にまとめました。
乾燥式 | バイオ式 | ハイブリッド式 | |
生ゴミを処理する仕組み | 熱で乾燥させる | 微生物に分解させる | 熱で乾燥させてから微生物に分解させる |
置き場所 | 屋内に置ける | 屋外に置く機種が多い | 屋内(雨などがかからないようにすれば屋外に置ける機種もある) |
処理にかかる時間の目安 | 2~3時間 | 5~24時間 | 堆肥になるまで24時間くらい |
臭いの出やすさ | バイオ式に比べて臭いが出にくいが、多少は臭いが出る | 臭いが出やすい | 臭いが出にくい |
堆肥を作れるかどうか | 作れない | 簡単に作れる | 簡単に作れる |
必要なメンテナンス | ゴミを入れる容器をこまめに洗う | バイオ基材の補充や交換が必要 | バイオ基材の補充や交換が必要 |
電気を使うかどうか | 使う | 使う機種と使わない機種がある | 使う |
本体の価格 | 1万円台~ | 数万円 | 10万円以上 |
なお、バイオ式の生ゴミ処理機は
- コンポスト
- 発酵式
などと呼ばれる製品もありますが、庭に設置する『コンポスト』と分けるためにも、この記事ではまとめて『バイオ式』と呼びます。
生ゴミを処理する仕組みの違い
では、乾燥式とバイオ式の生ゴミ処理機の違いについて、詳しく見ていきましょう。
一番の違いは、『どうやって生ゴミを処理するか』です。
乾燥式
⇒電気で熱を発生させ、生ゴミに熱や温風を当てて乾燥させる
バイオ式
⇒生ゴミ処理機に『バイオ基材(バイオチップ)』を入れ、その中にいる微生物に生ゴミを分解させる
この仕組みの違いから、
- 臭いの出やすさ
- 堆肥を作れるかどうか
- 電気が必要かどうか
- 必要なメンテナンス
など、さまざまな違いが出てきます。
では、どんな違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
臭いの出やすさの違い
乾燥式もバイオ式も、多少は臭いが出ます。
でも、一般的には乾燥式のほうがバイオ式より臭いにくいです。
臭いの種類も多少違いがあり、
乾燥式
⇒生ゴミの臭いが多少したり、焦げたような臭いが出たりすることがある
バイオ式
⇒生ゴミの臭いや発酵したような臭いがする
機種によっては防臭機能などが付いているものもあります。
でも生ゴミを入れるわけですから、『多少臭いが出る可能性はある』と考えておいてください。
置き場所の違い
乾燥式は臭いが少なく、バイオ式は臭いが出やすいことから
乾燥式
⇒室内に置ける機種が多い
バイオ式
⇒屋外に置くのが基本
という違いがあります。
乾燥式はキッチンにも置けるので、出た生ゴミをすぐに入れることもできて便利です。
一方バイオ式は屋外に置くので、
- 生ゴミを捨てるときには外に出なければならない
- バイオ式の生ゴミ処理機を設置するなら、なるべく風雨の当たりにくい場所を確保する必要がある
- 電気も使うバイオ式の場合は、さらに屋外の電源コードも必要になる
というデメリットがあります。
堆肥を作れるかどうかの違い
家庭菜園やガーデニングをやっているなら、生ゴミから堆肥が作れたらお得ですよね。
堆肥を作ることも目的にしたいなら、バイオ式の処理機がおすすめです。
バイオ式の処理機なら、処理した生ゴミをそのまま堆肥として使うことができます。
一方、乾燥式の処理機で処理した生ゴミは、そのまま堆肥にすることはできません。
乾燥したゴミになるだけです。
乾燥式で処理したゴミを堆肥にする場合には、
- 処理した生ゴミをミキサーで細かくする
- 少しずつ土に混ぜる
など、処理後にさらにひと手間を掛ける必要があるのです。
栄養にはなるのですが、土に入れたあとに生ゴミが水分を吸って、場合によっては根腐れの原因になることもあるのです。
乾燥式で処理した生ゴミは、そのまま土に入れない方が良いですよ。
処理にかかる時間の違い
生ゴミの処理にかかる時間は、大まかな目安として
乾燥式
⇒2~3時間
バイオ式
⇒5~24時間
と、乾燥式のほうが圧倒的に早いです。
(実際の処理時間は、機種やバイオ基材、生ゴミの量などによって違います。)
乾燥式は、熱をかけて水分を飛ばせば処理は完了です。
一方バイオ式は、微生物が生ゴミを分解して堆肥にします。
分解するのに時間がかかるのですから、差が出るのは当然ですね。
必要なメンテナンスの違い
生ゴミ処理機のメンテナンスは、基本的に
乾燥式
⇒ゴミを入れる容器をこまめに洗ってきれいにする
バイオ式
⇒数か月~数年に1度など、定期的にバイオ基材の補充や交換をする
⇒バイオ基材が上限位置を超えたら取り出して捨てる
という手入れが必要です。
メンテナンス方法はどちらにもメリットとデメリットがあります。
比べてみましょう。
メリット | デメリット | |
乾燥式 |
| 毎日のメンテナンスが必要 |
バイオ式 | 毎日メンテナンスをしなくて良い | バイオ基材を買う費用が掛かる |
電気を使うかどうかやランニングコストの違い
乾燥式は、電気で熱を作って使うので当然電気を使います。
バイオ式では
自動的にかき混ぜるタイプや脱臭機能が付いているタイプ
⇒電気を使う
手動でかき混ぜるタイプ
⇒電気を使わない
という風に、電気を使う機種も使わない機種もあります。
どれくらい電気を使うかというと、
乾燥式
⇒月1,000円くらいはかかる
バイオ式の電気をまったく使わない機種
0円
バイオ式の自動タイプ
⇒400円弱~
バイオ式の自動タイプで脱臭機能などを使った場合
⇒3,800円くらい
これはあくまでも大まかな目安なので、実際の電気代は機種の『消費電力量』をチェックしてくださいね。
メモ
バイオ式だと、バイオ基材(バイオチップ)のコストもかかります。
大きさの違い
生ゴミ処理機本体の大きさは、機種や容量によって違います。
でもだいたいにおいて
乾燥式のほうがバイオ式よりもコンパクトな機種が多いです。
乾燥式には、キッチンのカウンターに置けるくらいのサイズもあります。
アパートなどの集合住宅でも使いやすいですよ。
価格の違い
価格は一般的に、乾燥式のほうがバイオ式よりも安いです。
だいたいの目安として、
乾燥式
⇒1万円くらい~
バイオ式
⇒数万円~
と考えておくと良いですよ。
そして、乾燥式でもバイオ式でも
- 容器を食洗器で洗える、全自動で混ぜるなど、手間がかからない
- エコモードなどの機能が付いている
- 処理できるゴミの量が多い
など、性能が良いほど価格も高くなります。
メモ
自治体によっては、生ゴミ処理機を購入するときに助成金を出していることがあります。
購入前に申請が必要な場合もあるので、買う前に自治体に問い合わせてみてください。
その他の生ゴミ処理機
生ゴミ処理機には、乾燥式、バイオ式、ハイブリッド式の他にも
- ハイブリッド式
- 粉砕式(ディスポーザー)
- 庭に設置するタイプの『コンポスト』
があります。
この3つについても、ざっと紹介しましょう。
『ハイブリッド式』
この記事の最初の部分でも少し触れましたが、生ゴミ処理機には乾燥式とバイオ式の他にも
『ハイブリッド式』という種類があります。
ハイブリッド式はその名の通り、乾燥式とバイオ式の良い所を併せ持った処理機で、
- 熱で生ゴミを乾燥させ、微生物が分解しやすくしてから微生物に分解させる仕組み
- 臭いが出にくく、屋内における
- 堆肥を作ることができる
- メンテナンスは、バイオ基材の補充や交換
- 乾燥式やバイオ式に比べて脱臭機能が強い製品も多い
- 一般的に、乾燥式よりも電気代が安く済む
- 乾燥式よりも動作音が小さい
といったメリットがあります。
デメリットとしては、
- 乾燥式やバイオ式に比べて本体が大きい
- 価格が高く、10万円以上することが多い
ということが挙げられます。
ハイブリッド式の処理機はメリットも多いですが、初期コストもかかります。
『処理機にあまりお金をかけられない』というときは、無理せずに乾燥式かバイオ式を選ぶのがおすすめです。
粉砕式(ディスポーザー)
『粉砕式』の生ゴミ処理機は、
- キッチンの排水口に設置する
- 生ゴミを入れると自動的に粉砕処理され、そのまま排水口に生ゴミを流すことができる
というタイプの処理機です。
生ゴミが出たらそのまま排水口に入れるだけなので
- 三角コーナーが要らない
- 臭いが出ない
- 虫が湧かない
- 処理した生ゴミを取り出して捨てたりする手間がかからない
というメリットがあり、とても便利な生ゴミ処理機です。
ただ、デメリットも多く、
- 作動音が大きい
- 後から処理機を設置するとなると、専門的な工事が必要
- 粉砕式の生ゴミ処理機の設置を禁止している自治体や、設置に申請が必要な自治体もある
- 自治体によっては、粉砕式生ゴミ処理機を設置するにあたっては浄化装置や排水処理システムを備えることを義務付けていて、その場合膨大な費用が掛かる
- 粉砕はしていても『生ゴミを下水に流す』ことになるので、下水処理などに負担がかかる可能性がある
- 30万近くする機種もあり、価格が高い
- 水道代や電気代、配水管や浄化槽のメンテナンスに費用が掛かる
といったことが挙げられます。
もう建ててしまった一戸建てやマンションに後から設置するのは、あまり現実的とは言えません。
庭に置く『コンポスト』
3つ目は、庭に設置するタイプの『コンポスト』です。
『生ゴミ処理機』の一種として紹介していますが、コンポストは底のない筒のような形をしている容器です。
『機械』というような仕組みもなく、
- 土がむき出しになった場所に設置する
- 菌床やゴミ発酵側品剤などを入れ、微生物に生ゴミを分解させて堆肥を作る
というタイプの生ゴミ処理装置です。
一番自然に近い生ゴミ処理装置で、電気も一切使いません。
その代わり
- 土がむき出しになった場所がないと使えない
- 堆肥になるのにかなり時間がかかる
- 生ゴミを入れる度に発酵促進剤を入れなければならない
- 自分でかき混ぜる必要がある
- 臭いが出る
- 虫が発生しやすい
などのデメリットがあり、決して『手軽に生ゴミを処理できる』とは言えません。
コンポストは、『堆肥を作るのにかかる手間を楽しめる人』向けです。
生ゴミ処理機は乾燥式とバイオ式どちらがおすすめ?
ここからは、乾燥式とバイオ式のどちらが良いのかの目安についてみていきましょう。
乾燥式とバイオ式のメリット・デメリット比較
まず、乾燥式とバイオ式のメリットとデメリットを比べておきましょう。
青のマスはメリット、ピンクのマスはデメリット、色なしのマスはどちらとも言えない部分です。
乾燥式 | バイオ式 | |
臭い | バイオ式に比べて少ない | 乾燥式より臭いが出やすい |
置き場所 | 家の中に置く | 外に置く |
処理の早さ | 数時間 | 24時間くらいかかる |
堆肥 | 作れない | 簡単に作れる |
メンテナンス | 毎日容器を洗う 特別な物は必要ない | 数か月~数年に一度バイオ基材を交換する |
ランニングコスト | 電気代がかかる | 電気代は乾燥式よりは安い バイオ基材の費用が掛かる |
本体の大きさ | バイオ式に比べて小さい | 乾燥式に比べて大きい |
本体の価格 | 安い | 高い |
次に、このメリットとデメリットをふまえて、どんな人にどちらが向いているかの目安を紹介します。
乾燥式とバイオ式はどんな人におすすめか
まず、乾燥式が向いている人は、
- 外に出なくても手軽にゴミを入れられるようにしたい
- コンパクトな処理機が欲しい
- 堆肥を使わない
- アパートやマンションなどで使いたい・屋外には置く場所がない
- 生ゴミの量が多い
- 処理が早いほうが良い
という人です。
バイオ式がおすすめなのは、
- 手軽に堆肥を作って家庭菜園などで使いたい
- 屋外に処理機を置くスペースを確保できる
- 生ゴミを外に捨てに行くのが苦にならない
- 屋外なら多少臭いがしても気にならない
- 外に生ゴミを捨てに行く手間がかかっても良いので、電気代を押さえたい
という人です。
ちなみに、ハイブリッド式はどうかというと、
- 価格が高くても性能の良い物を使いたい
- 臭いが少ないほうが良いが堆肥も使いたい
- 自治体が生ゴミ処理機の助成金を出している
- 生ゴミの量が多い
という人におすすめです。
ただし、ここで上げたのはあくまでも『目安』です。
次に紹介するチェックポイントやライフスタイルもよく考えて選ぶことが大切ですよ。
生ゴミ処理機を選ぶときのチェックポイント
生ゴミ処理機を選ぶときにどんなことをチェックして選べば良いか、まとめておきましょう。
- 処理容量(家族の人数や1日の生ゴミの量はどのくらいか)
- どんな食材に対応していて、どんな食材を入れてはいけないか
- 減容率(どのくらいゴミの容積を減らせるか)
- 臭いがどのくらい発生するか
- 運転するときの音がどのくらいの大きさか
- 本体の価格
- ランニングコスト(電気代やバイオ基材の費用など)
- 手入れの方法
- 設置場所や設置スペースの広さ
- 屋外電源があるかどうか(バイオ式で電気を使う場合)
- 堆肥が欲しいかどうか
特に、
処理容量や減容率、対応している食材の種類は、忘れずにチェックしてください。
- 生ゴミの量が多い
- 家族の人数が多い
という人なら、減容率の高い製品がおすすめです。
また、生ゴミ処理機には、入れて良い食材と入れてはいけない食材があります。
どんな生ゴミなら入れて良いのかを、よく確認してくださいね。
迷うときは『レンタルサービス』の利用も検討しよう!
そうですね。
こういう機器って使ってみなければわからない部分もありますし、失敗したくないですものね。
迷うときは、
- 自治体のレンタルを利用する
- 『レンティオ』などの家電レンタルサービスで借りる
という方法で試してみましょう!
一部の自治体では、生ゴミ処理機を貸し出しています。
ただ、すべての自治体で借りられるわけではありません。
あなたが住んでいる自治体に問い合わせてみてください。
レンタルの場合は、乾燥式とバイオ式から自由に選べないこともあります。
選べない場合は、
- ひとまず借りられる方式の処理機を借りて、メリットやデメリットを確認する
- 乾燥式とバイオ式どちらにするか検討する材料を得るために借りる
というのがおすすめですよ。
家電レンタルサービスなら、製品によっては気に入ったらそのまま購入することもできます。
上手に利用してくださいね。
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まとめ
生ゴミ処理機の『乾燥式』と『バイオ式』の一番の違いは
乾燥式
⇒熱で生ゴミを乾燥させる
バイオ式
⇒微生物に生ゴミを分解させ、堆肥にする
という処理方法の違いです。
他にも
置き場所
⇒乾燥式は屋内、バイオ式は屋外に置く機種が多い
臭い
⇒乾燥式のほうがバイオ式より臭いが出にくい
堆肥
⇒乾燥式は堆肥を作れないが、バイオ式は堆肥を作れる
電気を使うかどうか
⇒乾燥式は電気を使うが、バイオ式は電気を使う機種と使わない機種がある
価格
⇒一般的に、乾燥式のほうがバイオ式より安い
といった違いがあります。
どちらがおすすめかは、ライフスタイルや価値観にもよるので一概には言えませんが、ざっくり言うと
- コンパクトで手軽に処理できるほうが良いなら乾燥式
- 生ゴミを堆肥にして使いたいならバイオ式
がおすすめです。
他にも、置き場所や処理容量などをじっくりチェックしながら選んでくださいね。
迷うなら、レンタルして使ってみるのもおすすめですよ!