家庭でのガス供給などで使われている
『プロパンガスボンベ』
家の敷地の中に、大きいボンベが2本立てられているのを、よく見かけますよね。
また、イベントの屋台などで、小さめのガスボンベを見かけることもあるのではないでしょうか。
でも実は、『プロパンガスボンベ』ってそれだけじゃないのです。
ガスボンベには、本当にいろいろな種類や大きさのものがあります。
片手で楽々持てるものから、何千kgもガスが入るような、とても大きなものまで。
今回は、そんなたくさんの
ガスボンベの種類や容量、サイズ
について調べました。
多種多様なプロパンガスボンベの話、ぜひ読んでみてくださいね!
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プロパンガスボンベの種類や容量、サイズなど

このボンベはどのくらいの容量かな?
プロパンガスボンベの役割
まず、プロパンガスボンベの役割について、ざっとお話ししましょう。
プロパンガスボンベの役割は、なんといっても
『液体化されたプロパンガスを、安全に保管しておくこと』
です。
もう少し詳しく言うと、
- 一定の圧力を保ちながら、可燃性の高圧ガスを格納する
- 高圧ガスを入れた状態で運搬される
- 屋外に設置するボンベは、長い期間、雨や日光などに耐える
ということです。
そのため、
頑丈な高張力鋼板を使い、ガスの圧力や衝撃、天候や気候の変化などに十分な安全性を保って耐えられる
ように作られています。
もちろん安全対策は、ガスボンベ本体の素材だけではありません。
他にも、
- 地面との接触による腐食を防ぐ『スカート』
- ガス供給部のネック部分を保護する『プロテクタ』や『キャップ』
- 容器外部に、滑り止めのためのウレタン樹脂系塗料による塗装
などの安全対策がされています。
そのため、雨や風にさらされても、問題なくガスを入れておくことができるのです。
プロパンガスボンベの種類
ガスボンベやタンクには、
- 家庭用のガスボンベ
- カセットコンロ用ガスボンベ
- 自動車用ガスボンベ
- フォークリフト用ガスボンベ
- 工業用のガスボンベ
- バルクタンク(バルク貯槽)
など、さまざまな種類があります。
なお、ガスボンベのサイズで『5kg』などと書かれているのは、
充填できるガスの容量
です。
ガスボンベのサイズは、本体の重さではなく、充填量で呼ばれることが多いです。
家庭用ガスボンベ
一番よく見かけるのが、この『家庭用ガスボンベ』でしょう。
家庭で一番よく使われているのが、
- 20kgボンベ
- 50kgボンベ
となります。
2kg、5kg、8kgのボンベは、小さくて持ち運びもしやすいです。
そのため、アウトドアや学園祭の模擬店、イベントの露店などでもよく使われています。
10kg以上の固定式のボンベは、ガスメーターと併せて使うことになっています。
また、
屋内で使えるガスボンベは8kgのボンベまで
と決められています。
それ以上の大きさのボンベは、屋外でしか使用できません。
カセットコンロ用ガスボンベ
カセットコンロ用ガスボンベは、いろいろなメーカーのものがありますが、
大きさは、
直径6.8×高さ19.8㎝
と決められています。
他にも、ノズルの長さ、切込みの大きさや場所など、JIS規格で細かく決められています。
そのため、コンロのメーカーとボンベのメーカーが違っていても、使うことができるのです。
実際のボンベには、
『自社以外のカセットガス器具には使わないでください』
などと注意書きがあります。
しかし、これはあくまでも『念のため』。
メーカーの違うコンロで使用しても、問題はありません。
注意ポイント
ただし、異音や異臭、着火不良などがあった時は、使わないでください。
カセットボンベの規格が統一されたのは、あの阪神淡路大震災がきっかけです。
避難所などでカセットガスボンベと器具が支給されたものの、当時は規格も統一されていませんでした。
そのため『メーカーが違うと使えない』という不便が生じたのです。
そこから『規格を統一する必要がある』という声が広まったのです。
そして1998年に、卓上カセットコンロとカセットガスボンベの規格が統一されました。
災害への備えとしても、とても便利なカセットコンロ。
どのメーカーのボンベでも使えるほうが、災害時に助かるのは間違いありません。
自動車やフォークリフト用のガスボンベ
自動車やバス、フォークリフトでも、プロパンガスを使っていることがあります。
とくにタクシーでは、プロパンガスを使って走る『LPG車』がとても多いです。

なんて思うかもしれませんが、

車などのガスボンベは、万が一にも事故があっても、衝撃に耐えられるように作られています。
車両火災があっても、ガスボンベが爆発する可能性は低いです。
もちろん、走るときの振動も、まったく問題ありません。
安心して乗ることができますよ。
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タクシー車が現在もプロパンガスを燃料にするメリットとデメリット
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工業用のガスボンベ
工業用のガスボンベは、やはりなんといっても容量が大きく、300kg以上のものが多いです。
500kg近いサイズのものから、3,000kgもあるボンベもあります。
工業用のガスボンベは大きいため、横型のものも多くあります。
そして、工業用の場合は、さらに容量の大きい『バルクタンク』でガスを貯蔵する場合もあります。
バルクタンク(バルク貯槽)
『バルクタンク』は、いわゆる『ガスボンベ』とは違う形です。
より多くの量のガスを貯蔵することができます。
主に、家庭でのバルク供給システムに使うタンクや、工業用のバルクタンクなどがあります。
バルクタンクには、横型と縦型があり、設置する場所の状況によって選ぶことができます。
工業用では、大きいものだと2,500kgにもなる大きなバルクタンクがあります。
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プロパンガスをバルク供給システムにするメリットとデメリット
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プロパンガスボンベの容量や大きさ、重さ
では、いろいろなプロパンガスボンベの容量や大きさ、重さを比べてみましょう。
なお、ガスボンベのサイズは、メーカーによって多少差があります。
正確な寸法が必要な時は、メーカーや取扱業者に確認して下さいね。
サイズ | 充填
ガス量 |
容積 | ボンベの
重量 |
高さ又は
長さ |
外径 | |
家庭用ガスボンベ | 2kg | 2kg | 4.8L | 4.5kg | 30.1㎝ | 22.0㎝ |
5kg | 5kg | 12 L | 7.5kg | 43.3㎝ | 25.5㎝ | |
8kg | 8kg | 19 L | 10kg | 50.0㎝ | 29.0㎝ | |
10kg | 10kg | 24 L | 11kg | 54.1㎝ | 30.8㎝ | |
20kg | 20kg | 47 L | 17.5kg | 83.4㎝ | 31.5㎝ | |
30kg | 30kg | 71 L | 27kg | 116.7㎝ | 32.0㎝ | |
50kg | 50kg | 118 L | 36kg | 141.3㎝ | 36.6㎝ | |
カセットコンロ用ガスボンベ | 250g | ― | ― | 19.8㎝ | 6.8㎝ | |
工業用ガスボンベ | 425kg | 425kg | 1,000L | 460kg | 136.0㎝ | 112.0㎝ |
450kg | 450kg | 1,050L | 350kg | 185.0㎝ | 960㎝ | |
500kg | 500kg | 1,170L | 380kg | 202.0㎝ | 960㎝ | |
2,550kg | 2,550kg | 6,000L | 2,270kg | 340.0㎝ | 117.0㎝ | |
3,000kg | 3,000kg | 7,000L | 2,520kg | 381.0㎝ | 177.0㎝ | |
20kg型自動車用 | 20.0kg | 48.0L | ― | 86.0㎝ | 32.0㎝ | |
フォークリフト用15kg型 | 15.0kg | 36.0L | 19.9kg | 65.7㎝ | 31.9㎝ | |
バルクタンク | 150kg
縦型 |
145kg | 365L | 150kg | 169.8㎝ | 62.55㎝ |
500kg
縦型 |
495kg | 1,230L | 470kg | 1,942㎝ | 100.8㎝ | |
2,900kg
横型 |
2,800kg | 7,000L | 3,000kg | 378.0㎝ | 176.4㎝ |
このように、ガスボンベは20㎝くらいのものから、バルクタンクでは4m近いものまで、さまざまな大きさのものがあります。
もし、カセットボンベから大きなバルク貯槽までずらっと並べたら、壮観でしょうね!
どの大きさのガスボンベを選ぶと良いか?

ガスボンベのサイズいろいろ
では、一般的に使う場合、どのサイズのガスボンベを使うのが良いのでしょうか?
家庭で使うガスなら20kgか50kg
一般家庭でプロパンガスを利用する場合に多いのが、20kgと50kgのガスボンベです。
筆者の家では、50kgのボンベを2本置いて使っています。
多くの場合、どのガスボンベで供給するかは、
ガス会社と契約すると、こちらから特に何も言わなくても、設置されるボンベのサイズが決まります。
ガス会社では、ガス供給のコストなども考えて、ボンベのサイズを決めているはずです。
より小さいガスボンベで供給すると、ボンベの交換も頻繁になり、コストもかかるので、
家庭での供給は、ガス会社から配送されるサイズのボンベを使うことがおすすめです。
アウトドアや模擬店などで使いやすい小型ボンベ
2kg~10kgくらいの小型のボンベは、持ち運びもしやすく
- キャンプやバーベキューなどのアウトドア
- 学園祭やイベントなどでの露店や模擬店
などでよく使われています。
中でも人気なのが、5kgのボンベ。
ある程度のガスの量もあり、大きすぎなくて扱いやすいサイズです。
そのため、ガスボンベのレンタルでは、このサイズが一番人気とのこと。
10kgのボンベは、強火でも長時間使うことができます。
時間をかけて、コトコト煮込むタイプの料理をする時には、良いでしょう。
使用時間の目安は2重コンロで使用した場合、
2kg…約4時間
5kg…約10時間
8kg…約16時間
10kg…約20時間
くらいを目安に考えると良いです。
なお、屋内で使用できるのは、8kgボンベまでです。
使用場所も考えに入れて、ボンベのサイズを選んでくださいね。
ちなみに、ガスボンベのレンタルについては、こちらの記事に書いてあります。
あわせて読んでみてください。
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大容量のバルクタンク
バルクタンクは、『バルク供給システム』というガスの供給方法で使うタンクです。
普通のガスボンベ供給は、ガスを充填したボンベを交換する方法で、家庭に供給されます。
一方、バルクシステムでは、バルクタンクを設置して、その中に直接ガスを補充する方法で供給します。
バルク供給システムは、ガスの使用量が少ない家庭では、コストが高くなってしまいます。
でも、エネファームを使うなど、ガスの使用量が多い場合には、おトクになります。
バルクタンクにはいろいろなサイズがあり、また縦型、横型もあり、
ガスの使用状況や置き場所によって、サイズや型を選ぶことができます。
バルク供給にする時には、どのサイズにするか、ガス会社とよく相談してくださいね。
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まとめ
ガスボンベには、カセットコンロ用ボンベから工業用の大きなボンベまで、いろいろな種類や大きさ、形のものがあります。
テーブルの上で、手軽に使えるカセットコンロ用のものや、模擬店などで活躍するもの。
そして家庭での供給に活躍する50kgボンベから、工業用の3,000kg近く入るものまで。
どれも用途や設置する環境、ガスの量に合わせて、安全にガスを保管し、使えるように作られています。
どのサイズのガスボンベが良いかは、用途にもよります。
持ち運びしやすく、レンタルもできる小型のガスボンベなら、アウトドアや模擬店などに。
家庭での供給は、動かす必要もなく、ある程度の量も必要なので、20~50kgボンベ。
家庭でたくさんのガスを使うなら、バルクタンクでの供給。
…といったように、それぞれのボンベやタンクが、それぞれの場所で活躍しています。
使う場面や使いやすさ、必要なガスの量などを考えて、選んでくださいね。