床暖房は、とても快適な暖房器具です。
足元が冷える時期には、つい使ってしまいたくなりますよね。
でも、どうしてもガス代が高くなってしまうのが玉にキズ。
そんな床暖房の節約方法の話で
「床暖房はつけっぱなしの方がガス代が安くなる」
という話を聞いたことはありませんか?
そういえば、エアコンでも「つけっぱなしの方が安い」なんて話もあります。
とはいえ、本当に安くなるのかどうか、気になりますよね。
ということで今回は、
本当に床暖房はつけっぱなしの方がガス代が節約できるのか
を調べてみました。
床暖房の使い方ごとのガス代比較もあるので、ぜひ読んでくださいね!
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床暖房のガス代はつけっぱなしの方が安いって本当?
床暖房の『24時間つけっぱなし』本当に安いの?
結論から言うと
『24時間つけっぱなし』は、『一番ガス代が安くなる使い方』ではありません。
ガス代を安くするには、24時間つけっぱなしではなく、
- 寝る時や長時間の外出の時は消す
- スイッチのオン・オフは2回までにする
- 短時間でこまめにスイッチを切るのではなく、なるべく連続で運転する
という使い方を心がけることです。
ガス床暖房は、基本的には使う時間が短い方が、ガスの消費量は少なくなります。
それは、どんなガス器具でも電気器具でも同じですよね。
ただし、ガス床暖房の場合は
『スイッチを入れてからの1時間くらいの間は、ガスをたくさん使う』
という特徴があります。
これは、起動したばかりの時は、床暖房の配管の水の温度を上げるために、ガスを多く使うからです。
この時には、
運転が安定している時の4倍くらいのガス
を使います。
でも、配管の水が一度温まってしまえば、そのあとは温度を維持するだけ。
最初ほどのガスは必要ないのです。
このような特徴があるため、
スイッチのオン・オフの回数は少ないにこしたことはありません。
だから、
- スイッチを入れる回数をなるべく少なくする
- 使用時間をなるべく少なくする
という2つのバランスが大事。
おそらく、このバランスが取れたところで、多くの人の生活パターンに合わせやすいのは、
寝る時と長時間の外出中は消し、スイッチのオン・オフは2回までにする
という使い方でしょう。
床暖房をつけっぱなしにした方が良い時
床暖房を24時間つけっぱなしにするのは、筆者としてはあまりおすすめしません。
でも、つけっぱなしにした方が良い場合もあります。
どんな時かというと
- 短時間の外出の時
- 部屋が十分暖まった時
2~3時間くらいまでの外出なら、温度を低めにしてスイッチは切らない方が節約になります。
暖房のスイッチを切らないで出かけるって、気になるかもしれませんね。
でも、ガス床暖房で火事になる事は、めったにありません。
温度が上がり過ぎないようにするための安全装置もついているので、大丈夫です。
関連記事:ガス床暖房をつけっぱなしにすると1日にかかるガス代はいくら?
また、暖房器具だと、
「部屋が十分暖まったし、一旦スイッチを切った方が節約になるんじゃないかな」
という気がすることもあるでしょう。
でも、これはスイッチを切らない方が良いです。
部屋が冷えてきて、またスイッチを入れると、余分にガス代がかかってしまいます。
それよりは、自動運転モードを活用したほうが、節約になりますよ。
床暖房はどう使うと一番節約になるのか
では、ガス床暖房は、どういう使い方をすると、最もガスを節約できるのでしょうか。
いくつかの床暖房の使い方のパターンを想定して比べてみましょう。
ここでは、
- 24時間つけっぱなし
- 6時~24時の、起きている間のみ使用
- 17時~翌日8時の、家に人がいる時間帯はつけっぱなしにする
- 6時~8時と17時~24時の1日2回、計9時間使用
- 6時~14時、16時~24時の1日2回、計16時間使用
- 朝はエアコンやファンヒーターを使うとして、17時~24時の7時間のみ使用
この6パターンで、11月から3月末までの5ヶ月間、床暖房を毎日使ったとして、比較してみましょう。
1時間あたりにかかるガス代を
スイッチを入れてから1時間までのガス代…46.5円
運転が安定してからの1時間あたりのガス代…10.5円
として計算します。
なお、実際のガス代は、料金によって違います。
また、外気温や配管の水の水温、家の断熱性などでもガス代が変わるのですが、ここでは細かい要素は省いて、ざっくりと試算しました。
使い方のパターン例 | 使用時間帯 (合計時間) | ガス代 | ||
1日 | 30日間 | 30日×5ヶ月 | ||
毎日1日中つけっぱなしにする。 | 24時間連続 | 初日288円 2日目以降252円 | 初月7,596円 2か月目以降7,560円 | 37,836円 |
起きてから寝るまでつけっぱなしにする。 | 6時~24時 (18時間) | 225円 | 6,750円 | 33,750円 |
帰宅後から翌日家を出るまでつけっぱなし。 | 17時~翌日8時 (15時間) | 193.5円 | 5,805円 | 29,025円 |
就寝中と日中留守になる時は消す。 | 6時~8時 17時~24時 (計9時間) | 166.5円 | 4,995円 | 24,975円 |
就寝中と午後2時間外出する時に消す。 | 6時~14時 16時~24時 (計16時間) | 240円 | 7,200円 | 36,000円 |
朝は他の暖房器具を使い、夕方帰宅後から就寝まで使う。 | 17時~24時 (計7時間) | 109.5円 | 3,285円 | 16,425円 |
このように、『とにかくずっとつけっぱなしにする』より、
生活の状況に合わせて、ある程度オン・オフをした方が、安くできるのです。
なお、床暖房のガス代の計算方法は
(起動後1時間にかかるガス代×スイッチを入れる回数)
+
(運転が安定してからの1時間あたりのガス代×(合計使用時間数-スイッチを入れる回数))
となります。
自身のライフスタイルと実際のガス料金で、どんな使い方が安くなるか、計算してみてくださいね!
『24時間つけっぱなしの方がガス代が安い』の真相
ガス床暖房は、『24時間つけっぱなし』が一番安いとは言えないことは、おわかりいただけたかと思います。
でも
「他の記事に『24時間つけっぱなしの方が安くなる』って書いてあったよ?」
という人もいるでしょうね。
筆者も、いくつかそのような記事を読みました。
ではいったいなぜ、『24時間つけっぱなしが安い』という話になったのでしょうか?
これは推測ですが、おそらく
『床暖房はスイッチを入れてから1時間の間は、その後の1時間あたりのガス代の4倍くらいのガス代がかかる』
ということから、
『とにかくスイッチを入れたり切ったりしない方が安くなる』
と考えたからではないかと思います。
もう1つ、これも推測です。
『つけっぱなしの方が安い』という話は、もともとは
『一度スイッチを入れたら、こまめに消さずつけっぱなしにした方が良い』
くらいの意味であった可能性もあります。
たとえば、
『帰宅してから寝るまでつけっぱなしにする』
というような。
それが、どこかで『1日中つけっぱなしにした方が安い』という話になってしまったのかもしれません。
2017年ごろには、
『エアコンは24時間つけっぱなしの方が電気代が安い』
というようなことも、話題になりましたね。
これは、エアコンも起動時には電力を多く使うことからのようです。
そのことから、『ガス床暖房も同じ』と考えた人もいるのでしょう。
でも、大事なのは『使い方のバランス』です。
1日に2回3回とスイッチを切ったとしても、
使う時間と使わない時間のバランスが良ければ、24時間つけっぱなしより安く使えるのです。
1日に2回オン・オフしても安くなる合計使用時間は?
『使う時間と使わない時間のバランスが大事』
となると、
「じゃあ、どういうバランスなら24時間つけっぱなしより安くなるの?」
という疑問がわいてきますよね。
これも計算してみましょう!
24時間つけっぱなしの時の、2日目以降のガス代は252円。
使用時間をX時間とします。
1日2回、スイッチをオン・オフして24時間つけっぱなしよりガス代が安くなる使用時間を出す式は
(46.5円×2回)+(10.5×(X-2)時間)<252円
という式になります。
これを解くと、
ガス床暖房の使用時間が合計約17時間以下
の範囲で使えば、24時間つけっぱなしよりガス代が高くなることはありません。
たとえば、6時から12時まで使い、13時から24時まで使った場合だと
46.5円+(10.5円×5時間)+46.5円+(10.5円×10時間)=250.05円
24時間つけっぱなしより、ギリギリ安くなりましたね。
ただ、これは計算上の話です。
実際に使う時は、1時間だけ消すくらいなら、続けて使っていた方が安くなります。
6時から24時まで続けて使うのであれば、ガス代は225円ですから。
もちろん、
『朝起きてから家を出るまでと、夕方帰ってから寝るまで床暖房を使う』
という使い方でも、24時間つけっぱなしより安くなります。
ちなみに、1日の中で3回、オン・オフをする場合だと、
床暖房の使用時間が合計11時間以下
オン・オフが4回の場合は
使用時間が合計6.2時間以下
となります。
このように、24時間つけっぱなしより安く使おうとする場合、
スイッチのオン・オフの回数が増えるほど、使える時間は減っていきます。
もちろん、ここで紹介した時間を守れば、24時間つけっぱなしより安く使うことができます。
でも、こまめにオン・オフをすることになるので、使い過ぎに注意が必要になりますね。
また、これはあくまでも『24時間つけっぱなしより安いかどうか』が基準です。
少しでもガス代を節約して床暖房を使いたいなら、やはりライフスタイルに合う範囲で
- 使用時間をなるべく減らす
- スイッチのオン・オフは2回まで
として、その中でライフスタイルに合わせて使うようにした方が、節約しやすいでしょう。
ガス床暖房のその他の節約方法
せっかくガス床暖房をいれるのだから、なるべく安く上手に使いたいですよね。
「床暖房にしたけど、ガス代が高すぎて使わなくなっちゃった」
なんてことになったら残念です。
ここでは、使う時間やスイッチのオン・オフの回数以外での、床暖房の節約方法について、お話ししましょう。
ガス床暖房の基本的な節約方法
ガス床暖房の基本的な節約方法は
- 温度設定を少し低めにする
- 自動運転やタイマーを使う
- 寝る時や出かける時には、30分くらい前にスイッチを切る
- カーペットは敷かない(どうしても敷くなら、ガス暖房対応のものを使う)
- 部屋の窓に厚手のカーテンを掛ける
- 部屋が暖まるまで、エアコンやファンヒーターなどを併用する
という方法です。
床暖房は、体に直接熱が伝わるので、エアコンよりも暖かく感じます。
なので、温度設定も低めで大丈夫。
また、スイッチを切ってもしばらくは暖かさが残るので、早めにオフしましょう。
それから、熱を効率よく使うことも大切です。
熱が伝わりやすいように、カーペットは敷かないこと。
そして窓から熱を逃がさないために、窓に厚手のカーテンをかけましょう。
関連記事:ガス床暖房のガス代をコスパよく節約しながら使う方法を紹介!
関連記事:給湯器や床暖房の設定温度を低くするとガス代を節約できるか確認
関連記事:ガス床暖房のメリットとデメリットを紹介!上手な使い方とは?
床暖房を効率的に配置することも大事!
さらに、ガス床暖房を設置する時点で気を付けたいのが
床暖房を効率的に配置する
ということ。
床暖房は、部屋の床全面に配置しなければならないものではありません。
上手に配置すれば、部屋の5~7割で、十分な暖房効果を得られます。
無駄なく配置すれば、ガス代はもちろん、設置費用も抑えられますよ!
関連記事:ガス床暖房の設置費用を紹介!フローリング張替えのリフォームは必須?
なるべく安いガス会社の、床暖房向け料金プランを利用!
ガス床暖房を使うなら、
料金対策は必須です!
ではその料金対策、どうしたら良いかというと
『ガス会社変更サービス』を使って、なるべく安いガス床暖房向け料金プランにする
という方法がおすすめ。
『ガス会社変更サービス』とは、
- ガス料金についての相談やアドバイス
- ガスの使い方や地域に合った、良心的で、適正料金でガスを供給するガス会社の紹介
- ガス会社を変更する時の、連絡や手続きなどの代行
- 『料金保証』がある場合、不正値上げがあった時のガス会社への対応
などを
無料で
してくれるところです。
もちろん、今契約しているガス会社に床暖房向けプランがあるなら、それを利用する手もあります。
でも、もし
「床暖房をつけるのを機に、ガス会社を変えようかな。」
「今のガス会社より、もっと安くなるところはないの?」
と思っているなら、ぜひガス会社変更サービスに、良いガス会社がないか問い合わせてみてください。
ガス会社変更サービスはガス会社の状況にもとても詳しいです。
自分でガス会社に当たって調べるより、効率的に、楽に、良いガス会社を見つけることができますよ!
ガス会社変更サービスについては、ぜひこちらを読んでくださいね。
関連記事:【2021最新】ガス料金を節約するプロパンガス会社変更サービス比較
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まとめ
『床暖房はつけっぱなしの方が安い』というのは、
本当です。
でもそれは、
『こまめに消すよりは、連続で運転したほうがガス代が安い』
という意味であって、
『24時間つけっぱなしが一番ガス代が安くなる使い方』という意味ではありません。
たとえば、日中家に誰も居なくなるのであれば、その時間帯は消しておいた方が節約になります。
- 長時間の外出の時は消す
- 就寝中は消す
- スイッチのオン・オフは1日2回まで
- 短時間の外出ならつけっぱなしにする
ということを目安に、あなたのライフスタイルに合わせて、なるべく安く使える使い方を見つけてみてくださいね。
もちろん、必要な時はしっかり使ってください。
そして、床暖房には他にも節約方法があります。
床暖房を設置する時には
- 床暖房を効率的に配置する
- なるべく安い料金プランを利用する
そして使っている時には
- 床暖房の熱を効率よく使えるようにする
- 部屋の熱を逃がさないようにする
ということを意識してみてください。
床暖房を上手に使って、冬を快適に過ごしてくださいね!