プロパンガスは、ガスボンベを各家庭に配って供給しています。
ということは、『各家庭に配ってあるガスの量は限られている』ということですよね。
たしかに、いつもよりたくさんガスを使ったときなどには、ちょっと心配になります。
もしガス切れになって、急にガスが使えなくなってしまったら、大変です。
ガスボンベの交換時期や残量は、どうしたらわかるのでしょうか。
ガス会社は、どうやって交換時期を決めているのでしょう?
ということで、今回は、
- プロパンガスボンベの交換時期とその確認方法
- ボンベの中のガスの残量を知る方法
について解説します。
ぜひ読んでくださいね!
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プロパンガスボンベの交換時期は?
結論を先に言うと、
プロパンガスボンベの交換時期は、ガス会社がそれぞれの世帯のガスの使い方に合わせて、適切に決めてくれています。
ですから、私たち一般の消費者は、交換時期を気にしなくても全く問題ありません。
では、ガス会社がどんなふうに交換時期を判断しているのか、解説していきましょう。
プロパンガスボンベの交換時期
プロパンガスボンベの交換時期は、供給している家庭や施設などによって違います。
それぞれの家庭や施設によって、ガスを使う量が違うからです。
なので、『月に1度』というように、固定的に決められているわけではありません。
プロパンガス会社では、供給する場所の
- 家や施設の広さ
- 世帯人数
- どういったガス器具を使っているか
- ガスメーターで把握する実際の使用量
- 一般家庭での使用か、店舗などの業務で使うか
といったことから、必要なガスボンベのサイズや数、交換の時期を判断しています。
参考に、具体的にどのくらいの間隔で交換しているのか、見てみましょう。
4人家族の家庭の場合、このくらいが目安になります。
使うガス器具 | 1ヵ月の目安使用量 | ボンベのサイズ | 交換時期 |
コンロのみ | 4立方メートル | 20kgボンベ | 2~2.5ヵ月 |
コンロと湯沸かし器 | 10立方メートル | 20kgボンベ | 1~1.5ヵ月 |
コンロと給湯器 (キッチンと風呂で使用) | 20立方メートル | 50kgボンベ | 1.5~2か月 |
メモ
ガスボンベの交換は、ガス会社に全部お任せでOKです!
- 使用者がガスの残量を考えてガス会社に連絡する
- ガスボンベ交換に立ち会う
といった必要はありません。
安心して、ガス会社に任せてください。
ガス切れになる可能性はある?
先に書いたように、ガス会社では、使用状況に合わせてガスボンベを交換するので、
ガス切れになることは、まずありません。
また、ボンベの設置も、ガス切れにならないようにしています。
ボンベは、2本以上設置されていますよね。
1本が空になると、自動的にもう1本から供給される仕組みになっているのです。
もちろん、ボンベ交換の時も、1本のボンベを外している間に、もう1本から供給されます。
なので、交換作業をしている間も、全く問題なくガスを使えます。
そんなわけで、いつも通りガスを使っている分には、ガス切れの心配はありません。
安心して使ってください。
ただし、大量にガスを使うと、切れてしまうことがないとは言えません。
もし、
- 世帯の人数が急に増えて、ガスを使う量が大幅に増えそう
- ガス暖房を導入したなど、ガスの使用量が急に増えることになった
- 普段からガスの使用量が多い世帯で、ガス会社が変わる
といった場合は、ガス会社に連絡してください。
そうすれば、ガス会社も、ガスボンベの交換スケジュールを決めやすくなります。
メモ
大量にガスを使うなら、ガスボンベではなく、バルク供給を利用するのも、おすすめです。
たとえばエネファームなど、燃料電池を使うと、ガスの使用量も増えますよね。
そういったガス器具を導入する時は、ガス会社に相談してみてください。
交換時期を確認する方法
そんな時は、
『どのくらいの期間でガスボンベを交換しているのか、ガス会社に問い合わせる』
これが最も手っ取り早いです。
また、ガス切れのことが心配なら、そのことも相談してみてくださいね。
どんな風にガス切れを防いでいるか、教えてくれますよ。
万が一ガス切れになったら
もしも
- いつも通り使っているのに、ガスの火が点かない
- もしかしてガス切れ?
という場合は、すぐに契約しているガス会社に連絡してください。
プロパンガス会社では、『緊急事態への対応』も業務に含まれています。
なお、そういった万が一の時に備えて、
- 緊急対応の体制がしっかりしているガス会社を選ぶ
- 緊急時の連絡先を、すぐわかる所に貼っておく
ということも大切です。
メモ
もし、『今のガス会社は緊急対応が心もとないな…』と思う時は、ガス会社の変更も検討したほうが良いかもしれません。
そんな時は、ガス会社変更サービスに相談してみてください。
プロパンガスボンベの残量を確認する方法
ここまでで、ガス切れにならないように、ガス会社がボンベを交換してくれることはわかりました。
ガスを使っている人が、ガスボンベの残量をわかっていなくても、何の問題もありません。
はい、そんなあなたのために、ここからは『残量を知る方法』について解説していきます。
プロパンガスボンベの残量を知る方法
プロパンガスボンベを外から見ても、中の量はわからないですよね。
でも、確認する方法はあります。
それは、
- 超音波の測定器を使う
- ガスメーターから計算する
という方法です。
超音波測定器を使う
『LPガス残量チェッカー』という、超音波の測定器があります。
ガスボンベの残量を知るなら、これを使うのが最も手軽で安全です。
使い方は、『ガスボンベの外側の、下から上に、もしくは上から下に当てていく』だけです。
ガスが気体になった所、もしくは液体になった所でランプの色が変わるので、簡単に残量を知ることができます。
デメリットは、少々お値段が高いこと。
Amazon、楽天ともに、1万円以上の価格です。(2020年11月12日現在)
でも、『残量をきちんと把握したい』というなら、一番のおすすめです。
超音波の測定器には、
- 家庭用ガスボンベでも測定できるもの
- 直径が200~350mmのガスボンベ用のもの
など種類があるので、買う時にはスペックをよく確認してください。
ガスメーターから計算する
ガスメーターから計算することで、ガスボンベの残量を知ることができます。
手順は、
- ガスボンベを交換してもらった時のメーターの数値をチェックしておく
- ガスの残量を知りたくなったら、再びメーターの数値をチェック
- 2でチェックした時の数値から、ボンベ交換時の数値を引く
- ボンベに入るガスの量から3の数値を引く
という方法です。
たとえば、
- ボンベを替えてた時のメーターの数字が27.5
- 残量を知りたいと思ってチェックした時が35.1
だとすると、
35.1(後にチェックした値)-27.5(ボンベ交換後の値)=7.6(使用量)
で、7.6立方メートル使ったことになります。
プロパンガスボンベの中に入っているプロパンガスの量はだいたい
20kgボンベ
⇒約10立方メートル
50kgボンベ
⇒約25立方メートル
なので、
50kgボンベだと、
25(満タンで入っていた量)-7.6(使用量)=17.4(残りの量)
となり、
ボンベの中には約17.4立方メートル残っている
ということになります。
ただしこの方法を使うには、
ガスボンべを交換するたびに、メーターをチェックしておく必要があります。
他にも方法はあるけれど…
他にも、ガスボンベの残量を推測する方法がないわけではありません。
それは、
- ガスボンベを振って『チャプチャプ』という音で確かめる
- ガスボンベごと重さを計る
という方法。
でも、家庭に設置されたガスボンベでは、絶対にやらないでください。
なぜかというと、
- ガスボンベや配管などが損傷したり接続が外れたりすると、大事故につながる
- ガスボンベ自体が重いので、怪我につながりかねない
- そもそもガスボンベはガス会社の所有物なので、いじってはいけない(万が一ガスボンベをいじって壊したら、賠償責任が生じる)
という理由からです。
ガスボンベを動かそうとして、
ガスボンベや配管が損傷したり、外れてしまったりすると、ガス漏れや大事故につながります。
もちろん、自分で接続を外すのも、ガス漏れなどの危険性があります。
また、ガスボンベは、とても重いもので、素人が動かすのは危険です。
ガスボンベをゆすったり持ちあげようとしたりする時に、ガスボンベが倒れたりしかねません。
ボンベにとって危ないのはもちろん、けがだってするかもしれません。
安全上の理由からも、管理上の理由からも、
自分の敷地内に置いてあっても、残量が気になっても、ガスボンベは絶対にいじらないでくださいね。
レンタルや個人所有のボンベの残量を知るには
レンタルや個人所有のプロパンガスボンベだと、残量を知りたいですよね。
そういう時は
- 超音波の残量チェッカーを使う
- 持ち上げられるボンベなら、重さで判断する
- ガスの消費カロリーなどから計算して判断する
という方法があります。
残量チェッカーを使う
レンタルや個人で所有しているボンベの残量を量るときも、
最も安全で楽なのが、『残量チェッカーを使う』という方法です。
ただ、先ほども書いたように、あまり安いものではありません。
ですから、残量チェッカーは『個人でボンベを所有して、わりと頻繁に使う人向け』と言えます。
『年に1度レンタルする程度』なら、使う目的や使用時間をしっかり確認して、足りなくならない量のボンベを借りるほうがおすすめです!
借りるボンベのサイズをどう判断するかは、こちらを読んでくださいね。
関連記事:プロパンガスボンベのレンタル料金をチェック!おすすめ業者は?
ボンベの重さで判断する
自分で持てる重さのボンベなら、『ボンベの重さを量って計算する』という方法で残量を判断できます。
計算方法は、
満タンにしたときのボンベ全体の重さ - 今のボンベの重さ
ですから、簡単です。
ガスを満タンにしたガスボンベの重さは、
ボンベのサイズ | 充填ガス量 | ボンベ本体の重さ | 満タンのボンベ全体の重さ |
2㎏ | 2㎏ | 4.5㎏ | 6.5㎏ |
5㎏ | 5㎏ | 7.5㎏ | 12.5㎏ |
8㎏ | 8㎏ | 10㎏ | 18㎏ |
10㎏ | 10㎏ | 11㎏ | 21㎏ |
となっています。
ただし、ボンベの重さを量る時には
- ガスホースやガス器具につないでいない時に量る
- 落としたり倒したりなどして衝撃を与えないように気を付ける
- 重いので、腰を痛めたりしないように気を付ける
といったことに、十分注意してください。
ガスボンベは重いですから、無理しないでくださいね。
注意ポイント
家庭に設置されたガスボンベ同様、レンタルのボンベは業者の所有物です。
壊してしまった場合には賠償責任が生じるので、レンタルのボンベの重さを量るのは、おすすめしません。
ガス器具の消費カロリーなどから計算する
『ガスをどれくらい使ったかを、ガス器具の消費カロリーから計算する』
という方法もあります。
1kcalの熱量を出すのに使うプロパンガスの重さは、『0.001kg』。
ですから、
ガス器具を使ったときの消費カロリー(kcal) × 0.001 =プロパンガスを使った量
になります。
でもこの方法は、あまり正確ではありません。
なぜかというと、ガス器具の消費カロリーは、
- 周囲の気温
- ガス器具を使うときの火力
- 調理に使う鍋などの熱効率
といった、ちょっとした条件で変わってしまうからです。
また、ガス器具で消費したカロリーを計算するのも、面倒ですよね。
ですから、超音波チェッカーを使うか、重さを量るほうがおすすめです。
関連記事:プロパンガス(LPガス)の重さや消費量からカロリーを換算する方法
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まとめ
プロパンガスボンベの交換の時期は、その世帯のガスの使用状況を考慮して、ガス会社で決めています。
ガス切れにならないように交換してくれるので、ガス会社にお任せしていて大丈夫ですよ。
ただし、ガスの使用量が急に増える場合は、できるだけ早めにガス会社に連絡してください。
ガス会社のほうで、適切に交換するように対応してくれます。
ガスボンベの残量を知るには、
- 超音波のチェッカーを使う
- ボンベ交換後のメーターをチェックして、計算して残量を出す
- 小さいボンベなら、重さを量って計算する
という方法があります。
ただし、重さを量ってよいのは、あくまでも
- 無理せず持ち上げられる重さのボンベである
- ガスホースやガス器具に繋がっていない状態で、安全に持ち上げられる
という場合だけです。
家庭に設置されたガスボンベはガス会社の所有物ですし、危ないので、絶対にいじったり動かしたりしないでください。