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いろいろな場面で使う、プロパンガスのガスボンベ。
高圧で液体にしたガスを安全に入れておけるように、とても丈夫にできています。
でも、いくら丈夫にできているといっても、ずっと使い続けられるわけではないですよね。
では、プロパンガスのボンベには、使用期限があるのでしょうか?
そしてプロパンガスボンベを使うとなると、使い方も気になりますよね。
どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。
ということで今回は、プロパンガスのボンベの使用期限や、使い方についてお伝えします。
大事なボンベの検査のことも書いてあるので、ぜひ読んでくださいね!
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プロパンガスボンベの『使用期限』と『充填期限』

プロパンガスの期限は?
プロパンガスボンベには、『充填期限』がある
プロパンガスボンベには、『使用期限』ではなく
『充填期限』
という期限があります。
これは、
『ガスを充填できるのは、この月まで』
という期限です。
充填期限を過ぎたガスボンベは、再検査をしないとガスを充填することができません。
どんな検査をするかというと
- 耐圧検査
- 質量検査
- 外観検査
があります。
この検査を通ると、
新たな充填期限を設定され、また使うことができます。
『充填期限』の確かめ方
プロパンガスボンベの充填期限は、
プロパンガスボンベ本体に、赤い字で大きく書いてあります。

ガスボンベの充填期限の表示
この画像を見ると、『充てん期限』という字が切れてしまっていますが、赤い字で
『平31-4』
と書いてありますよね。
青線の部分です。
これが充填期限で、この場合は『平成31年4月』が期限です。
充填期限は、『再検査が必要な前月』が書かれています。
この写真の場合だと、
『平成31年4月までは充填できます』
『平成31年5月には再検査を受けてください』
ということになるのです。
充填期限が過ぎたプロパンガスボンベについて
『充填期限を過ぎたプロパンガスボンベは、再検査しないとガスを充填することができない』
と書きました。
『じゃあ、充填しないで、残っているガスを使うのはかまわないの?』
と思う人もいるかもしれませんね。
たしかに『充填の期限』なので、充填せずに、中に残っているガスを使うこと自体は、違反ではないようです。
でも、充填期限を過ぎたプロパンガスボンベは、充填しなくても、使うのは危険です。
充填期限は『この期間が過ぎたら、再検査が必要』という期限。
言い換えると、
『この期限を過ぎて検査せずに使うのは、危ないですよ』
ということでもあるのです。
充填期限を過ぎたら使用せず、必ず、できるだけ早く再検査をしてもらってください。
また、充填期限を過ぎたプロパンガスボンベは、再検査まで
- 容器が高温にならないようにする
- 倒れたり、物がぶつかったりしない場所に保管する
- 絶対にコックを開けない
ということに気を付けて管理してください。
充填期限のわからないガスボンベを見つけたら
もし、充填期限がわからないガスボンベを見つけた時には、
- 動かそうとしたり、倒したり衝撃や振動を与えたりしない
- コックを開けない
- ガスボンベに会社名がある場合は、その会社に連絡する
- 会社名がわからない場合や、会社に連絡が取れない場合は、近くのプロパンガス会社に問い合わせる
- 近くのプロパンガス会社で対応できない場合は、『全国LPガス協会』に相談
というようにしてください。
特に、
『むやみに動かしたりしない』
ことが大事です。
充填期限を大幅に過ぎたガスボンベは、劣化していたりするかもしれません。
ガス漏れを起こしたり、破裂したりするととても危険です。
くれぐれも、自分でどかそうとしないでくださいね。
プロパンガスボンベの寿命
プロパンガスボンベの寿命は、
20年
が目安です。
とはいっても、
いわゆる『使用期限』ではありません。
法律で定められた検査を通りさえすれば、
20年を過ぎても使うことができます。
でも実際には、20年を過ぎているプロパンガスボンベを使っている人は、あまりいません。
なぜかというと、20年を過ぎたプロパンガスボンベは、保安点検の間隔が近くなり、その費用がかかるからです。
プロパンガスボンベは、10kg以下のボンベの場合は
製造から20年未満…6年に1度
製造から20年以上…2年に1度
20kg、50kgボンベなど、大きいボンベは
製造から20年未満…5年に1度
製造から20年以上…2年に1度
という間隔で、保安点検が義務付けられています。
大きさに関わらず、
20年以上たったボンベでは、保安点検が2年に1度になります。
保安点検にかかる費用を考えると
『長く使うよりも、新しいガスボンベにしたほうがコストが安くて済む』
と考える人が多いため、20年を過ぎたボンベを使う人が少ないのです。
ちなみに、平成元年3月31日以前に製造されたガスボンベは、それ以降に製造されたものとは保安点検の間隔が違います。
まず、25L以下のボンベでは
- 製造から20年未満のものは、6年に一度
- 製造から20年以上のものは、2年に1度
25L以上50L未満のボンベだと
- 製造から10年未満のものは、5年に1度
- 製造から10年以上20年未満のものは、3年に1度
そして50L以上120L未満のボンベでは、
- 製造から8年未満のものは、4年に1度
- 製造から8年以上20年未満のものは、3年に1度
となっています。
ただし、平成元年3月以前の製造となると、ガスボンベ自体がすでに30年を超えていますよね。
より確実な安全性を考えると、新しいボンベのほうが良いでしょう。
カセットガスボンベには『使用期限』がある
プロパンガスボンベには『充填期限』がありますが、カセットガスボンベには『使用期限』があります。
それは、
製造から6~7年くらい
が目安です。
といっても、この使用期限を超えると
『中のガスが劣化する』
というわけではありません。
カセットガスボンベの部品として使われているゴムパッキンが劣化してしまうのです。
そのため、メーカーでは
『安全に使用できるのは、製造から6~7年』
としています。
『古いガスボンベでも、問題なく安全に使えた』
という報告もあります。
ただし、
期限を超えたボンベを使うのは、自己責任になる
ので、そのことは頭に入れておいてくださいね。
カセットガスボンベの製造年月日は、缶の底に『20180321』のように書いてあります。
(平成25年10月以前に製造されたものだと、違う形式で書いてある場合もあります。)
その製造年月日から6~7年以内なら、安心して使えます。
ただし、
- 製造年月日から6~7年を大幅に過ぎている
- 缶がさび付いている
- 製造年月日が読めないが、明らかに古い
- カセットガスボンベが変形している
- 使ってみたら、異臭や異音がした
という場合は、
使わないでください!
カセットガスボンベの処分方法については、こちらの記事で書いています。
あわせて読んでくださいね。
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-
プロパンガスのボンベを処分する方法をチェック!回収業者は?
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プロパンガスボンベの使い方

ガスボンベの使い方は?
プロパンガスボンベを使う時に大切なのは
『正しく安全に使うこと』。
そのために、
レンタル店や販売店で取り扱いの説明を受け、しっかり理解してください。
特に初めての場合は、使う時の手順や注意事項など、難しく感じることもあるかもしれません。
よく説明してもらい、わからないことは質問し、教えてもらってください。
もちろん、この記事でも使い方の基本について、お伝えします。
じっくり読んでくださいね。
プロパンガスボンベを安全に使うには
では、
- ガスボンベの設置の仕方
- ガス器具について気を付けること
- 実際にガスを使う時の注意事項
- ガスボンベを返却する時
- ガスボンベの保管の仕方
についてお話ししましょう。
ガスボンベの設置の仕方
ガスボンベを設置する時には
- 火気から2m以上離す
- 調整器を付けてもらったら外さず、必ずつけたままにしておく
- ガスボンベが倒れないような、平らで安定した場所で使う
- 直射日光が当たる場所など、ボンベが温まってしまう場所を避ける
- ガスボンベやバルブに衝撃を与えないこと。
- 物が落ちてきたり倒れてきたりしてガスボンベに当たらない、安全な場所に置くこと
「設置だけでもいろいろ注意することがあるな…」
と思うかもしれませんが、これは『基本のき』です。
どれも、ガスを安全に使うためには欠かせないことなので、必ず守ってください。
とくに、夏の屋外では、直射日光が当たるとすぐボンベが温まってしまいます。
かならず日陰の、安全で安定して置ける場所に置いてくださいね。
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プロパンガスのボンベ置き場をチェック!設置基準や保管のルールは?
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ガス器具について気を付けること
プロパンガスを使う時には、当然、ガス器具やガス器具とつなぐホースなどについても注意が必要です。
- プロパンガス用の、オレンジ色のガスホースを使う
- コンロなどのガス器具は、必ずプロパンガス用のものを使う
- ガスホースは確実に接続する
- ガスホースは、物陰を通したり折り曲げたり、上に物を乗せたりしないこと
- ガスホースが熱を持ったガス器具に触れないようにすること
- ガスホースは分岐させたり継ぎ足したりしないで、1本で使うこと
ガスホースやガス器具は、必ずプロパンガス用のものを使いましょう。
都市ガスとプロパンガスでは、ガスの熱量や成分、空気と混ぜる割合が違います。
プロパンガスに都市ガス用のガス器具を使ってしまうと、不完全燃焼や過燃焼などが起きる可能性があり、危険です。
ホースや器具を用意する時も、プロパンガス用のものであることを、必ず確認してください。
ガスホースや器具は、
確実に接続してください。
ゆるみがあったりすると、ガス漏れしてしまう可能性があります。
また、ガスホースが折れ曲がっていたり、上に物が乗っていたり、熱を持ったガス器具に触れていたりすると、これも危険です。
ガスが上手く通らなくなったり、ガスホースが破損することがあるからです。
もちろん、ガスホースを踏んだりしないようにも、気を付けてください。
そして、
ガスホースは、コックからガス器具まで1本で使うこと。
ガスホースを分岐させるアイテムもありますが、
分岐してガスを使うことは禁止されています。
継ぎ足しも、万が一外れてしまうと危険なので、やめてくださいね。
使用前の点検
ガスを使う前には、もう1度、点検をしましょう。
点検のポイントは
- ガスボンベや調整器、ヒューズコック、ゴムホース、コンロなど、接続した部分に接続不良やゆるみなどがないか
- ガスホースに亀裂や焼け焦げはないか
- ガスホースが物陰を通っていたり、上に物が乗っていたり、折れ曲がったりしていないか
レンタルでガスボンベを借りた場合は、配達もお願いすると、レンタル元のガス会社の人が点検してくれます。
プロに点検してもらったほうが安心ですし、運搬もしてもらうと楽ですよね。
レンタルの場合は配達してもらうことをおすすめします。
ガスを使う時に気を付けること
ガスを使っている時に気を付けるのは
- 十分換気のできる場所、屋外なら風通しの良い場所で使う
- ガス器具のそばに、燃えやすいものを置かない
- きちんと火がついたかどうか、目で見て確認する
- ガスの火が青い火になっているか、確認する
- ガスを使っている間は、そばを離れない
- 火を消したら、火が消えたことを目で確認する
- 使い終わったら、確実に元栓を閉める
これは火を使う時の基本です。
キッチンでガスを使う時も、同じですよね。
特に、屋外で使っていると、風で枯葉や紙などが飛んできて、コンロに接触し、火が点いてしまう可能性もあります。
なので、
常に、確実に、誰かが火のそばにいて対応できるようにしておいてください。
たとえわずかな間でも、油断しないでくださいね。
ガスボンベを返却する場合
レンタルでガスボンベを使う場合、返却する時にはガス会社の人が引き取りに来ることがほとんどです。
多くの場合、その時にガス会社の人が器具やホースを外してくれます。
『使い終わったら、器具などはつないだままにしておいてください』
と指示されたら、その指示に従ってください。
むやみに自分で外したり片付けたりせず、そのままで、引き取りに来るのを待ちましょう。
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ガスボンベの保管の仕方
ガスボンベを、レンタルではなく購入して持っている場合は、保管の時にも注意が必要です。
保管場所には条件があり、
- 火気から2m以上離れている
- 直射日光が当たらず、ガスボンベが40℃以上にならない
- 置いたガスボンベが転がったりせず、安定して置ける
- ガスボンベに車や物がぶつかったり、物が落ちてきて当たったりすることがない
- ボンベが腐食しない、水はけがよい場所
という場所に保管する必要があります。
また、
- ガスボンベを置いてある場所には、携帯電灯以外の燈火を持ち込まない
- ガスボンベを保管する設備は、不燃性、難燃性の素材で作る
- ガス漏れがあってもガスが滞留しないように対策をする
- いたずらや盗難防止のため、鍵をかける
という注意も必要です。
どれも安全に保管するために、大切なことです。
必ず守ってくださいね。
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万が一ガス漏れがあったら
ガスを使っていて
『なんだかガス臭い』
『もしかしたら、ガス漏れかも?』
と思ったら、
- 使用中の火をすべて消す
- ガスボンベのバルブを閉める
- 周囲に火気厳禁を呼びかける
- ガスボンベの販売店、レンタル店に連絡する
- 点検してもらう
これを守ってください。
中でもとても重要な、『火気厳禁』について、確認しておきましょう。
『火気』とは、タバコやライター、花火などの、いわゆる『火』だけではなく、
- 電気関係のスイッチの火花
- 静電気の火花
- 草刈り機が石にあたったりして出る火花
も、『火気』です。
よく、
「ガス漏れの時に換気扇を使ってはいけない」
と言いますよね。
これは、スイッチを入れる時の火花が引火する可能性があるからです。
『電気関係のスイッチの火花』も同じ理由で、ガス漏れの時には危険なのです。
『ガス漏れがあったら、機械類は使わない』
と思ってちょうど良いくらいでしょう。
そして、
ガスボンベの販売店、レンタル店に連絡して、点検してもらってください。
屋外では、ガスの臭いが風に散らされて、感じられなくなることもあるかもしれません。
でも
点検が済んで、異常がないことを確認できるまでは、絶対に使用を再開しないでください。
『臭いがしなくなったから大丈夫』
は厳禁です!
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まとめ
プロパンガスのボンベには、『充填期限』があり、期限を過ぎたら再検査が必要です。
再検査は、プロパンガスボンベを安全に使うためにとても大切なものです。
また、この検査に通らないと、ガスを充填してもらうこともできないので、必ず受けてくださいね。
一方、カセットガスボンベには、使用期限があり、こちらは製造から6~7年。
期限が切れたガスボンベは、内部の部品が劣化していることがあります。
できるだけ、期限内に使うようにしてください。
そして、プロパンガスボンベを使う時や保管する時には、いろいろと注意することがあります。
注意することは、たくさんあるように感じるかもしれません。
でも、1つ1つ確認しながら対応していけば、大丈夫です。
プロパンガスボンベを購入する時、またレンタルする時には、ガス会社の人の説明をよく聞いて、守ってくださいね!
注意点さえ守れば、プロパンガスは安全に使えます。
きっと楽しい時間を過ごせますよ!