「毎月のガス代をもう少し抑えたい…。でも、プロパンガスが高いってよく聞くし、カセットコンロも便利そうだけど本当にお得なのかな?」
こんな疑問を抱えている方は多いですよね。
実際、プロパンガスとカセットコンロのコストを比べると、どちらが得かは使い方や家庭の状況によって変わります。
たとえば、カセットコンロは災害時にも役立つ便利な調理器具ですが、日常的な調理や給湯に使うとなると、意外とコストがかさむケースも。
本記事では、プロパンガスとカセットコンロのランニングコストやメリット・デメリットを実際のデータやシミュレーションを用いて、徹底比較していきます。
日常生活で本当に節約になるのはどちらなのか、そして
「プロパンガス料金をもっと下げるにはどうしたらいい?」
という疑問にお答えするヒントをまとめました。
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プロパンガスとカセットコンロ基本的な仕組みと特徴
まずは、プロパンガス(以下、LPガスとも呼びます)とカセットコンロの仕組みや特徴を整理しておきましょう。
プロパンガス(LPガス)とは?
プロパンガスは、ブタンやプロパンを主成分とする液化石油ガスです。
主にボンベを家庭の外に設置し、ガス会社によって定期的に交換されます。
都市ガスに比べ、熱量が高いのが特徴ですが、料金は地域やガス会社によって大きく異なる傾向にあります。
また、配管工事が不要なため、都市ガスがまだ来ていない地域でも導入しやすいというメリットも。
一方で、ガス料金が「基本料金+従量料金」という仕組みになっているため、使用量が多い家庭ほど料金面が気になるケースがあります。
カセットコンロ(カセットガス)とは?
カセットコンロは小型のガスボンベ(カセットガス)をセットして使うポータブルコンロです。
調理時に必要な熱量を、比較的手軽に得られるため、アウトドアや災害用の備えとしても便利です。
屋外でも使いやすく、手軽に火力を得られる一方、カセットガスは1本あたりの熱量が限られているため、毎日料理をする場合のランニングコストが意外と高くつくこともあります。
月間使用量別のコスト比較
プロパンガスとカセットガスのコストを比較するうえで、重要なのは「どのくらいの量を使うのか」です。
最初に、基本的な計算例を見てみましょう(地域や時期による価格変動あり)。
- プロパンガス(東京都平均)
- 基本料金:1,500円/月
- 従量料金:473円/㎥
- 熱量:24,000kcal/㎥
- カセットガス
- 1本あたり:100円(最安値想定)
- 熱量:2,963.6kcal/本
このように熱量を比較すると、プロパンガス1㎥(24,000kcal)=カセットガス約8本分(8×2,963.6kcal≒23,708.8kcal)とほぼ同等とみなせます。
実際の料金比較の一例を示すと、プロパンガスで1㎥使用すると「1,500円+473円=1,973円」。
同量の熱量をカセットガスでまかなうには「100円×8本=800円」。
一見すると、カセットガスがずいぶん安く見えます。
しかし、プロパンガスの料金には「基本料金」が含まれており、使用量が増えるほど従量料金部分が大きくなる一方で、カセットガスは使えば使うほど買い足す必要があります。
重要なのは、月間で4.59㎥を境にプロパンガスのほうが安くなる
という計算結果が得られるという点です。
以下にざっくりした目安を示します。
- 月4.59㎥以下の場合:カセットガスのほうが安い可能性がある
- 月4.59㎥を超える場合:プロパンガスのほうがコストを抑えられる
なぜ「4.59㎥」が境目になるのか?
基本料金 + 従量料金×使用量=カセットガス単価×8本×使用量
この方程式がイコールになる点が約4.59㎥というわけです。
式に当てはめると、
1,500+473x=800x
1,500=327x
x≈4.59
となります。
つまり、
月間の使用量が約4.59㎥を超えると、プロパンガスだけで使ったほうがトータルコストが安くなる
という理屈です。
とはいえ、カセットガスの値段が常に1本100円で買えるとは限らないですし、地域によってはプロパンガスの従量料金がもっと安い(または高い)ケースもあります。
この境目は各家庭の実際のガス単価によって変動し、「自宅でお湯をどの程度使うか」や「料理をどれくらいの頻度でするか」などでも差が出るでしょう。
お風呂や給湯をするなら、プロパンガスのほうが安い
実は、お風呂やシャワーを日常的に使う家庭は、ほぼ間違いなくプロパンガスのほうが経済的です。
なぜなら、給湯器はプロパンガスで動かす前提になっている場合が多く、そこを無理やりカセットガスでまかなうのは、現実的に難しいからです。
また、料理だけをカセットコンロに切り替えたとしても、給湯設備がプロパンガスを使う以上、基本料金は必ず払うことになります。
中途半端にカセットコンロを使うことで、カセットガス代が上乗せされ、むしろ高くついてしまうケースが少なくありません。
カセットコンロが向いているごく限定的なケース
月に数回しか料理をしない、あるいはお湯は電気ケトルや電気温水器で済ませるなど、プロパンガスの使用量自体が極端に少ない家庭なら、カセットコンロ中心の生活も成り立つ可能性があります。
たとえば、平日は外食や中食(惣菜)中心でほとんど火を使わない、シャワーは電気給湯器を導入している、といった生活スタイルです。
ただし、こうしたケースは非常にまれで、ほとんどの世帯では調理や給湯、暖房などでプロパンガスを一定量使うため、カセットコンロだけに頼るのは非現実的といえるでしょう。
実際の数値シミュレーション(複数パターン)
1. プロパンガスを5㎥使用する場合
- プロパンガスのみ(473円×5㎥)+1,500円=3,865円
- カセットガスのみ(5㎥相当の熱量)100円×8本×5=4,000円
5㎥程度では、
プロパンガスのほうが約135円安い
という結果になります。
2. プロパンガスとカセットガスを併用するケース
たとえば、
- カセットガスコンロで2㎥分の調理
- 給湯器はプロパンガスで4㎥分使用
と仮定した場合、計算は以下のようになります。
カセットガス代=100円×8本×2=1,600円
プロパンガス代=(473円×4㎥)+1,500円=3,392円
合計 = 1,600円 + 3,392円 = 4,992円
一方、プロパンガスだけで6㎥使うとすると、
(473円×6㎥)+1,500円=4,338円
差額は
4,992円 - 4,338円 = 654円
の違いで、プロパンガスのみのほうが安くなります。
これはカセットガスを
「ちょっとでも節約に使えれば…」
と思って取り入れたとしても、給湯に必要な基本料金は変わらず、カセットガスの分が上乗せされるからです。
カセットコンロのメリット・デメリット
ここまで「カセットガスが割高になるケースが多い」という話をしてきましたが、それでもカセットコンロを利用する場面はあります。
コスト以外の観点から、カセットコンロには以下のようなメリット・デメリットがあります。
- メリット
- ポータブルで場所を選ばない
- アウトドアやキャンプ、卓上での鍋パーティーなど、好きな場所で火が使える
- 災害時の備えになる
- 停電やガス供給停止時にも、カセットガスがあれば調理が可能
- 設置が簡単
- 特別な工事が不要。
ボンベをセットするだけ
- 特別な工事が不要。
- ポータブルで場所を選ばない
- デメリット
- 連続使用にはコスパが悪い
- 毎日複数回の調理をする場合、カセットガスの消費が大きくなる
- 安全管理が必要
- 高温多湿の場所で保管すると爆発のリスクもある。
捨てるときはガス抜きが必要
- 高温多湿の場所で保管すると爆発のリスクもある。
- 口数が少ない
- 1口しかなく、複数同時調理には複数台のコンロが必要
- 連続使用にはコスパが悪い
プロパンガスのメリット・デメリット
一方で、プロパンガスにはどのような特徴があるのでしょうか。
- メリット
- 熱量が高く、強い火力を得られる
- ガス会社がボンベを交換管理してくれるので、利用者は手間いらず
- 2〜3口のコンロを使えるため、日常調理には便利
- デメリット
- 地域や契約形態によって料金が大きく変わる
- 基本料金がかかるため、使わなくても一定のコストが発生
- 高齢のボンベ設備や不誠実な業者だと、安全面やコスト面に不安がある場合も
大きな分岐点コンロ以外にもガス器具を使うかどうか
プロパンガスを使うご家庭では、給湯器やガス暖房器具など、コンロ以外にもさまざまなガス機器を使っている場合が多いです。
そのため、コンロだけをカセットガスに置き換えても、給湯や暖房でプロパンガスを切れない限り、基本料金は避けられないのです。
この点が、カセットコンロへの全面移行が難しく、結局プロパンガスのほうが有利になりがちな理由といえるでしょう。
プロパンガス会社を変更すればガス料金は下げられる?
「それなら、プロパンガスは高いと聞くけど、もっと安くなる方法はないの?」
と思われる方もいるでしょう。
実は、
プロパンガスの料金は、同じ地域でも業者によって大きく差が出る
ことがあります。
さらに、
契約時は安かったのに、後々こっそり値上げされていた…
という事例も少なくありません。
そんなときの対策として、「プロパンガス会社を変更する」という選択肢があります。
料金の安い良心的な会社へ乗り換えれば、毎月の基本料金や従量料金が下がり、結果として大きな節約につながることも多いです。
ワンポイント
プロパンガス会社を探すときは、自分で一社ずつ問い合わせるのもアリですが、手間がかかるうえ、契約後に値上げリスクがある業者を見抜くのは容易ではありません。
そこで、「ガス会社変更サービス」など、専門家が適正価格の会社を紹介してくれる仕組みを活用するのも手です。
>>ガス代が高すぎる!料金の相場比較チェックはコチラの記事から
都市ガスへの切り替えは得策なの?
「プロパンガスが高いなら、いっそ都市ガスへ変えれば?」
と考える方もいらっしゃいます。
しかし、都市ガスへの切り替えには大きなハードルがあります。
- 供給エリアの制限
- 都市部でも供給管が通っていない建物や地域があり、切り替え不可の場合がある
- 初期費用の大きさ
- ガス管の引き込み工事や設備撤去、新規機器の設置費用など、数十万円〜100万円程度かかることも
- 工事期間中の不便
- お風呂やキッチンが使えない日が発生する可能性が高く、生活に支障をきたす
さらに、投資した初期費用を毎月のガス代削減分で回収するのに数年〜10年以上かかるケースも多く、単純に「都市ガスは安い」で済む話ではないというのが実情です。
「ガス料金が高い…」と感じたらやるべきこと
ここまで読んで、
「プロパンガスのままでいいのか」
「カセットコンロを使うべきか」
と悩んだ人向けに、段階的なアクションを示します。
- 現在のガス料金が相場より高いかどうか、チェックする
- 月々のガス使用量がわかるようなら、地域の平均相場と比較してみる
- インターネットでも平均価格はある程度調べられる(例:〇〇県プロパンガス平均価格)
- 家族の人数やライフスタイルから、どのくらいガスが必要かを見極める
- 給湯、暖房、炊事など、どれくらいのガスを使うのかを概算する
- 試しにカセットコンロをメインにしてみる?
- あまりガスを使わない生活であれば、何本のカセットガスを消費するかシミュレーションしてみる
- ほとんどのご家庭では割高と感じる可能性大
- プロパンガス会社変更を検討
- 無理のない範囲で契約内容を見直し、料金削減が期待できる会社がないか探してみる
- 信頼できるガス会社変更サービスやコンサルなどに相談し、条件を比較検討する
>>ガス代が高すぎる!料金の相場比較チェックはコチラの記事から
料理面でのガス代節約術
プロパンガス会社の乗り換え以外にも、普段の料理でガス代を節約するテクニックがあります。
これはカセットコンロを使うかどうかにかかわらず、どのご家庭でも応用できる方法です。
- 圧力鍋や保温調理を活用
長時間煮込む料理を時短でき、ガスの使用量が大きく削減できる - 落し蓋・蓋を活用して蒸発を抑える
蓋をすることで熱が逃げにくくなり、火力を小さくしても調理可能 - 電子レンジや電気ケトルを有効活用
下茹でやお湯を沸かすのにガスを使わず、短時間で済ませられる - 複数の料理を同時進行
隣のコンロで違う料理を準備するなど、無駄な加熱時間を減らす
日常的に使うならプロパンガス+カセットコンロの「使い分け」がベスト
たとえば、普段は2〜3口あるプロパンガスコンロで効率的に料理を行い、家族や友人と卓上で鍋料理を楽しむときやアウトドアに行くときはカセットコンロを使う、という形が理想的です。
災害に備えてカセットコンロをひとつ常備しておくのは非常に有効ですが、光熱費を根本的に下げるには、
プロパンガス料金そのものを見直す
ことが最も効果的なのです。
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プロパンガス会社変更サービスのメリット
プロパンガスの乗り換えについて少しだけ触れておきましょう。
もし「今のガス会社が微妙に高いのでは?」と疑っている場合、こうしたサービスを利用すると、短期間で適正価格の会社を見つけられる利点があります。
- メリット1:無料で利用できる
相談料や手数料が基本的にかからない場合が多い - メリット2:自分で探すより早い
業者が加盟しているネットワークから、希望の地域・条件に合うガス会社を紹介してくれる - メリット3:料金保証などのアフターサービスがあることも
契約後に不当な値上げがあれば、仲介サービスが間に入って是正交渉をしてくれる場合がある
もちろん、地域によっては乗り換えられるガス会社が限られることもありますし、現在のガス会社との違約金の有無などもチェックが必要です。
ただ、それらを考慮しても、
実際に乗り換えてガス代が20〜30%削減できるケースは珍しくありません。
メモ
もしあなたが
「今すぐには乗り換えたくないけど、うちのガス代って適正?」
と気になる程度であれば、
無料相談だけして相場を教えてもらう
というのもアリです。
無理に契約しなくても良いところを選べば、料金の目安だけ把握しておくことが可能です。
>>ガス代が高すぎる!料金の相場比較チェックはコチラの記事から
もし都合が合えば、思い切って「相見積もり」を
いきなり乗り換えに踏み切るのは躊躇してしまう、という場合は、いくつかのガス会社変更サービスから見積もりだけとってみるのもおすすめです。
比較することで、
- 自分が現在払っているガス代が高いのか、安いのか
- どのくらいの差が生まれるのか
- サービス内容(保守点検や緊急時対応など)はどう違うのか
といったことを明確に理解できます。
>>ガス代が高すぎる!料金の相場比較チェックはコチラの記事から
カセットコンロをフル活用したい人へ
ここまで読んで「それでも、うちはあまりガスを使わないからカセットコンロで十分かも」と思った方は、以下の注意点を押さえておきましょう。
- ガスボンベの保管場所を確保
- 高温多湿や直射日光の当たらない、安全な場所が必要
- 廃棄方法を把握する
- 使用後のボンベは必ず中身を使い切ってから穴を空けるなど、自治体のルールに沿って捨てる
- 複数人暮らしの場合、コンロ1口では不便
- 調理に時間がかかる上、火の管理もリスクが高まる
- 災害時などにも予備のボンベを
- 非常用備蓄も兼ねて、定期的に在庫を入れ替える工夫が必要
まとめ自分のライフスタイルに合ったベストな選択を
- 普段のガス使用量がそれなりにある家庭
→ プロパンガスコンロをメインに使うほうが結果的に安いし、便利 - 極端にガスを使わない生活
→ カセットコンロ中心でも生活は可能。ただし「本当にそこまでガスを使わない?」をよく考える - プロパンガスが高いと感じたら
→ まずは現在のガス会社の料金設定を確認し、必要に応じて「ガス会社変更サービス」を検討 - 災害時や屋外調理に備えたい
→ カセットコンロを1台備えておくと安心
結局のところ、
カセットコンロを使うか、プロパンガスを使うか
という選択は、日常的にガスをどれだけ使うかによってコスパが大きく変わります。
多くのご家庭にとって、給湯や暖房を切り離すのは現実的ではありませんし、料理も2口や3口同時に使う場合が多いため、プロパンガスのコンロに利便性とコストパフォーマンスの面で軍配が上がることがほとんどです。
さらなる節約を目指すなら、使い分けを意識
- 日常料理
プロパンガスコンロで快適に調理しながら、ガス会社を安い業者に乗り換えて基本料金・従量料金を引き下げる - アウトドア・鍋パーティー・災害時
カセットコンロを活用し、屋内外を問わずに楽しむ。これなら使う頻度も限られ、カセットガス代がそこまで大きくならない
何より大切なのは「自分のライフスタイルを把握する」こと。
ガス使用量を把握したうえで、もし今のガス料金が高いと感じるなら、少しでも安く安心して使える会社を探すほうが、長期的に見て大きな節約につながるはずです。
>>ガス代が高すぎる!料金の相場比較チェックはコチラの記事から
あとがき
ここまで、プロパンガスとカセットコンロのコスト比較や、それぞれのメリット・デメリットなどをお伝えしてきました。
日常生活のなかで何を優先するかは人それぞれですが、
「毎月のガス代を下げたい!」と思ったら、まずはライフスタイルを振り返り、それに合った選択をする
ことが大切です。
- プロパンガスだけど基本料金や従量料金が高い気がする…
- カセットコンロを災害時や屋外用途で使うことを考えている…
- 都市ガスへの切り替えはハードルが高そう…
こんな疑問を抱えているなら、ぜひ本記事の情報をもとに、ご自身に合った方法を検討してみてください。
場合によっては、プロパンガス会社を変更してみることが、一番の近道になるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、あなたの暮らしに少しでも役立つヒントとなれば幸いです。