プロパンガスは、都市ガスより料金が高いことが多いです。
中でも、賃貸アパートなどでは、一戸建てのプロパンガスよりさらに高い傾向にあります。
都市ガスからプロパンガスの物件に引っ越して
「ガス代、こんなに高いの!?」
と驚く人も少なくありません。
「でも、どうして賃貸アパートだと、プロパンガスはこんなに高くなるのだろう?」
という疑問を持つのも、当然ですよね。
そんなあなたのために、今回は
賃貸アパートのプロパンガスが高い理由、そして節約術
について、解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
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賃貸アパートのプロパンガスはなぜ高い?
賃貸アパートのプロパンガスが高くなるのは
- プロパンガスは都市ガスより高い
- 賃貸アパートだから高い
- 中には大家さんが悪質なガス会社と契約してしまっているケースも
というように、高くなる要因が大きく2つ3つあります。
では、この3つの要因について、お話ししましょう。
なぜプロパンガスは高いのか
プロパンガスが都市ガスより高くなるのは、
- ガスボンベの配送や充填などに、人件費がかかる
- 設備費をガス料金に含めて回収している
- 自由料金なので、ガス会社の判断で値上げができる
- 原料高騰などの理由で値上げする場合も、値上げ幅はガス会社が自由に決められる
- ガス業界の慣習や暗黙のルールにより、公正な価格競争が起きにくい仕組みになっている
といった理由があります。
高い理由1 人件費がかかる
プロパンガスが都市ガスより高いのは、まずボンベの配送などに人件費がかかる、ということがあります。
都市ガスはガス管でガスを供給します。
一方プロパンガスは、ボンベの交換や配送、充填などが必要です。
『必要な作業が多い』
ということは、その分の人件費もかかる、ということですよね。
その人件費が、ガス料金に上乗せされるのです。
高い理由2 ガス料金に設備費が含まれる
プロパンガスの場合、
なんて言われていることが多いです。
それだけ聞くと、お得感がありますが、
実際はこの設備費、ガス代に乗せて回収されます。
問題は、
『設備費を回収し終わった後に、設備費分を値下げするガス会社はほとんどない』
ということ。
つまり、設備費を払い終わったとしても、同じ額の料金を払い続けることになるのです。
消費者としては、理不尽ですよね…。
高い理由3 自由料金だから高くなる
プロパンガスは、自由料金です。
そのため、ガスの料金は、ガス会社が好きなように決めることができ、同じ地域でも、ガス会社によって安いところから高いところまであります。
また、
- 値上げ
- 原料高騰などの理由で値上げする時、いくら値上げするか
も、ガス会社の裁量次第。
また、どの家庭にどのくらいの料金を付けるかも自由です。
時には、
『同じガス会社なのに、隣同士でも料金が違う』
なんてことすらあります。
ガス会社としては、やはり利益を出したいですよね。
なので、あわよくば顧客に高い料金を押し付けようとしてしまうのです。
とくに原料高騰や為替レートの変動は、ガス会社にとっては値上げのチャンス。
中には、
『必要な分値上げするついでに、ちょっと多めに値上げしちゃおう』
なんて悪徳ガス会社もあります。
(もちろん、すべてではありません)
当然、それが繰り返されると、ガス料金は青天井に高くなります。
高い理由4 プロパンガス業界の慣習
プロパンガス業界には
『なるべくみんなで儲けよう』
というような暗黙の了解があります。
その暗黙の了解に基づいて、
『お互いに顧客を取り合わない』
というルールがあるのです。
このルールがあるとどうなるかというと、
- ガス会社が消費者に料金体系などを明示せず、消費者がガス会社を選びにくい
- 安さをアピールして顧客を呼び込んだりしない
など、公正な価格競争が起きにくくなってしまうのです。
プロパンガス業界では、そんな体質が長い間続いていました。
しかし現在は、液石法が一部改正され、
ガス会社のサイトなどに料金を載せることが決められています。
消費者の側にも、
『ガス会社は自分で選ぶことができる』
ということが少しずつ広まっています。
今後は少しずつ、公正な価格競争が起きていくことが期待できそうです。
なお、こちらの記事で、プロパンガスの料金について解説しています。
関連記事:プロパンガスと都市ガスの光熱費の違いとは?基本料金と使用量の関係を紹介
ぜひ参考にしてみてください。
賃貸アパートだとさらに高い!その理由は?
プロパンガスが高くなりやすい理由について書いてきましたが、ここからは
『なぜ賃貸アパートだと、さらに高くなるのか』
についてお伝えします。
賃貸アパートが高い理由1 設備を提供してもらうから
先に、
『プロパンガス料金には設備費が含まれている』
と書きました。
それは賃貸でも同じです。
でも賃貸の場合は、
ガス設備のほかにも、ガス会社が、インターフォンやエアコンなどの設備を、無償で付けることがよくあります。
ただし、この『無償』は、あくまでも『大家さんに対して』。
入居者のガス料金からは、しっかりその分の費用を回収されます。
そのため、戸建てよりもさらに高い料金になってしまうのです。
賃貸アパートが高い理由2 入れ替わりが頻繁なので、人件費がかかる
これは特に単身者用の賃貸に言えることですが、
入居者の入れ替わりが激しいと、ガス会社の人件費がかかります。
何に人件費がかかるかというと、人が引っ越してきたとき、引っ越していく時に必要な、ガスの開閉栓です。
開閉栓のために人を派遣する人件費を、基本料に含めています。
賃貸アパートが高い理由3 保証金を取られる
これは『ガス料金が高い理由』とは少し別の話になりますが、
賃貸アパートでガス契約をする時に、保証金を求められることがあります。
これは、
万が一、入居者がガス代を払わずに転居してしまった場合のこと
を考えて、ガス会社が設定するものです。
もちろん、ガス代の未納がなければ、全額返金してもらえます。
注意ポイント
預かり証をなくすと、返してもらえないことも!
預かり証は必ず受け取り、しっかり保管しておいてくださいね。
悪質なガス会社だと、こんなことも…
大家さんが契約したガス会社が、良心的な会社なら良いです。
しかし、中には悪質なガス会社もあります。
もし、大家さんが悪質なガス会社と契約してしまうと、
- 大家さんが入居者のガス料金を把握していない
- 入居者の判断でガス会社を変えられない
ということに付け込んで、高額のガス料金を吹っかけることもあります。
もちろん、すべてのガス会社が賃貸アパートの弱みに付け込んで、料金を高くするわけではありません。
しかし、
賃貸アパートのガス料金は、『大家さんが良いガス会社を選ぶかどうか』にかかっている
と言っても過言ではないのが、実状です。
賃貸アパートのプロパンガス節約術
どうしても高くなりがちな、賃貸のプロパンガス。
ではここからは、どうしたら節約できるのか、紹介しましょう。
一番確実にガス料金が安くなる方法
賃貸アパートのプロパンガス料金を安くするのに一番確実なのは、
大家さんに頼んで、ガス会社を変更してもらう
という方法です。
もちろん、努力してガスの使用量を減らすことも大事です。
でも、安いガス会社に変更してもらえれば、基本料金や従量料金が安くなります。
つまり、ガス会社変更は、根本的なところに手を打てる方法なのです。
ただし、賃貸物件は、建物1つ丸ごとで、ガス会社と契約することになっています。
入居者個人の考えで、ガス会社を変えることはできません。
ガス会社を決める権限も、大家さんにあります。
なので、ガス会社を変えたいときは、まず大家さんの承諾が必要です。
大家さんにお願いするって、ちょっと大変そうですよね。
でも、入居者思いの大家さんなら、丁寧に伝えればきっと動いてくれるはずです。
諦めずに、ぜひチャレンジしてください。
参考
賃貸物件でガス会社を変える方法については、こちらの記事で解説しています。
関連記事:賃貸の家でプロパンガス代を節約したい!ガス会社の変更は可能?
大家さんへの交渉の仕方も解説しているので、参考にしてみてください。
プロパンガスの使用量の減らし方
節約のためには、ガスの使用量を減らすことも大切です。
では、どうやって使用量を減らすかを、お伝えしましょう。
お風呂のガス節約術
ガスを一番使うのが、
『お風呂』
家庭で使うガスの
7割以上
を使います。
そんなお風呂でのガス節約は
- 保温シートを使う
- 浴槽の蓋をこまめに閉める
- 家族で時間を合わせて、次々にお風呂に入る
- 湯船のお湯やシャワーのお湯の温度を1℃下げる
- シャワーを1人1分短くする
- 節水用のシャワーヘッドを使う
といった方法があります。
お風呂での節ガスの基本は、『湯船の温度を下げない』こと。
保温シートや蓋を活用すると、温度を保ちやすくなります。
そして家族が次々にお風呂に入れば、追い炊きの回数も減らせます。
シャワーの使い方も一工夫しましょう。
節水用のシャワーヘッドは、水圧はそのままで、水量を減らしてくれます。
水量が減るということは、温めるお湯の量も減るので、ガスが節約できます。
そして『1℃と1分』の節約。
- 湯船のお湯とシャワーの温度を1℃下げる
- シャワーを1分短くする
たかが1℃と1分とはいえ、毎日積み重なると大きいですよ。
参考
お風呂でのガス節約については、こちらの記事でさらに詳しく書いています。
節約方法もたくさんあるので、ぜひ目を通してください。
キッチンでのガス節約
キッチンでガスを節約するには
- 加熱に電子レンジを活用する
- 煮込みは保温調理をする
- ガスの熱を効率よく使える調理器具を使う
- 同時調理や圧力鍋、落し蓋を使っての調理
- お湯を沸かすなら、給湯器のお湯で
など、『ガスを使う時間を短くする』ことが基本です。
たとえば、下茹では電子レンジでやると、火も使わず簡単にできます。
煮込み料理なら、保温調理も良いですね。
保温調理は、特別な鍋がなくても、バスタオルや毛布で鍋をぐるぐる巻きにしてもできます。
鍋も、小さいものより大きいもの、底が平らな鍋を使うのがおすすめ。
ガスの火を無駄なく使えます。
また、ガスコンロより給湯器のほうが、熱効率は良いです。
そのため、お湯を沸かす時は給湯器で温めたお湯を沸かすほうが、ガスの使用量が少なくできます。
などなど、ガス節約のために、キッチンでもたくさんの工夫ができます。
詳しくはこちらの記事を読んでください。
関連記事:プロパンガスを節約したい!一人暮らしのガス代が高い原因をチェック
『一人暮らしでガスを節約する方法』というタイトルですが、節約の仕方は家族が何人いても同じことです。
ぜひ活かしてください!
暖房器具のガス節約
ガスの暖房器具を使っていると、どうしても冬のガス代が高くなりがちです。
暖房器具のガスを節約するには、
- ガスヒーターをやめて、電気や石油のヒーター、エアコンなどを使う
- 着こんだり、湯たんぽなどのあったかグッズを使ったりする
- ピンポイントで温かければ良い時は、電気ヒーターなどを使う
- 厚手のカーテンを閉めるなど、部屋の熱が外に逃げないようにする
などの方法があります。
一番ガスを減らせるのが、
『暖房は電気や石油でまかなう』
という方法。
部屋全体を温めたいならエアコンや石油ファンヒーター、オイルヒーターなどで。
『自分がいる所だけ温かければ良い』
というなら、ハロゲンヒーターや電気ストーブなどを使うのも良いでしょう。
もちろん、着こんだり湯たんぽを使ったりして、身体を温めるのも効果的。
ガスのみならず、暖房に使う電気も減らせますね。
そして、部屋の暖かさを保つには、厚手のカーテンがおすすめです。
厚手のカーテンは断熱に役立つので、冬だけでなく、夏の冷房にも良いですよ。
関連記事:プロパンガスを節約したい!一人暮らしのガス代が高い原因をチェック
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まとめ
賃貸のプロパンガスが高いのは、
- プロパンガスの供給にかかる人件費
- 自由料金であること
- プロパンガス業界の体質
といったことに加え、
- アパートを建てる時の設備費分が加算される
- ガスの開閉栓にスタッフを派遣する人件費
という、アパートならではの理由もあります。
そんな、高いプロパンガス料金を下げるには、
ガス会社の変更
が近道です。
ガス代が高い時は、ぜひ大家さんに相談してみてくださいね。
もちろん、ガスの使用量を減らすためにも、いろいろな方法があります。
大家さんへのプロパンガス会社の変更交渉が上手くいって、併せて節約の努力もすれば、効果は抜群。
ぜひチャレンジしてみてください!