私たちの身近にあるガスボンベといえば、
- カセットガスボンベ
- キャンプ用のカセットガスボンベ
- 家庭用のプロパンガスボンベ(高圧ガスボンベ)
です。
ガスボンベも、使い終わったら処分しなければならないですよね。
正しい処分方法や回収料金は、知っておきたいですよね。
そこで今回は、
- カセットガスボンベの処分の方法
- プロパンガスボンベの廃棄方法
についてチェックしていきます。
業者に依頼する場合についても書いてあるので、ぜひ読んでくださいね!
スポンサーリンク
家庭用・キャンプ用カセットガスボンベの処分方法
ではまずカセットガスボンベの処分方法について解説します。
カセットガスボンベには、
- カセットコンロ用のガスボンベ(CB缶)
- アウトドア用のガスボンベ(OD缶)
がありますが、どちらも処分の方法は同じです。
まずは自治体の処分方法をチェック!
カセットガスボンベの捨て方は、自治体によって違います。
自治体で出しているゴミ収集の方法を書いたパンフレットなどをよく読み、指示に従ってください。
パンフレットなどをなくしてしまった場合は
『○○(市区町村名) ゴミ 分別』
で検索すると、ネットで見られることも多いです。
カセットガスボンベの捨て方のチェックポイント
『自分が住む自治体でどういう捨て方を指示しているか』のチェックポイントは
- 自治体でカセットガスボンベを回収しているかどうか
- ボンベに穴を開けて回収に出すか、穴を開けずに回収に出すか
- どのごみの区分で出すか(たとえば、『不燃ごみ』『資源ごみ』など)
- 中身が残っているボンベを回収するかどうか
の4点です。
自治体によって、穴を開けるかどうかや、ごみの区分などには違いがあります。
引越したときなどにも、よく確認してくださいね。
自治体では回収しない場合
カセットガスボンベを回収しない自治体もあります。
その場合は、資源回収業者などに処分を依頼しましょう。
回収業者を探す方法は、
- 自治体のゴミ収集のパンフレットに書いていないか見てみる
- 役所のゴミ収集を担当している部署(清掃課など)に問い合わせて、業者を教えてもらう
- 自治体で紹介してもらえない場合は、利用しているガス会社に相談して、紹介してもらう
という方法が安全です。
ネットなどで探す場合は、
- 本当にその業者がサイトに書いてある住所に存在しているか
- 連絡先が固定電話か
- ネットで検索して、悪評が多くないか
- 料金はいくらになるか
ということは最低限確認してください。
業者に依頼する場合、費用が掛かるかどうかは業者によります。
無料で引き取ってもらえることもあるので、問い合わせて確認してください。
なお、業者に依頼するときは、電話やチラシで営業してきたリサイクル業者などは避けましょう。
関連記事:イエデン強化計画『不用品買取詐欺の手口を事例解説!電話で出来る対処法も紹介!』
ボンベに中身が残っている場合
カセットガスボンベは、
中のガスを使い切ってから処分するのが基本ですが、自治体によっては中身が残っている状態でも回収してもらえます。
中身の残ったボンベも回収するかどうかは、自治体によって違うので
- 中身のあるボンベを回収しているかどうか
- 回収している場合、どういう方法で収集所に出せば良いか
はしっかりチェックしましょう。
間違った出し方をしてガスボンベが破裂したりすると、収集員の方がけがをする可能性もあります。
安全にゴミに出し、安全に処分してもらうためにも、ゴミの出し方はしっかり守りましょう!
カセットガスボンベのガス抜きの方法は、この後お伝えします。
カセットガスボンベのガスの抜き方
カセットガスボンベのガス抜き方法は、CB缶(普通のカセットガスボンベ)もOD缶(アウトドア用)も同じです。
ガス抜きをする前に、まず
- なるべく静電気の起きにくい服に着替える
- ガス抜きをする場所(必ず屋外であること)に火の気がなく、風通しが良いかどうかを確かめる
- 軍手などをはめる
という準備をしましょう。
メモ
軍手をはめるのは、ガスが抜けるとボンベの温度が下がって凍傷を起こしかねないからです。
ガス抜きの手順は
- 静電気除去グッズなどで静電気を取り除く
- ガスボンベより風上に立ち、風下に人がいないことを確かめる
- カセットガスボンベのキャップを外す
- 先端を下にして、コンクリートなどの固い地面に押し付け、ガスを噴出させる
- 液化ガスで液だまりができた場合は、ガス抜きを中断して、溜まったガスが気化するまで待つ
- ガスが噴出しなくなったら、ボンベをゆすって水の動くような音がしないか確認する。(音がしたら、さらにガスを噴出させる)
- 水のような音がしなくなったら、ガス抜き完了
です。
一番気をつけなければならいのは、火の気のない場所でガス抜きをすることです。
ガス抜き中やガス抜き直後にタバコを吸ったりしないことはもちろん、静電気や石がぶつかって出る小さな火花にも、十分注意してください。
また、ガスを吸わないためにも、
『風上に立つ』ことを忘れないでくださいね。
ガス抜き中にガスの臭いで気分が悪くなった時は、すぐに中止してください。
メモ
一度に大量のガスを抜くと、ご近所で『ガス臭い!』なんて騒ぎになるかもしれません。
前もってご近所に声をかけるか、騒ぎにならない範囲で少しずつガス抜きをしてください。
カセットガスボンベの穴の開け方
カセットガスボンベに穴を開ける時は、
- ガス抜きをしてから穴を開ける
- 穴あけ用の道具を使う(釘や金づちを使うと、火花が出る可能性があるので危険)
- 穴は2つ以上空開ける
ということを守ってください。
はい、中にガスが残っている可能性もあるので、火花を出さないためにも穴あけ用の道具を使ってください。
未使用のカセットガスボンベの場合
リサイクルショップの買取に出すことについては、
製造から7年以内のカセットガスボンベ
⇒リサイクルショップで買い取ってもらえる場合もあるが、店舗によるので持ち込む前に問い合わせをする
製造から7年以上のカセットガスボンベ
⇒未使用であっても処分する
と考えてください。
なぜ7年以上だと未使用でも処分した方が良いかというと、
- カセットガスボンベの使用期限は、製造から7年である
- 製造から7年以上たったカセットガスボンベは、中の部品が劣化している可能性がある
ということから、リサイクルショップで引き取ってもらえない可能性が高いからです。
プロパンガスボンベの処分方法
次に、家庭でのガス供給や露店などで使う灰色の、いわゆる『プロパンガスボンベ』の処分方法を解説します。
こういったガスボンベは『高圧ガスボンベ』と呼ばれています。
高圧ガスボンベは、『高圧ガス保安法』で『危険物』と定められています。
ですから、高圧ガスボンベは、たとえ空のボンベであっても、個人で勝手に処分してはいけません。
では、どのように処分したら良いのか、見ていきましょう。
ガス会社設置のボンベは自分で処分しなくてOK!
ガス会社と契約して使っているガスのボンベはガス会社の所有物なので、自分で処分する必要はありません。
ガスボンベが古くなったり傷んだりした場合は、ガス会社のほうで回収して処分します。
処分するかどうかの判断などもガス会社で対応するので、何もしなくてOKです。
むしろ、ガス会社が設置したガスボンベは、いじらないでくださいね。
個人所有の高圧ガスボンベの廃棄方法
個人で買って所有している高圧ガスボンベを廃棄するときは
- 販売元に返却する
- 販売元の業者がなくなってしまった・連絡が取れない場合は、『高圧ガス保安協会』などに相談
- 回収業者を利用する
このどれかの方法で、処分します。
高圧ガスボンベの処分は『販売元に返却』が基本
高圧ガスボンベを処分する時は、
『ガスボンベを購入した本人が販売元に返却して、処分してもらう』
というのが基本です。
本人が返せない場合は他の人が代理人となって処分しますが、その場合は委任状が必要です。
確かに面倒ですよね。
でもこれは、
『ガスボンベはそのくらい厳重に管理する必要がある』
ということなのです。
本人が処分する場合も代理で処分する場合も、事前に販売元に手続きの方法を問い合わせて確認しましょう。
メモ
『返却』という言葉を使ってはいますが、購入した時に払ったボンベ本体の代金が戻ってくるわけではありません。
そのことは、承知しておいてください。
購入元の業者がなくなってしまった場合
- ガスボンベを買った業者やお店が、倒産や廃業でなくなってしまった
- 販売元に連絡が取れない
- ボンベに書いてある販売元が消えていたり汚れていたりして読めない
といった場合は、
- 高圧ガス保安協会( https://www.khk.or.jp/ )
- LPガス協会( https://www.japanlpg.or.jp/ )
に相談してください。
処分できないガスボンベの廃棄方法について、相談することができます。
所有していたガスボンベを処分してもらうには、手数料などの費用が掛かります。
問い合わせの時に、費用についてもきいておいてください。
持ち主のわからないボンベの場合
道端や山林などにあるガスボンベは、不法投棄された可能性があります。
不法投棄のガスボンベを見つけた場合は、
絶対に触らずに、自治体や高圧ガス保安協会に相談してください。
連絡する時には、触らずに見てわかる範囲でいいので、
- ガスの種類
- ガスボンベの大きさ
- ガスボンベの色
- 容器に書いてある記号と番号
- 所有者の打刻番号
- 所有者の名称
を伝えると、相談を受けた側が対応しやすくなり、助かります。
ただし、あくまでも『触らずに確認できる範囲』でOKです。
腐食してガスが出ていたりする可能性もあるので、絶対にボンベに触ったり動かしたりしないでください。
回収業者に依頼する場合の注意点や料金
ガスボンベの販売元がなくなってしまった場合は、『回収業者に引き取ってもらう』という方法でも処分できます。
ただし、
- きちんとした回収業者に依頼する
- 料金を確認する
ということに注意が必要です。
回収業者を探す方法
回収業者を探すには、
- 自治体のクリーンセンターなどに問い合わせて教えてもらう
- 『高圧ガスボンベ 回収 業者 ○○(地域名)』と入れて検索して探す
という方法があります。
安心なのは、自治体のクリーンセンターなどで教えてもらう方法です。
回収業者をネットで探す場合は、業者の情報をよく確認してください。
回収業者の中には悪質な業者もあり、『料金を払って回収してもらったのに、不法投棄された』なんてケースもあるからです。
悪質な業者を避けるためには
- 本当に、サイトに記載された住所にその業者があるのかどうかを確認する
- 連絡先が固定電話の番号になっている業者を選ぶ
- 電話番号や業者名で検索して、悪評がないか確認する
- 作業トラックに業者名が書いてあるかチェックする
- 見積書を書面で出してくれる業者を選ぶ
ということがポイントです。
業者引き取りの料金はいくら?
ガスボンベを業者に回収してもらう場合は、料金がかかります。
料金について調べてみたのですが、
- ボンベ1本につき4,950円(税込)の業者
- 『その都度見積り』としている業者
- サイトでは料金について書いていない業者
など、いろいろなので、一概に『いくらくらい』とは言えません。
業者に問い合わせるときに、料金についても確認してください。
料金を確認するときは
- 見積書を書面で取り寄せてきちんと確認する
- 見積書にない追加料金が加わる可能性があるかどうか、ある場合はどういう時にいくら追加されるかを書面で確認する
ということが大切です。
粗大ごみなどとして捨てるのは可能?
捨てられません。
ごみ収集所に持って行ったとしても、回収してもらえません。
先に書いたように、
高圧ガスボンベは空っぽでも『危険物』の扱いで、普通の粗大ごみや不燃ごみとは全く違う種類の廃棄物だからです。
ガスボンベの不法投棄は絶対ダメ!
ガスボンベの処分がどんなに面倒でも、
絶対に不法投棄をしてはいけません!
不法投棄は危険!
ガスボンベの不法投棄は、違法行為であるだけでなく、事故に至る危険性があります。
実際に、
- 不法投棄で放置されたガスボンベの容器が劣化してガスが出てしまった
- 不法投棄されたボンベが爆発して、負傷者が出た
といった事故も起こっています。
ガスの事故は、大事故や火災にもつながりかねません。
必ず、決められた方法で処分してください。
不法投棄ボンベの持ち主はバレてしまう
ガスボンベは容器本体に
- 容器番号
- 販売店
- ガス充填日
- 検査日
が記されています。
また、高圧ガス保安法容器管理の義務規定によって
- ガス充填
- ガス販売会社
- 購入者
についても、それぞれの住所や連絡先を記録しておくように定められています。
つまり、誰が誰にガスボンベを売ったのか、記録されているのです。
ですから、不法投棄しても、調べれば誰が捨てたかわかります。
不法投棄がバレて罰せられるより、最初からきちんとした方法で処分したほうが、ずっと良いですよね。
ネットオークションやフリマサイトに出すってどうなの?
要らなくなったガスボンベを、ネットオークションやフリマサイトに出品している人もいますよね。
でも、ガスボンベをオークションなどに出すのはやめましょう。
ボンベを販売している業者も、『いらなくなったボンベをオークションなどに出さないでください』と言っています。
なぜオークションなどに出してはいけないかというと、
- 法律で定められている、ガスボンベの所有者変更の手続きがきちんとできるかどうか定かではない
- 所有者変更の手続きをしないと、違法になってしまう
- ガスボンベを配送してくれる業者が少ない
ということからです。
先にも触れましたが、ガスボンベは『高圧ガス保安法』で
- 所有者が変わったら、すみやかに手続きをする
- ガスボンベに所有者を表示する
ということが義務付けられています。
(罰則もあります。)
でも、ネットを介した個人売買では、所有者変更の手続きを行えるかわかりませんよね。
所有者変更の手続きをしないと、法律違反になるだけでなく、
事故があった場合には出品者も購入者も責任を問われる可能性があります。
また、出品したとしても、宅配業者の多くは、ガスボンベの配送を受け付けません。
中身を偽って発送して事故が起きたら、やはり重大な責任が問われるでしょう。
こういったことを考えると、きちんと処分するほうが、オークションに出したりするよりよほど楽ですよ!
スポンサーリンク
まとめ
要らなくなったガスボンベは、
カセットガスボンベ(CB缶、OD缶共通)
⇒自治体のごみ処分方法を調べて、決められた方法に従って処分する
プロパンガスの高圧ガスボンベ
⇒購入した販売店に連絡して引き取ってもらう
⇒販売店がない・連絡が取れない場合は、『高圧ガス保安協会』『LPガス協会』に相談、もしくは回収業者に依頼する
という方法で処分しましょう。
カセットガスボンベであれ高圧ガスボンベであれ、ガスボンベは可燃性のガスを入れる容器ですから、不適切な方法で捨てると危険です。
また、不法投棄は違法行為ですし、事故に至る可能性もあります。
ガスボンベは必ず、決められた方法に従って処分しましょう。
絶対に不法投棄したり、ネットオークションに出したりしないでくださいね。
特に高圧ガスボンベは、『危険物』に指定されています。
販売店で引き取ってもらったり、ちゃんとした業者に回収してもらうのが、一番安全で安心ですよ!