湯船にゆったり浸かったときにふと目に入る浴槽の黒ずみ、気になりますよね。
気になりつつも、掃除をつい先延ばしにしてしまうこともありますが、やっぱり浴槽はきれいにしておきたいものです。
それも方法の1つですね。
ただ、汚れは原因に応じた取り方や落とし方をしたほうが効果的です。
黒ずみ汚れにも、いくつか原因と対処法があります。
そこで今回は
- 浴槽の黒ずみ汚れの原因
- 黒ずみ汚れの落とし方
- 黒ずみ汚れを防ぐ方法
について解説します。
ぜひ読んでくださいね!
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浴槽の黒ずみ汚れの原因は?
浴槽の黒ずみ汚れは、多くの場合
- 水垢
- 皮脂汚れ
- カビ
が原因になっています。
その他には、
- 色素の沈着
- 錆
などが原因になることがあります。
それぞれの原因について、見ていきましょう。
原因1 水垢
水垢汚れは、水回りには必ずと言っていいほど付いてしまいますよね。
この汚れは、水道水に含まれているミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が原因です。
- 浴槽に触れていた水の水分が蒸発する
- 水の中に入っていたミネラルが浴槽に付いて残る
ということを繰り返すうちに、『水垢』になってしまいます。
この水垢に皮脂や石けんカスなどの汚れが付くと、黒ずんだ汚れになってしまうのです。
原因2 皮脂汚れ
人が浴槽のお湯に浸かると、体から皮脂や垢が出ます。
この皮脂や垢が浴槽に付いて雑菌が増えると、黒っぽい汚れになっていきます。
体を洗ってから浴槽に入れば、ある程度は防げます。
でも、皮脂や垢を完全に落とすことは難しいですから、浴槽で皮脂や垢が出てしまうのは仕方がないのです。
原因3 カビ
お風呂場の汚れといえば、なんといっても『カビ』ですよね。
浴室は、
温度と湿度、そして皮脂汚れや石けんカスなどの汚れなど、カビが繁殖しやすい条件がそろっています。
浴槽の中は水が入っているので、カビが生えることはあまり多くありません。
でも、
- 浴槽の縁と壁との境目
- 浴槽の外側の端
といった場所には、カビが生えやすいです。
原因4 色素の沈着
水垢、皮脂汚れ、カビ以外の浴槽の黒ずみ汚れの原因には、
- 水道水に含まれる金属イオンが原因となって色素が沈着してしまう
- 入浴剤を入れたお湯を放置したことで、浴槽に色素が付いてしまう
- ヘアカラーの染料が浴槽に滴り落ちたのが少しずつ溜まる
など、何らかの原因で浴槽に色素が付いてしまうことがあります。
こういった色素の沈着は、最初はあまり目立たないかもしれません。
でも放置しておくと、色が取れなくなったり黒ずんでしまったりすることがあります。
原因5 錆
ざらっとした手触りの黒ずみ汚れは、錆が原因になっていることもあります。
浴槽そのものが錆びることはまずありませんが、
- 水栓などのメッキがはがれて錆が付いたのがうつった
- 浴槽の縁などにヘアピンなどを置きっぱなしにしていたら、浴槽に錆がうつった
といった『もらい錆』で錆が付くことがあります。
浴槽の黒ずみ汚れの落とし方
ここからは、黒ずみ汚れの落とし方について解説します。
掃除をするときに必ず押さえておきたいポイント
黒ずみ汚れを取る前に必ずチェックしておきたいのは、
- 汚れの原因や種類
- 浴槽の素材や、使って良い洗剤の種類
- 洗剤の使い方や注意事項
何が原因の汚れかを考えて洗剤を選ぶ
黒ずみ汚れを落とす前に、『何が原因の汚れなのか』の目途をつけておきましょう。
なぜかというと、
汚れによって効果のある洗剤や汚れの落とし方が違うからです。
たとえば、水垢はアルカリ性の汚れですが、皮脂汚れは酸性です。
ですから、水垢には酸性の洗剤、皮脂汚れならアルカリ性の洗剤が適しています。
汚れに合う洗剤を選ぶと、より簡単に汚れを落とすことができますよ。
浴槽に使って良い洗剤を確認する
浴槽と洗剤の組み合わせによっては、
- 浴槽が変色してしまう
- 浴槽のコーティングがはがれてしまう
といったことが起きる可能性があります。
なので、浴槽の取扱説明書などで、
どういう洗剤なら使って良くて、どういう洗剤を使ってはいけないのか
を確認しましょう。
取扱説明書をなくしてしまったなど、確認できない場合は、
- 浴槽の目立たない所に洗剤を少しつけてみる
- しばらく置いて、変色などがないか確かめる
という方法でテストしてみてくださいね。
洗剤の使い方や注意事項を確認して守る
洗剤を使うときには、
- 窓を開け、換気扇を回してしっかり換気しながら使う
- 洗剤の使い方や注意事項をきちんと確認する
- 手袋をはめる
- 他の洗剤とは絶対に混ぜない・同時に使わない
- 必要に応じてゴーグルやマスクを着用する
ということを厳守してください。
『カビキラー』などのカビ取り洗剤や漂白剤など、
洗剤によっては、他の洗剤と混ぜると有毒なガスが発生する製品もあります。
なので、洗剤を使うときの注意事項は、毎回確認してくださいね。
また、
洗剤を付けて長時間放置すると、浴槽が変色する場合もあります。
洗剤の使い方に付けおきして良い時間の長さが書いてある時は、その時間を守ってください。
水垢汚れの落とし方
水垢汚れを落とすときには、クエン酸水を使うのが効果的です。
水垢はミネラルが原因で、ミネラルはアルカリ性なので、その逆の酸性の物質を使うと落ちやすいのです。
クエン酸水の作り方
水200mlに対してクエン酸小さじ約1杯を入れ、よく混ぜる
クエン酸水の使い方は、
- よく混ぜてスプレーボトルに入れ、黒ずんだ部分に吹きつける
- クエン酸水をキッチンペーパーに染み込ませて、黒住汚れの部分にパックのように貼り付ける
の2通りがあります。
汚れた部分に、吹き付けるかパックするかでクエン酸水を付けたら
- 30分くらい放置する
- スポンジなどでやさしくこする
- 水でよく洗い流す
という手順で掃除をします。
なお、クエン酸水は
- カビキラーなどのカビ取り洗剤や漂白剤とは、絶対に一緒に使わない
- 大理石の浴槽には使わない(大理石が溶けてしまうため)
ということに気を付けてください。
皮脂汚れの落とし方
皮脂汚れを落とすには
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
が有効です。
どちらもアルカリ性なので、酸性の皮脂汚れを落とすのに向いています。
重曹を使う方法
重曹水の作り方
ぬるま湯200mlに対して、重曹大さじ2杯を入れてよく混ぜる
重曹水の使い方は、
- 黒ずみ汚れの部分に吹きかけて、スポンジなどでこするか、重曹水をキッチンペーパーに染み込ませて、黒ずみ汚れの部分に貼り付ける
- 1時間ほど放置する
- スポンジでこすり、水でよく洗い流す
また、重曹水ではなく重曹ペーストを黒ずみ汚れに付けてもOKです。
重曹ペーストの作り方
重曹に少しずつぬるま湯を加えて、ペースト状にする。
固さは、『垂直の場所に付けても垂れない程度』に。
重曹ペーストを黒ずみの部分に塗り、ラップでパックをすると乾燥を防げます。
その後1時間ほど置いてスポンジでこすり、水で洗い流してください。
セスキ炭酸ソーダを使う方法
セスキ炭酸ソーダは、重曹よりアルカリ性が強く、洗浄力があります。
水にも溶けやすいので、使いやすいですよ。
セスキ炭酸ソーダ水の作り方
水500mlに対してセスキ炭酸ソーダを小さじ1杯くらい
使い方は
- 浴槽の黒ずみ汚れに吹き付ける
- 柔らかいスポンジでこする
- 水でよく洗い流す
です。
セスキ炭酸ソーダは、浴槽以外にも
- 排水溝
- 洗面器や椅子などの小物
- 床
- 壁
などの汚れにも効果的です。
カビ退治の仕方
黒カビ汚れは、やはり『カビキラー』などのカビ取り洗剤が効果的です。
- カビキラーを黒カビの生えた部分に吹き付ける
- 軽いカビ汚れなら数分、汚れがひどいときは数十分放置する
- 水でしっかり洗い流す
という手順で掃除をします。
カビキラーが流れ落ちてしまう場合は、カビキラーを吹き付けた部分にラップを貼ってパックすると良いですよ。
ただし、カビキラーを使うときには
- 換気扇を回す、窓を開けるなど、しっかり換気しながら使う
- 手袋をはめて使う
- 目に入らないように、ゴーグルを着ける
- 他の洗剤とは絶対に混ぜない・同時に使わない
ということを厳守してください。
特に、クエン酸や酸性の洗剤とは絶対に混ざらないように、注意してくださいね。
中性洗剤を使って汚れを落とす方法
汚れの原因が分からない場合に一番無難なのが、『バスマジックリン』などの中性洗剤を使うことです。
中性洗剤は、洗浄力はあまり強くないですが、
- 浴槽を傷めにくい
- 安全で臭いも少なく、扱いやすい
- 肌に負担が少ない
というメリットがあります。
使い方は、
- 浴槽全体をざっと濡らす
- スポンジに水を含ませ、洗剤を付けて泡立てる
- 黒ずみの部分を優しくこする
- 水でよく洗い流す
です。
汚れがひどいときは、洗剤を吹き付けてしばらく置いてもOKです。
ただし、洗剤によっては『10分以上放置しない』など、つけおき時間に制限がある製品もあります。
その場合は、制限を守ってください。
錆の取り方
錆で黒ずみ汚れが出ている場合は、
軽い錆
⇒歯磨き粉や重曹の粉、クリームクレンザーで軽くこする
がっつり付いてしまった錆
⇒錆落とし専用剤や粉末タイプの還元系漂白剤を使う
という方法で対処できます。
錆ががっつり付いている場合は、やはり錆取り用のアイテムを使ったほうが良いです。
錆取り剤を買うときには、ホームセンターなどで店員さんに状況を話し、どの錆落としが合うか教えてもらうと良いですよ。
色素が沈着してしまった場合など
給湯器や配管が新しいものだと、浴槽に青い色が付いてしまうことがあります。
これは『銅石けん』と言って、給湯器の銅管から出た銅イオンと皮脂や石けんの成分が反応してできるものです。
この『銅石けん』はマジックリンなどの洗剤で落とすことができます。
関連記事:浴槽の青い汚れを綺麗に掃除する方法を解説【マジックリン活用法】
その他の
- カラーリングの染料や入浴剤などの色素がこびり付いて取れない
- 広範囲に色素が付いてしまった
- 汚れがかなり濃く、取れない
- 傷の中に汚れが入り込んでいて取れない
- 浴槽そのものが変色してしまった
といった場合は、メーカーや業者に相談するのがおすすめです。
『この汚れは自分で取り除くのは無理かな』と思ったときは、プロに相談してくださいね。
黒ずみ汚れを防ぐには?
最後に、黒ずみ汚れを予防する方法について、見ておきましょう。
水垢汚れの予防方法
水垢汚れは、普段の掃除でなるべく防いでおきましょう。
浴槽を掃除するときに、お風呂用洗剤などを使って掃除をすれば、OKです。
また、浴槽の表面にざらっとした汚れが付いたら、汚れが溜まる前に掃除をしてきれいにしましょう。
皮脂や石けんカス汚れの予防方法
皮脂や石けんカスなどの汚れは、
- 浴槽に入る前に体を洗い、石けんやボディーシャンプーをしっかり洗い流してから浴槽に入る
- 週に1~2回、重曹を入浴剤にして入浴する
という方法で、ある程度防げます。
ただし、
毎日重曹を入浴剤にして入浴すると肌荒れを起こす可能性があるので、週1~2回くらいにしておきましょう。
また、重曹で肌荒れが起きる場合は、やめておいてくださいね。
注意
重曹を入浴剤にする時にアロマオイルを入れることを勧める人もいますが、
筆者としてはおすすめしません。
- エッセンシャルオイル(精油)は水に溶けにくいため、お湯に入れただけでは肌に触れてしまい、肌トラブルの原因になりかねない
- 追い炊き配管にアロマオイルが入ると、配管の中に付着して汚れになってしまう
ということからです。
『肌に直接塗れる』と謳われているエッセンシャルオイルもありますが、そういったオイルでも肌トラブルの事例があるので、気をつけてくださいね。
カビの予防方法
浴室はカビにとってはとても繁殖しやすい場所なので、防ぐのが難しいですよね。
でも、
- 入浴後に、熱めのシャワーを浴槽やお風呂の壁、洗面器などにかけ、できればスクレイパーなどでなるべく水分を取り除く
- 換気扇を回したり窓を開けたりして、浴室の風通しを良くする
- 浴槽にお湯を溜める必要がないときは早めにお湯を抜き、浴槽をシャワーでよく流して乾燥させる
といった方法で、繁殖を抑えることができます。
大事なのは、『できるだけ乾燥させること』です。
なお、浴槽や浴室をきれいにしていても、換気扇の中でカビが増えていると、カビが生えやすくなります。
換気扇も、時々掃除をしてくださいね。
関連記事:浴室の換気扇がうるさい!異音がする原因と対処法を解説!
入浴剤などの色素が付くのを防ぐには
入浴剤などの色素が浴槽に付いてしまうのを防ぐには、
- 色付きの入浴剤を使ったときは、お風呂から上がったらお湯を抜き、シャワーでよく洗い流す
- お風呂でカラーリングをしたときは、髪をよくすすぎ、浴室内に付いた染料の汚れもしっかり落とす
ということを心がけてください。
また、
- 浴槽の縁にヘアピンやかみそりなど、錆びやすいものを置きっぱなしにしない
- 錆が出たら早めに取り除く
ということにも、気を付けてくださいね。
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まとめ
浴槽の黒ずみ汚れの落とし方は、汚れの原因によって
水垢
⇒クエン酸を使う
皮脂や石けんカスなどの汚れ
⇒重曹やセスキ炭酸ソーダを使う
カビ
⇒『カビキラー』などのカビ取り洗剤を使う
という方法がおすすめです。
もちろん、お風呂用の中性洗剤を使っても落とすことができます。
浴槽の掃除をする時には、
- 浴槽の素材や、どの洗剤なら使って良いかをチェックする
- 換気扇などで換気をしながら掃除をする
- 使う洗剤に書いてある使い方や注意事項に従う
- 手袋をする
- 必要に応じてマスクやゴーグルを着けて掃除をする
ということを必ず守ってください。
特に、
塩素系のカビ取り洗剤や漂白剤などを使うときには、クエン酸水や酸性の洗剤と絶対に混ざらないように気をつけてくださいね。
そして、自分で手に負えない汚れは、無理せず業者やメーカーに相談したほうが良いです。
ぜひ浴槽をピカピカにして、快適なバスタイムを楽しんでくださいね!