家庭でのガス供給などで使われているプロパンガスボンベ。
家の敷地の中に、ボンベが立てられているのを、よく見かけますよね。
また、イベントの屋台などで、小さめのガスボンベを見かけることもあります。
でも実は、『プロパンガスボンベ』って、それだけじゃないのです。
ガスボンベには、本当にいろいろな種類や大きさ、重さがあります。
片手で楽々持てるものから、何千kgもガスが入る大きなものまで。
今回は、そんなたくさんの
ガスボンベの種類や容量、サイズ、重さ
について解説していきます。
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プロパンガスボンベの種類や容量、サイズなど
プロパンガスボンベの種類
プロパンガスを入れる容器には、
- 家庭用のガスボンベ
- カセットコンロ用ガスボンベ
- 自動車用ガスボンベ
- フォークリフト用ガスボンベ
- 工業用のガスボンベ
- バルクタンク(バルク貯槽)
など、さまざまな種類があります。
家庭用ガスボンベ
『プロパンガスボンベ』と聞いて、まず思い浮かぶのは、
家の敷地などに置いてある、縦長で灰色のボンベ
ですね。
これが『家庭用ガスボンベ』です。
家庭で最も使われているボンベは
- 20kgボンベ
- 50kgボンベ
となります。
でも実際には、『家庭用』と言われるガスボンベには、
- 2㎏
- 5㎏
- 8㎏
- 10㎏
- 20㎏
- 30㎏
- 50kg
と、さまざまなサイズがあるんですよ。
2kg、5kg、8kgのボンベは、小さくて持ち運びもしやすいです。
そのため、学園祭などのイベントの模擬店や露店などでも、よく使われています。
豆知識
ガスボンベのサイズは、本体の重さではなく、充填量で呼ばれることが多いです。
ですから、『5㎏ボンべ』といった呼び方は、そのまま充填できるガスの量も表しています。
カセットコンロ用ガスボンベ
カセットコンロ用ガスボンベは、いろいろなメーカーのものがあります。
ただ、その大きさは、
直径6.8㎝×高さ19.8㎝
と決められています。
他にも、ノズルの長さ、切込みの大きさや場所などが、JIS規格で細かく決められています。
そのため、
コンロのメーカーとボンベのメーカーが違っていても、使うことができるのです。
カセットボンベを見ると、
『自社以外のカセットガス器具には使わないでください。』
などと注意書きがあります。
でも、これはあくまでも『念のため』。
メーカーの違うコンロで使用しても、問題はありません。
注意ポイント
使うときには正しく使い、異音や異臭、着火不良などがあった時は、使わないでください。
豆知識
カセットボンベの規格が統一されたのは、あの阪神淡路大震災がきっかけです。
避難所などでカセットガスボンベと器具が支給されたものの、当時は規格も統一されていませんでした。
そのため、『ボンベとコンロのメーカーが合わなくて使えない』という事態が発生。
そこから、『規格を統一する必要がある』という声が広まり、1998年に卓上カセットコンロとカセットガスボンベの規格が統一さました。
災害への備えとしても、とても便利なカセットコンロ。
どのメーカーのボンベでも使えれるほうが、災害時に助かりますよね。
自動車やフォークリフト用のガスボンベ
自動車やバス、フォークリフトでも、プロパンガスを使っていることがあります。
とくにタクシーでは、プロパンガスを使って走る『LPG車』が多いです。
いえいえ、大丈夫です!
車などのガスボンベは、事故の時のことを考えて、衝撃に耐えられるように作られています。
たとえ車両火災があっても、ガスボンベが爆発する可能性は低いです。
もちろん、走るときの振動も、まったく問題ありません。
安心して乗ることができますよ。
関連記事:タクシー車が現在もプロパンガスを燃料にするメリットとデメリット
工業用のガスボンベ
工業用のガスボンベは、やはり容量が大きく、300kg以上のものが多いです。
大きなものでは、3,000kgもあるボンベもあります。
容量が大きいと、縦型より横型のほうが安定しますよね。
なので、工業用のガスボンベには横型が多くあります。
また、大型ボンベよりも、さらに容量の大きい『バルクタンク』で、ガスを貯蔵する場合もあります。
バルクタンク(バルク貯槽)
『バルクタンク』は、『ガスボンベ』とは違うタイプの容器ですが、紹介しておきましょう。
バルクタンクには、
家庭や施設でのバルク供給システムに使うタンクや、工業用のバルクタンク
などがあります。
バルクタンクの特徴は、ボンベより多くの量のガスを貯蔵することができることです。
工業用の大きいものだと2,500kgにもなる大きなバルクタンクもあります。
バルクタンクには、横型と縦型があり、設置のしかたも、地上と地下埋設があります。
バルクタンクを置く場所の状況に合わせて、いろいろな置き方ができるのです。
関連記事:プロパンガスをバルクタンク供給システムにするメリットとデメリット
プロパンガスボンベの容量や大きさ、重さ
いろいろなプロパンガスボンベの容量や大きさ、重さをチェックしてみましょう。
なお、ガスボンベのサイズは、メーカーによって多少差があります。
正確な寸法が必要な時は、メーカーや取扱業者に確認して下さいね。
サイズ | 充填 ガス量 | 容積 | ボンベの 重量 | 高さ又は 長さ | 外径 | |
家庭用ガスボンベ | 2kg | 2kg | 4.8L | 4.5kg | 30.1㎝ | 22.0㎝ |
5kg | 5kg | 12 L | 7.5kg | 43.3㎝ | 25.5㎝ | |
8kg | 8kg | 19 L | 10kg | 50.0㎝ | 29.0㎝ | |
10kg | 10kg | 24 L | 11kg | 54.1㎝ | 30.8㎝ | |
20kg | 20kg | 47 L | 17.5kg | 83.4㎝ | 31.5㎝ | |
30kg | 30kg | 71 L | 27kg | 116.7㎝ | 32.0㎝ | |
50kg | 50kg | 118 L | 36kg | 141.3㎝ | 36.6㎝ | |
カセットコンロ用ガスボンベ | 250g | ― | ― | 19.8㎝ | 6.8㎝ | |
工業用ガスボンベ | 425kg | 425kg | 1,000L | 460kg | 136.0㎝ | 112.0㎝ |
450kg | 450kg | 1,050L | 350kg | 185.0㎝ | 960㎝ | |
500kg | 500kg | 1,170L | 380kg | 202.0㎝ | 960㎝ | |
2,550kg | 2,550kg | 6,000L | 2,270kg | 340.0㎝ | 117.0㎝ | |
3,000kg | 3,000kg | 7,000L | 2,520kg | 381.0㎝ | 177.0㎝ | |
20kg型自動車用 | 20.0kg | 48.0L | ― | 86.0㎝ | 32.0㎝ | |
フォークリフト用15kg型 | 15.0kg | 36.0L | 19.9kg | 65.7㎝ | 31.9㎝ | |
バルクタンク | 150kg 縦型 | 145kg | 365L | 150kg | 169.8㎝ | 62.55㎝ |
500kg 縦型 | 495kg | 1,230L | 470kg | 1,942㎝ | 100.8㎝ | |
2,900kg 横型 | 2,800kg | 7,000L | 3,000kg | 378.0㎝ | 176.4㎝ |
このように、ガスボンベは20㎝くらいのものから、バルクタンクでは4m近いものまで、さまざまな大きさがあります。
カセットボンベから大きなバルク貯槽まで、ずらっと並べたら、壮観でしょうね!
ボンベの種類や容量によって管理ルールも違う
ガスボンベは、種類や容量によって、管理のルールも違います。
管理ルールや検査の違い
たとえば、家庭用ガスボンベで言えば、
- 10kg以上の固定式のボンベは、ガスメーターを付けて使う
- 屋内で使えるガスボンベは8㎏ボンベまで、それ以上のサイズのボンベは屋外でしか使えない
といった決まりがあります。
また、家庭用、バルクタンク、工業用、自動車用といった種類やボンベの大きさによって、
- 何年ごとに検査をするか
- どういう検査をするか
も違います。
ボンベの種類や大きさで管理ルールや検査が違うわけ
なぜ大きさや種類によって、管理ルールや検査が違うかというと、
一言で言えば、『安全のため』です。
プロパンガスボンベには、
- 一定の圧力を保ちながら、可燃性の高圧ガスを安全に格納する
- 高圧ガスを入れた状態で運搬されても安全を保つ(振動や多少の衝撃に耐える)
- 屋外に設置するボンベの場合、長い期間、雨や日光、温度変化などに耐える
といった、安全を守るための役割があります。
この役割を果たすために必要な強度や構造、ボンベの素材は、ボンベの容量や用途によって違います。
となれば当然、検査の内容や時期も違ってくるのです。
どの大きさのガスボンベを選ぶと良いの?
一般的な場面でガスボンベを使う場合、どのサイズのボンベを使うのが良いのでしょうか?
ここからは、ガスボンベを選び方を解説していきます。
家庭で使うガスなら20kgか50kg
一般家庭で、プロパンガスを利用する場合に多いのが、20kgと50kgのガスボンベです。
筆者の家では、50kgのボンベを2本置いて使っています。
多くの場合、どのガスボンベで供給するかは、
ガス会社と契約した時に、ガス会社で決めてくれます。
ガス会社では、ガス供給のコストなども考えて、ボンベのサイズを決めているはずです。
あまりに小さいガスボンベで供給すると、ボンベの交換も頻繁になり、コストがかかります。
家庭での供給は、ガス会社から配送されるサイズのボンベを使うのが、おすすめです。
イベントの露店や模擬店などで使いやすい小型ボンベ
2kg~10kgくらいの小型のボンベは、持ち運びもしやすく
- 学園祭やイベントなどでの露店や模擬店
- キャンプやバーベキューなど、アウトドアでの料理
といった場面で、よく使われています。
中でも人気なのが、5㎏のボンベ。
ある程度ガスの量もあり、大きすぎず扱いやすいサイズです。
ガスボンベのレンタルでは、このサイズが一番人気なんですよ。
10kgのボンベは、強火でも長時間使うことができます。
時間をかけて、コトコト煮込むタイプの料理をする時には、適していますね。
使用時間の目安は、2重コンロで使用した場合、
2kg
⇒約4時間
5kg
⇒約10時間
8kg
⇒約16時間
10kg
⇒約20時間
を目安に考えると良いです。
なお、屋内で使用できるのは、8kgボンベまでです。
使用場所も考えて、ボンベのサイズを選んでくださいね。
イベントなどで一時的にガスボンベを使うなら、レンタルがおすすめです。
ガスボンベのレンタルについては、こちらの記事でまとめてありますので、気になる人は読んでみてください。
関連記事:プロパンガスボンベのレンタル料金をチェック!おすすめ業者は?
大容量のバルクタンク
バルクタンクは、『バルク供給システム』というガスの供給方法で使うタンクです。
普通のガスボンベ供給は、ガスを充填したボンベを交換する方法で、家庭に供給されます。
一方バルク供給システムでは、バルクタンクを設置し、その中に直接ガスを補充する方法で供給します。
バルク供給システムは、ガスの使用量が少ない家庭では、コストが高くなってしまいます。
でも、ガスの使用量が多い家庭なら、ボンベよりおトクですよ。
バルクタンクには、いろいろなサイズがあり、また縦型、横型もあり、
ガスの使用状況や置き場所によって、サイズや型をえらぶことができます。
『バルク供給システム』については、こちらの記事で詳しくまとめてます。
関連記事:プロパンガスをバルクタンク供給システムにするメリットとデメリット
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まとめ
ガスボンベには、カセットコンロ用ボンベから工業用の大きなボンベまで、様々な種類や大きさ、形のものがあります。
テーブルの上で手軽に使えるカセットコンロ用のボンベや、露店で使う小型のボンベ。
そして家庭での供給に使う50kgボンベから、工業用の3,000kg近く入るボンベもあります。
意外なところでは、タクシーやバス、フォークリフトなどでも使われています。
どのサイズのガスボンベが良いかは、
イベントの露店や模擬店など、一時的に使う
⇒2㎏~10㎏くらいの小型のガスボンベ
家庭でのプロパンガス供給で、ボンベを動かす必要がなく、ある程度量が必要
⇒20~50㎏ボンベ
家庭や施設など、大量にガスを使う
⇒バルクタンク
という風に、用途から考えると決めやすいですよ。
使う場面や使いやすさ、必要なガスの量などを考えて、選んでくださいね。